足のむくみの原因とスッキリ解消法!
一日の仕事を終えてほっと一息吐いた時、ふくらはぎがパンパンに腫れていたり、怠さや痛みを感じることはありませんか?
これはいわゆる「足のむくみ」が起こっている状態なのですが、むくみは冷え症や貧血と並んで女性の〝3大お悩み〟とも言われており、多くの女性が抱えているものです。
しかしそれゆえに、ごく日常的に誰にでも起こることだからと、むくみが出ても心配したり不安になったりする方は案外少ないと言います。
実際に、足のむくみ自体は病気ではなく、血管やリンパ管から水分が漏れ出し、皮膚下の細胞組織に溜まってしまうことで起こります。
それに多くの場合一過性であることから、足がむくんでいると気付いてもそのまま放置する方が多いのが現状のようです。
しかし、足のむくみには思わぬ病気が隠れていることもあります。
そこで今回は、足のむくみの原因や解消法についてご紹介したいと思います。
足のむくみの原因は?
足がむくむ原因には、主に以下のことが挙げられます。
1.長時間同じ姿勢でいる
足のむくみは、夕方から夜に掛けて起こる方が多いのですが、仕事や学校で椅子に座ったままだったり、ずっと同じ姿勢をとっていると血行不良が起こりやすくなります。
それによって血液やリンパ液の流れが悪くなり、老廃物が溜まってむくみを起こしてしまいます。
2.下着や靴の締め付け
サイズの合わない靴やハイヒールを履いていると、足に大きな負担が掛かり血行が悪くなることがあります。
また、下着に締めつけられることによっても血行不良が起こるため、むくみを生じることがあります。
3.筋肉量の低下
男性に比べて女性に足のむくみで悩む方が多いのは、そもそもの足の筋肉量の違いがあります。
足は心臓から遠く離れている場所にあるため、心臓から送られてきた血液を足の筋肉をポンプのように使って送り返すのですが、筋肉が少ない女性は男性よりも送り返す力が弱いために、血液が滞りやすくなってしまいます。
また、加齢による筋肉量の低下もむくみの原因となります。
4.月経や妊娠によるもの
女性の場合、ホルモンバランスの変化が足のむくみの原因となることがあります。
特に月経前には、プロゲステロンという黄体ホルモンが分泌されることにより、体内に水分を溜めこむ力が強くなります。
また、妊娠によっても女性ホルモンのバランスが崩れてむくみが起こりやすくなります。
5.冷え
むくみと並んで多くの女性を悩ませている「冷え」ですが、実は冷えとむくみには密接な関係があります。
体が冷えるというのは血行不良が起こっている証拠ですので、冷えはむくみを誘発する直接的な原因と言えます。
6.塩分の摂りすぎ
味付けの濃い食べ物を摂ると喉が渇きますが、これは、塩分の摂りすぎによって血液内の塩分濃度が高くなったため、水分を補充して濃度を下げるために働くシステムです。
このような食生活を日常的に繰り返していると、常に水分を多く摂取するようになり、体がむくみやすくなってしまいます。
7.アルコールの摂りすぎ
アルコールには利尿作用があるため、大量に飲むとそれだけ尿として排出される水分の量も増えます。
一見するとむくみには無関係のように思えますが、尿として排出される量が増えすぎると体内の水分が足りなくなり、結果としてより多くの水分を摂取しようとして、むくんでしまうのです。
8.病気の可能性
足のむくみが起こる原因の中には、病気である可能性もあります。
特に「静脈還流障害」や「甲状腺機能低下症」などは女性に多い病気とも言われており、症状の一つとして足のむくみを発症する場合があります。
また、体内に水分が過剰に溜まってしまう原因に、腎臓の機能不全も考えられます。
むくんでいるのに尿の量や回数が少ないと感じたら、腎臓の病気を疑ってすぐに病院へ行きましょう。
足裏のむくみの原因は?腎臓病などの病気の可能性はあるの?
通常、足のむくみとしてよく挙げられるのが「ふくらはぎ」や「足首」のむくみです。
しかし、中には足裏もむくんでしまって歩くのも困難になる方や、痛みが取れなくてつらいと訴える方もいらっしゃいます。
足裏がむくむ主な原因は、心臓から最も遠く離れている部分であることから血行不良が起こりやすいことが考えられます。
また、足に十分な筋力がないとどんどんと重力に引っ張られて水分が下に溜まっていきますので、運動不足なども足裏のむくみの原因として挙げられます。
さらに、足裏のむくみの他に顔や体全体にむくみがある場合は、腎臓の機能不全の可能性も考えられます。
腎臓には、血液中の塩分や老廃物を濾過し体外へ排出する働きがあるため、この機能に何らかのトラブルが生じると尿が出づらくなり、老廃物が体内に溜まってしまいます。
足裏のむくみが一時のものならそれほど問題はないかも知れませんが、長く続く場合や他にも症状がある時はすみやかに病院へ行きましょう。
足首のむくみの原因は?
足首がむくむ原因には、足のむくみの原因と同様に血行不良や塩分の過剰摂取などが主にあります。
しかし、足首のむくみが気になるという方の中には、特有の原因が隠れている場合もあります。
それは、「歩き方」です。
靴を新調すると、すぐにかかとばかりがすり減ってしまう方や、平らなところを歩いているにも関わらずよく転んでしまうという方は、ずり足といって足首の関節や筋肉を使って歩いていない可能性があります。
足首を使わない生活を続けていると、そこの筋肉が固まってしまい血行不良を起こしやすくなります。
適度にウォーキングなどの運動をしたり、ストレッチなどで体を解しているにも関わらず、足首のむくみが気になるという場合は、足首を意識した歩き方やストレッチを取り入れてみて下さい。
足の甲のむくみの原因は?
足の甲がむくんでしまう主な原因は、血行不良によるものです。
最近は、足の甲がパンパンに腫れた状態を「クリームパン足」と呼ぶようですが、クリームパン足は特に女性に多いむくみの一つと言われています。
その原因に、女性が好んで履く靴の種類にあります。
中でもハイヒールの場合は前傾姿勢になりやすいため、足の甲は常に圧迫され血行不良を起こしやすくなります。
また、パンプスやミュールなど足の甲が外気に直接触れる靴は冷えの原因となり、こちらも血行不良が起こりやすくなると言われています。
もし、足の甲のむくみが気になるようでしたら、それは履いている靴が原因かも知れません。可能であればスニーカーなどに履き替えて様子を見てみましょう。
痛みを伴う足のむくみの原因は?
むくみは、体内に水分が多く溜まった状態であるため、多くの場合は痛みを感じることはありません。
しかし、稀に痛みを感じるむくみというものがあります。
痛みを感じるほどのむくみが起きている時は、血管内に溜まった老廃物が許容値を超え、血管が詰まり幅が狭くなっている可能性があります。
これは、「閉塞性動脈硬化症」と言って、血液が末端まで行き届かなくなってしまう疾患です。
閉塞性動脈硬化症は、むくみや痛みの他に冷えやしびれなどが出ることがありますが、症状が軽い時は少し休んだり、マッサージをすることで改善されるケースがあるため、放置されやすく気が付いたら症状がかなり進行しているケースもあります。
「単なるむくみ」と思っていたら、やがて安静にしている時も痛みが続くようになってしまいますので注意しましょう。
足のむくみを解消するマッサージのやり方
足のむくみの多くは、老廃物が溜まることで起こります。
足の疲れはその日のうちに解消しておくのが一番。
そしてそのためには、マッサージがとても効果的です。
老廃物がどんどんと溜まると、肌のボコボコの原因となるセルライトになってしまいますので、セルライトの予防や改善のためにも、できれば毎日行うのがよいでしょう。
それでは、足のむくみ取りのマッサージの方法をご紹介します。
1.片足の膝を立てて、床に座ります。
2.手をグーの状態にしてくるぶしを挟み、中指を曲げて尖った部分で足首を軽く刺激します。これでまずは足首に溜まったリンパ液を流してあげましょう。
3.そのまま膝を立てた方の足首を両手でつかみ、そこから膝の下まで擦るように撫でていきます。この時、ふくらはぎを強い力で揉む必要はありません。
4.膝の下まできたら、膝裏に流すようにして膝裏を少し強めに押します。
5.膝裏から今度は太ももの付け根まで、同じように優しく擦ります。太ももの付け根まできたら、膝裏と同じように少し強く押しましょう。
6.これを両足10回ずつ行います。
膝裏と太ももの付け根には、リンパ節があります。
リンパ節を押して刺激をするとリンパ液の流れがよくなります。
むくみ足に即効で効くツボ
次に、足のむくみ取りに効くツボをご紹介したいと思います。
・解谿(かいけい)・・足首を前から見た正面の真ん中あたりにあるツボ。ここを刺激すると代謝が促進されます。
・太谿(たいけい)・・くるぶしの内の後ろ、アキレス腱との間にあるくぼみにあるツボ。体の冷えやホルモンバランスの崩れを緩和します。
・水泉(すいせん)・・くるぶしの内後ろより少し下にあるツボ。押すと腎臓の働きが活発になり、老廃物が体内に溜まるのを防いでくれます。
・委中(いちゅう)・・膝の裏の真ん中のくぼみにあるツボ。足の冷えを緩和してくれます。
・承筋(しょうきん)・・ふくらはぎの一番膨らんでいるところ。ふくらはぎの筋肉を支えている部分なので、ここのツボを押して足の疲労を解消します。
・承間(しょうかん)・・承筋と承山の間。むくみだけではなく、足や腰のだるさや疲れも緩和します。
・承山(しょうざん)・・膝の裏から足首までのちょうど中間部分にあるツボ。腎臓の働きを促進する効果があります。
・だん中・・左右の乳首の中間部分にあるツボ。このあたりを押して一番痛いと感じるのがだん中です。だん中を刺激すると血行を促進する効果があるため、むくみの解消に役立ちます。
・無名穴(むめいけつ)・・内太ももの真ん中を押して、痛気持ち良く感じる部分が無名穴です。ここを刺激すると血行がよくなり老廃物を排出する働きがアップします。
普段からできる足のむくみの予防方法
足のむくみが慢性化すると、それを元に戻すのはなかなか大変と言えます。
そこで、普段から足がむくまないように予防をすることがとても大切です。
では、足のむくみを予防する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
1.長時間のデスクワークや同じ姿勢で作業をする時は、1時間に1回休憩を入れましょう。
可能であればマッサージやストレッチを行いますが、立って歩くだけでも効果はあります。
また、席から離れることが難しい場合は、机の下で足首を回す、爪先とかかとを交互に床につける、などの軽い運動でもよいでしょう。
2.着圧ストッキングを使用しましょう。
着圧ストッキングには、部分によって圧力を変えることで血流の流れを促進する効果があります。
3.運動を行いましょう。
女性の場合、足のむくみは筋肉量の少なさが原因とも言えます。
とは言え、ハードな筋トレをする必要はなく、毎日20~30分ほどのウォーキングをするだけでも十分効果があると言われていますので、是非取り入れてみましょう。
運動をする時間がとれないという方は、通勤時に一駅分歩くとか、会社内ではエレベーターやエスカレーターを使わないなどの工夫をしてみるとよいかも知れません。
4.ストレッチやヨガも効果があります。
就寝前のリラックス時に、体を解すストレッチやヨガを行いましょう。
関節が固まっているとそこで血流が滞り、血行不良や冷えの原因となります。
まとめ
誰にでもよくある足のむくみですが、大きな病気が原因で起こる場合があるため「たかがむくみ」と思わないことが大切です。
一過性のむくみの場合、発症の翌日には消えてしまっていることが多いのですが、長く続く場合はむくみが慢性化しているか、むくみ以外にも何か不調が起こっている可能性があります。
そのため、足のむくみ以外にも気になる症状がある時や、むくみの解消を試してもむくみが改善されない時などは、なるべく早めに病院に行って診察してもらうのがよいでしょう。
なお、足のむくみで病院へ行く時は内科を受診するようにして下さい。
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