吐き気や頭痛やめまいを伴う首こりの解消法!効果的なストレッチやツボは?
肩こりは聞いたことがあっても、首こりという言葉はまだ聞き慣れない方も多いかも知れません。
首こりは、近年になって急激に増えている症状で、読んで字の如く〝首の筋肉が凝ってしまう〟ことを指しています。
首こりに悩んでいる方の多くは、首の付け根にこりを感じる場合が多いようです。
しかし、首と肩は繋がっているため、実際は首が凝っているにも関わらずそれを肩こりだと誤認してしまうと、根本の治療が遅れてしまうため症状を悪化させてしまうケースも少なくありません。
そこで今回は、首こりについてご紹介したいと思います。
首こりを発症してしまう原因やその解消法を詳しく掲載していますので、こちらを読んで頂くことで「頭痛や吐き気がするのは、ずっと肩こりのせいだと思っていたけれど、実は首こりなのかも・・」「最近体調が優れないのは、もしかしから首が凝っているのかも知れない・・」など、今抱えている悩みの解決に導くお手伝いができればと思います。
普段の生活で考えられる首こりの原因は?
その中でも特に最近顕著に目立つのが、パソコンやスマートフォンの普及による前傾姿勢が原因と言われている首のこりです。
パソコンやスマホを操作する時、人は無意識に画面に近付こうと体を前に倒してしまいがちです。
そして、これらを操作しているとつい夢中になり、何時間も同じ体勢のままという場合がよくあります。
このようなことから、首のこりは大人だけではなく小さなお子さんにも増えていると言われています。
部位別の首こりの原因
首のこりは、部位別に原因が異なると言われています。
そこで、ここでは部位別のこりの原因を見ていきましょう。
首の右側のこりの場合
首の右側がこる場合、パソコンやスマートフォンの操作による筋肉疲労が考えられます。
日本人は右利きの方が多いため、おのずと右手を酷使する傾向にあり、結果として首も右側が痛くなりやすくなります。
首の左側のこりの場合
首の左側がこる場合も、右側と同様にパソコンやスマートフォンの使用による筋肉疲労が考えられますが、その他にも呼吸器系に疾患があると、耳の後ろから鎖骨へと繋がる筋肉に負担が掛かりやすくなって、首の左側(右側も)が凝りやすくなります。
なお、呼吸器系の疾患には風邪や花粉症なども含まれます。
後頭部毛の生え際のこりの場合
後頭部の毛の生え際がこる場合は、寝違えや、首に負担の掛かる姿勢を長時間とったこと、転倒などで首に衝撃を受けたなどが原因として考えられます。
また、こりの他に手のしびれがあるなら、頚椎椎間板ヘルニアの可能性も考えられます。
頚椎椎間板ヘルニアとは、首の骨と骨の間にある軟骨がすり減ったり飛び出したりすることで、神経に触れ痛みがしびれを引き起こす疾患です。
首の付け根の痛みの原因と解消法!しこりや腫れや頭痛には要注意!
首こりは頭痛や吐き気の原因にも
頭痛がひどくなると吐き気を伴うこともある。
このような症状は、頭痛で悩む多くの方が抱えていると言われています。
近年は頭痛外来を併設している病院も増えていることから、頭痛の原因をしっかりと追究し、根本から治療することが可能になってきましたが、このような診療科が近くにない方は、頭痛を薬で抑えながら仕事や家事・育児をしていることも多いでしょう。
女性の場合、片頭痛の発症率が高いと言われていますが、実は頭痛は頭だけが原因で起こるわけではありません。
特に最近多いと言われているのが、頚椎(首)の筋肉疲労が原因による「緊張型頭痛」と言われています。
緊張型頭痛は、長時間同じ姿勢を行うことで首の筋肉が疲労し、血行不良に陥ることで発症すると考えられています。では、片頭痛と緊張型頭痛を見分けるにはどうしたらよいのでしょうか。
それは、お風呂に入るとわかります。
お風呂に入って体が温まり、血行がよくなった時、頭痛が緩和されるようでしたら、緊張型頭痛の可能性が高いです。
一方、お風呂に入ると余計に頭痛がひどくなるなら片頭痛の可能性があります。
自分の頭痛が緊張型頭痛かも知れないと思ったら、パソコンやスマホを見る時間を制限したり、首に負担が掛かる姿勢をしていないか注意してみましょう。
首こりはめまいの原因にも
雲の上を歩いているような不安定感や、船に乗っているようなふわふわとした感覚のするめまいは、動揺性めまいと言われ、首こりや肩こりに悩む方の多くが経験していると言われています。
首の筋肉疲労や骨の異常によって血行不良や椎間板の圧迫が生じ、そのような状況で急に頭を動かすことで脳に影響を与えているものと考えられています。
このようなめまいは「頚性めまい」と呼ばれ、めまいの発症原因として多い耳や脳を検査しても異常が見つからなかった時に疑われる原因となりますが、レントゲンやMRIを行っても診断が難しい場合もあるようです。
ストレッチで首こりを解消する方法
1.椅子に座り、両手を頭の後ろで組みます。
2.息を吐きながら、3秒かけてあごを下にひきつけます。
3.今度は、息を吸いながら3秒かけて胸を張りながら、あごの位置を元に戻します。
4.この動作を3回繰り返しましょう。
5.次に、両腕を背中に回し、左手の手首を右手で掴んだら右側に引っ張り、首も右側に倒します。
6.5秒数えたら、一旦腕を元に戻し、今度は背中で右手の手首を左手で掴み、左側に引っ張りながら、首も左側に倒します。
7.こちらも5秒行い、左右3回ずつ行いましょう。
8.3回ずつ行ったら、首を大きく回します。この時、呼吸は止めずにゆっくりと続けて下さい。
9.これを3~5回行って終了です。
マッサージで首こりを解消する方法
1.親指以外の4本指を、後頭部下の首の付け根にあて、下から上へ円を描くようにしてマッサージをします。
2.円を少しずつ首の下の方へ下げていきます。
3.肩付近までマッサージしたら、次に左腕を体の前から回し、親指で首の付け根あたりから方に向かって順に押していきます。
4.同様に、右腕を前に回し、左の首の付け根から肩のあたりを親指で押しましょう。
5.次に、両手を背中に伸ばし、肩甲骨から体の前の方へ5本の指でなぞります。
6.さらに、両手で首の後ろを掴むようなイメージで、下から上へと擦って下さい。
7.最後に、首の中心を覆っている僧帽筋の外側にあるツボを親指で押して終了です。
入浴で血行を良くし首こりを解消する方法
忙しくてゆっくりお風呂に浸かる時間がないから、と毎日シャワーで済ませてはいませんか?
お風呂は一日の汚れをとるのと同時に、疲れを癒す絶好の時間でもあります。
特に首がこっている方はシャワーではなく、湯船に浸かることが大切です。
その場合、少し熱めのお湯(39~40度)に10~20分浸かるとよいでしょう。
あごまでしっかりと浸かることで、首の血行がよくなり、疲労の元が早く排出されてこりや痛みが軽減されます。
入浴時のリラックス法として半身浴を好まれる方もいますが、半身浴では首や肩がお湯に浸からないため冷えてしまうのでお勧めできません。
必ず全身浸かるようにしましょう。
なお、心臓の弱い方や血圧が高めの方がこの入浴法を行うと、体調不良を起こす場合があるため、そのような場合は温度を下げたり、浸かる時間を短くするなど無理をしないようにして下さい。
運動で首こりを解消する方法
1.左手を右の頬にあて、右手を上に伸ばしてゆらゆらと揺らします。
2.次に、右肩に左手を置き、右手を揺らします。
3.さらに、左手を右胸に置き、右手を90度に曲げて揺らします。
4.続いて、右脇腹に左手を添え、右手は外側に向けて揺らします。
5.そのまま、お腹、腰と移動させてみましょう。
6.反対側も同様に行います。
タオルで自分に合った枕を作り首こりを解消する方法
1.大判のバスタオルを用意しましょう。
2.用意したバスタオルを4つ折りにします。
3.バスタオルの片端を10㎝(首にあたる部分)折り、残った部分を半分に折ります。
4.最初に折った部分が首にあたるように配置したら、その上に頭を置いて寝てみましょう。
5.これで低い場合は、同じ大きさに折ったタオルを下に敷いて、高さを調整して下さい。
首こりが楽になるツボ
●風池(ふうち)・・後頭部の下、首筋の外側、うなじのくぼみ部分にあるツボです。
●天柱(てんちゅう)・・風池から親指一本分下にあるツボです。
両手の親指でツボを押しながら、頭を前後にゆっくりと動かしましょう。
●完骨(かんこつ)・・耳の後ろにある出っ張った骨から、指一本分下に移動したところにあるツボです。
●天容(てんよう)・・完骨の下にあり、下あごの角の下に位置するツボです。
指でツボを押しながら、頭の重みを指に掛けることでツボへの刺激を高めます。
指を上に押し上げるイメージで行いましょう。
首のこりを伴う疾患や病気は?
首のこりの多くは、筋肉疲労による血行不良が原因と言われていますが、中には一見すると関連のなさそうな病気が原因の場合もあります。
では、首のこりが症状として現れる病気には、どのようなものがあるのでしょうか。
- 髄膜炎
- 感染性脊椎炎
- 脊椎腫瘍
- うつ病
- 不眠症
など
髄膜炎や感染性脊椎炎の場合は、菌やウイルスが首や脳に入り込み、炎症や痛み、発熱といった症状を引き起こします。
また、うつ病や不眠症などの現代人に多い疾患は、首のこりによって自律神経に乱れが生じ、それが原因となって発症している可能性があると言われています。
気分が落ち込む、めまいがする、人に会いたくない、不安感が強い、寝つきが悪い、もしくはなかなか眠れないなどの症状からうつ病と診断されたにも関わらず、抗うつ剤などの薬による治療を行っても改善しない場合、首がこっていないか、張ったり痛むことはないか注意してみて下さい。
もし、そのような症状があるなら、それは首のこりが直接の原因かも知れません。
首こりがなかなか治らない場合、病院は何科に行けばいいの?どんな治療をするの?
首のこりがなかなかよくならない、ひどくなっている場合は、病院を受診するようにしましょう。
その際、受診する科は整形外科になります。
整形外科では、患部のレントゲンを撮って骨折などがないか調べることができます。
その上で、首の牽引やマイクロ波による治療などが行われます。
なお、病院に比べ、整体やカイロプラクティックの方が通いやすいという理由で選択する方も多いようですが、首には全身に作用する神経が通っていることから、安易な治療を受けることは大変危険です。
また、同じような治療をしていても、病院では医師による行為であるのに対し、整体などでは医師免許を持った人が施術を行うわけではありませんので、その点はよく注意しましょう。
日常生活でできる首こり予防法
首がこる原因は、筋肉疲労や血行不良によるものが大きいと言われています。
そこで、毎日の食生活で筋肉疲労や血行不良を改善する食品を摂取するように心掛けてみましょう。
筋肉疲労を回復するには、ビタミンB群が欠かせません。
ビタミンB群は、豚肉や卵、大豆、かつおやマグロなどの魚、海苔などに多く含まれています。
また、血行を促進するならビタミンEを摂るのがお勧めです。
ビタミンEは抗酸化作用に優れ、冷え症の改善にも効果があります。
ビタミンEを多く含む食品にはナッツ類や、オリーブオイルなどがあります。
これらを日常的に意識して摂取することで、首のこりの元となる筋肉疲労や血行不良を予防することができます。
まとめ
あなたは、通勤時に電車の中でスマホを見て、仕事で一日中パソコンを使用し、帰宅後は寝るまでまたスマホを触ってはいませんか?
このような生活を長く続けていれば、首の筋肉は疲労し自律神経がどんどんと乱れてしまいます。
現代病とも言われるうつ病やパニック障害は、首のこりが発端となって起こるケースがあるという医師もいることから、「たかが首のこり」と言って見過ごすことは危険です。
もし、あなたが上記のような生活習慣に見覚えがあるなら、まずは毎日の過ごし方を改めてみましょう。
スマホを見る時間を決めたり、仕事中は1時間に1回程度休憩をとり、首や肩をリラックスさせて下さい。
そうした予防を行うことで、首のこりを防ぐことができるだけではなく、大きな病気を発症するリスクを下げることができます。
コメント