頭痛や吐き気を伴うひどい肩こりの原因や症状と解消法!
日本人にとって、とても身近な症状の一つと言われている〝肩こり〟
厚生労働省のある調査によると、女性が感じる気になる自覚症状の1位が肩こりという結果に。
ちなみに、男性は1位の腰痛に次いで肩こりは2位にランクイン。
男女問わず成人の約9割は、過去に肩こりの経験がある、もしくは現在も抱えていると言われており、もはや国民病といっても過言ではないほど多くの方が肩こりに悩んでいます。
しかし、肩こりと言ってもその症状は単に肩の痛みだけには留まりません。
中には頭痛や吐き気などを伴うケースもあり、そうなると日常生活に支障をきたしてしまいます。
このようなことから、症状が軽いうちにできるだけ早く治しておきたい肩こりですが、そもそも肩こりがどうして起こってしまうのでしょうか。
また、肩こりには湿布やストレッチをするとよいと聞きますが、この解消法は本当に正しいのでしょうか。
そこで今回は、肩こりについて調べてみました。
慢性的に肩こりに苦しんでいる方は勿論ですが、最近肩こりが気になる方にも是非お読み頂けたらと思います。
日常の生活で考えられる肩こりの原因は?
では、肩周辺の筋肉疲労はどのようにして起こるのでしょうか。
日常の生活で考えられる肩こりの原因となる筋肉疲労には、次のようなものがあります。
1.長時間、同じ姿勢をとり続けている
デスクワークや運転などで、長い時間同じ姿勢を続けていると、筋肉の使用範囲が固定されてしまい、疲労が溜まりやすくなってしまいます。
2.緊張によるもの
大事な会議の予定があったり、人見知りの性格にも関わらず人前で話さなければならないなど、緊張している状態が続いたり精神的なストレスを感じると、首や肩周辺の筋肉が硬くなってしまい疲労しやすくなります。
3.目の疲労によるもの
パソコンの使用などで長時間目のピント調節を行う作業をすると、目の疲れから首や肩の筋肉が収縮し、コリが生じる場合があります。
4.寒さや冷えによるもの
人は寒いところにいると無意識に体を縮めて体温を逃さないようにするため、首や肩に力が入ってしまい肩こりが起こります。
5.癖によるもの
足を組む、机に肘をつく、猫背などの癖がある人は、一定の筋肉ばかりを使ってしまうため、筋肉疲労が起こりやすいと言われています。
部分別の肩こりの原因
肩こりの経験がある方ならわかると思いますが、肩こりは両肩が同時にこるということは稀で、大抵はどちらか一方の肩だけがこりますよね?
実は、右肩か左肩かによって、肩こりの発症原因が異なる場合があります。
そこでここでは、肩こりの原因をさらに詳しく部分別に分けてみました。
右側の肩こりの場合
日本人は、左肩より右肩にこりを感じる方が多いと言われています。
それは、右利きの方が多いためです。
字を書く、ご飯を食べる、鞄を持って歩くなど右手を使うことが多いので、左手や肩と比べてどうしても疲労が溜まりやすいのが原因と考えられます。
左側の肩こりの場合
左の肩がよくこるという場合は、筋肉疲労の他に考えられるのが胃腸の疲れによる肩こりです。
体の左側の筋肉は胃と繋がっているため、胃の動きが悪くなって筋肉の収縮や偏りが起こると、おのずと左側の肩だけがこってしまうことがあります。
肩こりは頭痛や吐き気の原因にも
肩こりが続いて首や肩周辺の筋肉が硬くなると、やがて血行不良が起こり、頭痛や吐き気を引き起こします。
肩こりが原因の頭痛は、「緊張型頭痛」や「肩こり頭痛」と呼ばれ、頭痛の中で最も発症数の多いものとなっています。
一度発症すると、治まるまで比較的長時間頭痛が続くケースが多く、中にはふわふわとしためまいを伴う場合もあります。
また、肩こりによる吐き気が起こる原因にも頭痛が関わっていることが多く、肩こり→頭痛→吐き気というパターンが殆どだと言われています。
しかし、中には頭痛を伴わない吐き気も存在し、その原因は血行不良が原因で脳に十分な酸素が行き渡らなくなることや、胃腸の動きが低下することで起こると考えられています。
ストレッチで肩こりを解消する方法
1.顔を軽く斜め上に向けます。
2.鎖骨のあたりに両手を置き、クロスさせます。この時、鎖骨の皮膚を下に伸ばすイメージで行いましょう。
3.そのまま、顔をゆっくりと左に倒します。倒したら5秒キープします。
4.一旦元に戻したら、今度は右に同じように倒し、5秒キープします。これを左右3~5回行いましょう・
マッサージで肩こりを解消する方法
1.耳の下から鎖骨まで、両手の指や手の平でなぞるように10回擦ります。左右行いましょう。
2.次に、肩に手をあて、鎖骨に向かって左右の手の平で10回擦ります。こちらも左右の肩を行うようにしましょう。
3.さらに、肩先から鎖骨に掛けて、左右4本の指で交互に擦ります。
4.最後に、肩の位置から手をまっすぐ前に伸ばした状態で、片方の手の平を手首から脇の下まで密着させるようにして擦ります。この時、手首の外側から擦って肩に届いたら内側を擦るようにします。左右5回繰り返して下さい。
肩甲骨はがしで肩こりを解消する方法
1.床に横になって寝そべります。最初は、右手を伸ばした上に頭を載せて寝て下さい。
2.左足は前に下ろして床に付け、体がぶれないように安定させましょう。
3.左手を曲げた状態で、上下に4回動かします。
4.次に、前後へ4回動かします。
5.さらに後ろ回しを4回行います。
6.2回目は、動きに呼吸を合わせて行ってみましょう。左手を上下に動かす時は、上げる時に息を吸い、下げる時に吐くようにします。前後の時は手が前に出たら息を吐き、後ろに下げる時は息を吸います。後ろ回しは、吸いながら半周、吐きながら半周行いましょう。
7.呼吸を意識しながら、もう1セット行いましょう。
8.合計3セット終わったら体を起こして、肩を上下に動かしてみましょう。肩甲骨はがしを行った方(上記の場合は左)が軽く感じられると思います。
9.左が終わったら、右も同様に行いましょう。また、床に寝ないで座った状態で左右同時に行っても構いません。
肩こりには冷湿布?温湿布?どちらがいいの?使うタイミングは?
しかし、湿布には冷湿布と温湿布の2種類があり「肩こりにはどちらを使ったらよいの?」と悩む場合も多いと思います。
まず、結論から言うと、どちらでも構いません。
「ひんやりと冷たい方が気持ちがよく、肩こりがよくなる気がする」なら冷湿布を、「ぽかぽかと温かい方が血行がよくなって、肩こりの症状がやわらぐ」と感じるなら温湿布を使いましょう。
実は、冷湿布も温湿布も同様の鎮痛成分(サルチル酸メチルやインドメタシンなど)が入っており、痛みを緩和するという意味では違いがありません。
そのため、湿布を貼って肩の痛みを取ることが目的なら、どちらを使っても効果に違いはないのです。
ただし、冷湿布にはメントール、温湿布にはトウガラシエキスが入っているため、冷湿布を貼るとスーッとする、温湿布を貼ると血管が拡張されて体が温まる、と感覚には大きな違いがあります。
もし、どちらを選んだらよいかわからないという場合は、お風呂に入った時の肩こりの状態で選んでみてはいかがでしょうか。
お風呂に入って体が温まると肩こりがよくなる気がするなら、同様の感覚が得られる温湿布がよいでしょう。
なお、湿布を貼るタイミングとしては、お風呂上がりの血行がよくなっている時がベストです。
肩こりに効くおすすめの湿布
肩こりに効く湿布は、コマーシャルなどでよく見掛けますよね。
種類が豊富なため「どれを選んだらよいか迷ってしまう」方もいらっしゃると思いますので、ここでは肩こりに効くお勧めの湿布をご紹介したいと思います。
慢性化した肩こりに効果のある湿布薬
バンテリンコーワパップS
非ステロイド系の鎮痛薬であるインドメタシンを配合し、筋肉や関節の痛みを和らげます。
参考URL:http://hc.kowa.co.jp/otc/978
点温膏K
温感刺激のあるノニル酸ワニリルアミドや、血液の循環をよくするトコフェロール酢酸エステルなどを配合し、温熱刺激作用によって痛みを和らげます。
参考URL:http://www.kracie.co.jp/products/ph/1201994_2220.html
急な肩こりや寝違えに効果のある湿布薬
ボルタレンEXテープ
病院では以前から鎮痛薬として使用されていたボルタレンを配合した湿布です。
痛みが強い場合や、急な肩こりに即効性があります。
参考URL:http://www.voltaren-ex.jp/p_product/tape.html
サロンシップインドメタシンEX
インドメタシン配合で、つらい痛みに優れた鎮痛消炎効果を発揮します。
参考URL:http://www.hisamitsu.co.jp/healthcare/products/034.html
肩こりが楽になるツボ
肩井(けんせい)・・乳首から肩に向かってまっすぐ上がったところ、首と肩先の中間地点にあるツボです。
肩外愈(けんがいゆ)・・第一第二胸椎から指4本分横にいったところ、肩甲骨の上の骨の先にあたるところにあるツボです。
肩中愈(けんちゅうゆ)・・第七頚椎と第一胸椎の間、指3本分横にいったところにあるツボです。
肩こりには、上記の肩井、肩外愈、肩中愈のツボを押すと効果があると言われています。
肩こりになると、これらのツボ部分は押すと痛気持ちいいことから無意識に押していることもあると思いますが、肩がこっている方だけではなく、逆の肩のツボも押すことで体のバランスがとれ、効果がアップします。
肩こりの症状が出る疾患や病気は?
通常、肩こりは原因となっている筋肉疲労が改善されることで、症状が治まるものです。
しかし、あらゆる手を尽くしても肩こりがよくならないどころか、日増しに悪化している場合には、病気が原因の可能性もあります。
肩こりが症状として現れる病気には、以下のようなものがあります。
・心筋梗塞
・狭心症
・肺がん
・頚椎椎間板ヘルニア
・頚椎捻挫(むちうち症)
・胆石症
・肝炎
・糖尿病
・高血圧
・うつ病 など
病気と病気でない肩こりの見分け方
肩こりと一口に言っても、原因によってはさほど心配のないものから、すぐに病院で診てもらった方が良い場合と様々にあります。
では、自分の肩こりは筋肉疲労が原因の肩こりなのか、病気が原因の肩こりなのか、どうやって見分ければよいのでしょうか。
1.肩以外にも痛みがある
首や歯、背中、腰など、肩以外にも痛みがある場合は、肩ではなく臓器に何らかの異常が起こっているものと考えられます。
特に、心筋梗塞や狭心症を発症していると、左肩や背中に痛みが起こる場合が多いようです。
2.肩のこりというよりも、ズキズキ、ズンズンとした痛みがある
筋肉の疲労によるこりと、病気が原因の肩の痛みは違いがあるため、いつもと違う痛みを感じたら病院へ行きましょう。
3.しびれがある
肩がこっているのではなくしびれている時や、そのしびれが指先にまで到達している場合などは、頚椎の圧迫による可能性が高くなります。
また、脳梗塞の初期症状でも指先のしびれなどが起こる場合があります。
4.揉んでも温めても治らない
筋肉疲労や血行不良による肩こりであれば、痛む箇所を揉んだり温めたりすることで症状がやわらぎますが、症状が悪化する場合は病気の可能性があります。
肩こりがなかなか治らない場合、病院は何科に行けばいいの?
肩こりくらいで病院なんて・・と思う方もいるかも知れませんが、肩こりの原因を突きとめておくことは、隠れているかも知れない重大な病を見つける手がかりになります。
そのため、肩こりがひどい時は躊躇わずに病院へ行くことをお勧めします。
なお、肩こりだけが症状としてある場合は整形外科を、頭痛やめまい、ふらつき、手のしびれなどがある場合は脳神経外科を受診するのがよいでしょう。
日常生活でできる肩こり予防法
現代社会では、ストレスが肩こりの大きな原因とも言われています。
ストレスはこまめに解消し溜めないことが一番ですが、そのためには体を動かすことが最も効果的と言えるでしょう。
ウォーキングやジョギングなど、無理せず続けられる運動を毎日じゃなくても構わないので続けてみましょう。
運動をすることで血行が促進されると、新陳代謝が活発になり疲労物質の蓄積が解消されます。
まとめ
肩こりはとても多くの方が抱えている症状です。
しかしそれゆえに「周りもそうだから・・」と、肩こり自体を軽く考える人が多いのが現状と言えますが、肩こりには重大な病気が原因に隠れていることもあるため、症状が重い場合などはなるべく早く病院へ行って診てもらうようにして下さい。
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