頭痛や肩こり吐き気の症状の原因は眼精疲労?
読み始めるとつい夢中になってしまう本や雑誌。
パソコンやスマートフォンで調べものをしていると、いつの間にか長い時間が経っていた。
しかし、これらが習慣化してしまうと、いつも目が働いていることになり、やがて眼精疲労を引き起こしてしまいます。
眼精疲労は、目の疲れや痛みだけではなく、頭痛や肩こり、吐き気といった症状を伴うことが多いため、発症すると厄介なもの。
ひどくなると、日常生活を健全に送ることが困難になってしまいます。
そうならないためには、眼精疲労の原因や対処法を知っておくことがとても大切ですよね。
そこで今回は、眼精疲労について詳しく調べてみました。
眼精疲労とは?どういう状態なの?
眼精疲労とは、目で物を見ているだけで、目に疲れや痛みを感じる症状のことを言います。
長時間本を読んだり車を運転すると、目の筋肉や神経を使うために疲労が溜まりやすくなりますが、このような状態は一般的に〝疲れ目〟と言われるものです。
眼精疲労は、疲れ目よりも症状が重症である場合を指し、休息や睡眠をとっても目の疲れや痛みが回復せず、目以外にも症状が現れるものを言います。
私達は情報の多くを目から取り入れていると言われており、普段から目はとても疲れやすいところと言えますが、それに加えて近年はインターネットやSNSの発達から、仕事・プライベートを問わずにパソコンやスマートフォンを操作する時間が格段に増えていることから、眼精疲労で悩む方が多くなっていると言われています。
眼精疲労の症状は?
眼精疲労の症状は、目に現れるもの、目以外に現れるもの、精神的なものの3つに分けられます。
ここでは、分類別に詳しく見ていきましょう。
1.目に現れるもの
・目が痛い、奥がズキズキと病む
・目が乾く
・目がショボショボとして、物が見づらい
・目のかすみ
・目がゴロゴロする
・まぶたが痙攣する
・かゆみや充血がある
・視線を違うところに移すと、ピントが合いにくい
・これまで何ともなかった照明が、急に眩しく感じるようになる
2.目以外に現れるもの
・頭痛
・吐き気
・首や肩、腕、背中に痛みやだるさを感じる
・めまい
・胃が重く感じる、食欲不振になる
3.精神的なもの
・イライラする
・不眠
・倦怠感が強い、いつも疲れているように感じる
・不安感が強い、抑うつ状態になる
眼精疲労になる原因は?
では、眼精疲労になる原因には一体どのようなものがあるのでしょうか。
1.目を使い過ぎている
最近多くなっているのが、目を酷使することによる眼精疲労です。
職場や自宅で、一人に付き一台のパソコンの保有が当たり前になっている時代において、一日中画面を見ているという方も多いのではないでしょうか。
このような状況がもたらす眼精疲労は、VDT症候群とも呼ばれています。
VDTとは、パソコンやスマートフォン、テレビ、ビデオなどのコンピュータ端末や液晶画面を指す〝Visual Display Terminal〟の略語で、目の疲れや痛みの他、角膜炎や結膜炎を引き起こす原因とも言われています。
2.目の病気
目に何かしらの病気があると、負担が掛かって眼精疲労が症状として現れる場合があります。
また、斜視や近視、乱視などの屈折異常や、合わないコンタクトレンズを使っているなども、眼精疲労の原因となります。
3.目以外の病気
高血圧や糖尿病といった生活習慣病や、バセドウ病、更年期障害、虫歯や歯周病、風邪やインフルエンザ、副鼻腔炎などの、目以外の病気が原因で眼精疲労が起こる場合があります。
4.ストレス
過剰なストレスによって自律神経が乱れ、自律神経失調症や心身症などの精神疾患になると、眼精疲労が症状として現れることがあります。
5.生活習慣の乱れ
睡眠時間が極端に短い、インスタント食品中心の食生活でしっかりと栄養を摂っていないなど、いわゆる生活習慣の乱れが原因で、眼精疲労が起こることがあります。
眼精疲労の原因となる病気は?
・緑内障
・白内障
・近視
・遠視
・乱視
・斜視
・眼瞼下垂
・ドライアイ
・結膜炎
・角膜炎 など
あなたの眼精疲労度をチェック
パソコンやスマートフォンなどの画面を、日常的に長時間見ている方の実に9割が、目の疲れや痛みを感じています。
しかし、それが眼精疲労なのかどうか、なかなか判断が付かないという場合も多いようです。
そこで、あなたのその目の疲れや肩のこりが眼精疲労から来るものなのかを、簡単に判別することができるチェックシートがありますので、確かめてみましょう。
1.1日に5時間以上、パソコンやスマートフォン、もしくはテレビを見ている
2.首や肩に痛みやコリを感じることが多い
3.目がゴロゴロしたり、目の奥が痛む
4.瞼が痙攣することがある
5.目の乾燥や充血から、目薬をよく使用している
6.まぶたが重く感じることがある
7.近くを見ていて、急に遠くを見るとピントが合いづらい
8.室内から外に出ると、眩しく感じることがある
9.眼鏡やコンタクトレンズの度を何年も調べていない
10.頭痛の頻度が増えている
11.夜、なかなか寝付けない
12.イライラすることが多くなった
13.視力が落ちてきたように感じる、または近視が進んでいる気がする
14.エアコンの効いた部屋での作業が多く、目が乾燥しがち
いかがでしたか?
上記の項目のうち、2つ以上当てはまる場合は眼精疲労の可能性があります。
早めのケアで、症状の改善に努めましょう。
眼精疲労の解消法や対処法
目の疲れや痛みを感じた場合、多くの方は「すぐによくなるだろう」と放置してしまいがちですが、眼精疲労の原因には病気の可能性もあるため、できればすみやかに眼科へ行き、原因を突きとめてもらうことが大切です。
その上で、眼精疲労の症状を緩和する解消法や対処法を行うことで、症状の改善を促しましょう。
1.パソコンやスマートフォンの作業は、1時間に10分程度の休憩をとりましょう
長時間画面を見続けることで、症状は悪化してしまいます。
職場であれば、トイレに立つ、パソコン以外の仕事を行うなど、目に掛かる負担を減らすように努力してみましょう。
2.睡眠時間をしっかりととる
睡眠と目の疲れは深い関わりがあります。
質のよい睡眠をとることで、血行が促進され目に必要な栄養や酸素が届きやすくなります。
3.目の周りを温める(冷やす)
蒸しタオルなどで目の周りを温めることで、血行が改善し筋肉のコリを解すことができます。
ただし、目が充血している時や強い痛みがある時は、炎症を抑えるために目の周りを冷やす方が有効です。
4.目薬をさす
目の症状に合わせた目薬を選び、適度にさすことで症状を抑えることができます。
眼精疲労からくる頭痛の特徴と対処法
眼精疲労が原因となって起こる頭痛には、「緊張型頭痛」と「片頭痛」があります。
緊張型頭痛は、身体的・精神的ストレスがいくつも重なって起こる頭痛で、慢性化しやすいのが特徴です。
頭の周りを何かで締めつけられているような痛みがあり、同時に吐き気やめまいが起こることもあります。
緊張型頭痛を起こさないためには、パソコンの使用や本を読む時などの姿勢に気を付け、適度に休憩を入れることが大切です。
また、血行不良も原因の一つとなるため、一日の終わりにお風呂にゆっくり浸かり、首や肩のコリを解すことも有効でしょう。
もう一つの片頭痛は、片方もしくは両方のこめかみ辺りがズキンズキンと脈打つように痛むのが特徴です。
一旦痛みが生じると長く続き、ひどい時は3日にもなる場合もあります。
痛みがピークに達すると嘔吐してしまうこともあり、仕事や家事を中断しなければならなくなります。
片頭痛が起こったら、すみやかにパソコンから離れ、体を横にして休めましょう。
片頭痛は光や音の刺激に敏感になるため、できれば暗い静かな部屋に移動した方がよいです。
また、痛みが生じる部分に冷却シートなどをあてて冷やすことで、血管が収縮し痛みをやわらげることができます。
疲れ目や眼精疲労に効果的な目の体操
目の体操を行う前の準備
両手の平を擦り、温めたら目を覆うようにしてあてます。
その状態で目を閉じたまま10秒数えましょう。
次に、手で目を覆ったまま瞬きをして下さい。
以上が準備になります。
1.10回瞬きをして、目を潤ませておきましょう。
2.息を吐きながら数を数え、両目を左側に向けます。この時、顔は動かさず、目だけを左に向けるようにしましょう。
3.息を吸いながら、元に戻ります。
4.吐きながら、次は両目を右側に向けましょう。
5.吸いながら戻ります。これを10回繰り返しましょう。
6.5回瞬きします。
7.手を擦り合わせ、目にあてたら、目を開けたまま10秒数えましょう。
8.今度は、両目を上に向けながら息を吐き、吸いながら元に戻します。続いて、両目を下に向けながら息を吐き、吸いながら元に戻すのを10回繰り返しましょう。
9.6~7を行います。
10.両目を右斜め上、右斜め下に向ける動きも同様に行いましょう。
11.6~7を行います。
12.両目を左斜め上、左斜め下に向ける動きも同様に行いましょう。
13.6~7を行います。
14.さらに、息を吐きながら両目を下半周動かし、次に息を吸いながら上半周を動かします。10周行いましょう。
15.6~7を行います。
16.反対周りも同様に行いましょう。
17.6~7を行います。
眼精疲労からくる肩こりの特徴と対処法
眼精疲労が原因の肩こりは、目の周りの筋肉の疲労が元となり、それが首や肩に伝わることで筋肉が緊張し、血行不良が起こることで肩こりが発生します。
眼精疲労に伴う肩こりを放置してしまうと、やがて腕にも痛みやしびれが起こる可能性があります。
また、眼精疲労によって肩こりが慢性的に起こるようになると、それがストレスとなってさらに肩周辺の筋肉の収縮に繋がり、症状が悪化してしまいます。
このようなことから、眼精疲労による肩こりはできるだけ起こさないようにすることが大切です。
特に、パソコンで作業する時に画面が目線より高いと、上目使いになって目が乾きやすくなることから、画面は目より下になるように設置するのがよいでしょう。
また、1時間に1回休憩をとり、軽いストレッチやツボ押しなどを行って、肩周辺の筋肉のコリをできるだけ溜めないようにして下さい。
眼精疲労からくる吐き気の特徴と対処法
眼精疲労による吐き気は、主にストレスが原因と言われています。
ストレスによって自律神経に乱れが生じると、胃腸の機能が低下し吐き気を催しやすくなると考えられます。
そのため、眼精疲労による吐き気を抑えるためには、できるだけストレスを感じないように生活することが大切になります。
この場合のストレスとは、目に掛かる直接的な負担は勿論のこと、人間関係や職場環境としった精神的なものも関係します。
定期的にストレスを発散させるよう心掛けるだけではなく、毎日規則正しい生活を送るようにするとストレスに負けない強い心身を作ることができます。
眼精疲労に効果的なツボ
・太陽(たいよう)・・いわゆる〝こめかみ〟と言われる部分、目尻から耳側に指を沿っていき、小さなくぼみのところにあるツボです。
・晴明(せいめい)・・目頭にあるツボ。
・天柱(てんちゅう)・・首の後ろ側、首筋の外側にあるツボ。
・承泣(しょうきゅう)・・目の中心の下にあるツボ。
眼精疲労を予防する対処法は?
・目を閉じて、リラックスする。
・まばたきをして筋肉をほぐす。
・目の粘膜を保護する役割をするビタミンAや、視神経の働きを高めるビタミンB1などを、意識的に摂取する。
・ガムを噛む。最近の研究により、ガムを噛むことで目の血行が促進されることがわかっています。
・適度な運動を行う。運動によって全身の血行がよくなると、目にも栄養や酸素が届きやすくなります。
・ストレスを溜めすぎないようにする。
眼精疲労の治し方と疲れ目による頭痛・吐き気・肩こりの対処法!のまとめ
眼精疲労は、目の酷使の他にも病気が原因で起こる可能性もあるものです。
目の疲れや痛みは、どなたにでも比較的起こりやすい症状と言えますが、痛みが強い場合はできるだけ早く病院へ行って、きちんと検査してもらうようにしましょう。
原因を突きとめることで対処法も見つかりますし、症状の悪化を防ぐこともできます。
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