咳止めやダイエットや美容に効果のあるハチミツ!
はちみつをはじめ、ローヤルゼリーにプロポリス、そして最近ではビーポーレンなど、蜂由来の製品はどれも健康食品として昔から高い評価を受けているものばかりです。
しかし一方で、値段の高さがネックとなり、なかなか思うように摂ることができないという方も多いのではないでしょうか。
そのような中で今、同じ蜂由来の製品ながら、手に入れやすい価格から再注目を集めているものがあります。
それは、はちみつです。
はちみつと言うと、砂糖の代わりの甘味料として使う方が多いですが、実はそれだけではもったいない!と思えるような効果・効能がたくさんあるのです。その数は何と15にも及びます。
そこで今回は、健康と美容のために是非毎日摂取したい、はちみつの驚くべきパワーをご紹介したいと思います。
はちみつの栄養素や成分とカロリー
はちみつは、花から採取した蜜とミツバチの体内で生成される酵素が合わさってできたものです。
その8割は糖分と言われていますが、ミツバチは蜜だけではなく花粉も巣に持ち帰るため、花粉に含まれる様々な成分がはちみつにも含まれていると言われています。
内訳としては、ビタミンCやB1、B2などのビタミン類を始めとして、ナトリウム、鉄、カルシウム、リン、マグネシウム、亜鉛などのミネラルや、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、チロシンなどのアミノ酸、ジアスターゼなどの酵素、それにポリフェノールが含まれます。
また、はちみつのカロリーは100gあたり294㎉と、一見すると一般的な砂糖と比べて(砂糖のカロリーは100gあたり384㎉)それほど差がないように思えますが、ショ糖のみで構成される砂糖(白砂糖)に対し、はちみつはぶどう糖と果糖の2つから成るため、甘みを強く感じやすくなります。
このため、実際に使用する場合は、砂糖の1/3程度の量で十分な甘みを感じることから、使用量が必然的に抑えられカロリーを減らすことができます。
はちみつの15の効能・効果
イギリスには、「The history of honey is the history of mankind.(はちみつの歴史は人類の歴史)」という古いことわざがあります。
このようなことから、はちみつは太古の昔より人間にとって大切な存在だったということがよくわかります。
そしてはちみつは、今のように嗜好品として摂取されるだけではなく、暮らしの中で様々な役割を果たす重要なものであったと言われています。
そこでここでは、はちみつの知られざる15の効果・効能についてご紹介したいと思います。
強力な殺菌効果
はちみつに含まれるグルコン酸は、医療現場で消毒に使われている成分。
さらには、空気中の水分を吸収することでオキシドールという成分を発生させることもわかっており、このオキシドールも医療現場で消毒に使われる成分であることから、はちみつには非常に強力な殺菌効果があると考えられています。
擦り傷や火傷の治療
上記でもご紹介した通り、はちみつには強い殺菌効果があることがわかっています。
加えて、はちみつは吸水性に優れているので、擦り傷や火傷の時に塗ると患部の水分を吸って乾燥させ、傷口を早く治す働きがあると言われています。
口内炎の治療
口内炎にはちみつが効く、というのは日本でも昔から伝わる民間療法の一つですが、近年の実験では軟膏や口内炎用の貼り薬よりもはちみつを塗った方が口内炎が早く治ったという研究データも出ています。
二日酔いの予防と解消
二日酔いは、肝臓でアルコールが分解される際に発生する〝アセドアルデヒド〟という有害物質が原因で起こります。
アセドアルデヒドは最後には水と炭酸ガスに分解されますが、そこに行きつくまでは頭痛や吐き気で苦しまなくてはいけません。
しかし、はちみつに含まれる果糖には、アセドアルデヒドの分解を促進する働きがあることがわかっており、お酒を飲む前や飲んだ後にはちみつを摂取することで、二日酔いを予防したり解消する効果があると言われています。
咳止めや喉の調子を整える
はちみつに含まれるグルコースオキシターゼという酵素は、空気中の水分を吸収するとオキシドールという殺菌作用に優れた物質を生み出します。
このオキシドールの働きによって、喉に付着した菌が除去され、喉の調子を整えたり、粘膜の炎症を鎮めることで咳止めの効果を発揮します。
不眠症を解消
不眠症の原因の多くはストレスと言われています。
ストレスを多く受けた脳内では、セロトニンという幸福を感じるホルモンが減少し、それによって寝つきが悪い、よく眠れないといった状態を引き起こしてしまいます。
このため、セロトニンを増やすことは不眠症を改善するのに必要不可欠なのですが、夜寝る前にホットミルクを飲むとぐっすりと眠れるという話を聞いたことがないでしょうか。
これは、牛乳に含まれるトリプトファンがセロトニンの原料となるためだからなのですが、その際にはちみつを入れることでトリプトファンの吸収を高め、セロトニンの生成を活発にすると言われています。
便秘を解消する
はちみつに含まれるグルコン酸は、腸内環境を整えるためには欠かせない善玉菌を増やす効果があるものです。
また、グルコン酸は有機酸の一種であるため、腸壁を刺激することでお通じを促進する働きも持っています。
胃腸の調子や下痢の解消
はちみつは、便秘だけではなく下痢の時にも摂取するとよいと言われています。
便秘も下痢も、腸内環境が悪化することで起こるため、善玉菌を増やすことで下痢を改善することができるというわけです。
動脈硬化を防ぐ
動脈硬化とは、加齢や食生活の乱れによって血管が硬くなることで、コレステロールや脂肪が溜まりやすくなり、そこに血栓ができることで、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病を引き起こす切っ掛けとなる生活習慣病の一つです。
はちみつには、血圧が高くなるのを防ぐカリウム、血中のコレステロールを除去するコリンやレシチンが含まれていることから、動脈硬化を防ぐ働きが期待できます。
疲労回復に効果的
はちみつの主成分であるぶどう糖と果糖は、単糖類といって体内に入るとこれ以上分解される必要がないもののため、吸収が素早く行われ、疲労回復に効果があると言われています。
昔から、スポーツの後に「はちみつレモン」を食べるとよいと言われているのは、疲労物質を分解する働きのある酸を一緒に摂ることで、疲労回復の効果を高める狙いがあるからです。
老化防止
老化の原因には、活性酸素による体の酸化があると言われています。
はちみつには、この酸化を抑える働きを持つ抗酸化物質であるポリフェノールやビタミンE、細胞の生まれ変わりを促進する亜鉛などが含まれているため、老化防止効果があると言われています。
脳の活性化
はちみつには、脳のエネルギーになるぶどう糖が豊富に含まれているため、受験勉強の時にはちみつを摂取すると脳の働きを促進すると言われています。
貧血改善
はちみつには、不足すると貧血になってしまう鉄が豊富に含まれていることから、貧血の予防や改善に効果があると考えられます。
肌を美しくする天然保湿の美容効果
はちみつは高い保湿性があるため、洗顔や化粧水、パックなどに加えることで、肌を乾燥から守りしっとりと保つ効果があります。
ダイエット
はちみつによる疲労回復効果によって、新陳代謝が活発になり脂肪が燃えやすくなることや、便秘解消効果によって血流が促進されるため、ダイエットにも効果があると考えられます。
寝る前に食べるだけの「はちみつダイエット」のやり方!なぜ痩せられるのか?
子どもが大人になるために必要なもの、という認識を持っている方も多いものですが、実は細胞の修復や再生が的確に行われることで基礎代謝がアップすることから、ダイエットにとっても重要な働きをしています。
この成長ホルモンの分泌を行っているのは脳ですが、脳にとって唯一のエネルギーは肝臓に貯蓄されている糖質(ぶどう糖)だと言われています。
このため、寝る前に適量のぶどう糖を摂ることで、脳からの成長ホルモンがしっかりと分泌され、基礎代謝を上げることができると考えられます。
そして、この作用を利用しているのが、寝る前に食べるだけの「はちみつダイエット」です。
その名の通り、寝る前にはちみつを食べるだけという簡単なダイエット方法なのですが、はちみつは主成分が糖質であるため、正しい方法で行わないと逆に太ってしまう場合も考えられます。
そこでここでは、寝る前に食べるだけのはちみつダイエットのやり方をご紹介したいと思います。
1.寝る3~4時間前に夕食を済ませる
遅い時間に食事をすると、胃腸が活動するため質のよい睡眠がとれず、成長ホルモンの分泌が下がってしまいます。
そのため、夕食は寝る3~4時間前に済ませるようにしましょう。
2.夕食は低炭水化物を心掛ける
寝る前にはちみつ(糖質)を摂るため、夕食でしっかりと炭水化物を摂ってしまうと、糖質の摂り過ぎになってしまうので注意しましょう。
寝る前のはちみつダイエットを行う時は、ご飯や麺類などの量を控えるようにして下さい。
3.寝る1時間前にはちみつを摂る
量は大さじで一杯程度。
さらに、寝る一時間前というこのタイミングではちみつを摂ることで、寝ている間に脳が成長ホルモンをしっかりと分泌して、脂肪の燃えやすい体を作ってくれます。
13種類の代表的なハチミツの種類
ミツバチは通常、一種類の花の蜜しか集めないため、はちみつは蜜を持つ花の数だけ種類もあると言えます。
そこでここでは、13種類の代表的なはちみつをご紹介したいと思います。
レンゲ花はちみつ
花の形が蓮(はす)に似ていることから蓮華(れんげ)と呼ばれている花の蜜で、日本では最もポピュラーなはちみつと言えます。
癖がないので、ヨーグルトやホットミルクなどの淡泊な味のものにも合わせやすいですし、肉や魚料理の隠し味や照りを出すために使う方も多いようです。
アカシア花はちみつ
あっさりとした後味のため、はちみつのまったりとした甘さが苦手という方でも比較的食べやすく感じる味と香りです。
なお、アカシアのはちみつは、他のものに比べて果糖が多いため低温でも固まりにくいのが特徴ですので、「固まるたびに溶かすのが面倒」という方にはお勧めとなっています。
トチはちみつ
東北地方の山地に生育するトチの木の花から採れる蜜で、実はトチ餅の原料となることでも知られています。
色が濃く、アカシアに次いで固まりにくい性質を持っています。
なお、トチは和名ではセイヨウトチノキが正式名称ですが、別名マロニエとも呼ばれています。
みかん花はちみつ
甘さが強く、みかんの香りと味をほんのりと感じるはちみつで、はちみつ初心者の方でも馴染みやすくなっています。
マヌカ花はちみつ
ニュージーランド原産のマヌカの木の花から作られるはちみつで、一般のはちみつよりも高い殺菌作用や抗菌力が高く、原住民のマオリ族は元々薬として使用していたほど、薬効に優れたはちみつです。
また、マヌカ花はちみつには、他のはちみつにはない独自の成分「メチルグリオキサール」が含まれています。
メチルグリオキサールは、胃潰瘍や胃ガンの原因と言われているピロリ菌や、食中毒を発生させる大腸菌やサルモネラ菌を死滅させる効果があると言われており、研究が進められています。
ローズマリーはちみつ
ハーブとしてよく知られるローズマリーから作られるはちみつで、ヨーロッパでは高級品として知られています。
ローズマリーは、葉の部分しか印象にない方も多いと思いますが、紫色や青い花を付け、そこから採れる蜜は優しい甘みと酸味があり、ほんのりとハーブティーのような香りが漂います。
同じローズマリーから作られるローズマリーティーに入れると、相性がよく、より高い香りや味を楽しむことができます。
ラベンダーはちみつ
香料に使用されるラベンダーから作られるはちみつで、ラベンダー特有の香りが強く残るはちみつとして知られています。
ラベンダーは安眠を誘う香りとして知られていますが、効果をさらに高めたい時はセロトニンの分泌を高めるトリプトファンが入ったホットミルクに加えることで、より質のよい眠りを摂ることができると言われています。
百花蜜
通常は一種類の花からしか蜜を採取しないミツバチですが、何らかの原因によって複数の花から採った蜜を集めてはちみつを作ることがあります。
これが百花蜜で、単独の花の種類を示すものではありません。
このため、同じ生産者であってもミツバチの採取する花の種類によって、毎年味や香りが異なる、面白みに溢れたはちみつです。
リンゴ花はちみつ
りんごの花から採れる、りんごの香りがふわっと漂うさわやかなはちみつです。
はちみつ自体が濃厚な味わいながら、りんごの爽やかな酸味が香るため、パンに付けてシンプルに味わうのが最もお勧めの食べ方となります。
コクもしっかりありながら癖がないので、はちみつの苦手な方でも食べやすくなっています。
クリはちみつ
栗の花から採れるはちみつで、栗の香りや渋味がそのままはちみつにも含まれており、そのままで食すには少し勇気のいるはちみつですが、滋養効果が高いことから韓国などでは人気があるようです。
コーヒーに入れて飲むと、焼く栗のような香ばしさが際立ちますし、ナッツ類が入ったパンやケーキに掛けて食べるのも相性がよいのでお勧めです。
ソバはちみつ
そばの花から採れるはちみつで、鉄分はレンゲはちみつの50倍も多く含まれています。
色が独特で、黒糖のような濃い色をおり、癖が強いのが特徴です。
そのため、そのまま食べるには不向きですが、酢豚の隠し味に入れるとコクや深みが増し、美味しく仕上がります。
また、健康飲料として黒酢に混ぜて飲むのもお勧めです。
ナタネはちみつ
菜の花から採取されるなたねはちみつは、希少価値が高く、色も白色がかっているのが特徴です。
クローバーはちみつ
特にカナダやニュージーランド産がよいと言われています。
あっさりとして食べやすいのが特徴ですが、他の花の蜜が入って風味が損なわれているものも多く出回っているため、純粋なクローバーはちみつを選ぶようにしましょう。
質の良いハチミツの選び方と注意点
はちみつはどれを選んだらよいのか、その基準がわからないという方も多いと思います。
そこでここでは、はちみつを選ぶ時のポイントをご紹介します。
・ミネラルを始めとした栄養分の多いはちみつは、色が濃く濁っていることが多い。
・安い価格のはちみつは、人工甘味料などが足されている可能性がある。
・成分表にヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の含有量が記載されている場合は、少ないものを選ぶのがよい。
・高温処理されていない、純粋はちみつを探すのがよい。
・結晶化しているものは、栄養多く含まれており本物のはちみつである可能性が高い。
・瓶を逆さにした時、気泡が出るものはたくさんの酵素を含んでいると言えます。
はちみつは種類が多いため、選ぶのに一苦労しますが、上記を覚えておくと、偽物と掴む心配が減り、栄養豊富なはちみつを見つけることができると思います。
効果的なハチミツの摂取量と食べるタイミング!食べ過ぎは大丈夫?
はちみつの理想的な摂取量は、毎食後に大さじ一杯程度(つまり一日で大さじ3杯)だと言われています。
ただし、これまでの食事にはちみつをそのまま足してしまうと、カロリーオーバーとなるため、食事の量を調節する必要があります。
また、中性脂肪の高い方の場合は一日一杯を目安にして下さい。
いくら健康や美容によいと言われているはちみつでも、摂り過ぎは肥満を招く恐れがありますので、適量を守って摂取するようにしましょう。
乳児や赤ちゃんはハチミツを摂っても大丈夫なの?
これは、赤ちゃんの場合、腸管がしっかりと発達していないため、はちみつにごく稀に含まれるボツリヌス菌に感染して乳児ボツリヌス症を発症する可能性があるからです。
乳児ボツリヌス症の症状としては、便秘や元気がない、ミルクを飲む力が弱くなった、泣き声が弱い、筋緊張性低下、よだれが増えるなどがあり、進行すると呼吸筋が麻痺することもあります。
潜伏期間が3~30日と長いのも特徴ですが、このような症状が急に現れた場合は乳児ボツリヌス症を疑い、すぐに病院へ行くようにして下さい。
ハチミツの保存方法と賞味期限
天然のはちみつは、殺菌・抗菌作用に優れているため、実質賞味期限はないと言っても過言ではないと言われていますが、国産のはちみつは風味が高いため、できれば2年以内に食べ切るようにするのが望ましいとされています。
はちみつの保存は常温で可能となっていますが、直射日光を避け、風通しのよい涼しいところでの保管がよいでしょう。
固まったハチミツの溶かし方
2.水を入れた鍋に瓶を入れ、加熱します。
3.はちみつが溶け始めたら、菜箸などで混ぜます。
4.はちみつが溶けたら鍋から取り出し、そのまま自然に冷まします。
固まったはちみつを溶かす時は、必ず水から入れて行うようにして下さい。
いきなり熱いお湯に入れると、瓶が破損してしまう恐れがあります。
また、はちみつは加熱するとせっかくの成分が消滅してしまうため、お湯は沸騰させず50度程度で行うようにしましょう。
なお、使うたびに瓶ごと湯煎するのは面倒という場合は、使う分だけを耐熱容器に入れて湯煎しても構いません。
もっと簡単に済ませたいという場合は、電子レンジを使用するのもよいでしょう。
ただし、加熱しすぎないように時間を調整しながら行うようにして下さい。
咳止めに効果のある「はちみつ大根」の作り方
1.大根を適量用意し、1㎝程度の大きさにカットします。
2.カットした大根をタッパーなどに入れ、その上から大根にかぶる程度にはちみつを注ぎ入れます。
3.そのままタッパーを冷蔵庫で保存し、一日置きます。
4.一日置くと、大根の成分がはちみつに沁み出し、シロップの量は増えています。
はちみつ大根は、そのままスプーンですくって飲んだり、お湯に溶かして飲んで摂るようにしましょう。
上記の方法で作ったものは、冷蔵庫に入れて2~3日保管することができます。
はちみつレモンの作り方やレシピ
1.レモンを皮ごとよく洗い、水気をしっかりととります。
2.5㎜程度の薄さにスライスします。
3.種を取り除いたレモンを、煮沸消毒した瓶に入れます。
4.レモンを適量入れたら隠れる程度にはちみつを注ぎ、それを何層が繰り返します。
5.そのまま冷蔵庫で3日寝かせます。1日1回は瓶を上下にし、中のレモンを動かすようにして下さい。
はちみつ15の効能・効果【咳止め・ダイエット・美容】のまとめ
健康のため、ダイエットのため、美容のため、と日々、様々な食品を摂取している方も多いと思いますが、はちみつならそのまま舐めてもよいですし、あらゆる料理に〝チョイ足し〟ができて、とても便利に使えますよね。
また、種類も豊富で、それぞれに味や特徴も異なりますから、是非今回を切っ掛けに「自分好みのはちみつ」を探してみてはいかがでしょうか。
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