短時間睡眠のコツと効果的に起きる方法!
人が健康に過ごすためには一日8時間程度の睡眠が必要と言われていることから、睡眠時間を減らすことに不安を覚える方も多いもの。
でもこの8時間睡眠、最近は根拠がない説と言われているのをご存知ですか?
むしろ長く寝過ぎることは体にとって好ましくないことがわかっており、逆に短時間睡眠であっても〝質〟がよければ、健康を維持できるとされています。
と言うことは、短時間睡眠を身につけることができれば、これまで我慢していた趣味の時間も難なく手に入れることができるというわけです。
そこで今回は、短時間睡眠の方法やそのコツ、目覚めをよくするポイントなど、短時間睡眠について詳しく調べてみました!
短時間睡眠法とは?
短時間睡眠法とは、その名の通り、短い時間で睡眠を得る方法です。
睡眠時間については以前から、8時間説を唱える方を始め、6時間や7時間、9時間、10時間など、学者や研究者によってまちまちなのが現状で、「一体何時間寝るのが体にいいの?」と頭を悩ませている方も多いものです。
そのような中、最近注目をされているのが短時間睡眠法です。
短時間睡眠法は、私達の睡眠が〝レム睡眠〟と〝ノンレム睡眠〟によって行われていることが関係しています。
レム睡眠では、体は休んでいるものの脳は覚醒している状態で、日中に起こった出来事やストレスを整理しているため、眠りが浅く、光や音の刺激で比較的目が覚めやすいと言われています。
一方のノンレム睡眠は、脳も休息状態になるため深い眠りを得ることができ、細胞の修復や再生などが盛んに行われます。
このレム睡眠とノンレム睡眠は、90分を1セットとして繰り返されているため、90の倍数を睡眠時間にすることで質のよい睡眠を得ることができると考えられています。
つまり、90分の2倍である3時間、3倍の4時間半、4倍の6時間、5倍の7時間半の睡眠が、心身の疲れをとるためにはよい時間と言えるのです。
その中でも、ノンレム睡眠は1回目と2回目が特に深くなると言われています。
ノンレム睡眠が1回目に訪れるのが就寝後3時間以内、2回目が5時間以内となっており、5時間以上が経過すると殆ど効果が変わらないと言われています。
むしろ、長く睡眠をとると浅い睡眠の割合が増えることになり、脳の覚醒を遅らせると考えられていることから、これらをトータルで考えると4時間半の短時間睡眠こそ、もっとも効率よく質のよい睡眠がとれると考えられます。
短時間睡眠の効果やメリット
これまで睡眠に8時間使っていた方が、短時間睡眠法によって4時間半の睡眠でよくなれば、単純に一日3時間半の自由時間を得ることができます。
仕事から帰り、息つく間もなく食事、入浴とこなし、気が付いたらもう寝る時間になっていて、翌朝からまた同じように仕事漬けの一日・・というパターンを繰り返している方にとっては、自分の好きなことに費やせる時間を持てるということは、大きなストレス解消になるでしょう。
また、深いノンレム睡眠によって脳も体も十分な休息を得ることができるので、頭の回転が速くなってよいアイデアが生まれるなど、仕事の効率が上がると言われています。
短時間睡眠の3つのパターン(1分・15分・90分)
寝不足が続いている(この場合は、睡眠時間に限ったことではなく、しっかりとしたノンレム睡眠を得ていない場合も含めます)もしくは、長時間の寝過ぎによって、お昼に睡魔に襲われてついウトウト・・という経験は、誰にでも一度くらいはあるのではないでしょうか。
近年は、適度の昼寝は、午後からの仕事のパフォーマンスをアップすると言われており推奨傾向にありますが、だからといって寝たいだけ寝てもよいというわけではありません。
昼寝の場合、よいと言われているのは15分程度。
これは、脳が本格的な眠りに入る前の段階で目覚めることができるため、起きた後スムーズに仕事に取り掛かることができるため。
なお、15分も時間がない場合は、1分でも構いません。
仕事の手を止め、目を瞑るだけで脳は休息することができると言われています。
さらに、休日など、もう少し長く昼寝ができる時は90分もお勧めです。
90分は、レム睡眠とノンレム睡眠の一サイクルにあたる時間なので、目が覚めた後、心身がスッキリしているのを感じられると思います。
短時間睡眠の実践方法
では、実際に短時間睡眠を実践するには、どのように行うのがよいでしょう。
ここでは、夜にとる基本の睡眠と、昼寝でとる睡眠についてご紹介したいと思います。
基本
短時間睡眠法による睡眠時間は、4時間半となっています。
1分短時間睡眠のやり方とコツ
椅子に深く腰掛け、全身の力を抜きます。
背もたれに体を預けるよりも、机につっぷした方が楽というのではあれば、そちらの体勢でも構いませんが、横になるのは避けましょう。
ベルトやアクセサリーなど、体を締め付けるものは外し、目を軽く閉じます。
この時、自分の心身がリラックスをして、回復状態に向かっていることを強く思うことで、実際の回復度合いも大幅にアップするそうです。
15分短時間睡眠のやり方とコツ
1分よりも長い15分は、より脳を休ませることができ、その後のパフォーマンスが向上すると言われています。
やり方は1分の時と変わりませんが、やはり体を完全に横にして寝てしまうのは止めましょう。
椅子に座ったまま、机につっぷした状態で眠り、15分経ったら必ず起きること。
それ以上寝てしまうと、脳が深い眠りに入ってしまい、起きてもすぐに脳が機能しません。
90分短時間睡眠のやり方とコツ
ノンレム睡眠は、眠りについて一番最初に訪れた時が最も深いと言われています。
つまり、睡眠の一サイクルである90分は、最も効率よくノンレム睡眠を得る時間と言えます。
90分短時間睡眠の場合は、ノンレム睡眠状態を得る必要があるため、夜の就寝時と同様にベッドや布団で寝ても構いません。
ただし、90分以上寝てしまわないように、目覚ましを掛けるなどして必ず90分で起きるようにして下さい。
また、17時以降に行うと夜の睡眠時間に影響が出るため、避けるようにして下さい。
短時間睡眠でスッキリ起きるコツは?
短時間の睡眠でも、目覚めがスッキリしていれば、心身ともに疲労が消え、爽快感が生まれます。
そのためには、夜、寝る前がとても重要になります。
では、短時間睡眠でスッキリ起きるためには、どのようなことに気を付けるとよいのでしょうか。
1.食事は寝る3時間前までに済ませる
夜遅くに食事をすると、寝る時間になっても胃腸が消化活動を行うため、疲労がとれにくくなります。
2.お風呂は寝る1時間前がベスト
お風呂に入ることで体温が上がると、汗などによって熱が放散されることで今度は体温が下がりますが、その下がるタイミングで眠気が誘発されるため、スムーズに入眠することができます。
3.パソコンやスマホは寝る2時間前に止める
寝る直前までスマホを見ている、という方も多いと思いますが、スマホなどの液晶機器から放たれる光は、脳を覚醒する働きがあるため、入眠の妨げになります。
短時間睡眠のタイミングや適した時間帯は?
1分、15分、90分の短時間睡眠は、昼寝として行うのがよいでしょう。
昼寝に対し「夜しっかり寝ていないせいだ」とか「だらけているように思われるのが嫌」と感じる方もいらっしゃいますが、
私達の体は、概日リズム(サーガディアンリズム)という生体リズムによって、朝は覚醒し夜は就寝するという一日のサイクルを無意識に繰り返しています。
さらに、その概日リズムによって、実は夜だけではなく昼の12~14時にも眠気がくるようにあらかじめインプットされているため、この時間帯に短時間睡眠をとることは体にとってむしろごく自然なことなのです。
仕事や家事、育児で疲れが溜まっている、なかなか抜けないという時は、この概日リズムと短時間睡眠を利用して、上手に疲れを解消してみましょう。
疲れを取るための就寝時間はいつがベスト?
短時間睡眠の最適時間とされている4時間半睡眠ですが、実はただその時間寝るだけで質のよい睡眠がとれる、というわけではなく、寝る時間帯も大いに関係していると言われています。
最もよいと言われているのが、22時~翌2時の間に寝ること。
この時間帯は、細胞の修復や再生を行う成長ホルモンが最も多く分泌されるため、疲労回復やストレスの軽減の効果が高まります。
短時間でも効率の良い寝方は?
私達の体は、概日リズムという生体リズムによって、覚醒や就寝を無意識に行っていると、上記でもご説明しましたが、その概日リズムに深く関わっているのが「メラトニン」というホルモンです。
メラトニンは、朝に太陽の光を浴びることがスイッチとなり、その12~15時間後に分泌量を増やすホルモンです。
つまり、質のよい睡眠を得るためには、朝日をしっかり浴びるというのが大切なのです。
その上で、より効率よく短時間睡眠を行うためには、夜寝る時はアイマスクをして、完全に光を遮断するのがよいでしょう。
メラトニンは、暗くなるほど分泌量が増えますが、寝る際に少しでも灯りがあるとその灯りに反応して分泌量を減らしてしまいます。
また、眠りについてから一回目のノンレム睡眠がくるまでは、眠りの浅いレム睡眠が続くわけですから、その間は物音に少し敏感になっていると考えられます。
そのため、アイマスクと一緒に耳栓をして無音状態になることもよい方法と言えるでしょう。
逆に効率の悪い寝方は?
例えば、0時に就寝し4時半に起きたとしても、その間に何度も目が覚めてしまうようなことがあれば、それは正しい短時間睡眠とは言えません。
短時間睡眠とは、単に睡眠時間が短いというものではなく、深いノンレム睡眠を得ることで脳や体が十分に休息するという質のよい睡眠を得ることが最大の目的です。
そのため、睡眠中に何度も覚醒が起こっている場合は、浅い眠りであるレム睡眠の時間が長く、ノンレム睡眠がきちんととれていないことになります。
短時間睡眠で起きられない時の対策
短時間睡眠を行う時、時間通りに起きられるか不安になるという方も多いと思います。
そのような場合は、布団やベッドを硬めにするのがお勧めです。
やわらかい布団やベッドはふわふわして気持ちがよい反面、体が沈み込みすぎてしまうことから、筋肉が緊張しやすく、心地良い眠りの妨げになると言われています。
一方、適度に硬さのある布団やベッドは熟睡することができるので、短時間であっても満足できて、スッキリと目覚めることができます。
また、それでも起きられないという方の場合は、起床時間にエアコンを少し高めに設定しておくと、暑くて寝ていられないという状況を作ることもできます。
朝の目覚めをよくする方法
朝の目覚めを少しでもよくしたい場合は、起きたらすぐカーテンを開けることを習慣にするのがよいでしょう。
朝日を浴びることは、メラトニンの分泌を正常に保つと同時に、「幸せ」を感じるセロトニンというホルモンの分泌も促します。
朝起きて、寝室の窓だけではなく、リビングやトイレ、キッチン、洗面所など自宅のあらゆるところで朝日を感じながら身支度を整えると、セロトニンによって目覚めがよくなります。
また、朝食に好きなものを用意しておくのも、モチベーションがアップしてお勧めです。
短時間睡眠のデメリットや弊害は?
これまで毎日8時間寝ていた方が、明日から急に4時間半睡眠を実行したら、多くの場合寝不足状態になり、日中に強烈な眠気に襲われるなどの強いストレスを感じるでしょう。
短時間睡眠を行う時は、少しずつ睡眠時間を短くして体を慣らすことが大切です。
8時間寝ていた方なら、まずは7時間半を目安にし、それに慣れたら次は6時間というように、90分を一区切りとして徐々に睡眠時間を削っていきましょう。
また、短時間睡眠法は必ずしも誰にでも同じ効果をもたらすわけではなく、体質などによっては7~8時間の睡眠がベストという方もいらっしゃいますので、短時間睡眠法を試してみて体に不調が起こった場合は、無理せず元の時間に戻すようにして下さい。
短時間睡眠で疲労回復し疲れがスッキリする方法!のまとめ
短時間睡眠法はその名から、単に短く寝ればよいと思っている方が多いのですが、実際には質のよい深い眠りをとるという主たる目的があります。
しっかりとしたノンレム睡眠をとることがとても大切になるので、短時間睡眠を行って眠気が強く出たり、体調不良が起こった場合は、睡眠の質についてきちんと確認することが大切です。
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