耳鳴りやめまい!ひょっとして内耳炎かも?
耳の病気としてよく知られている中耳炎に対し、内耳炎はあまり聞き馴染みがない方が多いかも知れません。
しかし、内耳炎を発症するとめまいや嘔吐と言った、一見すると耳とは無関係にも思えるような症状が現れ、症状自体に悩まされるだけではなく、日常生活において様々な支障が現れてしまいます。
そこで今回は、内耳炎について調べてみました。
内耳炎が起こる原因やその症状、治療法などをご紹介していますので、該当する症状がある場合は内耳炎を疑ってすぐに病院へ行くようにして下さい。
内耳炎とは?
耳は、目に見える耳介の部分から奥にいくに従い、外耳、中耳、内耳となっており、私達が通常、耳の穴と認識しているところは正式には外耳道と言います。
耳が痒い、耳が痛いという場合、多くは耳掃除などによって外耳が傷付くことで起こる外耳炎や外耳道炎だと言われています。
また、耳の病気の中で比較的罹患者の多い中耳炎は、中耳部分で起こる炎症のことを指しています。
中耳は、耳の鼓膜から耳小骨と呼ばれる部分までを言い、内耳は中耳のさらに奥にあたる耳小骨から蝸牛(かぎゅう)までの部分を言います。
この内耳で起こる炎症の総称を内耳炎と言い、外耳炎や中耳炎に比べて発症する確率は低いものの、発症してしまうと聴力が完全に回復しないなど、生活に大きな支障が起こる恐れがあるため、発症原因をよく知って早めに治療を行うことがとっても大切になります。
内耳炎になる原因は?
内耳は、耳の最も奥にあるため、外耳のように耳の穴から入ってきた細菌やウイルスなどの影響を受けることはまずありません。
内耳炎が起こる主な原因は、中耳炎の発症です。
しかし中耳も、鼓膜で穴が塞がれているため内耳と同様に、外からの細菌感染などは殆ど起こりません。
では、中耳炎はどうして起こるのでしょうか?
中耳炎の発症原因は、風邪などの感染症が発端となり、鼻や喉と繋がっている耳管という部分を通じて、細菌やウイルスが中耳にまで侵入してしまうことだと言われています。
そして、中耳炎を発症したまま放置していたり症状が重くなると、鼓膜の穿孔(穴が開くこと)や、炎症によって耳内部の組織が腫れて肉芽になる真珠腫性中耳炎を併発し、内耳骨が破壊され細菌やウイルスが内耳まで侵入して内耳炎を起こします。
また、中耳炎以外にも、病気を引き起こすウイルスや細菌が原因で、内耳炎が起こる場合もあります。
内耳炎の症状やその現れ方は?
内耳炎を発症すると、平衡感覚を司っている三半規管や音を察知する蝸牛が影響を受けるため、耳鳴りやめまいといった症状が強く現れます。
なお、症状の現れ方には急に強く出る場合と、少しずつ症状が現れる場合の2パターンがあり、慢性中耳炎が原因による内耳炎の時は、体のふらつきや軽いめまいなどが比較的ゆっくりと進行するようです。
急に強く出る場合は、ぐるぐると周囲が回っているように見える回転性のめまいや、耳鳴り、難聴、激しい耳の痛み、嘔吐といった症状が現れます。
内耳炎の種類
ここでは、内耳炎の種類とその症状の違いについてご紹介したいと思います。
1.中耳炎性内耳炎
内耳炎の発症原因として最も多いのが、中耳炎の発症からなる中耳炎性内耳炎です。
なお、中耳炎の中でも、急性中耳炎が発症原因の内耳炎の場合は、一時的に聴力が低下するものの中耳炎及び内耳炎の回復と共に聴力が復活することが多いですが、慢性中耳炎が原因の内耳炎になると、聴力が回復しないケースも多くあります。
2.ウイルス性内耳炎
インフルエンザやはしか、おたふくなどのウイルスに感染することで発症する内耳炎です。
ウイルス性内耳炎を発症すると、鼓膜を通じて外の音や人の声を認識することができても、蝸牛や聴神経の働きが上手くいかなくなる感音難聴を発症してしまい、二度と回復することはないと言われています。
3.髄膜炎性内耳炎
脳や脊髄を包んでいる髄膜が炎症を起こす髄膜炎が原因による内耳炎です。
ウイルス性内耳炎と同様に、髄膜炎による内耳炎で感音難聴が起こると、回復するのは難しいと言われています。
内耳炎の治療法
内耳炎の治療では、内耳炎を引き起こしている細菌やウイルスを除去するため、抗生物質や抗菌薬といった薬物治療が行われます。
なお、頭痛や発熱など症状に応じて、解熱鎮痛剤が用いられることもあります。
その上で、内耳の機能の低下を改善するために、ビタミン剤やステロイドの投与も行われます。
また、慢性中耳炎が内耳炎の発症原因となっている場合は、手術による治療が行われる場合もあります。
急性中耳炎との違いは?
急性中耳炎は、中耳の部分に炎症が起こり、耳の痛みや耳だれ、耳の詰まりなどが症状として現れます。
強い閉塞感を伴う場合は、頭痛やめまい、吐き気などが起こることから内耳炎との区別がつきにくいと思われますが、あくまでも中耳炎は耳の詰まりが原因によって上記のような症状が現れるため、症状の度合いとしてはそれほど強いわけではありません。
一方、内耳炎を発症すると体の平衡バランスをとっている三半規管や音を認知する蝸牛の機能が低下することから、めまいやふらつきがひどく現れます。
さらに、中耳炎によって起こる難聴の多くは伝音性難聴で、治療によって回復する見込みがありますが、内耳炎の場合は音を聞き取るセンサーが働くなる感音難聴のため、回復は難しいとされています。
内耳炎の原因と症状や種類と治療法!耳鳴りやめまいもあるの?のまとめ
内耳炎が原因で起こる感音難聴は、現代の医学では有効な治療法が確立されていません。
そのため、そもそもの内耳炎を起こさないようにすることが必要と言えます。
それには、耳の調子が少しでもおかしいと感じたり、耳の異常と同時にめまいやふらつきがある場合は、できるだけ早く病院へ行き、適切な治療を開始することが大切になります。
特に、中耳炎を何度も繰り返してしまう方は、急性中耳炎から慢性中耳炎に移行して、内耳炎を併発する恐れがあるため、症状が治まったからといって通院を止めずに、医師から「中耳炎が完治しました」と言われるまで、きちんと治療を続けるようにしましょう。
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