赤ちゃんは要注意なRSウイルス感染症の症状と治療法!
気温が下がり、季節が秋から冬へと変わってくると、風邪やインフルエンザといった感染症の患者が急増します。
乳幼児がいらっしゃるご家庭では、この時期はうがいや手洗いなどで予防に努めていると思いますが、気を付けたい感染症は風邪やインフルエンザだけではありません。
聞き慣れない方もいらっしゃるかも知れませんが、RSウイルス感染症にも十分気を付ける必要があります。
特に生後まもない赤ちゃんは、RSウイルス感染症を発症すると重症化しやすいと言われているため注意が必要なのですが、RSウイルス感染症とは一体どのような病気なのでしょうか?
そこで今回は、RSウイルス感染症の原因や症状、治療法などについて調べてみました。
赤ちゃんのいるご家庭はもちろんのこと、大人も発症するRS感染症について、是非この機会に知って頂けたらと思います。
RSウイルスとは?
RSウイルスのRSとはrespiratory syncytialの略です。
RSウイルスはパラミクソウイルス科に属し、感染症を引き起こすウイルスの一種です。
Respiratoryに「呼吸の」という意味があることからもわかる通り、喉や気管支などの呼吸器に感染します。
乳幼児においては、最も感染しやすい感染症とも言われており、その割合は2才までに100%の子どもが感染していると言われるほど。
インフルエンザにかかったことはないという子どもはそれなりに見掛けますが、RSウイルスは誰もが一度は感染したことがあるとても身近な感染症なのです。
しかしながら、RSウイルスは子どもを持つ親であっても、65%はその存在を知らないと言われています。
そのため、RSウイルスに感染していながらそのことに気付かない、という場合が殆どと言われています。
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RSウイルス感染症の原因は?
RSウイルスは冬から春にかけて流行し、感染力がとても強いため、2才までに100%が感染するとも言われていますが、実際に自分やお子さんがRSウイルスに感染したことに気付いた方というのは少ないと言われています。
また、RSウイルスは一度かかってもそれが免疫となって、次は感染しにくくなるということはありません。
そのため生涯に渡って何度も感染しますが、感染を繰り返していくうちに、症状は軽く済むようになります。
ただし、先天性心疾患のある方や免疫不全の疾患を持っている方、乳児期早期(生後数ヶ月未満)の赤ちゃんや低体重で生まれた赤ちゃんなどは、感染すると重症化しやすいと言われています。
さらに、乳幼児にRSウイルスに感染すると、喘息を発症する確率が高くなるとの報告もあります。
RSウイルス感染症の症状
RSウイルス感染症に感染すると、4~5日程度の潜伏期間を経た後、乾いた咳、鼻水、発熱といった風邪によく似た症状が現れます。
RSウイルスに感染したことに気付かない方が多いのは、このような症状が原因とも言われています。
特に大人の場合は、咳や鼻水、発熱があれば風邪と断定し、2~3日休んでいたら治ると考える方が多いのではないでしょうか。
実際にRSウイルスに感染していても、軽症であれば1~2週間ほどで症状が落ち着いてしまうため、やはり風邪だと勘違いしたまま過ごしてしまう方も多いと思われます。
大人であればそれまでに何度も感染しているために、症状が軽い場合が殆どですが、風邪と自己判断してしまったがゆえに、免疫ができていない乳幼児との接触により、安易に感染させてしまう恐れがあります。
乳幼児に感染すると、発症者のうちの3割程度は炎症が下気道炎にまで及び、ひどい咳が出る、ゼーゼーという呼吸音がする(喘鳴と言います)、呼吸が浅い、呼吸数が多くなるなどの症状に進行し、気管支炎や細気管支炎、肺炎などを引き起こすことがあります。
RSウイルス感染症は、時に赤ちゃんは要注意!その理由は?
RSウイルス感染症は、乳幼児にとって身近な感染症の一つと言われています。
しかし、風邪やインフルエンザと比べて、RSウイルス感染症はその存在すら知らない親も多く、また、仮に名前は知っていたとしても、乳児(特に新生児)は重症化しやすいということを知っているのは、わずか2割程度に留まっています。
乳幼児がRSウイルス感染症を発症すると、3割程度が下気道炎から気管支炎や肺炎などに移行すると先述しましたが、生後3ヶ月未満の新生児の場合は、さらに深刻な状況になることがあります。
新生児がRSウイルスに感染すると、無呼吸発作を起こして突然死に繋がることがあるのです。
新生児や乳児が、突然死する病気としては乳幼児突然死症候群(SIDS)がありますが、SIDSの患者の中にはRSウイルスに感染していたという報告がよくあるそうです。
また、RSウイルス感染症による無呼吸発作は、新生児に多いものの、それ以降は発症がないわけではなく、1才や2才でも起こる恐れがあります。
さらに、RSウイルスによる無呼吸発作は、症状の強弱に関係なく、軽症であっても起こる可能性があると言われています。
このようなことから、生まれたばかりの赤ちゃんがいるご家庭では、RSウイルスを家に持ち込まないようにすることがとても大切だと言えます。
RSウイルス感染症の治療法
熱が高い時はアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤を服用したり、痰が絡む時は痰を切る薬や気管支を拡張する薬を使用しますが、基本的には自宅で安静にして、脱水症状にならないように水分補給を意識して過ごすことになります。
なお、脱水症状がすでに起こっている場合や、呼吸困難の症状が見られる時は、病院に入院をして点滴や人工呼吸器などの治療を受ける必要があります。
お子さんの状態をよく観察し、何か異常があればすみやかに病院を受診するようにしましょう。
RSウイルス感染症の予防法
RSウイルス感染症は、感染者の咳やくしゃみを吸いこむことで感染する飛沫感染か、唾液などが付着した手を介して感染する接触感染によって感染します。
そのため、RSウイルス感染症を予防するには、風邪やインフルエンザと同様に、外出から戻ったらうがい・手洗いをすることがとても大切です。
特に、感染した大人が免疫のない乳幼児にうつしてしまうことが多いことから、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、家族みんなが予防の意識を持つことが大切です。
なお、早産未熟児や先天性心疾患、ダウン症児などに対しては、感染すると重症化する確率が高いことから、予防としてシナジスという予防薬を注射することで発症を防ぐことが可能となっていますが、一回の注射で80,000~240,000円ほど(体重によって金額が変動)掛かり、5回行う必要があります。
早産未熟児や先天性心疾患などがある場合は、保険適用となり2割負担となりますが、それ以外の方は自己負担となるため、現実的には積極的に行える予防法とは言えないでしょう。
RSウイルス感染症の原因や症状と治療法!赤ちゃんは要注意!のまとめ
RSウイルス感染症は、まだまだ知名度の低い感染症と言えますが、お子さんを持つ方であれば必ず覚えておきたい病気の一つです。
風邪かな?と思う症状があった時は、喘鳴や呼吸の違和感などが現れていないか確認しましょう。
もし、少しでもおかしいと思う症状があれば、小児科を受診するようにし、症状が悪化しないように気を付けるようにして下さい。
また、乳幼児だけではなく大人も感染しないように注意をし、家族内で感染が起こらないように予防を徹底するようにしましょう。
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