ロタウイルスの感染経路や原因と症状
何だか体が熱いと思ったら、突然の嘔吐や下痢。慌てて病院へ駆け込んだら「ロタウイルス」と診断され、それから数日間は嘔吐と下痢を繰り返す我が子。
小さな子供は自分で自分の体の症状を伝えられないので、一体、子供の体の中で何が起こっているのか焦ってしまいます。
冬の時期に増えてくる急性胃腸炎の中でも、特に乳幼児がかかりやすいと言われているロタウイルスは、お子さんをお持ちのお母さんであれば、一度は聞いたことのある病名、もしくはお子さんが感染した経験をお持ちだと思います。
では、幼稚園や小学校で集団感染を起こし、学級閉鎖になってしまうほど感染力の強いロタウイルスとは、一体どういったものなのか詳しくはご存知でしょうか。
ロタウイルスの感染経路は?原因や症状は?どうやって予防したらいいの?
今回は、そんな疑問を解決すべくロタウイルスについて調べてみることにしましょう。
ロタウィルスとは?特長は?
ロタウイルスとは、1973年に見つかったレオウイルスの一種です。
ロタウイルスにはA群、B群、C群とありますが大半がA群で、B群C群は検査薬で検出する事は出来ません。
ロタウイルスは非常に感染力が強く、特に乳幼児の場合は免疫力の少ない2才くらいまでがもっとも罹りやすいとされています。5才までには誰もが一度は経験した事があると言ってもいいと言われています。
また、乳幼児における冬の時期の急性な嘔吐や下痢は、8割がロタウイルスの仕業だと言われています。
ロタウイルスの特徴は、突然激しい下痢や嘔吐が症状として現れる事です。
便は米のとぎ汁のように白く水様性のものが何度も出るため、白色便性下痢や白痢と呼ばれたりもします。また、1月~4月の冬の時期に起こりやすい事から冬季下痢症とも呼ばれています。
感染経路は?
ロタウイルスの感染経路は、ヒトからヒトへの経口感染です。
汚染された飲料や食物を摂取してロタウイルスに感染した人が、嘔吐や下痢の症状に見舞われた際、その吐しゃ物や便に触れた人へ二次感染を起こします。
ロタウイルスに感染した患者の便には1mlあたり1億から100億個のロタウイルスが含まれていると言われ、そのうちたったの10個程度で感染するほどロタウイルスの感染力は強いと言われています。
また、吐しゃ物の付いた服や床は普通に洗濯や清掃をしてもロタウイルスを除去する事ができないため、乾くと宙に舞って二次感染を起こします。
潜伏期間と症状は?
ロタウイルスの潜伏期間は1~2日とされ、長くても72時間以内には発症すると言われています。
ロタウイルスに感染し、発症するとまずは発熱症状が現れ、続いて嘔吐や下痢の症状が現れます。
ロタウイルスが流行する前にはノロウイルスという似たような嘔吐・下痢を伴う症状がありますが、ロタウイルスの嘔吐・下痢症状はノロウイルスより強力であり、より重くなりやすいため注意が必要です。
ロタウイルスに感染すると水のような下痢症状と主に、白い便が出るのが特徴です。これを白色便性下痢症というのですが、この症状が出たらロタウイルスの疑いが非常に高くなります。
さらにロタウイルスの場合、下痢症状は殆どの感染者に現れますが、嘔吐は稀に現れないケースもあります。
ですが嘔吐は日に何度も吐いてしまうような重症になるやすいため、脱水に気を付けなくてはいけません。
また、発熱症状は発症初期に見られるだけで、1日程度で収まってしまう事が多いようです。
感染するとどうなるの?感染性胃腸炎にもなるって本当?
感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスが原因によって起こる急性胃腸炎の総称です。
なので、ロタウイルスもこの感染性胃腸炎の中の一つという事であり、嘔吐や下痢などの胃腸炎の症状はロタウイルスへの感染により急性胃腸炎になっている状態といえるでしょう。
ロタウイルスの嘔吐や下痢症状は、同じような症状であるノロウイルスより強いとされ、特に乳幼児は重くなりやすいため注意が必要です。
また、ロタウイルスは大人が感染しても乳幼児ほど重症化するケースは稀で、これは免疫があるためだと言われています。
ロタウィルスに感染しないためにどのような注意が必要か?
ロタウイルスに感染しないためには、ロタウイルスの感染元と言われている牡蠣などの二枚貝の生食を出来るだけ控える事や、外出先から帰ってきたら必ず手洗い・うがいをするのがよいでしょう。
ロタウィルスの感染防止対策
特にお子さんがロタウイルスに感染した場合は、オムツやトイレの処理や吐しゃ物の処理をする時にはゴム手袋とマスクをして、直接汚物に触れることのないように注意しましょう。
また、吐しゃ物の付着した衣服を洗濯する時には、次亜塩素酸ナトリウムを使用するようにしましょう。次亜塩素酸ナトリウムは漂白剤に入っているので、それを洗濯に使うことでロタウイルスを除去する事ができます。
通常の洗濯の場合では衣服にロタウイルスが残ってしまい、乾燥する事でロタウイルスが空気中に舞って二次感染を引き起こす場合があります。
これは吐しゃ物の処理をする場合にも同じで、じゅうたんなどを拭く時には次亜塩素酸ナトリウムを使うようにしましょう。
また、ドアノブやおもちゃなど乳幼児の触れやすいものはなるべく消毒をして、食器や調理道具は熱湯に1分以上浸けておくとロタウイルスが死滅しやすいと言われています。
まとめ
ロタウイルスに効く特効薬というものが見つかっていない現在、ロタウイルスに感染するとウイルスが体外に排出されるまで胃腸炎の症状が続く事になります。
嘔吐はケースによっては吐き止めを処方される場合もあるようですが、下痢の場合はとにかく出してしまうというのが今の考えなので、小さな子供にとっては辛い状態が長く続く事になります。
ですので、ロタウイルスに感染しないように毎日の手洗いなど、出来る限りの対策をとっておく事がとても大切です。
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