妊娠初期や子供や乳児などの下痢が続く原因と対処法
急にお腹が痛くなったと思ったら、慌ててトイレに駆け込んだ・・・。こんな経験、誰しも一度くらいはあるのではないでしょうか。
下痢になる原因は様々あり、その多くは食べ物による食あたりや消化不良、刺激物(極端に冷たい物や熱い物、からい物など)の摂取による急性的な下痢ですが、中には長期間続く慢性的な下痢の症状に悩まされている方もいらっしゃいます。
さらに、これまではあまり下痢になったことがなかったのに、妊娠した途端よく下痢になるようになってしまったという方や、小さなお子さんは食べ物以外でも下痢になりやすい環境にあると言われています。
では一体、それらの原因や対処法とはどのようなものなのでしょうか。
下痢が続くときの原因は?種類は?病気の可能性はあるの?
下痢は、急に冷たい物を食べた時や食べ過ぎによる消化不良、飲酒した翌日、からい物をたくさん食べた時など、日常の様々なケースにおいて比較的誰にでも起こりうる症状と言えます。
またその多くは数日から1、2週間で自然治癒してしまいますが中には下痢が長く続く場合もあります。
下痢が長く続く原因として挙げられるのは、過敏性大腸炎や神経性の消化不良の他、大腸がんや甲状腺機能亢進症といった大きな病が隠れている場合もあります。
下痢がなかなか治まらない、長く続いていると感じた時は「たかが下痢」と侮らず、病院へ行くのがよいでしょう。
急性下痢と慢性下痢の症状と違いは?
下痢とは、通常時の便と比較すると、非常に水分を多く含んだ軟便や水様便が出る症状を指します。また下痢には急性下痢と慢性下痢があり、急性下痢は症状が出始めて2週間程度で治まってしまうのに対し、慢性下痢は3週間以上症状が続く場合を言います。
急性下痢の主な原因は、細菌やウイルス感染によるもの、飲酒、冷たい物やからい物といった刺激物の摂取も急性下痢の原因となり得ます。誰しも一度は経験のある下痢が急性下痢と言えます。
一方の慢性下痢の原因は、小腸や大腸、十二指腸などの異常から起こる場合があり、下痢が主症状ではなくその他に大きな病気が隠れているケースもあります。
また、下痢が長期間続くため大腸がんや潰瘍性大腸炎などを疑って検査をしたものの、腸に異常が見当たらなかったというケースも考えられます。
その場合は過敏性大腸炎のようなストレスが原因と思われる下痢の可能性も考えられます。
妊娠初期の下痢の原因は?
妊娠初期に下痢になってしまう原因として考えられているのは、ホルモンバランスの変化による自律神経の乱れです。
妊娠すると黄体ホルモンであるプロゲステロンの分泌が増加しますが、このプロゲステロンは赤ちゃんの成長に欠かせない胎盤を作る上でとても大切なものです。
しかし一方で、女性ホルモンは自律神経と深い関わりがあるので、プロゲステロンが増加することによってイライラが募ったり憂鬱になるなどの精神的な症状が現れます。
そしてさらに、便秘や下痢といった腸の症状も引き起こしてしまうのです。
ゆえに、妊娠初期における下痢は妊娠症状の一つと言っていいと思います。
また、妊娠すると普段よりも免疫力が低下すると言われているので、生ものを食べる時などは十分気を付ける必要があります。
赤ちゃん(乳児)や子供の下痢が続くときの原因は?
乳児や子供が下痢を起こす原因として多く考えられるのが、感染性胃腸炎と言われています。
感染性胃腸炎は、主に細菌性とウイルス性に分かれ、細菌性胃腸炎は病原体に汚染されていた食品を口にすることで引き起こされる胃腸炎です。
食中毒がこれが当てはまります。
そしてウイルス性胃腸炎は別名、嘔吐下痢症とも呼ばれるものでロタウイルス、ノロウイルスが有名です。
ウイルス性胃腸炎は冬に流行する傾向が多く、細菌性胃腸炎は夏に多いといった特徴もあります。さらに、学校や幼稚園などの閉鎖的な場所において集団感染しやすいのも特徴と言えるでしょう。
対処法は?病院に行ったほうが良いの?
下痢が長く続くと食欲が減退し、また体内の水分も多く失われます。
さらにいつ下痢が起こるかわからないとなると、会社や学校への通勤や通学がつらく感じたり、やがてそれが大きなストレスとなってしまう場合もありますよね。
一般的に下痢は、悪いものを体の外へ排出しようとする働きだと言われています。
なので、むやみやたらに下痢止めを飲んで止めてしまうのはよくないとされていますが、症状を抑えるために止むを得ず下痢止めを服用する場合もあるでしょう。
ですがやはり、安易な自己判断は禁物です。
下痢が3週間以上続く場合は、ウイルス性や細菌性の感染性胃腸炎や、単に冷たいものの飲み過ぎやからい物の食べ過ぎといった原因ではなく、大きな病気が隠れているケースもあるからです。
また、検査した上でどこにも異常がないと診断された場合は、過敏性大腸炎を疑って薬の処方もなされます。
「ただの下痢だし・・」と思わずに、長く続く下痢が起こったら是非病院へ行くようにして下さい。
下痢の時は、どのような食事が良いの?
下痢がひどい時は、無理して食べる必要はありません。
しかし、水分を摂らずにいると脱水症状になってしまいますので、温かいスープや番茶などを少しずつでも飲むことが大切です。
そして、下痢の症状が治まってきたら、胃腸に負担を掛けない食べ物を食べるようにします。中でもよいのがうどんです。それも汁ありの温うどんで、麺はやわらかく煮たものがよいでしょう。
逆に冷たいうどんだと、体を冷やしてしまい下痢の症状を誘発してしまう可能性があるのでお勧めできません。
温うどんの汁を薄めに作り、また天ぷらなど胃腸に負担の掛かる具材は載せずに素うどんで頂きます。のど越しがよく、体もポカポカしますので、下痢の時にはお勧めの食べ物だと言えます。
まとめ
下痢は便秘同様にそれほど深刻とされない症状の一つですが、下痢になる原因は様々なため「いつものことだろう」とあまり簡単に考えるのも困ったものです。
特に長期的に下痢が続いている場合は、ただ単に食あたりや消化不良ということは考えにくいので、必ず病院へ行って診察を受けるのがよいでしょう。
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