酷寒の候を使う時期や読み方、使い方と例文、結びについて解説しています。
ビジネスツールとして欠かせない時候の挨拶ですが、酷寒の候はいつ使うのが正しいのかよくわからないという人は多いでしょう。
誤ったタイミングでの使用はビジネスに悪影響を及ぼす恐れや、目上の人から「礼儀がない」と捉えられてしまう可能性があります。
そこで今回は、酷寒の候の使い方を詳しく調べてみました。
酷寒の候を使う時期はいつ？
酷寒の候はいつからいつまで使う、という明確な決まりはありません。
ですが、いつ使ってもよいというわけでもありません。
酷寒の候の意味については次で詳しくご紹介しているのでここでは省略しますが、寒という字が入っていることからわかるように、気温の低い寒い時期に使う時候の挨拶になります。
このようなことから、酷寒の候は1月中に使うのがよいでしょう。
とは言え、1月上旬は「新春の候」や「初春の候」など新年にふさわしい時候の挨拶があり、そちらを使うのがおすすめです。
1月に酷寒の候を使うなら、二十四節気の小寒となる（例年1月5日頃）から、春の始まりという意味がある立春（例年2月4日頃）までがよいでしょう。
酷寒の候の意味や読み方は？
酷寒の候は「こっかんのこう」または「こくかんのこう」と読みます。
酷寒の候は文字の通りで、厳しい寒さや酷い寒さを感じる時期になりましたという意味がありますよ。
候は「そうろう」と読んでしまいたくなりますが、「こう」が正解です。
候には時候や気候、気温といった意味があり、酷寒の候は「一年で最も寒さが厳しい時期になりましたね」という意味になります。
酷寒の候の正しい使い方は？
酷寒の候には一年で最も寒さが厳しい時期という意味があるため、「それなら気温が底になる2月に使うのが正しいのでは？」と思う方がいるかも知れません。
確かに、例年は1月よりも2月の方が気温は下がり、積雪量が多いため、酷寒の候は2月に使った方が季節感が合っていると思うのではないでしょうか。
しかし、時候の挨拶は旧暦に作られたもので、新暦が採用されている今も旧暦に沿って使うのが一般的です。
旧暦では2月4日頃に二十四節気の立春を迎え、暦の上では春に入ります。
そのため、2月に冬の季語である酷寒を使うのは間違いということになってしまうのです。
ビジネスや目上の人に手紙やはがきなどを送るときは、酷寒の候を使うタイミングを間違えないようにしてください。
酷寒の候は1月中に使うのがよいと覚えてくださいね。
酷寒の候を使った例文
時候の挨拶は、手紙やはがきなどを送る相手によって使い方をわけるようにしましょう。
仕事の取引先やお世話になった恩師と、親しい知人に送る手紙やはがきが全く同じ文章にはなりませんよね。
そこでここでは、ビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合それぞれの例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
なお、親しい人に送る手紙やはがきなどに、必ず頭語をつける必要はありません。
親しい間柄で謹啓や拝啓を使うと、よそよそしさを感じる方もいるようです。
頭語をつける場合は、相手との関係などを考慮するのがよいでしょう。
酷寒の候の結び文
結び文とは文章の締めくくりに書く文のことです。
ビジネス文書では結び文に定型文を使うことがありますが、より「自分らしさ」を込めたい場合は、時候の挨拶の季節柄に合わせた結び文にするのがよいでしょう。
ここでは、酷寒の候を時候の挨拶に使った場合の、結び文の例文をご紹介します。
謹白や敬具は結語といって、謹啓や拝啓などの頭語と必ず対になって使う言葉になります。
かしこはどの頭語にも使える結語ですが、使用できるのは女性のみとなっています。
そのため、ビジネスシーンでは避けておくのがよいでしょう。
酷寒の候を使うときに注意すること
先ほども少し触れましたが、ビジネスシーンや目上の人に送る手紙やはがきなどでは、文章の書き出しに頭語をつけるのがマナーとなります。
頭語とは「拝啓」や「謹啓」などのことで、「謹んで申し上げます」という丁寧な意味があります。
いきなり時候の挨拶から入るよりも相手に対する敬意を表すことができますよ。
また、頭語をつけたら、文章の終わりは結語をつけてください。
頭語と結語は必ず対となっていて、使う言葉が決まっています。
「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」、「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」になります。
なお、親しい人には必ずしも頭語をつける必要はありません。
酷寒の候以外の1月の時候の挨拶はある？
1月に使える時候の挨拶は酷寒の候だけではありません。
手紙やはがきを送る地域などによっては、酷寒の候以外の時候の挨拶を選びたい場合もありますよね。
そこでここでは1月に使える酷寒の候以外の時候の挨拶をご紹介します。
初春（新春）の候
初春（新春）とは正月のことを指す言葉です。
春とつく通り春の季語なのですが、旧暦では春の始まり＝新年だったため、現在も新年を迎えた時に使う時候の挨拶として初春（新春）の候が使われていますよ。
初春（新春）の候は1月中ずっと使えるわけではなく、1月1日から7日（もしくは15日）まで使える時候の挨拶になります。
小寒の候
小寒は二十四節気のひとつで、例年1月5日頃から19日頃になります。
小寒と次の節気の大寒を合わせて「寒（かん）」と言い、一年で最も寒さが厳しい時期を指しますが、実際には寒さがそこまで強くなくても、二十四節気の暦に従って小寒の時期には小寒の候を使うことができます。
大寒の候
大寒は小寒の次の二十四節気で、例年1月20日頃から2月3日頃になります。
上記で触れた通り、大寒は一年で最も寒さが厳しい時期という意味になります。
小寒と同様に、二十四節気の暦に従って使うことができます。
晩冬の候
晩とは終わりという意味があり、晩冬は旧暦の冬が終わる時期という意味になります。
晩冬は二十四節気の小寒と大寒を指すため、時候の挨拶として使えるのは例年1月5日頃から2月3日頃までになります。
厳冬の候
酷寒と同じ意味合いとして使うことができる時候の挨拶で、二十四節気の小寒と大寒に該当する期間に使うことができるので1月5日頃から立春の前日（2月3日頃）まで使うことができます。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
酷寒の候のまとめ
酷寒の候は1月中に使うことができる時候の挨拶ですが、1月1日～7日までは新春の候や初春の候を使うことをお勧めします。
また、酷寒には一年で最も寒さが厳しい時期という意味があるものの、旧暦に沿って使うのが一般的です。
そのため、2月に気温が下がり寒さが酷くなったとしても、酷寒の候は使わずに他の時候の挨拶を使うのがよいでしょう。
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