雨水の候を使う時期や読み方、使い方と例文、結びについて解説しています。
大切な人へ送る手紙やはがきなどでは、文章の書き出しに時候の挨拶を使うことが多いですよね。
雨水の候も時候の挨拶の一つですが、いつ、どのように使うのがよいのか、わからない方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、雨水の候の使い方を詳しくご紹介します。
雨水の候を使う時期はいつ?
雨水の候は2月中旬から3月上旬まで使える時候の挨拶になります。
2月中旬と言っても、いつから使えるのか気になりますよね。
具体的には、二十四節気の「雨水」の期間に使うことができ、例年2月18日頃から3月4日頃までとなります。
2月上旬から中旬の半ばまでは使えないので注意しましょう。
雨水の候の意味や読み方は?
「あまみずのこう」と読んでも間違いではないようですが、時候の挨拶は音読みが多いことや、二十四節気の雨水は「うすい」と読むことから、「うすいのこう」で覚えておくのがよいでしょう。
雨水とは、それまで雪が降っていたのが、雨に変わる時期という意味になります。
また、候には時期や気候、時候などの意味があるため、雨水の候は「春が近づいて雪から雨に変わる時期になりましたね」という意味になります。
雨水の候の正しい使い方は?
日本は南北に長い地形をしているため、北と南ではかなり気候が違いますよね。
雨水の候が使える2月中旬は、そもそも雪が降らない沖縄やほとんど降らない九州では梅が咲いて、桜の便りも聞かれる頃。
一方、北海道ではまだ雪が残り、雨が降ることは滅多にありません。
雨水の候はこのような実際の気象状況に関わらず、二十四節気の雨水の期間に使うことができる時候の挨拶なので、使うこと自体は間違いではありません。
ただし、北海道在住の方に「雨水の候~」と手紙やはがきを送ったとしたら、「こちらはまだ雪が積もっているのに?」と思われることがあるかも知れません。
雨水の候を使う場合は、相手の状況を考慮してみるのがよいかも知れませんね。
雨水の候を使った例文
雨水の候を手紙やはがきなどで使う場合、送る相手によって文章の書き出しを変える必要があります。
特にビジネス関係や目上の人に使う時は、失礼のないようにしたいと思うのではないでしょうか。
そこでここでは、ビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合の3つのケースに合わせた雨水の候を使った例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
雨水の候の結び文
結び文には季節に関係なく使える定型文があり、ビジネスシーンでは使うことが多いですが、時候の挨拶の
季節感に結び文を合わせることで、文章全体に統一感を出すことができますよ。
ここでは、雨水の候を使った場合の結び文の例文をご紹介します。
雨水の候を使うときに注意すること
時候の挨拶には口語調と漢語調があり、漢語調の方がより丁寧な表現になります。
雨水の候などの〇〇の候は漢語調になるため、それ自体が相手に敬意を表す言葉になるのですが、注意したいのはビジネス関係者や目上の人に出す手紙やはがきなどです。
文章の書き出しを雨水の候にしてしまうと、実はマナーとしては正しいとは言えません。
相手に対してさらに敬意を表すには、時候の挨拶の前に「謹啓」や「拝啓」などの頭語をつけるようにしましょう。
「謹啓」や「拝啓」には「謹んで申し上げます」という意味があり、いきなり時候の挨拶に入るよりも丁寧な表現となりますよ。
また、頭語をつけたら文章の終わりには結語を入れて下さい。
「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」、「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」になります。
なお、友人や知人などの親しい人には、頭語を使う必要はありません。
頭語をつけることでかえって、距離を感じてしまう方もいるので、こちらも注意してくださいね。
雨水の候以外の2月の時候の挨拶はある?
雨水の候は2月中旬から使える時候の挨拶ですが、2月に使える時候の挨拶と考えると2週間ほどしか使うことができません。2月上旬から中旬に時候の挨拶を使う場合や、中旬以降に雨水の候以外の時候の挨拶を使いたい時は、雨水の候以外の時候の挨拶を知っていると便利ですよね。
ここでは、2月に使える雨水の候以外の時候の挨拶をご紹介します。
立春の候
二十四節気の立春から次の節気の雨水まで使える時候の挨拶です。
具体的には例年2月4日頃から2月18日頃までになりますよ。
立春は季節の春の始まり、そして旧暦では新年を意味する言葉ですが、現在でも「暦の上では春」とニュースで聞くことも多い言葉ですよね。
余寒の候
立春(例年2月4日頃)から2月末まで使える時候の挨拶になります。
余寒には「立春を過ぎてもなお、寒さが続いています」という意味があるので、まだまだ寒い日が続く2月には使いやすい時候の挨拶と言えるでしょう。
向春の候
向春の候は2月上旬から3月下旬まで使える時候の挨拶になります。
春に向かうと書く通り、日に日に春に近づいていく時期という意味になりますよ。
時候の挨拶は二十四節気にちなんだものが多く、使える時期が決まっていることが多いですが、向春は二十四節気が由来の言葉ではないため、比較的自由に使うことができます。
梅鴬の候
二十四節気の立春から啓蟄まで使える時候の挨拶になります。
具体的には、例年2月4日頃から3月5日頃まで使える時候の挨拶になりますよ。
梅鴬の候には、梅が咲き、鴬の鳴き声が聞こえる時期になりましたね、という意味があります。
春寒の候
立春が終わる2月19日頃から3月中まで使える時候の挨拶になります。
春寒とは立春が過ぎて暦の上では春になったにも関わらず、ぶり返すような寒さが訪れるという意味です。
長く使える時候の挨拶なので、覚えておくとよいでしょう。
三寒四温の候
例年2月4日頃の立春から3月5日頃の啓蟄まで使える時候の挨拶になります。
三寒四温には寒さが3日続いた後に温かさが4日続くのを繰り返すという意味があります。
少しずつ春が近づいていく様子が目に浮かぶ言葉ですよね。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
雨水の候のまとめ
雨水の候は2月中旬の雨水(例年2月18日頃から3月5日頃まで)に使いやすい時候の挨拶です。
雨水は降る雪が雨に変わる時期で、気温が上がって雪ではなく雨が降る時期に入った、春が近づいてきたという意味がありますよ。
ただし、手紙やはがきなどを送る相手の地域の状況によっては、すでに春らしい陽気が続いていたり、反対にまだ雪が積もっていることもあります。
雨水の候はそのような状況に関係なく使えることはできますが、相手の状況をより踏まえた時候の挨拶を使いたい場合は使うタイミングに気を配る必要があるでしょう。
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