酷暑の候を使う時期はいつ?意味や読み方と使い方や例文と結びも!

酷暑の候

酷暑の候を使う時期や読み方、使い方と例文、結びについて解説しています。

酷い暑いと書く酷暑は、漢字だけでその意味が伝わってくる言葉ですよね。

ですが、具体的に酷暑とはいつのことを指すのか、酷暑の候が使える時期が知りたいと思う方は多いでしょう。

そこで今回は、酷暑の候の使い方を詳しく調べてみました。

目次

酷暑の候を使う時期はいつ?


酷暑の候は7月下旬から8月上旬まで使える時候の挨拶です。

一般的に下旬は21日から末日、上旬は1日~10日を指すため、7月21日から8月10日まで使える時候の挨拶ということになりますね。

ただし、酷暑の候は8月6日頃までしか使うことができません。

その理由については、次の「酷暑の候の意味や読み方」と「酷暑の候の正しい使い方」で解説しています。

酷暑の候の意味や読み方は?


酷暑の候は「こくしょのこう」と読みます。

時候の挨拶は音読みが多く、酷暑の候も音読みで「こくしょのこう」となりますよ。

酷暑とは夏の暑さが酷い、厳しいという意味で、候には時期や時候などの意味があります。

このようなことから、酷暑の候は「夏の厳しい暑さが続く時期になりましたね」という意味になりますよ。

なお、気象用語では酷暑日とは35度以上の気温の日を指す言葉ですが、酷暑の候は必ずしも気温が35度以上でなければ使ってはいけない、というわけではありません。

酷暑の候の正しい使い方は?


酷暑の候が8月6日頃までしか使えないのは、例年8月6~7日頃に「立秋」を迎えるからです。

「立秋」とは旧暦の秋の始まりとなる日で、昔はこの日を境に季節を秋としていました。

現在使われている新暦では、8月7~8日頃は秋というよりも夏真っ盛りの気がしますよね。

季節感に違和感を抱くのは、旧暦と新暦では1ヵ月ほど誤差があるためです。

それならば、時候の挨拶も新暦に合わせて使えるようにするべきでは、と思うかも知れませんが、そもそも時候の挨拶は旧暦に作られており、今でも旧暦に沿って形で使われています。

そのため、暦の上(旧暦)では秋となる「立秋」を迎える8月7~8日以降は、例え気温が高く暑さが厳しい日であっても、酷暑の候は使うことができないのです。

酷暑の候を使った例文


酷暑の候などの時候の挨拶を使った文章は、普段使い慣れていない方も多く、書き出しに悩んでしまうことがありますよね。

そこでここでは、酷暑の候をビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合の3つのパターンに分けて、それぞれ例文をご紹介します。

ビジネスで使う場合

・謹啓 酷暑の候、貴社におかれましてはいよいよご隆盛段、ご同慶の至りに存じます。毎度格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
・拝啓 酷暑の候、貴社におかれましてはいよいよご清栄のことと拝察いたしております。日頃はひとかたならぬ御愛顧を賜り、ありがとうございます。
・拝啓 酷暑の候、貴社の皆様におかれましては、ますますご活躍のことと存じます。平素は格別のお引き立てをいただき、ありがたく御礼申し上げます。

目上の人に使う場合

・謹啓 酷暑の候、〇〇様にはご清適されておられることと拝察いたします。
・拝啓 酷暑の候、〇〇様におかれましてはいよいよご壮健のこと大賀の至りに存じます。

親しい人に使う場合

・酷暑の候、仕事終わりのビールを楽しむこの頃、お元気にしていますか。
・酷暑の候、ようやく梅雨が明け、夏本番を感じさせる陽気が続いております。いかがお過ごしでしょうか。

なお、親しい人には必ずしも酷暑の候を使う必要はありません。

酷暑の候のような〇〇の候は、時候の挨拶の漢語調と言い、とても丁寧な言い方になります。

漢語調はビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどに使うのはよいのですが、親しい人に使うと相手がよそよそしさを感じてしまうこともあるようです。

そこで、親しい人に時候の挨拶を使う時は、漢語調よりもカジュアルな口語調を使うのがよいでしょう。

酷暑の候を口語調で使うのであれば、「うだるような暑さが続いています。夏バテなどなららず、お元気にしていますか」のような書き出しがよいでしょう。

酷暑の候の結び文


結び文とは文章の締めくくりに書く文です。

結び文には季節に関係なく使える定型文がありますが、時候の挨拶の季節感に結び文を合わせることで、文章全体に統一感や締まりを出すことができますよ。

ここでは、酷暑の候を使った場合の結び文の例文をご紹介します。

・暑熱耐え難き時節、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。謹言
・炎暑焼けるが如しの昨今、皆様方のご無事息災を心よりお祈り申し上げます。敬具
・寝苦しい日々ですが、エアコンで体を冷やしすぎて風邪など引かぬよう気をつけて下さいね。かしこ

酷暑の候を使うときに注意すること


酷暑の候を使うときに注意したいのは、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどで、文章の始まりにいきなり酷暑の候を使うのはマナーとしてNG、ということです。

先ほど、酷暑の候は漢語調といってそれ自体が丁寧な表現とお伝えしましたが、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどでは漢語調の時候の挨拶の前に頭語をつけるのが一般的です。

頭語には様々な種類がありますが、相手に敬意を表す言葉としてよく使われるのは「謹啓」と「拝啓」になります。

そして、頭語には対となる結語があるので、頭語をつけたら文章の最後は結語で締めて下さい。(結び文の例文を参考)

「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」、「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」となっているので、合わせて覚えておくのがよいでしょう。

なお、女性のみ使える結語に「かしこ」があります。

「かしこ」はどの頭語にもつけられる結語なので便利なのですが、ややカジュアルな印象を与えるため、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどには使わない方がよいでしょう。

酷暑の候以外の7月の時候の挨拶はある?


酷暑の候は7月下旬から使える時候の挨拶なので、7月上旬や中旬に使える時候の挨拶が知りたいという方は多いでしょう。

そこでここでは、7月に使える酷暑の候以外の時候の挨拶をご紹介します。

七夕の候

七夕の候は7月1日から7日まで使える時候の挨拶です。

七夕は旧暦の7月7日に行いますが、地域によっては月後れの七夕(8月7日)のところもあるので、そのような場合は七夕の候は使わない方がよいでしょう。

盛夏の候

盛夏の候は7月上旬から8月上旬まで使える時候の挨拶です。

盛夏の候には「夏の盛りの時期になりましたね」「まさに夏本番を迎えた暑さを感じる時期になりましたね」という意味があります。

猛暑の候

猛暑の候は7月上旬から8月上旬まで使える時候の挨拶です。

猛暑は酷暑と同じ意味合いに使われることが多いですが(気象庁では35度以上の日を「猛暑日」「酷暑日」と呼んでいます)、時候の挨拶では猛暑の候の方が使える時期が早く、長いですね。

小暑の候

小暑の候は7月7日頃から21日頃まで使える時候の挨拶になります。

小暑は二十四節気の一つで、小暑の候には「夏の暑さが本格化してくる時期になりましたね」という意味がありますよ。

大暑の候

大暑の候は7月22日頃から8月6日頃まで使える時候の挨拶です。

大暑も二十四節気の一つで、大暑の候には「一年で最も暑い時期になりましたね」という意味があります。

Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法

仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。

そのような時はWordを利用してみましょう。

Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。

ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。

手順

①Wordを開きます

②挿入タブをクリックします

③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします

④あいさつ文の挿入を選びます

⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう

⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます

⑦選んだら「OK」をクリックしてください

⑧Wordに選んだ文章が表示されます

ポイント

Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。

挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。

酷暑の候のまとめ

酷暑の候は7月21日~8月6日頃まで使える時候の挨拶になります。

天気予報などで聞く「酷暑日」とは気温35度以上の日のことを言いますが、酷暑の候は35度を超えていなくても、厳しい暑さであれば使うことができますよ。

ただし、気温が高く、文字通りの酷暑であっても、暦の上で秋となる「立秋」を過ぎると使えないので注意して下さい。

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