登山の服装の春夏秋冬のポイントと登山ウェアの買い方!

登山初心者が押さえておきたい服装のポイント!

登山に行こうと思ったら、登山服や登山靴、装備などの準備が必要となりますよね。

しかし、登山服と言っても一体どのような物を選べばよいのか初心者にはよくわかりません。

加えて言うなら、夏は気温が高くて暑いから服装はTシャツに半ズボンのような涼しい方がよい、という考えをする方がいらっしゃいますが、実はそれは非常に危険な考え方です。

山は、天気は勿論ですが標高によって気温に大きく違いが生じます。

また、登山は常に上に登っていくわけではなく、下がったり上がったりを繰り返しながら頂上を目指すものです。

そのため、5分前までは寒かったのに今は暑い、と感じることはよくあります。

この時、Tシャツしか着ていなければ、あっという間に寒さに体が動かなくなってしまいます。

登山にとって体が冷えることは命取りになりますので、絶対避けなければいけません。

では、登山初心者が抑えるべき登山の服装のポイントとは、何なのでしょうか。

目次

登山の服装の基本とレイヤード(重ね着)の考え方

 

登山の服装の基本は「重ね着」です。

とは言え、重ね着と言っても、適当にあれこれを重ねて着るのでは全く意味はありません。

登山の重ね着には「3レイヤー」と呼ばれるパターンがあります。

レイヤーとは層、重なりという意味があるので、3レイヤーとは「3つの重ね着」ということになります。

3レイヤーの内訳としては、まずベースレイヤーがあります。

ベースレイヤーとは肌に一番近いところで着る物、すなわち肌着や下着になります。

次に着るのがミッドウェア

ミッドウェアはその上に着るアウターとベースレイヤーの中間、という意味があります。

登山の服装の基本はこの、ベースレイヤー・ミッドウェア・アウターの3つの重ね着です。

しかし、登山に行く時は必ずこの3レイヤーでなければいけない、というわけではありません。

これはあくまでも基本の考え方で、状況などによって足していくことも可能です。

春・秋の登山の服装のポイントとレイヤリングのパターン

春・秋の登山では、麓の気温よりも山の気温が低い、という場合があるので、暖かい服装を心掛けることがポイントとなります。

例えば、ベースレイヤーは半袖よりも長袖の方がよいでしょう。また、生地の厚みも薄い物よりも中厚くらいが最適です。

そしてミッドウェアはフリースやウールなどの保温性の高い物を選びましょう。

最後にアウターですが、ソフトシェルタイプの物か化繊インサレーション形ミッドウェア(アウターと兼用)を用意するのがよいでしょう。

夏の登山の服装のポイントとレイヤリングのパターン

 

夏山登山の場合は、半袖の化繊系アンダーウェアに、ポリエステル系の長袖シャツを羽織るのがよいでしょう。

また、着用していく必要はありませんが、予備としてフリースや雨具を持っていくのを忘れないようにして下さい。

冬や雪山登山の服装のポイントとレイヤリングのパターン

 

ベースレイヤーは、保温性が高い化繊やウール素材が使われていて体温の低下や凍傷を防ぐ物を着用し、ミッドウェアは厚手のフリースやダウンジャケットを選択します。

その際、スリーシーズン対応の物ではなく、綿量が多く保温性の高い物を選ぶようにしましょう。

そしてアウターは、雪山用のウェアがよいです。レインウェアでは寒さや雪に対応が十分ではありません。

登山ウェア、失敗しないための買い方4つのポイント!

では実際に、ベースレイヤー、ミッドウェア、アウターごとに選ぶ際のポイントを見て行きましょう。

登山服は、登る季節や登る山によって必ずしも同じであるとは限りませんが、基本を抑えておくことで登山経験が増えるごとに、より自分に合った登山服を選ぶことができるようになると思います。

ポイント1:ベースレイヤー(肌着、アンダーウェア)とその特徴

ベースレイヤーとは、肌に直接触れる下着を指します。登山服を選ぶ上で、最も重要なのがこのベースレイヤーだと言われています。

化繊系アンダーウェア

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通気性や速乾性に優れ、登山時のアンダーウェアとして第一選択される物です。使われる素材はポリエステルで、ポリエステルのパーセンテージが高いほど吸水性はアップします。登山ウェアのメーカーから販売されている物を購入すればほぼ間違いはないと考えられますが、安さを求めるのであれば、ポリエステル100%のアンダーウェア自体はスポーツメーカーやユニクロなども販売しており、実際に登山をする方の中には使用してみてそれで十分と考える方もいらっしゃいます。しかし、登山ウェアメーカーの化繊系アンダーウェアは、汗をより早く放出するために繊維の編み方や構造などに工夫を凝らしており、体の表面をドライに保つという点ではやはりスポーツメーカーの物より登山ウェアメーカーの物の方が断然に優れていると言われています。ただし、化繊系アンダーウェアは汗の臭いがこもりがちになり、それが悪臭となる場合もあります。

 

ウール・化繊混紡系アンダーウェア

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ウールが混紡されたアンダーウェアの特徴は、100%化繊系のアンダーウェアに比べて保温性が高いという点があります。そのため、冬山登山をする方の多くはウールと化繊素材が混紡されたアンダーウェアを着用します。また、ウール・化繊混紡系のアンダーウェアは、化繊系アンダーウェアよりも肌触りがよく、汗の放出性能も高いことから汗冷えを防ぐことができます。さらに、ウール(羊毛・天然素材)を使っているので化繊系アンダーウェアよりも汗の臭いが気にならないという声も多いようです。ただし、大量の汗をかく場合は吸水性・速乾性はポリエステル100%のアンダーウェアに劣りますし、何より着ていて暑いという点で、夏場には不向きな素材とも言えます。

 

コンプレッション系アンダーウェア

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コンプレッション系アンダーウェアは、部分によって掛かる圧力を変えることで筋肉の疲労を軽減し、集中力を高める効果やスタミナやパワーの向上が期待されるアンダーウェアで、ジョギングやトレイルランニング、サッカー、テニスなどのスポーツの場において着用する方が増えている物です。近年はこの流行が登山にも波及しているようですが、注意したいのは使われている素材です。ポリウレタンが多く使われている物は乾きにくいという特性があり、冷えが大敵な登山においては致命的な弱点となってしまう場合があります。実際、登山専門店に行くとこのタイプのウェアはお勧めされないのが現状のようです。

サポート系アンダーウェア

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サポート系アンダーウェアには、テーピングの原理を用いた機能があり、膝や腰、関節などをサポートすることで負担を軽減してくれる効果があります。実際の登山でもその効果を実感し、使用している方は多いようですがその殆どは下半身を補強してくれるタイツの使用です。素材に、コンプレッション系アンダーウェア同様ポリウレタンが多く使われているため、速乾性や保温性が優れているとは言えないため、上半身に使用する方は少ないようです。

ポイント2:ミッドレイヤー(中間着・防寒着)などミッドウェアとその特徴

ミッドレイヤーとは、ベースレイヤーとアウターの間に着るという意味(ミッド=中間)があります。

主に汗を吸収して体温を下げない働きが求められるベースレイヤーに対し、ミッドウェアは保温の働きを重視しています。

ポリエステルシャツ系ミッドウェア

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吸水性の高いポリエステル素材は、アンダーウェアだけではなくミッドウェアでも使用が可能となっています。長袖のボタン仕様は、普段使いの服装にも見えますが登山に適しているのはポリエステルが使われている物ですので、その点は注意して下さい。

 

フリース系ミッドウェア

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フリースは、吸水性や湿気を拡散させる機能に優れているため、昔から登山には欠かせない装備の一つです。また、ミッドウェアとしては勿論ですがアウターとしても着ることができ、一年を通じて利用価値の高い登山服と言えるでしょう。

ダウン系ミッドウェア

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フリースに代わるミッドウェアとして最近注目されているのが、ダウン系です。軽量化されたことにより小さく折むことが可能で持ち運びに便利なだけではなく、高い保温性と風を通しにくいのでミッドウェアとしてだけでなく、アウターとしても利用が可能なところが支持されています。

化繊インサレーション系ミッドウェア

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インサレーションとは、断熱や断熱材のことを指し、ミッドウェアにおいては寒気を遮断し暖気を逃さないことで保温を維持する役割を担います。防風・防水がメインであるアウターと汗の吸水性を重視するアンダーの間で、高い保温機能を持続させる必要があるミッドウェアの中でも、より保温を重視した構造となっているのが化繊インサレーション系のミッドウェアです。しかし最近は、化繊インサレーション系のミッドウェアには、防風や防水に特化したアウター兼用の物も販売されており、ミッドウェアかアウターかの位置づけが不明瞭となっているようです。

ポイント3:アウターレイヤー(防風・防水、レインウェア、ウインドブレーカー)などアウターとその特徴

アウターレイヤーは、防水や防風などに特化した登山服で、ミッドウェアの上に着ます。

雨の日などはレインウェアを着ますが、その場合はこれがアウターレイヤーとなります。

ハードシェルジャケット

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アウターの中でも、ゴアテックスなどの防水素材が使われ完全防水仕様となっている物を、ハードシェルと言います。水の侵入を防ぐために縫い目がテープ処理となっていますが、ポケットはその構造上縫い目をテープ処理することができず、水がポケット内に溜まるのを防ぐために下部に穴が開いている場合があります。このため、貴重品などをポケットに入れておくことはお勧めできません。

ソフトシェルジャケット

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ハードシェルに比べると防水性は劣るものの、アウターの重視機能である防風や防水機能は保証され、かつ動きやすく快適な物を指します。

ダウンジャケット

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冬山を除いた3シーズンの登山において、アウターにこのダウンジャケットを選択するということは非常に稀だと思われます。日本においては北海道の冬山登山や、標高の高い海外など、極度な状況に必要とされるアウターです。

化繊インサレーション系

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こちらもダウンジャケット同様に、主に冬山登山に適したアウターとなります。ソフトシェル、ハードシェルの防水性にインサレーションをプラスすることで保温性を高めています。

ポイント4:パンツ(長ズボン)の選び方と素材

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登山用のパンツを選ぶ際のポイントは、

  1. 丈夫で
  2. 軽く
  3. 動きやすく
  4. 撥水性もある物

を選ぶのがよいでしょう。

メーカーによっては特に破れやすい箇所にはあらかじめ補強を加えているパンツもあります。

また、動きづらいと感じるパンツは肉体的だけではなく精神的にも疲労度がアップしてしまうので、必ず試着をして屈伸したり実際に歩いてみて、動きやすいと感じる物を購入するのがよいでしょう。

登山用の服装の素材とその特徴

登山服には様々な種類がありますが、用途によって使われる素材は異なります。

では素材別にどのような特徴があるのでしょうか。

また、登山に向いている素材や不向きな素材などはあるのでしょうか。

ここでは、登山服の素材の特徴に注目して調べてみましたので、ご覧下さい。

コットン素材の服

コットン(綿)は、登山服の素材としては不向きとされています。

その理由は、コットンは汗の吸収は非常に高いものの乾きが遅いため、いつまでも湿った状態になり結果として体を冷やしてしまうからです。

しかし、登山経験者の中にはコットン製の薄いTシャツを、着替え用に数枚持参し、休憩や就寝時に取り替える方もいらっしゃいます。

それは、やはり汗を吸う機能に関してはコットンが最もよいという判断からだそうで、その代わり汗をかいたまま着用せず、こまめに取り替えるようにしているそうです。

またコットンは、薄手であれば速乾性もあるのでタオルではなく手ぬぐいを持っていく方も多いようです。

汗を吸って湿ったタオルは重くなってしまいますが、手ぬぐいであれば軽く、すぐに乾くのでお勧めなのだそうです。

ウール素材の服

ウール素材の登山服は、主に春秋や冬などの寒い時期に適しています。

汗を吸収しながら保温性もあるため、体温の低下を防いでくれます。

ベースレイヤーとしてウールと化繊の混紡されたものを選ぶのは勿論ですが、ミッドウェアとしてウールのセーターを着る方もいらっしゃるようです。

登山服は、必ず一から全部揃えるのではなく、タンスの中から登山服として使用できるものを活用する、というのも一つの方法となっています。

ポリエステルとポリプロピレン素材の服

ベースレイヤーの基本は、汗の吸収性・速乾性が高いポリエステル素材を使用している物がよいとされています。

特に汗をかきやすい夏は、ベースレイヤーだけではなくミッドウェアでもポリエステルを使用している物を選ぶのがよいでしょう。

また、ポリエステルと同様に汗を発散させる効果に優れているポリプロピレンも登山服の素材として使用されることがありますが、チクチクとした肌触りと臭いが沁みやすいことから、ポリエステルに比べて見掛けることは少ない素材です。

ナイロン素材の服

ナイロン素材は収縮性があり、撥水性があるので登山服ではレインウェアなどのアウターとして使用されています。

しかし、水分を吸収しすぎてしまうと乾くのに時間が掛かる、重くなってしまうなどの弱点もあります。

ダウンウェア

登山用のダウンウェアは、タウンユースのダウンウェアのようにボリュームがあってオシャレな物ではなく、コンパクトにたためる機能性と共に、軽量化を進めながらも保温性をアップさせた物が多くなっています。

まとめ

登山に行く場合は、とにかく体温を下げないための服装選びが重要となります。

汗をかいた時、すぐにその汗を吸収し、乾きの早いベースレイヤーに、体温を維持するための保温に優れたミッドウェア、それに風や雨に強いアウターが、その基本となります。

近年、登山がブームとなり、オシャレな登山服も多数販売されていますが、見た目の華やかさや好みではなく「命を守る物」としての認識を強く持って登山服を選ぶようにしましょう。

 

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