五穀豊穣とは?五穀豊穣の使い方と例文!英語ではなんという?
日本には様々な四字熟語というものが存在し、学生のうちから試験勉強などで色々と学んできたことでしょう。
その学生のうちに学ぶ四字熟語に含まれていることが多い五穀豊穣ですが、読み方や簡易的な意味を理解している人は多いけれど、その由来やそもそも五穀とは一体何なのかまで突き詰めると答えられなくなってしまいます。
そこで、今回はこの五穀豊穣の詳しい意味や正しい使い方、英語での表現の仕方や五穀の意味について触れていきます。
五穀豊穣の意味や由来
五穀豊穣を辞書で調べると「穀物などの農作物が豊作になること」といった意味が記載されています。
言い方はいくつかありますが、ほぼすべてがこの意味で記載されているでしょう。
由来ははっきり言って不明です。
個人的な推察となりますが、中国においてこの五穀豊穣と全く同じ意味がある「五穀豊登(ごこくほうとう)」という言葉があるのですが、これが日本に伝わって日本風にアレンジした五穀豊穣という言葉を使うことになったのだと思われます。
ちなみに、この言葉は和銅5年(712年)に太安万侶が編纂した日本最古の歴史書である古事記にも記載してあると言われているので、その頃にはこの五穀豊穣という言葉は使われていたと思われます。
五穀って何?
五穀豊穣という言葉を調べる時に最大の壁となっているのがこの、五穀の意味です。
「豊穣」は「作物が豊かに実る様子」となっているのですが、「五穀」はちょっと厄介な状態になっています。
「五穀」はいわゆる「五種類の穀物」になるのですが、時代によってこの「五種類の穀物」があやふやで異なっており、どれが該当しているのか変わっているというのがポイントとなっています。
現代日本においての五穀は「米・麦・粟・豆・黍(きび)」が該当することが多いのですが、これらの何かを省いて「稗」を入れるケースもあるようです。
五穀米として売られているモノは「米・麦・粟・豆・黍(きび)」がミックスされていることが多いので一般的にはこちらで考えた方が良いでしょう。
ちなみに、古事記にはこの五穀が「稲・麦・粟・大豆・小豆」とされていますし、日本書紀では「稲・麦・粟・稗・豆」と記載してあります。
ちなみに、密教では「稲穀・大麦・小麦・則豆・白芥子」が五穀とされていたという記述もあり、天でバラバラなのです。
五穀豊穣の読み方
これは一般的に使われている四字熟語なので予測変換が当たり前のようにできる言葉となっています。
読み方も簡単ですし、意味もシンプルな言葉なので教えやすい四字熟語になっているのですが、「五穀とは何か?」とか「五穀豊穣を祈るとは具体的に何をするのか?」といった突っ込みが発生することで急激に難易度が高くなる言葉でもあるのです。
浅く知るだけならば1分も時間が必要もない四字熟語なのですが、深く知るには1時間以上必要になってしまう可能性がある面白い四字熟語となっています。
「五穀」は五種類の穀物ではない?
しかも、近代に入ることで「五穀」とは「五種類の穀物」ではなく「重要な穀物」として扱うこともあり、いわゆる「米・麦・粟・豆・黍(きび)」以外にも蚕豆や豌豆やささ豆等も含まれていたという記述もあります。
日本はお米が最も主食として扱われていましたが、今よりも圧倒的に天候に左右されていた時代はお米でも生産が不安定になりがちで、絶対視されることが少なかったと言われています。
そのため、五穀を絶対視するのではなく食べられる穀物すべてが該当するようになったという情報もあるのです。
このようにいろんな穀物が該当する扱いなので、五穀とは何かを問われた場合は「一般的には米・麦・粟・豆・黍だけど時代や人によって考え方が異なる」という答えが正解に近い状態にあります。
五穀豊穣の願いが込められた祭事について
個の五穀豊穣の願いは輸入に頼ることがほとんど無い昔の日本ほどより真剣であり、神嘗祭や新嘗祭といった重要なお祭りでも大きくかかわっております。
神嘗祭は宮中祭祀のひとつで五穀豊穣の感謝祭に該当しており、その年に収穫された新穀を天照大御神にお供えする祭事となっております。
この神嘗祭は721年から始まったといわれており非常に歴史のある祭事で、太陰太陽暦から太陽暦に替わるまでは9月17日に行われていましたが、1ヶ月遅れの10月17日に行われるお祭りとなりました。
いわゆる収穫のお祝いが神嘗祭なのです。
新嘗祭は天照大神にお供えする儀式ではなく、新穀を奉りますが天皇陛下みずからがその新米を召し上がりその力をいただく収穫感謝の祭りとなっているのです。
また、戦後祝日法が改定されるまではこの新嘗祭は祝日として扱われていました(今は勤労感謝の日になっている)。
新嘗祭 供御 献穀粟 抜穂式に参加しました。
「にいなめさい・くご・けんこくあわ・ぬきほしき」と読みます。
皇室に献上する粟(あわ)を刈り取る儀式です。
生育した粟を見ることはほとんどありませんが、右の写真のように一粒の種から本当に沢山の実を付けます。
今年の五穀豊穣を願いました。 pic.twitter.com/eRDPpT5ht6— 杉本たつじ(福井県知事) (@TatsujiS) September 12, 2022
五穀豊穣の正しい使い方
五穀豊穣の使い方として一般的なものは「五穀豊穣を願う」とか「五穀豊穣を祈る」とか「五穀豊穣を感謝する」という言葉でしょう。
あくまでも四字熟語であり「穀物などの農作物が豊作になること」という意味があるので、その状態になるためのお願いやお祈りや豊作になったことを感謝するタイミングで用いられるのです。
ただし、現代日本における日常会話ではあまり使いませんし、農家の方々も取れ高が多いかどうかは「豊作」や「凶作」といった表現をすることが一般的なので、日常的に聞く言葉ではないでしょう。
五穀豊穣を使った例文
五穀豊穣を使った例文は先ほどの使い方で紹介したように「五穀豊穣を願う」とか「五穀豊穣を祈る」とか「五穀豊穣を感謝する」といったものになります。
後は神様のご利益として紹介されるときにも用いられるので、「祭神は五穀豊穣の神様である御歳神と玉姫神」といった使い方もされています。
つまり、この五穀豊穣という言葉が登場するのは寺社仏閣でご利益の話をするときや昔ながらの祭事を行うときとなっています。
五穀豊穣を英語でいうと?
五穀豊穣を英語でいうと「bumper crops」か「huge harvest」が該当するでしょう。
「bumper crops」における「bumper」は車のバンパーという意味もありますが、「満杯」という意味があります。
「crops」は「crop」の複数形であり「crop」の意味は「作物」や「収穫物」となっているのです。
つまり「bumper crops」は「満杯の収穫物」となります。
「huge harvest」における「huge」は「大きい」とか「膨大な」という意味があり、「harvest」は「農作物や果物の収穫」や「収穫物」や「作物」という意味があり、こちらもセットで「膨大な収穫物」となり五穀豊穣という言葉とイコールになるのです。
五穀豊穣の類義語は?
五穀豊穣という言葉の意味は「穀物などの農作物が豊作になること」ですが、これを表現する四字熟語で最も有名なのはやはり五穀豊穣でしょう。
類義語としては、豊年満作や豊年豊作などが該当しますがあまり知名度は高くありません。
五穀豊登も日本で使われることもある四字熟語ですがやはりこちらは中国の四字熟語というイメージが強いので、普段使いするのは五穀豊穣が圧倒的に多いでしょう。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は五穀豊穣についていろいろと記載してまいりました。
五穀豊穣という意味も言葉もかなり簡単なのですが、五穀とは何なのか、この五穀豊穣のお祝いとは何なのか魔で突き詰めると色々と濃い内容になることがわかったと思います。
現代における五穀はだいたい決まっていますが、本当は定義付けされていないものなので人によってはこの中身の覚え方も違うかもしれません。
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