緑茶・煎茶・抹茶・玉露・番茶・ほうじ茶の違いは?お茶の分類って?

お茶の違いについて!どこまでが日本茶なのか教えて!

日本人にとって馴染み深い飲み物と言えば、お茶ではないでしょうか。

しかし、一口にお茶と言っても思い浮かべるものは人それぞれです。

緑茶、番茶、ほうじ茶など、お茶には様々な種類がありますよね。

また、緑茶と煎茶の違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。

同様に抹茶、玉露は緑茶と何が違うのか、きちんと答えられる方も少ないかも知れません。

そこで今回は、お茶の違いについて調べてみました。

数多いお茶の種類の中で、「日本茶」とはどこまでを指すのかについても合わせてご紹介します。

目次

緑茶・煎茶・抹茶・玉露・番茶・ほうじ茶の違い


いつも何気なく飲んでいるお茶。

緑色が緑茶、茶色がほうじ茶くらいしか違いがわからないという人も多いと思いますが、それぞれの特徴を詳しく知ることができれば、より自分の好みのお茶を見つけることができそうですよね。

そこでここでは、一般的にお茶としてよく飲まれている緑茶、煎茶、抹茶、玉露、番茶、ほうじ茶の違いについてご紹介します。

緑茶

緑茶とは、下で詳しく説明している煎茶、抹茶、玉露、番茶、ほうじ茶と言ったお茶を含めた総称で、日本茶とも呼ばれています。

緑茶の原料はツバキ科ツバキ属の常緑樹である「チャノキ」の葉で、緑茶に分類されるものは茶葉を発酵させずに作られる不発酵茶になります。

同じチャノキでも、完全に発酵させると紅茶に、発酵を途中で止めると烏龍茶になります。

なお、日本で生産されるお茶のほとんどは緑茶です。

昭和40年代までは紅茶の生産も盛んに行われ、烏龍茶ブームにより烏龍茶の生産も一時期活気がありましたが、どちらも結局は根付きませんでした。

煎茶

緑茶の中でも、日本人にとって最も馴染みがあるのが煎茶です。

煎茶は日本全体の生産量の8割を占めているため、『緑茶=煎茶』と思っている方も多いでしょう。

煎茶は日光を浴びて育ったチャノキの新芽を摘んだ後、熱処理(蒸らし)をして揉み、乾燥させて製造されます。

飲む時はお湯に浸して成分を抽出しますが、煎茶の「煎(じる)」には薬草や茶を煮だして成分を出すという意味があります。

日光を浴びて成長した煎茶は、渋味成分のカテキンが多く含まれており、お茶らしい苦味や爽やかさを感じやすくなっています。

抹茶

抹茶は他の煎茶のように日光を浴びて育てるのではなく、日光を遮断して栽培された碾茶(てんちゃ)が原料となります。

また、煎茶は茶葉を摘んで蒸らした後、揉んで乾燥させますが、碾茶は揉みの工程を行いません。

さらに、乾燥させた茶葉を出荷の直前に石臼で挽いて粉末にします。

日光を遮断して栽培される碾茶は甘味が強いお茶になるため、抹茶も甘味が際立つお茶になります。

なお、抹茶と混同しやすい粉末緑茶は煎茶が原料となるため、見た目はよく似ていますが、渋味や苦味が抹茶よりも強くなります。

玉露

玉露は別名「高級煎茶」とも呼ばれ、その名の通り煎茶の一種です。

原料がチャノキで不発酵茶であることは同じなのですが、栽培方法が他の煎茶とは異なります。

玉露は新芽が出始めてから(もしくは摘み取りの3週間前から)、日光を遮断して育てます。

これにより、渋み成分のカテキンの量が減り、代わりに旨味成分であるテアニンの量が増えるため、一般的な煎茶よりも甘味が強いお茶になるのです。

また、煎茶は4月上旬に九州地方から摘み取りが始まりますが、この時期に摘み取られた煎茶は「新茶」もしくは「一番茶」と呼ばれ、栄養価や香り、味わいなどが最上級になります。

チャノキの茶葉は最初に摘み取ってから50日後くらいにまた芽が出てきますが、この時に収穫されたものを二番茶、二番茶の収穫からさらに40日後くらいに収穫されたものを三番茶と呼び、新茶に比べると旨味成分が少ないため、新茶と比べて安い価格で購入することができます。

玉露は新茶を原料として作られるため、「高級」煎茶と呼ばれています。

番茶

煎茶には、収穫の時期によって新茶(一番茶)、二番茶、三番茶、四番茶、秋冬番茶と名前が付けられています。

数字が大きくなるごとに、茶葉からは旨味成分のテアニンが少なくなり、代わりに渋味成分のカテキンが多くなるのですが、番茶に区別されるのは三番茶以降の煎茶になります。

一般的な家庭でよく飲まれているのがこの番茶で、煎茶や抹茶に比べると緑色がやや薄いですが、その分飲みやすく、さっぱりとした口当たりとなっています。

ほうじ茶

煎茶や番茶を、強火で焙煎したお茶がほうじ茶です。

そのため、色は緑色ではなく茶色になるので、緑茶に含めないこともあります。

焙煎の過程で茶葉に含まれるカフェインが少なくなるので、小さなお子さんでも飲みやすいお茶と言われています。

また、香ばしさが際立つため、食後の口の中をさっぱりさせたい時にお勧めとなっています。

お茶の分類って何?


お茶は、チャノキを原料にして作られるものと、それ以外を原料(豆など)にして作られるものに分けられます。

チャノキを原料として作られるお茶はさらに、発酵の有無や具合によって、次の4つに分けられます。

不発酵茶

茶葉を蒸したり炒ったりして熱を加えることで、酵素の働きを抑え、発酵させずに製造されるお茶のことを言います。

不発酵茶には緑茶があります。

半発酵茶

チャノキに含まれる酵素によって、少し発酵させて作るお茶のことを言います。

半発酵茶には烏龍茶があります。

発酵茶

チャノキに含まれる酵素によって、しっかりと発酵させて作るお茶のことを言います。

発酵茶には紅茶があります。

後発酵茶

茶葉にチャノキに含まれる酵素以外の微生物などを使って発酵させて作るお茶のことを言います。

後発酵茶にはプーアル茶があります。

どこまでが日本茶なの?


日本茶には明確な定義はなく、植物学的にもどの木の茶葉から作られたお茶が日本茶かと決まっているわけではありません。

一般的には「日本でよく飲まれているお茶」もしくは「日本で作られているお茶」を指す場合が多いです。

日本でよく飲まれているお茶であれば、生産量の8割を占める緑茶(煎茶)が日本茶ということになりますが、一方で日本で作られているお茶をすべて日本茶とするなら、ごく一部の地域でしか生産、流通していないお茶も日本茶ということになります。

例えば、徳島県で生産されている阿波番茶や高知県の碁石茶は、日本ではほとんど生産されていない発酵茶の一種で漬物茶と呼ばれています。

製法が煎茶とはかなり異なることから、煎茶を日本茶とするならこれらのお茶はその定義から外れてしまいますが、日本で作られているお茶ということは間違いありません。

このようなことから、「日本茶」がどこまでか?という疑問に対して、しっかりと分けることは現状では難しいと言えるでしょう。

まとめ

普段、何気なく飲んでいる煎茶、抹茶、玉露、番茶、ほうじ茶が実はすべて緑茶の一種であるとは驚きでした。

また、緑茶=日本茶のイメージがありますが、日本茶の明確な定義はなく、必ずしも緑茶のみが日本茶であるとは限りませんでした。

とは言え、「どれも似たようなもの」と思っていたお茶の種類に、栽培方法や栄養成分などに明確な違いがあることがわかりました。

これからは、渋味が強く口をさっぱりさせたい時は、二番茶、三番茶を使った番茶やほうじ茶、甘味が強いお茶が飲みたい時は玉露や抹茶というように、気分や用途などに応じてお茶を使い分けてみるとよいかも知れませんね。

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