お茶の選び方はどうしたらいいの?茶柱が立つと縁起がいい理由は?
日本人にとって国民的飲み物と言えば、やはりお茶(緑茶)ではないでしょうか。
近年は日本人のみに留まらず、健康的な飲み物として海外の方にも人気を博しています。
このように、日本人に馴染みのあるお茶ですが、一方で「新茶と一番茶、二番茶、三番茶の違いがよくわからない」という声が聞かれます。
そこで今回はお茶の違いについて調べてみました。
新茶、一番茶、二番茶、三番茶それぞれの特徴の他に、お茶の選び方や疑問に思っている人も多い「茶柱が立つと縁起が良い」と言われる理由もあわせてご紹介します。
新茶・一番茶・二番茶・三番茶の違い
緑茶は一般的に一年に2~3回収穫されるため、茶葉を摘み取った時期によって一番茶、二番茶、三番茶と呼び方が違います。
また、一番茶、二番茶、三番茶以外によく使われるのが新茶という呼び方です。
新茶と一番茶、二番茶、三番茶にはどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、それぞれの茶葉の時期や特徴を詳しくご紹介します。
新茶
新茶は、その年に初めて摘まれた茶葉から作られるお茶のことを言います。
一般的に時期は4~5月で、縦に長細い日本列島では鹿児島など南の地域から順に収穫が始まり、徐々に北へと上がっていきます。
新茶は新米などと同じように、旬のお茶として扱われます。
「夏も近づく八十八夜」でお馴染みの童謡『茶摘み』でも、立春から数えて88日目となる5月上旬(通常は5月1日~2日ころ)に摘まれる茶葉を新茶とし、新茶は不老長寿の効果があるとして昔から重宝されていました。
新茶は若葉のため、後に紹介している二番茶、三番茶と比べて爽やかな味となっています。
これは、お茶の渋味の元であるカテキンやカフェインが少なく、なおかつ旨味の元であるアミノ酸が多く含まれるからで、苦味よりも甘味が際立ちます。
一番茶
一番茶は上でご紹介した新茶と同じ種類です。
同じ物なのにどうして呼び方が違うのかと言うと、一番茶は二番茶、三番茶と対比するためで、一方の新茶は「初物」や「旬」という意味合いがあります。
一番茶は、二番茶、三番茶と比べてアミノ酸の一種であるテアニンが多く含まれており、甘味や旨味が強い美味しいお茶になります。
秋から冬にかけて蓄えられた養分が豊富に含まれているのも、一番茶の特徴と言えるでしょう。
また、一番茶の中でも早い時期に摘まれた茶葉は、茶葉自体がやわらかく成分が凝縮されているので、同じ一番茶でも5月に収穫された茶葉よりも価格が高いことがあります。
二番茶
二番茶は、6~7月に摘まれる茶葉から作られるお茶のことを言います。
6月に入ると気温が高くなるため木の生長が早くなることや、一番茶を摘んだ後の収穫になるので木の養分が減っていることから、一番茶に比べて風味が落ち、品質も下になります。
しかし、旨味成分のテアニンは少なくなるものの、苦味成分のカテキンやカフェインの含有量は増えるので、より苦味の強いお茶になります。
三番茶
二番茶の収穫から、一ヵ月後となる7月下旬~8月にかけて摘まれる茶葉から作られるお茶のことを言います。
二番茶に比べてさらに生長のスピードが早くなるため、栄養成分や旨味成分の含有量は減ってしまいます。
ちなみに、三番茶を摘まずにそのまま生長させ、9~10月に摘む茶葉を秋冬茶葉と言います。
秋冬茶葉は三番茶に比べて味が良いだけでなく、血糖値を下げる効果があると言われているポリサッカライドという成分を多く含むことから、近年は健康によいとして注目を集めています。
お茶の選び方はどうしたらいい?
日本では、収穫された茶葉のおよそ8割が緑茶として流通しています。
それゆえに種類が多く、「どのお茶を選んだらよいか、よくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、お茶の選び方についてご紹介します。
甘味のあるお茶が飲みたいなら
甘味や旨味を強く感じるお茶は、新茶になります。
新茶は4~5月に収穫された茶葉を使っていますが、より早い段階で摘まれた茶葉の方が甘味が強いため、品質も高級となります。
また、高級緑茶として知られる玉露も甘味が強いお茶です。
玉露は他のお茶とは栽培方法が違い、茶葉を摘む3週間ほど前から太陽の光を遮断して、渋味成分のタンニンの生成を抑えています。
日光を遮断しない新茶と比べても、玉露の方がより甘味が強いと言われています。
旨味が強いのでリラックスをしたい時に、やや温めの温度(60度)で2分ほど煮だすのが美味しく飲むポイントです。
渋味の強いお茶が飲みたいなら
渋い味が好みであれば、二番茶、三番茶を選ぶのがよいでしょう。
二番茶、三番茶は一番茶に比べて葉がぎゅっと固くなっているため、熱めのお湯で淹れるのがよいと言われています。
さらに急須に入れてから揺らすと、より濃いお茶が楽しめます。
渋味が口の中をさっぱりとしてくれるので、脂っこい食事を摂った時には特にお勧めです。
茶柱が立つと縁起がいい理由
茶柱が立つというのは、茶葉とお湯を急須に入れて、それを湯呑みなどに注いだ時、お茶の中に流れ込んだ茶葉の茎が立った状態で浮いていることを言います。
昔から縁起が良いと言われますが、この理由には諸説あるため、今回はそのいくつかをご紹介したいと思います。
最近の急須は茶こし部分の網目がとても細かいため、茎が通り抜けてしまうことはほとんどないそうです。
また、ティーバックに入れて飲む方も多いので、茶柱が立ったお茶を見る機会は極めて稀と言えるでしょう。
もし、どうしても茶柱が立ったお茶を飲みたいということであれば、茶葉は二番茶、もしくは三番茶を選びます。
その上で茎を一つ取り出し、片方を指で潰して湿らせてからお茶に入れると、湿らせた方が重くなるのでお茶の中で茎が立ちやすくなります。
なお、茶柱が立ったお茶は誰かに教えたりせず、知られないように飲んでしまうのがよいと言われています。
まとめ
お茶(緑茶)は、収穫の時期によって呼び方が異なり、その年に最も早く摘まれたお茶を新茶(もしくは一番茶)と呼び、以後、二番茶、三番茶・・と呼び方が変わります。
新茶は旨味成分が多く含まれているため甘味の強いお茶なのに対し、二番茶、三番茶は苦味成分が多くなるので渋味を感じやすくなります。
そのため、お茶を選ぶ時は好みに合わせ、甘味が強いお茶が飲みたいなら新茶や栽培方法が特殊な玉露を、渋味が強いお茶が飲みたいなら二番茶、三番茶を選ぶのがよいでしょう。
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