春一番とは?意味や由来と2024年はいつ頃?

春一番とはいつ頃?風速との関係や春一番の時期に事故が起こりやすいのは本当?

春になるとラジオやテレビの天気予報で「春一番」というワードが頻繁に出てきます。

今回はこの春一番とは一体どのような意味や由来があるのか、春一番とは正確にはいつになることが多いのか、事故が起こりやすいと言われているけど本当なのかを調べて参ります。

春一番と寒の戻りも関係性があるという情報も精査していきましょう。

目次

春一番とは?

春一番とは、2月4日頃の立春から3月21日頃の春分の間に発生する南寄りの強い風のことを言います。

また、北日本(北海道・東北)・甲信・沖縄を除く地域で春先に吹く南寄り(東南東から西南西)の強風のことです。

春一番が起こるメカニズム

だんだんと季節が春に近づいてくると、日本海側を低気圧が通過することが増えてきます。

強い南寄りの風が吹き、最大風速が8m以上で、最高気温が前日より高く日本海に低気圧が通過することで春一番が起こるのです。

かなりフワフワした表現となっていますが、一つの目安としてこの時期に南よりの風が8m/s以上で発生した場合は春一番と表現されることが多いと考えてください。

ただし、この春一番は日本海で低気圧が発達することで発生する強風になりますので、日本海側では海難事故や雪崩が発生する可能性が高まる時期でもあります。

春一番の由来

由来は諸説ありますが、長崎県壱岐郡郷ノ浦町(現・壱岐市)において1859年3月17日に発生した強風による海難事故という説が有力視されています。

この海難事故を引き起こした強風は、この地域では以前から春一や「カラシバナおとし」と表現していたのですが、53名の命を落としたこの大事故によって「春一番」と名称を定めたと言われております。

そこから民俗学者の宮本常一氏が1959年に「俳句歳時記」において紹介したことで広まったようです。

そこで春一番を春の季語として用いたことで広まり、気象庁が立春から春分の間で発生する南風の強風を春一番としたことで天気予報でも頻繁に登場することになります。

春一番って穏やかな風というイメージがあるけど何で?

これはNHKの超大人気番組である「チコちゃんに叱られる!!」でも紹介されていたのですが、このような穏やかなイメージがついてしまった最大の理由が、大ヒット曲のキャンディーズの名曲「春一番」にあると推測されています。

この「春一番」の大ヒットによって穏やかな風というイメージが圧倒的に広まってしまい、海難事故を起こすような突風とか強風という認識が薄れてしまったのでしょう。

あくまでも春一番は「急発達する低気圧」を表現する言葉であり、防災するためにも必要な情報なので、穏やかな風という考え方は捨てた方が良いと思います。

特に、船や飛行機を利用することが多い日本海側に住んでいる人は注意しましょう。

春一番2024年の時期はいつ?


春一番2024年の時季は「2月4日頃の立春から3月21日頃の春分の間に発生する南寄りの強い風」なので、「2月4日頃から3月21日頃」と考えましょう。

ただし、この春一番は毎年必ず発生するモノではありませんので、観測なしの年もあるのです。

また、急発達する低気圧によって強烈な南風が複数回発生した場合は、「春二番」や「春三番」という表現をするという情報もあります。

関東地方の春一番の累計データについて

春一番は地域ごとに観測しておりそれらの累計データもきちんと保管されています。

一例として「関東地方の春一番」というサイトでは関東地方の累計データを紹介しております。

そちらにある表を引用いたしますので、参考にしてください。

だいたい10年に1回程度の頻度で春一番が観測できていないことがわかります。

月 日 月 日 月 日
1951 (昭26)年 2月22日 1981 (昭56)年 3月15日 2011 (平23)年 2月25日
1952 (昭27)年 3月19日 1982 (昭57)年 3月5日 2012 (平24)年 発生せず
1953 (昭28)年 2月11日 1983 (昭58)年 2月15日 2013 (平25)年 3月1日
1954 (昭29)年 2月12日 1984 (昭59)年 3月12日 2014 (平26)年 3月18日
1955 (昭30)年 2月20日 1985 (昭60)年 2月21日 2015 (平27)年 発生せず
1956 (昭31)年 2月7日 1986 (昭61)年 3月10日 2016 (平28)年 2月14日
1957 (昭32)年 3月4日 1987 (昭62)年 2月11日 2017 (平29)年 2月17日
1958 (昭33)年 2月23日 1988 (昭63)年 2月5日 2018 (平30)年 3月1日
1959 (昭34)年 発生せず 1989 (平元)年 3月1日 2019 (平31)年 3月9日
1960 (昭35)年 2月20日 1990 (平 2)年 2月11日 2020 (令和2)年 2月22日
1961 (昭36)年 3月3日 1991 (平 3)年 2月28日
1962 (昭37)年 2月11日 1992 (平 4)年 発生せず
1963 (昭38)年 2月24日 1993 (平 5)年 2月6日
1964 (昭39)年 3月16日 1994 (平 6)年 2月9日
1965 (昭40)年 2月14日 1995 (平 7)年 3月17日
1966 (昭41)年 2月10日 1996 (平 8)年 発生せず
1967 (昭42)年 2月17日 1997 (平 9)年 2月21日
1968 (昭43)年 3月5日 1998 (平10)年 3月14日
1969 (昭44)年 発生せず 1999 (平11)年 3月5日
1970 (昭45)年 2月20日 2000 (平12)年 発生せず
1971 (昭46)年 発生せず 2001 (平13)年 2月28日
1972 (昭47)年 3月20日 2002 (平14)年 3月15日
1973 (昭48)年 発生せず 2003 (平15)年 3月3日
1974 (昭49)年 発生せず 2004 (平16)年 2月14日
1975 (昭50)年 2月25日 2005 (平17)年 2月23日
1976 (昭51)年 2月28日 2006 (平18)年 3月6日
1977 (昭52)年 3月9日 2007 (平19)年 2月14日
1978 (昭53)年 2月28日 2008 (平20)年 2月23日
1979 (昭54)年 2月21日 2009 (平21)年 2月13日
1980 (昭55)年 3月1日 2010 (平22)年 2月25日

(参考URL:https://www.jma-net.go.jp/tokyo/sub_index/kiroku/kiroku/data/31.htm)

春一番と風速の関係


春一番は南風の強風であり「10分間平均で風速8m/s以上の風」というルールがあります(地域によって7m/s以上になるところもあり)。

また、風向は「東南東から西南西まで」というルールも設けられているようで、立春を過ぎたタイミングで発生する強烈な南風というザックリとした表現はある意味適切であることがわかります。

春一番は事故が起こりやすい?


春一番は強風によって引き起こされた海難事故が由来となっていますが、現代でもこの強風によって事故が発生しています。

こちらの「恐るべき春一番 :: 株式会社 気象サービス(http://www.weather-service.co.jp/topic/11313/)」という記事を見ると、「日本付近に南から暖かい空気が流れ込むため、大気の状態が非常に不安定となり、落雷や竜巻などの激しい突風の恐れもあります」という記載があり、1978年には東京でも春一番による竜巻が発生して東西線の車両が脱線して転覆したという驚きの情報もありました。

強風による暴風雨も発生するようで、それによって雪崩が引き起こされて雪崩による死者を出したケースもあります。

1972年には富士山で雪崩が発生して死者・行方不明者24人という大事故が発生しています。

2月4日頃の立春から3月21日頃という期間からはそれていますが、4月頃に強風が発生するケースもあり、近年では2012年に多大な被害をもたらしているのです。

身近な事故もあるので注意!

雪崩や海難事故は身近で発生するモノではないで春一番があまり怖くないと感じている人でも、強風による事故はちょっとしたところで引き起こされるので注意は必要です。

たとえば、母親が強風で自転車の前籠に子供を乗せた状態で転倒してしまい負傷してしまったというニュースもありましたし、建築現場付近を歩いていたら強風で煽られたことで立て掛けてあった木製コンパネなどが倒れ込んできて巻き込まれたとか、強すぎる風で転倒して骨折したという情報は大量にあります。

春一番と寒の戻りとの関係


春一番は日本海に温帯低気圧が発生して、北側が寒気で南側が暖気の配置になるのですが、風は気圧が低い方に向かって移動するので南寄りの風が発生するという仕組みになっており、気温が上昇するのです。

ただし、この温帯低気圧は西へ速い速度で移動することが多く、次の日には寒冷前線の影響によって冷え込むことが多くなっています。

これが寒の戻りを引き起こすのです。

「春一番のあとは寒の戻り(https://topic.life-ranger.jp/column/%E9%80%B1%E6%9C%AB%E3%81%AE%E5%A4%A9%E6%B0%97/40837/)」という記事を見てみると、2019年に寒の戻りが発生したことがわかります。

春一番に関するよくある質問

春一番の風向は?

春一番は、冬から春への移行期に、初めて吹く暖かい南よりの強い風です。

気象庁の定義では、2月4日ごろの立春から3月21日ごろの春分までの間に、広い範囲で初めて吹く暖かく(やや)強い南風のことを言います。

春一番が吹くとどうなるの?

春一番が吹くと季節外れの暖かさとなりますが、低気圧の通過後は冬型の気圧配置となり、日本海側では雪や雨、各地の気温もその時期らしい寒さに戻り、日ごとの気温差が大きくなります。

春一番と言い始めたのは誰?

1959年に出版された『俳句歳時記』に編者として関わっていた民俗学の大家、宮本常一が全国をくまなく歩いて採取した言葉の一つが「春一番」でした。

まとめ

以上、いかがだったでしょうか。

今回は春一番についての情報をまとめました。

大人気番組である「チコちゃんに叱られる!!」によってこの春一番が取り上げられたことで、この言葉は一躍有名な言葉となりました。

今回はそれに付随するように時季や条件を記載しましたので、春一番にまつわる知識を集めたいという方は参考にしてください。

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