正月事始めはいつのこと?
言葉からなんとなく意味がわかる正月事始めですが、具体的にどのような意味や由来があるのか、明確にいつなのかを把握している人は少ないでしょう。
今回はこの正月事始めについて詳しく解説し、一体何をするのか、お歳暮や大掃除との関係性についても調べていきたいと思います。
ちょっとした知識自慢にも使えるような情報が満載です。
正月事始め2021年はいつ?
2021年の正月事始めは、12月13日です。
一部の地域によってこの正月事始めのタイミングは異なっていますが、江戸庶民にとっては「12月13日」が一般的だったので、基本的にはこの「12月13日」になっていると考えられます。
12月13日は何の日?
12月13日は正月事始めの日であり、この日は何の日になるのかチェックすると高確率で「正月事始め」という言葉が出てきます。
この正月事始めの影響で、実は12月13日は「大掃除の日」に認定されているのです。
他にも数字の「13」が近づけると英語の「B」に見えるとのことで、「Beauty」の頭文字として扱って「美容室の日」としているという情報もあります。
12月は美容室が繁忙期なのでそれにあわせて認定した日なのでしょう。
そして12月13日は語呂合わせで「胃に胃酸の日」に認定されています。
他には「ビタミンの日」「双子の日」にも認定されているようです。
正月事始めの意味や由来
初めて聞いた人は「正月がスタートすること」と思ってしまいがちですが、あくまでもお正月を迎えるための準備をスタートする日だとお考えください。
この由来は江戸時代中期まで使われていた中国暦の宣明暦に用いられてきた天体の位置を表す「二十七宿」にあります。
その「二十七宿」において鬼に該当していた「12月13日」は婚礼以外は相性が良い日なので、「正月事始めの日」として用いられたようです。
二十七宿について
この二十七宿は江戸時代の1685年に全廃されているので馴染みは全くありません。
名前的にも「二十八宿」の親戚と思ってしまいますが、あちらは中国の占星術や天文学が発祥なのに対して、こちらはインドの占星術や天文学が発祥となっているので似てはいますが区別されているようです。
しかし、二十八宿と二十七宿を混同する人が多かったからなのか、完全に撤廃されてしまっている二十七宿を「古法」と表現する人もいるので、こちらの呼び方もチェックしておきましょう。
ちなみに、この「二十七」という数字は月の天球に対する公転周期が「27.32日」にあわせて作られたモノであり、撤廃される前まではだいぶ浸透していたことが予想されます。
1685年まで使われていた日本の暦は宣明暦(せんみょうれき)という中国の暦を採用したモノで、これは862年から使われていたというかなり歴史のある暦なのです。
これとほぼセットで扱われてきた二十七宿は当時の庶民にとっても親しみのあるモノだったのでしょう。
今でもその名残として正月事始めの日付は暦が変わっても「12月13日」のままだったのです。
正月事始めのいろいろな風習や文化!
この正月事始め、つまりお正月の準備にするべき事は色々とありますが、その中でも昔から続いてきた風習や文化がいくつかあります。
それが「煤払い」と「松迎え」と「年男」です。
この中の1つが文化としてはっきりと残っており、1つはほぼ消えています。
残りの一つは意味が変わった形で残っているようです。
煤払い(すすはらい)
煤払いとは「お正月に歳神様を迎えるために1年の汚れを落として清める事」となります。
江戸城では12月13日に全面的に煤払いをしていたので江戸所民も当たり前のように模倣して12月13日に大掃除をするようになりました。
昔は火種は薪や炭だったので、使えば使うほど天井や壁に煤が溜まってしまうので、徹底的な掃除をすることとは煤を落とすことだったようです。
この煤を落とすための道具である「煤梵天」を用いて天上や掃除をしにくいところまできっちり掃除しいたという情報もあります。
いわゆる1年が終わる前の大掃除とはここからきているという考え方が一般的なのです。
この正月事始めを知らないという人でも正月事始めの風習の一つである「煤払い」名残を当たり前のように受け入れています。
また、大きな商人の家では煤払いが終わった後に祝宴を開いていたという情報もあり、いわゆる年末の忘年会に近いイベントを行っていたようです。
歳神様の考え方や教えが無くなっても、忘年会や大掃除という文化ははっきりと残っています。
松迎え
松迎えとは「門松に使うための松やおせちを調理するための薪などを用意するために山に採取しに行くこと」です。
この松迎えも12月13日に行うので、煤払いも含めるとかなり忙しかったことが予想されます。
こちらの風習は忙しい現代人にはすっかりと消え去ってしまった風習と言えるでしょう。
お正月用に山に採取しに行くというアクティブな人は筆者の周りの人には全くいませんでしたし、薄れてしまった文化だと思います。
おせちや門松という文化や風習は消えてはいませんが、ちょっと寂しい気持ちになります。
年男
新年を迎えるにあたってよく登場するワードの一つが「年男」です。
しかし、現代日本で伝わっている年男は「その年の干支に該当する男性」であり、正月事始めの年男は「お正月の行事を取り仕切る人」と意味が異なっています。
基本的には家長となる長男が大掃除の段取りやお正月の飾り付けや歳神様へのお供え物について色々と取り仕切っていたのですが、色々と忙しすぎたようで時間が空いている家族や奉公人などが対応するようになったようです。
今ではこのように準備や段取りをする人は「お母さん」が該当しているという家庭も多いと思いますので、ある意味「年男」は「お母さん」となっているのです。
お歳暮との関係について
お歳暮はお正月用のお供え物を持ち寄るという文化から、日頃の感謝の気持ちを込めてお世話になった人達に送るモノへと変化した風習です。
このお歳暮を贈るタイミングというのが、実は正月事始めが終わったタイミングと言われており、12月13日を過ぎたタイミングが目安とされています。
より具体的には12月13日から20日までにお歳暮を贈るのが理想なのでしょう。
しかし、現代ではお歳暮ギフトを取り扱うお店で早期割引が実施されることも多く、11月に準備が終わって11月中に発送する人も多くなっています。
この12月13日から20日までという期間は個人的にそこまで意識する必要は無いと思っていますが、年をまたぐのは絶対にNGなのでどんなに遅くても12月31日までは届くように送りましょう。
ただし、年末は旅行でいないというケースもありますので、やはり12月20日ごろには届くようにお歳暮を贈った方が良いと思います。

大掃除との関係について
正月事始めにおける煤払いは大掃除の原型とも言われており、今でも年末に大掃除をするという文化ははっきりと残っています。
もともと煤払いは「年神様を綺麗な環境でお迎えする」ためのものであり、この大掃除が終われば正月飾りを実行するのです。
12月13日は大掃除の日に認定されていることから、正月事始めにおける煤払いの文化ははっきりと残っていることがわかります。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は正月事始めとは一体何なのかを記載しました。
「正月始め」ではなく「事」が入るのがポイントで、この「事」が入ることで「正月のための準備をすること」という認識をしやすいと個人的には思っております。
今でも年末に大掃除をするのは当たり前なので、この正月事始めの一部は何年後でも引き継がれていくでしょう。
コメント