1年に1回あるかどうかの天体ショーが月食ですが、月食についてどのような現象なのか?どのようにして起こるのかの仕組みを理路整然と解説できる人は少ないでしょう。
そこで、今回は月食の起こる仕組みを詳しく解説し、2024年はいつ見られるのか、必要な道具や注意点はどうなっているのかを解説いたします。
月食はなぜ毎月見られないのか、赤くなる理由は何なのかも調べていきましょう。
月食とは?起こる仕組みは?
(参考URL:https://www.nao.ac.jp/astro/basic/lunar-eclipse.html)
月食は地球と太陽と月が一直線になることで発生する現象で、その並びは太陽⇒地球⇒月となります。
上の画像がとってもわかりやすいのでこのような配置になっているときに月食が発生していると覚えるようにしましょう。
月は自ら発光している存在ではなく、太陽光を受けて白く輝いて見えるのですが、地球の影に隠れてしまうことで白い輝きは失われて赤く見えるようになるのです。
そして部分月食は地球の影に完全に隠れるのではなく一部が隠れている状態となります。
ちなみに、日食は月食と同じく地球と太陽と月が一直線になることで発生するのですが、並びが異なり太陽⇒月⇒地球となります。
月食の種類
皆既月食
皆既月食は地球の影に月全体が入ってしまう現象です。
地球の影にすっぽりと入ってしまうので、全体的に赤く見えるでしょう。
部分月食
部分月食は地球の影の一部に月が入ってしまうことで、一部分だけが赤く見えたり暗く見えるようになります。
半影月食
半影とは地球が太陽の一部を隠している部分で、半影月食とはその太陽の一部分を隠している場所に入った状態となります。
ただし、半影月食は肉眼ではほとんど確認できないレベルの変化なので、観測したい人は双眼鏡や望遠鏡が必要になるでしょう。
日食と月食の違い
日食は太陽⇒月⇒地球という並びで、月食は太陽⇒地球⇒月という並びになります。
また、日食は昼間に観測が可能だけど太陽を隠すのが月になるので観測できる場所が限定的で、月食は夜に観測が可能だけど月を隠すのが月より大きい地球になるので観測できるのは月が出ている場所ならどこでもとなります。
なぜ月食は毎月見られないの?
しかし、この軌道は重なっておらずずれが発生しています。
太陽の通り道を専門用語で「黄道」と表現し月の公転軌道を「白道」と表現するのですが、この黄道と白道が約6度ほどずれているのでぴったり重なったタイミングでしか月食は発生しません。
そのため、発生頻度は少ないのです。
月食が赤くなる理由は?
月食が発生しても月が真っ暗で見えなくなるのではなく赤くなります。
これは月が地球に完全に隠れてしまうことで波長の短い青が届かなくなってしまい波長の長い赤い光しか届かなくなってしまうからです。
太陽から見て月は地球の後ろに隠れた状態にありますが、その時地球の大気はレンズのような働きをして集めた光を月に届けるのです。
ただし、波長の短い光は大気中に散乱してしまうので赤い光だけが月に届き、このように見えてしまいます。
2024年の月食はいつ?
2024年の月食は、9月18日ですが、日本で観測することはできません。
月食一覧(2024年から2030年)
日付 | 月食の種類 | 日本での状況 |
---|---|---|
2024年09月18日 | 部分月食 | 日本で見えない |
2025年03月14日 | 皆既月食 | 日本の一部で部分月食が見える(月出帯食) |
2025年09月08日 | 皆既月食 | 日本で見える |
2026年03月03日 | 皆既月食 | 日本で見える |
2026年08月28日 | 部分月食 | 日本で見えない |
2028年01月12日 | 部分月食 | 日本で見えない |
2028年07月07日 | 部分月食 | 日本で見える(月入帯食) |
2029年01月01日 | 皆既月食 | 日本で見える |
2029年06月26日 | 皆既月食 | 日本で見えない |
2029年12月21日 | 皆既月食 | 日本で見える(月入帯食) |
2030年06月16日 | 部分月食 | 日本で見える(月入帯食) |
注意
- 日付は、食が最大になるときを日本時間で表しています。
- 「半影月食」については掲載していません。
- さらに詳しい状況が知りたい場合には、暦計算室の月食各地予報をご参照ください。
関連リンク
月食はどこで見れるの?
月食は基本的にタイミングさえ合っていれば、どこでも見ることができます。
ただし、曇っていて月が見えない状態だと見えないでしょう。
要するに月が見える状態で月食が発生していたならどこでも見ることが可能と言うことです。
そのため、月食を見られる回数の方が日食よりも遙かに多くなっております。
本格的に月食を見たいという人は自分がいる場所の天候をしっかりとチェックして、曇りや雨なら晴れている地域に移動することも考えてください。
また、星と違い観測対象が月なので多少明るい場所でも問題なく観測できるのもポイントでしょう。
ちなみに、地球規模で考えた場合の発生頻度は日食の方が多いのですが、月の方が地球よりも圧倒的に小さいため日食は見られる地域が限定的なのです。
そのため、頻度は多くても日本では見られないということがかなり多く、日食を追いかけるといった行動を限りは体験しやすいのは圧倒的に月食になってしまいます。
月食を見るための道具は?
ちょっとした録画や撮影がしたいという人はiPhoneやスマートフォンを用意すれば問題ないでしょう。
昨今のiPhoneやスマートフォンの撮影機能はかなり高性能なので、はっきりとした月食をカメラに収めることができると思います。
ただし、本格的な月食の観測をしたいとなると用意する道具が一気に増えます。
まず、必須となるのが望遠鏡や双眼鏡でしょう。
本格的に暗い環境でしっかりと天体観測をしたいという人は三脚アダプターや赤いライトもほしいです。
ついでに星の観測をしたいという人はコンパスと星座早見盤も用意してください。
また、ある程度寒い環境での観測になる場合は防寒具も必要になりますし、レジャーシートもあったほうがいいでしょう。
折り畳みチェアもあると便利です。
長時間観測を続けるという人はチョコレートといった食べ物も必要になってきます。
また、ちょっとした山から観測したいという人は虫よけスプレーといった道具も必要になってきます。
この中で個人的にお勧めなのが赤いライトです。
暗闇に目を慣らして観測する場合はスマートフォンやiPhoneの光もNGとなってしまい、通常のライトはなかなか使えないのですが、赤いライトならば問題なく使うことができます。
実際に大手通販サイトで天体観測用の赤いライトが用意されていますので、そちらを購入してみるといいでしょう。
月食を見る時の注意点
月食を見るうえで注意しないといけないのが、その状況及び環境です。
月食を観測する場合は必ず月を見上げないといけないのですが、その場所を考えないとちょっとした事故が発生してしまいます。
ついつい歩きながら上を見てしまった場合は誰かと接触して転ぶ可能性がありますし、さらにスマートフォンを操作している最中ならば接触した際に落として踏んでしまう可能性すらあるでしょう。
また、立ち止まって観測する場合でも人が多い場所だと邪魔になってしまうので出来る限り人通りが少ない場所での観測が推奨されてしまいます。
このように考えればわかるような事柄が注意事項として並びますので、そこまで心配することはないのです。
日食の場合は直接太陽を見るのはNGということでサングラスなどを用意しないといけないなどのルールがありますが、月食はそういった縛りはないのです。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は部分月食についていろいろと解説しました。
月食は1年に1回程度観測できる天体ショーです。
この月食は仕組みを理解することでより楽しめますので、今回紹介した記事を参考に星の動き方を感じてみてください。
日食との違いを理解することで、知識の幅も広がりますのでそちらもセットで覚えておきましょう。
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