お屠蘇やお神酒はお正月でよく登場するワードですが、具体的にどのような違いがあるのか、明確にするのは困難でしょう。
そこで、今回はお屠蘇とお神酒の違いについて詳しく解説し、お正月とお屠蘇の関係性や正月とお神酒の関係性についても調査いたします。
基本的なお屠蘇レシピや作り方を知りたいという方も是非ご確認願います。
お屠蘇とお神酒の意味の違い
お屠蘇は「お正月に1年間の汚れや穢れを祓って長寿を願う縁起物の薬酒」で、お神酒は「神様にお供えするお酒」となります。
このように意味を記載すると摂取するタイミングが違うということがまずわかるかと思います。
お屠蘇は1年に1回ですが、お神酒は神社でのイベントや結婚式といったタイミングで用意されますので1年間で複数回発生する人もいればゼロ回の人もいるのです。
お屠蘇の由来は諸説あり「蘇という病気を振りまく悪鬼を滅ぼす」とか、「邪気や鬼気を屠って人魂を蘇らせる」という言葉からきていると考えられます。
お神酒は日本独自の自然崇拝や神道からきていると考えられ、あらゆる自然災害を神様のご機嫌を損ねたととらえてその気持ちを静めるためにお供えしたのがスタートと言われております。
お屠蘇もお神酒も「無病息災」や「厄払い」という意味が込められていますが、その由来や本来の意味を覗いてみると違いがあることがわかるでしょう。
ちなみに、お正月にお供えするモノや下げて飲むどぶろくや済酒はお神酒で、お正月に飲む薬酒はお屠蘇なので間違いないようにしましょう。
お屠蘇はあくまでも薬酒なので、お神酒とは違います。
お屠蘇とお神酒の中身の違い
屠蘇は屠蘇散という生薬を浸して飲むので薬酒としての側面が強いのですが、お神酒は清酒という日本酒かどぶろくを用意して飲むので、この違いもあると言えます。
お神酒として使うのは日本酒かどぶろくが基本ではありますが、正式に用いるのは白酒、黒酒、どぶろく、清酒の4種類なのです。
ただし、白酒と黒酒は用意することがなかなかできないので、清酒とどぶろくを用意するのが一般的となりました。
お屠蘇に入っている生薬を具体的に記載すると、キク科オケラまたはオオバオケラの根である「白朮」、日本人にも馴染みがある「山椒」と「桔梗」、シナモンとして有名な「桂皮」、セリ科ボウフウの根を使う「防風」、みかんの皮の「陳皮」、「生姜」やウマノスズクサ科のケイリンサイシンやウスバサイシンの根や根茎を乾燥した「細辛」となっているので、本当に薬の効果が強いお酒となっています。
ちなみに、お屠蘇に使う生薬の効果効能は以下のとおりになっています。
整腸作用が多分に含まれている薬酒となっていますので、お正月にお餅などをガッツリと食べるという家庭にとってはありがたいお酒といえるかもしれません。
お屠蘇
正月とお屠蘇の関係
お屠蘇は三国志にも出てくる医師の華佗が発明した薬酒という説もあり、平安時代初期になってからやっと日本に伝わって浸透したと言われております。
この中国ではお正月にお屠蘇を飲むという風習があるのかどうかはわかりませんでしたが、日本に伝わった平安時代から日本ではなぜかお正月にお屠蘇を飲むという考え方が発生しており、それがずっと続いて庶民にまで浸透し、現代にまで残っている状態になっています。
お屠蘇は「お正月に1年間の汚れや穢れを祓って長寿を願う縁起物の薬酒」として今でも親しまれており、今では薬局や薬店でティーバッグタイプの屠蘇散が販売されていますので、そちらで購入しているという人も多いでしょう。
「お正月と言えば朱色の盃を使ってお酒を飲む」というイメージがなんとなくついている人は、そのお酒がお屠蘇だと思っていただければわかりやすいでしょう。
朱色の盃が無いという人でも簡単に摂取できる時代になりましたので、興味があるという人は年末の薬局をご利用ください。
正月とお神酒の関係
お正月とお神酒の関係性はシンプルにお正月にお備えして身を清めるためのお酒というモノです。
自宅に神棚があるという人はお神酒やお塩やお米をお供えしたことがあると思います。
この中でお神酒は家の周囲を清める効果があるとされ、邪気や厄災が入らないようにするための神聖な酒となっているのです。
また、神棚にお供えしたお神酒には神様の力が宿されているという考え方もあり、そのお下がりをいただくことで神様の力をいただくという考え方に繋がるのです。
これは鏡餅にも言えることで、歳神様という概念が強かった時代はこの歳神様が鏡餅に宿るとされ、お正月が終わって鏡餅を食べることでその力をいただくことができると考えられていました。
お神酒もこの歳神様における鏡餅の扱い方を参考にしている部分があると思います。
お正月の神社でお神酒を用意するところも多いので、そちらを堪能したという人も多いでしょう。
ただし、飲酒運転の危険性も考慮して、昨今では神社で用意するお神酒は瓶に詰められたものになっているようです。
基本的なお屠蘇の作り方・レシピ
※ここで紹介している動画はみりんを使わないでお酒100%の状態でしたが、あれでは飲めないという人もいると思いますので、味をまろやかにしたいという人は本みりんをうまく使ってください。
調理時間:1分
材料:本みりん・日本酒・屠蘇散
動画ではお酒200mlに屠蘇散をつけて一晩つけて終わりと解説していますが、味をもっと甘口にしたいという人は本みりんを用意してください。
お酒と本みりんを合計300mlになるように調整し、そこに屠蘇散を5~8時間ほど浸すだけです。
料理の特徴
とにかく簡単ですが、浸しておく時間がそれなりにありますのでお正月の朝に飲むという人は12月31日の夜に用意しておく必要があります。
ただし、屠蘇散を漬け込みすぎると味がきつくなるという意見もありますので、寝る前につけて朝起きたら味のチェックをする必要があるでしょう。
個人的な意見となりますが、睡眠時間5時間はお正月の朝とはいってもちょっとキツイと思いますので、朝起きてから用意して飲んでも良いと思います。
ただし、お屠蘇の作法に元日の朝に汲んだその年初めての水で手を清めてから、新年の挨拶を終えておせちを食べる前に摂取するというものがあるので、こちらを意識すると味の調整が難しくなってしまいます。
【お屠蘇(とそ)を作ろう!】新年明けたらお節料理をいただく前にお屠蘇で邪気を払い無病息災を祈願。作り方は簡単!ドラッグストアやスーパーで見かける「屠蘇散」を日本酒や本みりんに一晩つけるだけ。屠蘇器の代わりにティーポットや片口でも(・∀・)詳しくは→ https://t.co/Eg0AHxS03d pic.twitter.com/swL4FTw0np
— 日本名門酒会 (@meimonshu) December 29, 2020
全国のお神酒!
この二つは大手通販サイトでも取り扱っているので、どれが人気なのかはレビュー数や評価で見えてくるでしょう。
大手通販サイト楽天では「お神酒」で検索すると「越乃寒梅 灑(さい)、八海山 真澄、雪の茅舎、福寿(全て純米吟醸)」が評価数が多い商品としてヒットします。
清酒は「水と米を原料にした、濁っていない酒」なので、「清酒」で検索しても同じような商品が見つかるようです。
どぶろくは「米や米麹や水を発酵させてもろみをこさずに作ったもの」で、楽天では「一東マッコリ(https://item.rakuten.co.jp/kangurume/0136-0227-4/)」や「活性純米酒 どぶ 720ml×2本(https://item.rakuten.co.jp/hanayoi/10000068/)」が評価数が多い商品として見つかります。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回はお屠蘇とお神酒の違いについて記載しました。
あくまでもお屠蘇は薬酒です。
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