春節に行う風習や飾り付けや食べ物は?
毎年1~2月になると中国人観光客が大勢日本にやってきて、電化製品や食品などを大量に買う、いわゆる「爆買い」が一時期テレビやマスコミで話題となりましたよね。
これは、長期休暇となる春節に日本に旅行に来る中国人が増えるために起こることです。
春節は旧暦のお正月(旧正月)で、新暦とは暦のズレがあるため毎年日にちが変わるのですが、それでは2021年の春節はいつになるのでしょうか。
また、春節に馴染みがない日本人にとっては、期間や決め方など、よくわからない点も多いのではないかと思います。
そこで今回は春節について調べてみました。
春節の風習や食べ物、おススメの過ごし方などを合わせてご紹介します。
春節に食べる食べ物は?
春節は年末年始に当たるため、日本で新年におせち料理を食べるように、春節に欠かせない食べ物が多数存在します。
そこでここでは、春節に食べる食べ物をいくつかご紹介します。
餃子
中国では餃子は縁起のよい食べ物として知られており、春節には必ず食べる食べ物です。
餃子の形が、清の時代まで中国で使われていた貨幣に似ていることから、春節に食べると金運がアップすると言われています。
また、餃子の発音が子どもを授かるという意味の「交子」に似ているため、子孫繁栄を願って食べられるとも言われています。
春巻き
中国では春巻きは春餅と呼ばれ、立春の時期に芽吹く旬の食べ物を皮で包んで食べることから、「終始一貫」という意味が込められており、一年の幸せを願って家族みんなで頂く縁起物になります。
正月もち
正月もちは春節に中国の多くの地域で食べられるもので、年年糕(年糕)とも呼ばれます。
年年糕は、年年高(仕事や生活が年々高くなる)という意味の言葉と同じ発音のため、運気上昇を願って食べられる縁起物となっています。
春節に行う風習は?
春節には、日本と同様に中国でも子どもへ渡すお年玉の風習があるそうです。
また、年男・年女は厄年となることから、全身赤い服を着て春節の期間中は外出をしないことで厄払いとするという風習もありますが、時代の移ろいと共に現在は実際に行っている人は減っているようです。
とは言え、全身赤い服ではなくても、年男・年女に該当する人は赤い靴下を履いて春節を過ごす場合が多いと言われています。
春節の飾り付けは?
春節と言えば、赤を中心とした色合いでまとめられた飾りつけのイメージがある方も多いと思いますが、それぞれの飾り付けには、日本の正月飾りと同じように意味があります。
赤い灯籠
赤は中国では縁起のよい色とされており、春節のメインカラーにもなっています。
春節から旧暦の正月十五日の『元宵節』には、一家団欒の象徴とされる赤い灯篭を灯してお祝いを行います。
ちょうちん
大きなちょうちんには「繁栄と幸運」という意味があり、春節にあると道路や家々の軒先に無数に飾られます。
切り絵
中国には「剪紙(せんし)」と呼ばれる切り絵細工があり、春節の時には縁起がよい赤や金色の紙を使って飾り付けが行われます。
水仙
水仙は春節の時期に開花を迎える旬の花で、縁起がよいとされている金色や白い花を咲かせます。
金柑の木
中国では金柑の木は「吉祥と富をもたらす」縁起のよいものとされており、春節の時期になると2鉢以上の金柑の木をベランダや庭などに置き、ご祝儀を括りつけてお祝いをします。
年画
年画は年に一度張替えた後、一年飾り続けるために年画と呼ばれています。
大晦日になると室内に年画を、門などに神様の絵を飾って、新年の門出をお祝いします。
「福」を逆さまに飾る
「福」を逆さまに飾ることで、福がすでに来た、幸せがすでに来たという意味になります。
春節の過ごし方
春節は7日間という長い休みになりますが、人によってはそれ以上の休みとなることもあり、国内外へと旅行に出かける人は年々増加しています。
その一方で、一般的な春節の過ごし方と言えば、まだまだ一家団欒で年越しをすると答える人が多いです。
日本では紅白歌合戦を見て年越しをするという方がいますが、中国でも「春節聯歓晩会」という年越し番組を見て、新年を迎えるのが恒例となっているようです。
また、中国では大晦日から新年にかけて爆竹を鳴らし、魔除けをする伝統行事があり、各地域で爆竹の音が激しく鳴り響く光景もお正月らしさの一つと言われています。
2021年の春節の期間はいつ?
2021年の春節は2月12日となっており、期間は2月11日~17日の7日間になる見通しです。
見通しとしたのは、正式な発表は2020年の12月に政府より行われるからです。
春節と言えば中国のイメージがありますが、タイやベトナムなども春節があるため、国によっては1日前後日付が変わる可能性があります。
春節の期間の決め方は?
春節の期間は、旧暦の新年となる春節の前日(大晦日)を含めた7日間となることが一般的です。
2021年の場合は、2月12日が春節となるので、その前日である11日から7日間となる17日までと予想されていますが、大晦日の前日の小晦日(こづもり)を含めて2月10日から16日までの7日間とする国もあるかも知れません。
春節の日付が毎年変わるのは、旧暦(太陰暦)と現在の新暦(太陽暦)の違いによるものです。
旧暦は月の満ち欠けによって暦を決めるため、一ヵ月の平均は29.5日です。
一方の新暦は太陽の運行で暦を決めており、一ヵ月は30日もしくは31日なので旧暦と新暦では暦にズレが生じます。
このようなことから、旧暦と新暦の日付は一致せず、毎年異なった日となります。
春節の期間に人気の海外旅行オススメの国!
春節の期間には、中国を始め数多くの観光客が日本へやってきますが、これとは逆に日本から各国へ旅行にでかけてみるのも面白いでしょう。
ここでは、春節の期間におすすめの人気の海外旅行の国をご紹介します。
中国
春節=中国というイメージを持っている方も多く、赤や金色の装飾が施された煌びやかな街中を歩くだけでも楽しそうです。
また、春節の時期には世界三大氷祭りの一つである、ハルビン氷祭りも開催されます。
台湾
迪化街で開催される年賀大街は、日本の上野や築地のような賑わいとなり、正月料理を始めとした多くの食べ物や春節飾りの出店が軒を連ねます。
韓国
韓国の春節は、自宅で家族水入らずで過ごすことが多いため、いつもは人で溢れているソウル市内が閑散とします。
人ごみを避けて観光や買い物を楽しみたいという方にお勧めです。
シンガポール
シンガポールにあるチャイナタウンでは、中国の春節と同じ雰囲気を楽しむことができます。
タイ
タイのバンコクにもチャイナタウンがあり、春節の時期は祝賀ムードに包まれ、カウントダウンイベントなどで盛り上がります。
マレーシア
中華系移民の多いマレーシアでも、春節のお祝いが盛大に行われます。
お勧めなのは期間限定の「魚生(イーサン)」と呼ばれる料理で、日本のおせち料理に相当するものです。
春節にしか食べられないので、この時期にマレーシアを訪れる場合はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
ベトナム
ホーチミンやハノイ、ダナンなどの大都市では、春節の時期に毎年フラワーロードが開催されます。
町の中心に多くの花屋の出店が集まり、一帯が花で包まれます。
なぜ日本ではお祝いしないの?
春節は中国発祥ですが、中国以外にも韓国やタイ、マレーシアなど、東南アジア、東アジア各国でお祝いされています。
ではなぜ、日本では春節のお祝いを行わないのでしょうか。
この理由についてははっきりとわかっていませんが、日本も明治6年の改暦以前は旧正月をお祝いしていました。
しかし、現在の新暦に変わったことで旧正月の時期が休みにならなくなったことが、最大の理由なのではないかと言われています。
なお、横浜の中華街など、今でも中国の文化を色濃く残している地域では、春節のお祝いが行われています。
まとめ
春節は旧正月のことで、2021年は2月12日となります。
その前日から一週間が春節の期間となるため、2月11日~16日が該当しますが、正式な日程は2020年の12月に発表されます。
長期休みとなるので多くの中国人が国内外へ旅行にでかけますが、本来は一家団欒で年越しを行うのが恒例となっています。
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