上層雲・中層雲・下層雲にある雲の種類と名前!
空に浮かぶ雲を見ていると、時間が過ぎるのを忘れてぼんやりとしてしまいますよね。
小さい時に、雲を動物や食べ物などに見立てて楽しんだ記憶がある人もいるのではないでしょうか。
毎日違う表情を見せる雲は、二度と同じものには出会えませんが、実は雲ができる高さにより、上層雲、中層雲、下層雲に種類が分かれていて、どこで発生するかによってある程度、どの雲ができるのかがわかります。
また、雲には形状や特徴などによって名前もついているので、覚えておくと誰かに自慢できるかも知れません。
と、いうわけで今回は、雲についてご紹介したいと思います。
日常的によく見られる雲だけではなく、珍しい雲も掲載しているので、ぜひ記事をチェックしてみて下さいね。
雲が発生しやすい高さ(上層雲・中層雲・下層雲)と特徴
雲は遥か上の高さで発生しているようにも思えますが、実はそうとは限りません。
天気の悪い日などは霧が出て視界が悪くなりますが、霧も雲の一種であるため、雲は地上付近でも見られることがある気象現象と言えるでしょう。
また雲は、種類によって発生する高さが異なります。
そのため、雲の発生する高さによって、まずは3つに分類されています。
分類は次の通りになります。
・上層雲(高度5~13㎞に発生する雲)
・中層雲(高度2~7㎞に発生する雲)
・下層雲(地上付近から高度2㎞に発生する雲)
上層雲にある3つの雲の種類と名前
上層雲は、地上から最も離れた場所に発生する雲になります。
上層雲はさらに3つに分けることができます。
ここでは、上層雲に属する雲の名前や特徴をそれぞれご紹介したいと思います。
巻雲(けんうん)
すじ雲、はね雲、しらす雲などとも呼ばれ、文字通り筋状に見えたり、白いペンキをハケで塗ったような形状や、釣り針のように先が曲がったように見える雲を言います。
天気のよく、上空の風が強い時に発生しやすいと言われています。
巻積雲(けんせきうん)
うろこ雲、いわし雲、さば雲などとも呼ばれ、魚のウロコや小石が並んでいるように見える雲です。
細かい氷の粒が集まってできており、台風や低気圧が接近していると発生しやすいと言われていることから、この雲を見かけた時は急な天気の変化に注意をするとよいでしょう。
巻層雲(けんそううん)
かすみ雲、うす雲とも呼ばれ、空一面を薄いベールで覆ったような雲が発生します。
この雲が出た場合も、その後の天気の変化に注意が必要です。
中層雲にある3つの雲の種類と名前
続いて、中層雲にある雲の名前や特徴をご紹介します。
雲のある高さを目視で計ることはできませんが、中層雲はそれよりも高い上層雲と地上に近い下層雲の間になります。
高積雲(こうせきうん)
ひつじ雲とも呼ばれ、その名の通り羊が群れを成しているように見えます。
巻積雲よりも雲が大きいのが特徴で、秋に見掛けやすい雲です。
高層雲(こうそううん)
おぼろ雲とも呼ばれますが、この雲で月が隠れた状態がおぼろ月夜になります。
乱層雲(らんそううん)
あま雲、ゆき雲を呼ばれるもので、いわゆる雨や雪を降らせる雲のことを言います。
空全体を厚く灰色の雲が覆ってしまうので、太陽が隠れてしまい、日中でも薄暗くなってしまいます。
下層雲にある4つの雲の種類と名前
地上に最も近い場所に発生する下層雲について、種類やその特徴をご紹介したいと思います。
層積雲(そうせきうん)
この雲が発生する時は天気は曇りとなります。
ただし雨は降りません。
一年中、どの季節でも見られる雲になります。
積雲(せきうん)
雲と言ったらこの雲を想い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
わた雲と呼ばれており、文字通り綿のようにふわふわと空に浮かんでいる雲です。
晴れている日によく見られる代表的な雲と言ってよいでしょう。
層雲(そううん)
きり雲と呼ばれ、雲の中では最も地上に近いところに発生する雲です。
山の途中でよく見られますが、低い山であれば頂上付近まですっぽりと覆われてしまうこともあります。
ちなみに、きり雲が地上に到達すると霧になります。
また、最近は雲海観光が人気となっていますが、雲海もきり雲の一種です。
積乱雲(せきらんうん)
かみなり雲、にゅうどう雲とも呼ばれる、夏を代表する雲になります。
縦にもこもこと長い形状が特徴で、全長は10㎞以上になることもあり、竜巻や激しい雷雨を発生させる雲です。
頂上が13㎞付近になることもありますが、地上付近から伸びているため、下層雲の分類に入ります。
5つの珍しい雲の名前と特徴
雲には他にも、出現率が低い珍しい雲も数多くあります。
ここでは、そんな珍しい雲の名前や特徴をご紹介したいと思います。
波状雲(はじょううん)
波状雲は、巻雲、巻層雲、巻積雲などの上層雲、高積雲や高層雲などの中層雲が、上空の大気の流れが波を打ったようになることで起こると言われています。
レンズ雲、つるし雲、傘雲
富士山の山頂やその周辺に発生しやすいと言われています。
レンズ雲、つるし雲、傘雲は、層積雲などが上空の強い風に流されてできることから、見えた後は天気が崩れやすいと言われています。
飛行機雲(ひこうきぐも)
飛行機雲は、飛行機が上空を飛んだ際、排気ガスに含まれる水蒸気が冷えて雲に見えると言われています。
なお、飛行機雲が見えた翌日は雨が降りやすくなるという話を聞いたことがないでしょうか。
飛行機雲は発生する条件が限られているわけではないため、必ずしもその通りではないのですが、飛行機雲が発生しやすい場合は上空の空気が湿っている(水分を多く含んでいる)ことが考えられるので、翌日以降天気が崩れる可能性もあると言われています。
ただし、飛行機雲が発生してもすぐに消えてしまう時は、上空の空気は乾いていると考えられ、天気が崩れる心配はないと言われています。
夜行雲(やこううん)
まるで雲にオーロラが重なったような美しい姿を見せるのが、夜行雲です。
日の出や日没後のごく限られた時間帯に発生し、一定の条件が整わないと見ることができないため、かなり珍しい雲と言われています。
通常雲は地上から離れていても10㎞程度なのに対し、夜光雲は70~80㎞上空に発生します。
夜行雲はごく小さな氷が主な構成物になっていることから、これに光の散乱が起こることで鮮やかな色が見えると言われています。
彩雲(さいうん)
太陽の近くを通った雲が、緑や赤などの色に彩られたものを言います。
雲に色が映って見えることから、何となく縁起がよい気がしますよね。
瑞雲(ずいうん)、慶雲(けいうん)、紫雲(しうん)などとも呼ばれています。
まとめ
こうして見てみると、普段は全て同じ雲のように思っていますが、その形や発生する時期などによって、様々な名前が付けられていることがわかりました。
また、自分から遥か彼方に見える雲は、遠くても13㎞程度しか離れていないことに驚いた人も多かったのではないでしょうか。
さらに、霧や雲海など、身近に関していた現象も実は雲の一つだということがわかり、ますます親しみを感じた人も多かったのではないかと思います。
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