2024年の十五夜と満月について!ずれる場合があるの?
十五夜と満月がずれる理由や、月の満ち欠けの呼び方などをご紹介します。
十五夜と言えば、お月見団子やすすきをお供えして、まん丸の満月を眺める行事ですよね。
十五夜は『中秋の名月』とも呼ばれ、昔から日本に伝わる秋の風物詩としてよく知られていますが、十五夜に見えるお月様は必ずしも満月とは限らないということを知っていますか?
十五夜が満月ではないなら、どうしてわざわざその日にお月見をするのか不思議ですよね。
そこで今回は、十五夜と満月の関係について調べてみました。
2024年の十五夜はいつ?その日は満月?
2024年の十五夜は9月17日(金)で、満月は翌日の9月18日です。
旧暦と新暦では暦の決め方が違い、新暦は旧暦よりも1ヵ月~1ヵ月半ほど後になります。
旧暦の8月15日は、新暦では9月中旬~10月上旬が該当します。
旧暦の8月15日は新暦では一ヵ月後の9月15日と思っている方がいますが、必ず1ヵ月後になるわけではなく、その年によってかなり違います。
なお、2024年の十五夜は9月17日で満月は、翌日の9月18日です。
ちなみに9月の満月のことを「ハーベストムーン」とも言われています。
十五夜と満月がずれる理由
現在は太陽の運行によって暦を決める太陽暦が採用されていますが、以前までは月の満ち欠けによって暦を決める陰暦が使われていました。
陰暦では、月が朔(新月)の状態を1日とし、そこから月の満ち欠けによって日付を決めていました。
月はおよそ15日周期で新月から満月に、そして満月から新月になるため、新月から15日目に当たる夜、つまり十五夜は満月と考えられていました。
しかし、実際には月の満ち欠けは季節によって左右され、新月から満月になる日数は13.9日~15.6日とかなり差があります。(平均は14.76日)
そのため十五夜の前後に満月となることも多く、十五夜が必ずしも満月になるとは限らないのです。
それぞれの月の満ち欠けの呼び方
旧暦では、月の満ち欠けに名称をつけ、それを日付の代わりに呼んでいました。
ここでは、旧暦の日付と月の名称を合わせてご紹介します。
新月(一日目)
月とついていますが、月の形はまったく見えません。
そのため、昔は三日月(三日目の月)から遡って新月を数えていたそうです。
繊月(二日目頃)
日没後に僅かに繊維のように細い月が見えることから、名前がつけられたと言われています。
三日月(三日目頃)
馴染みのある方も多い月の名称ですよね。
新月や繊月とは違って月の形がはっきりと見えるため、最初に出る月ということから「初月(ういづき)」や「若月(わかつき)」と言った別称もあります。
上弦の月(七日目頃)
張った弓のような形をしていて、なおかつ上部が欠けて見えることからこの名前がついたと言われています。
十三夜月(十三日目頃)
新月から数えて13日目に見えることから、つけられた呼び方です。
満月よりも少し欠けていますが、旧暦の9月13日の月のことを十三夜と言い、宮中では観月会が開かれていました。
小望月(十四日目頃)
満月の前夜の月のことです。
満月のことを別称で「望月(もちづき)」と言うため、望月の手前(小)の月という意味があります。
十五夜(十五日目頃)
満月、もしくは望月とも呼ばれます。
十六夜(十六日目頃)
月は満月になると、以後少しずつ出てくるのが遅くなるため、昔の方は月が出るのを躊躇っていると考えたようです。躊躇うという意味の「いざよう」をそのまま十六夜にあてて「いざよい」と読みます。
立待月(十七日目頃)
十六夜よりもさらに出てくるのが遅いため、立って待って見る月という意味で立待月と言います。
居待月(十八日目頃)
立って待っていてもなかなか出てこないので、座って(居る)待つ月という意味になります。
寝待月(十九日目頃)
寝て待つくらい、月が見えるのが遅くなるという意味です。
更待月(二十日目頃)
夜10時くらいの月の出となるので、夜が更けてから出る月という意味があります。
下弦の月(二十三日目頃)
上弦の月とは逆の向きの月になります。
有明月(二十六日目頃)
夜明けの空に昇る月という意味になります。
下弦の月の後の三日月のことです。
三十日月(三十日目頃)
新月の頃の月になります。
12月31日を大晦日と言いますが、晦日とは三十日月から転じた言葉で月末のことを表し、一年の最後の月末のため大晦日と呼びます。
十五夜の意味や由来
十五夜とは、そもそもは新月から15日目の月のことを指す言葉です。
つまり、十五夜は本来、一年の中でその日だけの特別な日を指す言葉ではなく、毎月一回は必ず訪れる日だったのです。
それがいつしか、気候が落ち着き、空気が澄んでいる旧暦の8月15日の十五夜を十五夜と呼ぶようになりました。
中秋の名月の意味は?
中秋の名月の「中秋」には、秋のちょうど真ん中の時期という意味があります。
旧暦では秋は7月~9月とされていたため、中間の8月がその時期にあたります。
名月は満月に言い換えることができるので、中秋の名月とは8月の満月の日、つまりは8月15日と言うことになります。
この日に見る月が一年で最も美しいとされ、平安時代には貴族が集まって観月会を開き、月を眺めながら管楽や舞、和歌の歌合わせなどを楽しんでいました。
それが江戸時代になると、この行事が庶民にも広く知られるようになり、ちょうど秋の収穫時期と重なることから、お月見団子や旬の野菜、果物をお供えする今の風習へと変わっていったと言われています。
十五夜の風習
十五夜には、お月見団子をお供えして月を眺める、という方が多いのではないでしょうか。
江戸時代になり、それまでは貴族が中心となって行っていた十五夜が庶民の行事となると、秋の収穫時期と重なることもあり、収穫物をお供えしてお祝いするようになりました。
その際、月に見立てたお月見団子をお供えしたと言われています。
また、お月見団子の他に、さといもやさつまいものなどのいも類もお供えします。
そのため、十五夜(中秋の名月)は別名「芋名月」とも呼ばれています。
なお、一般的にお供え物を食べるのはNGと考える方が多いですが、十五夜のお供え物には月の力が宿ると言われているので、むしろ積極的に食べるとよいと言われています。
地域によっては「お月見泥棒」と言って、近所の家のお供え物をとって食べてもOKとする風習が今も残っています。
十五夜のお供え物を食べると、それは月の神様が食べたと考えられるため歓迎されるそうです。
十五夜の楽しみ方
しかし、月を眺めるのは夜になるので、お供え物の他に十五夜にちなんだ食事ができると、より一層楽しめそうですよね。
十五夜は「お月見」とも呼ばれるので、その呼び方にちなんで月見うどんや月見そば、月見ハンバーガーなどを食べる方が多いようです。
どれも卵を乗せるだけで簡単にできるので、いつもの食事に卵をプラスして、十五夜気分を味わってみてはいかがでしょうか。
まとめ
十五夜は本来、新月から数えて15日目の月という意味があり、満月を指す言葉ながら、実際には必ずしも満月になるとは限りません。
なぜなら、月が満月になるのは季節によって異なり、13.9日~15.6日の誤差があるためです。
そのため、十五夜が満月ではない年もあり得ます。
2024年の場合、十五夜(中秋の名月)は9月29日ですが、満月も9月29日になります。
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