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打ち水は本当に効果がある?逆効果になるやり方がある?

打ち水の効果なしになるダメなやり方は?正しいやり方を教えて!

地球温暖化による世界規模の気候変動が叫ばれる中、日本では東京や大阪などの大都市圏を中心として、もう一つ懸念材料と考えられているのがヒートアイランド現象です。

ヒートアイランド現象とは、土地の大半がコンクリートやアスファルトに覆われているため、町全体に熱がこもってしまい、エアコンが温まった外部の空気を冷やすために、さらに稼働を余儀なくされるという悪循環によって発生しているものです。

このようなことから、町の空気を冷やすべく行われているのが「打ち水」です。

大都市圏を中心に日本全国の自治体が取り組んでいますが、打ち水にはどのような効果があるのでしょうか。

また、打ち水はやり方を間違えてしまうと、かえって逆効果になるとも言われています。

正しい打ち水のやり方をご紹介します。

打ち水の効果はある?


打ち水は古くから日本で行われていた涼をとる方法で、江戸時代の俳句や浮世絵でも、打ち水をする様子が描かれていました。

実際に効果があるのか疑問ですが、実験では打ち水を行うことで地表の温度が1~3℃下がるとされています。

ただしこれは、気温や湿度、場所などにおいてかなりの差があると想定され、必ずしも「打ち水をすれば3℃気温が下がる」というものではありません。

また、打ち水をすると空気の流れができるので、風によって涼しさを感じることもあるようです。

そもそも水がまかれている様子を見るだけで、何となく涼しさを感じることがありますよね。

あくまでも感覚の問題ですが、蒸し蒸しとしている中で涼を感じるとストレスの解消にも繋がります。

これも打ち水の一つの効果と言ってもよいのではないかと思います。

打ち水が逆効果になるやり方


太陽が照りつけ、気温がどんどんと上昇する昼間の時間帯は、打ち水をして空気を冷やす絶好のタイミングのような気がしませんか?

実は、気温の高い昼間に打ち水を行うのは、むしろ逆効果になってしまいます。

昼間に打ち水をすると、一瞬は周囲の空気が冷えて涼しさを感じるかも知れませんが、気温が高い分、まいた水がすぐに蒸発してしまうので、気化熱によって地表の熱を奪う効果は薄いのです。

しかもそれだけではなく、水が蒸発すれば湿度が上がります。

日本の夏の暑さが厳しいのは気温が高いだけではなく、湿度の高さもありますよね。

そのため、打ち水をして湿度を上げてしまうと、「さっきよりも蒸し暑い」状態になってしまい、かえって暑さを感じるようになってしまうことがあります。

このようなことから、打ち水は昼間の気温が高い時間帯は避けた方がよいと言われています。

打ち水の効果がナシになるやり方


実は、アスファルトやコンクリートへの打ち水は、ほとんど効果がないと言われています。

アスファルトやコンクリートは土に比べて水を含みにくいため、水をまいても地表近くのみが冷やされ、その多くはすぐに乾いてしまうからです。

東京や大阪などの大都市圏で、打ち水を行って気温を下げようというプロジェクトやイベントをしても、それがいまいち効果を上げていないと言われているのはこのためです。

大都市圏は地方に比べて、アスファルトやコンクリートの部分が多いですよね。

その一方で、京都などでは今でもお店の前に打ち水をしている人が多く、「一定の効果があるのでは?」と思ってしまいますが、この場合の打ち水は気温を下げるためではなく、水をまいて砂ぼこりがたたないようにしたり、お清めの意味合いが大きいと言われています。

茶人・千利休も打ち水を行っていたことが古伝書に記されていますが、やはりおもてなしのために行っていたと言われています。

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打ち水の正しいやり方


打ち水は、行う時間帯と行う場所がとても大切です。

まず、行う時間は朝、もしくは夕方の、気温がそこまで高くない時間帯に行いましょう。

空気が温まってないうちに打ち水をすることで、冷たい水が長い時間留まるので、涼しさを感じやすくなります。

また、アスファルトやコンクリートは避け、土や庭に打ち水を行います。

土は一度吸い込んだ水を少しずつ蒸発させるので、打ち水の効果が長く続きます。

庭への打ち水は芝生や植物への水まきということになりますが、植物は地表から出ている部分で蒸散活動を行っているので、水をまくことでその効果がより高まると言われています。

なお、打ち水は一度に大量の水をまくよりも、回数を分けて行った方が効果が上がると言われているので、可能であれば一日に複数回打ち水を行うのがよいでしょう。

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打ち水の原理はなに?


打ち水をすると、水による冷たさが一時的に周囲の空気を冷やすというのは、なんとなくわかる気もしますが、1℃~3℃も気温が下がると言われたら、どうしてなのかちょっと不思議ではないでしょうか。

これは打ち水としてまかれた水が、温まった地表近くの空気によって蒸発する際、気化熱を発生させて地表の熱を奪うからです。

気化熱という言葉にあまり聞き覚えないかも知れませんが、実は私達にとっても身近なもの。

例えば、運動や入浴などによって体温が上がると、体温を下げるために汗をかきますよね。

しかし、汗をかくこと自体が体温を下げているわけではありません。

汗をかくと体温が下がるのは、その汗が蒸発する時に肌表面の熱を奪っていくからです。

これが気化熱です。

打ち水(汗)が地表付近(肌表面)で気化(蒸発)することで、地表(肌表面)の温度(体温)を下げると考えると、わかりやすいのではないかと思います。

打ち水に必要な道具


昔は打ち水は、桶に水を入れてひしゃくでまいていたそうです。

それなら自分も打ち水をすなら、桶とひしゃくを購入しなければいけないの?と思ってしまいますが、そんなことはありません。

打ち水は土や庭に水をまけばよいので、道具は特に問いません。

ガーデニングをしている方ならジョウロが自宅にあると思うので、そちらを使って構わないですし、ジョウロがなければ空のペットボトルに水を入れてまいてもOKです。

道具にこだわる必要はないので、手軽に始められると思います。

雨水では効果がない?


国土交通省や環境庁、東京都、神奈川県などが行っている「打ち水大作戦」というイベントでは、限りある水源の確保のために再利用の水を打ち水に使っています。

その中には雨水も含まれているので、雨水を打ち水に使っても効果がないというわけではありません。

雨自体が「天然の打ち水」と呼ばれ、気温を下げる効果がわかっています。

夏は夕方に一時的に激しい雨が降ることがありますが、その時の雨を溜めておいて後に打ち水として使えば、最初に降った分と打ち水として使った分の2回、効果を得られるということになりますよね。

雨は無料なので、とてもエコでお得な打ち水だと思います。

まとめ

打ち水は、朝や夕方などの比較的涼しい時間帯に、土や庭(植物)に水をまくようにすると効果を得ることができます。

これとは逆に、昼間の気温が高い時間帯に、アスファルトやコンクリートに水をまいても、あまり意味がありません。

効果がないだけではなく、湿度が上がってかえって蒸し暑さを感じるようになってしまうので、打ち水は効果のある時間帯や場所に行うようにしましょう。

打ち水を行う時は、特に専用の道具を揃える必要はありません。

自宅にあるジョウロやペットボトルを使って水をまくだけでよいので、「今日から始めてみよう」と思ったらすぐに始めることができます。

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