なぜ冬至にゆず湯やかぼちゃなの?その由来や意味!
冬至とは一年で最も昼が短く、夜が長くなる日です。
冬至は日本のみならず世界中で重要な日と位置付けられていたのですが、日本では現在、冬至と言えばゆず湯に入るか、かぼちゃを食べるくらいしか思い浮かばないという方も多いのではないかと思います。
冬至になぜゆず湯に入るのか、かぼちゃを食べる意味や由来、その他の食べ物や風習などを詳しくご紹介します。
【冬至ゆず湯でポカポカに】
きょうは二十四節気の1つで一年の中でもっとも昼が短く夜が長くなる冬至。冬至に「ゆず湯」に入ると、風邪をひかないと言われています。さつま町の温泉には、毎年恒例の「ゆず湯」をお目当てに、朝から客が訪れました。#鹿児島 #ニュース #冬至 pic.twitter.com/0LrDPyx9JC— 鹿児島 KYT ニュース (@KYT_4chNEWS) December 22, 2019
冬至にゆず湯に入ったりかぼちゃを食べるのはなぜ?
冬至にはゆず湯に入る以外にも、様々な風習があります。
そこでここでは、冬至の風習とその意味や由来を解説します。
ゆず湯に入る
ゆず湯の歴史的背景
ゆず湯の習慣は、日本の冬至に古くから伝わる風習です。
冬至は、一年で最も昼が短く、夜が長い日。
この日を境に、昼が徐々に長くなることから、古来より新たな始まりや再生の象徴とされてきました。
そんな冬至にゆず湯に入ることで、新しい年の幸運や健康を願うという意味が込められています。
ゆずの香りと健康効果
ゆずの香りには、リラックス効果やストレス軽減の効果があると言われています。
アロマセラピーの分野でも、ゆずのエッセンシャルオイルは気分を明るくし、心を落ち着かせる効果があるとされています。
また、ゆずに含まれるビタミンCは、美肌効果や免疫力向上にも役立ちます。
厄払いと無病息災の願い
昔の人々は、ゆずの強い香りが邪気を払う力を持っていると信じていました。
このため、ゆず湯に入ることで、一年の厄を落とし、新しい年を健康に過ごすための願いを込めていたのです。
また、ゆずの木の長寿と病気知らずの特性から、長寿や健康を願う意味合いもあります。
言葉遊びとしての意味
日本には、言葉遊びを好む文化があります。
冬至(とうじ)と湯治(とうじ)、ゆず(ゆず)と融通(ゆうずう)をかけた言葉遊びも、ゆず湯の風習には含まれています。
これは、ゆず湯に入ることで、物事がスムーズに運び、柔軟な対応ができるようになるという願いを表しています。
現代におけるゆず湯
現代では、ゆず湯はリラクゼーションや癒しの時間としても楽しまれています。
冬の寒さから身を守り、心身ともに温まるこの習慣は、多くの人々に愛され続けています。
このように、ゆず湯は単なる風呂の楽しみ方を超え、日本の文化や伝統、健康への願いが込められた、とても深い意味を持つ習慣なのです。
冬至の日には、この素敵な習慣を通じて、新しい年の幸せと健康を願ってみてはいかがでしょうか。
おはようごじぇーます☺︎♨︎
昨日は冬至でしたので
ゆず湯に入ったぉ🍊🍊🛀
無病息災\(^o^)/よい1日を pic.twitter.com/wOEzJTv6fh— てんぱ (@tenpa039) December 22, 2021
かぼちゃを食べる
多くの方が、かぼちゃを秋冬の代表的な食材として認識していますが、実はその理由には、古くからの知恵と文化が隠されているんですよ。
収穫されたばかりのかぼちゃは、甘みがまだ十分ではありません。
そこで、昔の人々は貯蔵して熟成させることで、甘みを引き出し、食べごろを迎えるのを待っていたのです。
このため、自然と秋から冬にかけての食卓に並ぶことが多くなりました。
また、冬になると野菜の収穫量が減るため、長期保存が可能なかぼちゃは、昔から大切にされてきました。
その保存性の高さが、寒い季節にもかぼちゃを楽しむことを可能にしているのです。
かぼちゃの栄養価と健康効果
かぼちゃは、その鮮やかな色からも分かるように、ビタミンAやカロテンを豊富に含んでいます。
これらの栄養素は、私たちの免疫力を高め、目の健康を守る効果があります。
また、ビタミンCやEも含まれており、これらは抗酸化作用があり、美肌やアンチエイジングにも効果的です。
さらに、かぼちゃには食物繊維も豊富に含まれています。これは、腸内環境を整えるだけでなく、満腹感を与えるためダイエットにも役立ちます。
また、鉄分やカリウムも含まれており、貧血の予防や高血圧の改善にも効果が期待できます。
参考資料:かぼちゃの栄養!種類ごとの違いと、種に含まれる栄養も紹介|カゴメ株式会社
かぼちゃの種類とその特徴
日本でよく見かけるかぼちゃには、主に「栗かぼちゃ」と「西洋かぼちゃ」の2種類があります。
栗かぼちゃは、その名の通り栗のような甘みとほくほくとした食感が特徴です。
一方、西洋かぼちゃは、やや水分が多く、柔らかい食感が楽しめます。
かぼちゃの選び方と保存方法
良質なかぼちゃを選ぶポイントは、表面が硬く、重みがあることです。
また、ヘタの部分が乾燥しているものを選ぶと良いでしょう。
保存する際は、直射日光を避け、涼しい場所に置くことが大切です。
切ったかぼちゃは、ラップをして冷蔵庫で保存しましょう。
かぼちゃを使った料理
かぼちゃは、その甘みと風味を活かして、様々な料理に使うことができます。
例えば、かぼちゃの煮物、スープ、サラダ、天ぷら、そしてデザートとしてのパイやプリンなど、幅広いレシピがあります。
特に、冬至にはかぼちゃの煮物を作る家庭が多いですね。
かぼちゃは、その栄養価の高さと多様な調理法で、私たちの食生活に欠かせない存在です。
冬の寒さが厳しくなるこれからの季節、かぼちゃを上手に取り入れて、健康で温かい日々を過ごしましょう。
参考資料:冬至かぼちゃ|山形市公式ホームページ
冬至かぼちゃ🎃。
発芽🌱www❣️
双葉がデカいです😆♪❣️💕#家庭菜園#冬至かぼちゃ#無農薬#育苗#種から育てよう❣️ pic.twitter.com/sPSgMhZZLU
— 豆ぷろの日常@リョーリ・ローディー・トレーニー❣️いろんな人と繋がりたい❣️ (@mame_protein) August 25, 2022
ゆず湯やかぼちゃ以外の冬至の風習
「ん」のつく食べ物を食べる
冬至には「運盛り」と言って、「ん」が2つ重なる食べ物を食べると良いと言われていました。
先ほどのかぼちゃも「南瓜(なんきん)」で「ん」が2つ重なっていることから、縁起の良い食べ物と考えられていました。
この他には、「れんこん」や「いんげん」「きんかん」「かんてん」「ぎんなん」「うどん(うんどん)」などあり、冬至にはこれらの食べ物が食べられていました。
南瓜(なんきん)
- 意味と効能: 南瓜は、その形と色から太陽を象徴し、生命力や健康を意味します。ビタミンA豊富で免疫力向上にも役立ちます。
- 食べ方の提案: 煮物やスープ、サラダなど、様々な料理で楽しめます。特に、甘く煮たかぼちゃは子供から大人まで人気です。
蓮根(れんこん)
- 意味と効能: 穴が多いことから先見の明を象徴し、縁起物とされています。ビタミンCが豊富で、風邪予防にも良いですね。
- 食べ方の提案: きんぴらや酢の物、または天ぷらなど、さまざまな料理でその食感を楽しむことができます。
いんげん
- 意味と効能: 緑豊かないんげんは、健康と長寿を象徴します。食物繊維が豊富で、消化を助ける効果も。
- 食べ方の提案: 和え物やお浸し、サラダにしても美味しいですね。
金柑(きんかん)
- 意味と効能: 小さくても栄養価が高く、ビタミンCが豊富で風邪予防にも役立ちます。
- 食べ方の提案: 生でそのまま食べるのはもちろん、ジャムやコンポートにしても美味しいですよ。
寒天(かんてん)
- 意味と効能: 寒天は、その透明感から清らかさを象徴し、デトックス効果も期待できます。
- 食べ方の提案: 和菓子やゼリーなど、デザートに使うと良いでしょう。
銀杏(ぎんなん)
- 意味と効能: 独特の香りが特徴で、記憶力向上にも良いとされています。
- 食べ方の提案: 焼いて塩を振るだけで、素朴ながら深い味わいを楽しめます。
うどん(うんどん)
- 意味と効能: 温かいうどんは、体を温める効果があり、冬の寒さを和らげます。
- 食べ方の提案: かけうどんや釜揚げうどんなど、シンプルながらも心温まる一品です。
これらの食材を取り入れることで、冬至の日には、身体だけでなく心も温まる食事を楽しむことができます。
日本の伝統的な食文化を大切にしながら、健康や幸運を家族で分かち合ってみてはいかがでしょうか。
それぞれの食材が持つストーリーや栄養価を知ることで、食事の時間がもっと楽しく、意味深いものになるはずです。
赤い食べ物を食べる
日本の伝統には、色とりどりの文化が息づいています。
特に、赤い色は私たちの生活に深く根ざしているんです。
赤い食べ物を食べる習慣も、その一つ。
特に冬至の時期には、この習慣が色濃く表れます。
なぜ冬至に赤い食べ物なのでしょうか?
実は、これには古くから伝わる信仰が関係しています。
赤い色には、邪気を払い、幸運を呼び込む力があるとされてきたのです。
この考え方は、中国の古い文化から発祥し、海を渡って日本にも伝わりました。
日本では、この赤い色の力を信じ、神事や節句などの特別な日に、赤い食べ物をお供えする風習が根付いています。
では、どのような赤い食べ物が選ばれるのでしょうか。
代表的なのは、小豆です。
小豆は、その鮮やかな赤色で、邪気を祓う力があると信じられています。
他にも、トマトやリンゴ、赤ピーマンなど、赤い色をした食べ物は多く、これらも同様に良い影響をもたらすとされています。
このように、赤い食べ物には、ただ美味しいだけでなく、私たちの健康や幸運に良い影響を与えるという素敵な背景があるのです。
冬至に限らず、日常生活で赤い食べ物を取り入れることで、心も体も健やかに保つことができるかもしれませんね。
こんにゃくを食べる
こんにゃくは「お腹の砂おろし」として知られ、体内の不要なものを取り除く助けとなるとされてきました。
この愛称は、こんにゃくが持つデトックス効果に由来しています。
日本各地では、冬至や大晦日、節分、大掃除といった節目の時期に、この健康的な食材を楽しむ習慣があります。
特に冬至の時期にこんにゃくを食べる習慣は、その健康効果に注目が集まります。
冬になると、寒さから外出の機会が減り、運動不足に陥りがちですよね。
そんな時、多くの人が便秘に悩まされることがあります。
しかし、こんにゃくに含まれる豊富な食物繊維が、腸の働きを助け、便秘解消に役立つと言われています。
この食物繊維は、腸内環境を整えるだけでなく、満腹感を与えてくれるため、ダイエットにも最適な食材です。
全国的に見ると、こんにゃくを特定の時期に食べるという習慣は一般的ではないかもしれませんが、地域によっては今でもこの伝統を大切にしているところがあります。
それぞれの地域で、こんにゃくを使った独自の料理や食べ方が受け継がれているのです。
冬至粥を食べる
冬至の時期に、日本の伝統的な食文化として、小豆粥を食べる習慣があります。
この小豆粥、ただのお粥ではなく、私たちの健康に深く関わる、素晴らしい効能を秘めているんですよ。
まず、小豆粥の主役である小豆。
この小豆が持つ鮮やかな赤色には、邪気を払うという信仰が込められています。
古くから、赤色は魔除けや厄払いの色として重宝されてきました。
冬至の日に小豆粥を食べることで、身を守り、健康を願うというわけです。
さらに、小豆には栄養面でのメリットもたくさん。
特に注目したいのが、ビタミンB1の豊富な含有量。
ビタミンB1は疲労回復に効果があるとされており、寒さで疲れがちなこの時期にぴったり。
また、サポニンという成分も含まれていて、これには利尿作用があり、体内の不要なものを排出する手助けをしてくれるんです。
冬至の時期は、寒さが厳しくなるだけでなく、体調を崩しやすい季節。そんな時に小豆粥を食べることは、ただの風習ではなく、実はとても科学的な健康管理法なんですね。
この伝統的な食べ物を通じて、私たちは自然のリズムと調和しながら、健やかな冬を過ごすことができるのです。
では、この冬至粥、どのようにして作るのがベストでしょうか。
以下に、簡単で美味しい小豆粥のレシピをご紹介します。
当時粥のレシピ
- 材料:小豆、白米、水、塩(少量)
- 小豆は事前に水に浸しておく。
- 白米を洗い、鍋に入れ、浸した小豆と一緒に炊く。
- 水の量は通常のご飯の約2倍に。
- 炊き上がったら、お好みで塩を加えて味を調える。
このレシピで作る小豆粥は、シンプルながらも、冬至の寒い日に体を温め、元気を取り戻すのに最適です。
ぜひ、この冬は伝統的な小豆粥を楽しんでみてはいかがでしょうか。
冬至の火焚き
江戸時代から庶民に親しまれてきた風習で、その由来は秋の収穫に感謝をする新嘗祭と言われています。
なぜ冬至に火を焚くのでしょうか。
この習慣には、いくつかの説がありますが、その中でも特に印象的なのは、厄除けと一陽来復のお祝いです。
厄除けとは、文字通り、災いや不幸を遠ざけること。
一方、一陽来復とは、「陽が再び戻ってくる」という意味で、一年で最も日照時間が短い冬至を境に、再び日が長くなることを祝う言葉です。
この日に火を焚くことで、私たちは暗闇を払い、光と暖かさを取り戻す象徴的な行為を行うのです。
この伝統には、ただ単に火を焚くだけでなく、様々な風習があります。
たとえば、柚子湯に入ることで身体を清め、冬の寒さから身を守るという習慣もあります。
また、かぼちゃを食べることで健康を願うという風習も、この時期には欠かせません。
このように、冬至の火焚きは、私たちの先祖が自然のリズムに寄り添い、感謝と希望を込めて行ってきた美しい習慣です。
現代においても、この伝統を大切に受け継ぎ、心に灯をともす一時を過ごすことは、忙しい日常を忘れ、心を豊かにする素晴らしい機会となるでしょう。
海外の冬至の風習は?
冬至は中国から日本に伝わったものですが、中国と日本のみの風習ではなく、世界各地にて冬至にまつわる風習が存在しています。
そこでここでは、海外の冬至の風習をご紹介します。
アメリカ
アメリカでは冬至よりも、その前の11月の末にある「サンクスギビングデー」や、冬至の前後になることが多いクリスマスを盛大にお祝いし、冬至自体はあまり関心がないという方が多いようです。
ただし、キリストの誕生日である12月25日(諸説あります)は、元は冬至であったとされる説もあり(太陽の光が一年で最も弱まる日にキリストが生まれたことで、翌日から世界が明るくなったという教え)、一部ではお祝いを行うところもあるようです。
ヨーロッパ
ヨーロッパでは冬至に関するイベントやお祭りが多くあります。
先ほども触れましたが、キリストの生まれた日には様々な推測がなされたものの、現在のように12月25日となっているので、当時のローマ暦によると冬至が12月25日であったとされるためです。
キリストは世界が最も暗闇に包まれる時間が長い日を、あえて選んで生まれて来たとされ、キリストが生まれたことで世界が少しずつ明るく、希望に溢れたとしています。
北欧では、ユールと呼ばれる冬至のお祝いが行われ、ユールログと呼ばれる大きな薪を燃やして悪霊払いをしながら、親しい人で食事をする習慣があります。
クリスマスにはブッシュドノエルと呼ばれる木の幹を模したケーキを食べますが、ブッシュドノエルはユールログが元になっていると言われています。
アジア
日本に冬至の風習を伝えた中国では、冬至は春節の次に重要な日とされており、『冬至節』と呼ばれる行事が行われ、餃子(水餃子)を食べるのが習わしとなっています。
ただし、中国は広いため、南方の方では餃子ではなく、湯圓と呼ばれる団子を食べるところもあるそうです。
また、中国本土に近い台湾も同じく湯圓を食べるのが風習とされています。
一方、日本に近い韓国では小豆粥を食べる風習があります。
小豆粥は日本でも食べるため、同じ文化が中国から日本、韓国のそれぞれに伝わったことがわかります。
なぜ冬至にゆず湯やかぼちゃなの?のまとめ
冬至は二十四節気の一つで、一年で最も昼が短く、夜が長い日となります。
それだけを聞くとなんだか淋しい日に思えますが、冬至は昔から「一陽来復」と言ってこの日を境に少しずつ昼が長くなるため、希望をもたらす縁起の良い日と考えられてきました。
日本ではゆず湯に入ったりかぼちゃや小豆粥を食べる風習がありますが、欧米では日本ほど冬至を特別な日として行事やイベントを行うわけではありません。
ただし、冬至を日本に伝えた中国を始め、韓国など近隣のアジア諸国では行事が行われたり、冬至ならではの食事を行う風習が今も残っています。
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