大晦日の楽しい過ごし方!
日本で古くから伝わる伝統行事は、当たり前にその行事を受け入れる一方で、行事の意味や由来などを深く考えて行う方は少ないようにも思えます。
大晦日も同じで、大晦日は単に「一年の最後の日」だと思っている方も多いのではないかと思います。
しかし、大晦日の過ごし方によって、新年を迎い入れる心構えが全くといってよいほど変わってきます。
いつもの同じ変わり映えのしない新年にするか、気持ちを入れ替えて文字通り新しい一年を送るかは、大晦日に掛かっていると言っても過言ではないかも知れません。
そこで今回は、大晦日について調べてみました。
大晦日の過ごし方についても詳しく掲載していますので、「大晦日はいつも何をしたらよいかよくわからないのよね・・・」という方には特に読んで頂けたらと思います。
大晦日の楽しい過ごし方
猫も走ると言われる師走ですが、月末に向かって大掃除やお正月の買い出しなど、誰もが忙しい時間を過ごします。
そして迎えた大晦日当日。
「・・あれ?以外とすることがないかも」そう思った方は多いのではないかと思います。
しかし、大晦日には現代の私達は忘れかけている大切な行事や風習がたくさんあります。
そこでここでは、大晦日の過ごし方についてご紹介したいと思います。
家族そろって過ごす
昔は数え年だったため、新年を迎える(つまりは大晦日の日没後)と1つ年をとっていたので、家族全員でお祝いするという意味でも家族で集まることが多かったようですが、現代は「大晦日を家族で過ごす」と決めている方は少ないのではないかと思います。
しかし、新年の初詣は恋人や友達と予定されている方も、大晦日は家族と過ごされてみてはいかがでしょうか。
特に普段は仕事や学校で擦れ違いが多い場合は、大晦日だからこそ家族そろって過ごすことに意味があります。
「今さら話すことがない」と思うかも知れませんが、家族と共に一年の出来事を振り返ることは、自分の過ごし方を顧みることができると共に、これまで知らずに過ごしていた家族の在り方などについても考えることができます。
年の湯に入る
年の湯とは、大晦日の夜に入るお風呂のことを言います。
お風呂に浸かりながら、この一年のことを振り返ってみたり、垢を落として綺麗さっぱりすることで、新年を気持ちよく迎えるという意味もあります。
年越しそばを食べる
大晦日に蕎麦を食べる習慣は、江戸時代頃から始まったと言われています。
蕎麦は伸ばした生地を細長く切って食べることから、長寿や健康といった縁起を担いだものとされています。
その一方で、蕎麦は他の麺に比べて切れやすいことから「悪縁や災いを断ち切る」という意味もあるため、どちらの意味で食べても構いません。
また、年越しそばは冷たくても温かくてもいいそうなのですが、11~12月は新そばの時期ですので、よりそばの風味を楽しみたいのであれば、ざるそばなどの冷たい蕎麦の方がおすすめです。
掃き納め
大晦日には、掃き納めといってその年最後の掃き掃除を行います。
ちなみに元日に掃除を行うと、歳神様を掃き出してしまうことになるため行わないのが習わしです。
除夜の鐘
除夜の鐘は、大晦日から新年に変わる深夜を挟んで撞かれる鐘のことを言います。
仏教の儀式であることから、日本全国のお寺で行われるのですが、撞く鐘の数は108となっています。
この108には人の煩悩の数という意味があり、煩悩とは「人の心を惑わし、悩ませるもの」とされています。
つまり除夜の鐘とは、鐘を撞くたびに煩悩が取り去ることができるもので、正しい心で新年を過ごすためのお浄めの儀式なのです。
大晦日とは?
大晦日とは、一年の最後の日のことを言います。
現在の新暦では12月31日がその日ですが、旧暦では12月は必ずしも31日まであるわけではなかったので、大晦日が12月30日もしくは12月29日だったこともあります。
また、昔は1日の始まりが今のように深夜0時ではなく日没が一日の境となっていました。
そのため、大晦日の日暮れと共に新年が始まっていたのです。
なお、北海道や東北の一部では、おせち料理を大晦日に食べるのですが、これは旧暦の名残と言われています。
本州の方々からすると驚きの声が上がりそうですが、大晦日の夕方から新年であることを考えれば、大晦日の夜におせち料理を食べるのは間違いとは言えないようです。
大晦日の由来
大晦日は、旧暦の晦日(みそか)が由来しています。
旧暦では、月の最後の日を晦日と呼んでいたのですが、この晦日の晦(みそ)は元々は三十からきています。
年齢が30才になると三十路と言いますが、この三十路の三十と同じ意味となります。
ちなみに、月が三十日に満たない時(29日まで)は、九日晦日(ここのかみそか)と呼んでいました。
このため、毎月晦日があるのですが、12月の晦日は一年の終わりという意味で大の字があてられ、「大晦日」と言うようになったのです。
また、大晦日は別名「おおつごもり」とも言われます。
つごもりは「月ごもり」が訛ったものだと言われていますが、月の満ち欠けによって暦が決められていた旧暦では、1日は新月、15日は満月の日であり、満月を境に月末に向かって月はだんだんと欠けて見えなくなっていきます。
このことから、月の最後の日は月がこもってしまうことから、月ごもりが晦(つごもり)となり、12月の最終日を大晦(おおつごもり)と呼ぶようになったと言われています。

大晦日と晦日の違いは?
晦日は、月の30番目の日のこと、すなわち三十日が起源となって晦日になったものです。
旧暦では、必ずしも30日が月の末日ではなく中には29日の日もあったようですが、31日まである月はありませんでした。
ところが新暦に変わると、31日までの月が登場するようになりました。
このため、本来の意味である三十日=晦日という定義が、月の末日=晦日に解釈が変わってきました。
なので、31日まである月は31日が晦日になります。
しかし、12月だけは一年の最後の月ということもあり、晦日と同時に大晦日と呼んでいます。
言い換えれば、12月だけは31日が晦日であり大晦日なのです。
その他の月に関しては、29日のもしくは30日、31日のいずれかが晦日になります。
ちなみに29日の場合は「九日晦日(ここのかみそか)」と呼ぶそうです。
まとめ
いかがでしたか?
大晦日は新年までのカウントダウンに過ぎない、と考えている方も多いようですが、一年が終わりゆく日だからこそゆっくりと過去を振り返り、自分を顧みることのできる貴重な時間になるのです。
12月31日を、他の1日と同じように過ごすかどうかは自分次第と言えますが、大晦日にしかできない「年の湯」や「掃き納め」を行い、除夜の鐘を聞きながら年越し蕎麦を家族で啜る・・そのような大晦日を今年は過ごしてはみませんか?
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