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熊手はなぜ縁起ものなの?飾り方や方角と飾る場所は?

縁起物は縁起物!熊手の飾り方や方角と飾る場所!

毎年、11月の酉の日に開催される酉の市

元々は、関東地方に多く存在する鷲神社や酉の寺といった鳥にちなんだ寺社の年中行事として知られていましたが、現在は大阪や名古屋といった関東以外の地方でも開催されています。

その酉の市で見掛けるのが、だるまや招き猫、小判、鯛と言ったあらゆる〝縁起物〟を飾った熊手。

この熊手は、商売人にとって必須のアイテムとされ、昨年より大きな物を買って飾ると、商売がより繁盛されるとされ、年々大きさも飾りも大きくて派手なものを買っていく人もいるようです。

ですが、縁起物という割りにいまいち世間一般には浸透していないようで、熊手を全く知らないという人もいらっしゃいます。

そこで今回は、熊手にスポットライトを当てて、その謎を紐解いてみようと思います。

熊手はなぜ縁起物なの?

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熊手と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、農作業や庭掃除の時に使う細かく割られた竹が扇状に並べられた柄の付いた農具ではないでしょうか。

縁起物としての熊手も、それが由来となっていると言われています。

元々酉の市で農具として売られていた熊手を、「金運を集める」「福を掃き込む」と洒落を交えて売り始め、それにどんどんと飾りや七福神を付けるようになって今の形になったそうです。

また、熊手のこの他の由来として、「わしの爪の鷲掴み」というものがあります。

鷲が獲物を捕らえるように運を鷲掴みするという意味から来ているそうです。

熊手の飾り方や飾る場所は?

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熊手は、商売繁盛・開運招福のご利益があるとされている縁起物です。

そのため、低い場所に置いておくような事はせず、高い場所に飾るのがよいとされています。

玄関の少し高い位置に飾ったり、家の中であれば茶の間などの鴨居や柱の少し高い位置に飾るのがよいでしょう。

さらに、玄関であれば福を取り込みやすいように入り口に向けて飾るのですが、家の中の場合、熊手を東・西・南といった北以外の方角に向けて飾るのがよいとされています。

熊手を飾るのにベストな方角は?

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熊手は、福をかき込むとされているものですから、一般的には家の入り口である玄関に飾るのがよいとされています。

しかし、例えば受験を控えたお子さんがいる場合には、合格を呼び込むという意味で受験校のある方角に熊手を向けるとよいとされています。

叶えたい事がある場所、方角に向かって熊手を飾ると福を招いてくれると言われています。

また、その年に歳徳神がいるとされる恵方の方角に向けて飾るのもよいでしょう。

酉の市で熊手を選ぶ際のポイント!大きさや値段など


酉の市(とりのいち)とは、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を祀る神社を中心として、毎年11月の酉の日に行われる行事です。

元々は関東で行われていたものですが、現在は関西や東海地方でも行われるようになりました。

酉の市は家内安全や商売繁盛を願って行われるため、主に商売をしている方が多くいらっしゃいますが、酉の市と言えば忘れてならないのが熊手です。

熊手には「福をかき集める」「難を逃れる」という意味があるため、毎年熊手を買う人で酉の市はとても賑わいます。

熊手は大きさや装飾によって値段が変わり、安いものでは1,000円代からありますが、高いものだと何十万円もするものまで様々です。

一見すると、装飾が派手で値段が高い方がご利益がありそうにも思いますが、熊手に施されている装飾には一つずつ意味があるため、目的に合った装飾がされている熊手を選ぶことが大切になります。

例えば、金運を上げたい場合は大判小判が付いたもの、人とのよい出会いを期待したい方は左手を招いている招き猫の装飾が付いている熊手がよいでしょう。

また、値段が必ずしも高いものを買うべきというわけではなく、最初は小さい熊手を買って、そこから徐々に熊手を大きくしていくと事業の拡大や利益が上がると言われています。

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熊手の粋な買い方!


熊手には値札がついていません。

そのため、欲しい熊手があると熊手屋さんに聞いて、そこで初めて値段を知ることになりますが、言い値のままで買ってはいけません。

熊手を買う時は値切りましょう。

「縁起物なのに値切って買うなんて」と思うかも知れませんが、実は熊手は値切って買ってこそ粋な買い方なのです。

例えば欲しい熊手が1万円だったとして、値切り交渉の末、5,000円までまけてくれたとしましょう。

すると、熊手屋さんは「負けた負けた」と言ってくれます。

これは、逆を言うと熊手を買った側が勝ったという意味になり、とても縁起がよいと言われています。

ただし、注意したいのは、実際に値引きした値段で熊手を買ってはいけません。

支払いは言い値の1万円を払い、本来お釣となる5,000円は熊手屋さんにそのまま渡します。

つまり、結局は最初の値段通りの熊手を買うことになります。

どうしてこんなことをするのかと言うと、ご祝儀として渡された分は売り子が自分のものにできるからです。

昔は売り上げの多くが元締めに取られてしまい、売り子にはほんの僅かしか残らなかったため、売り子の取り分を少しでも多くするにはご祝儀として渡すことで取り分を増やしてあげていたと言われています。

今もその伝統が受け継がれ、熊手は値切った後、言い値で支払うのが粋だと言われています。

熊手の処分の仕方は?ずっと飾っておいてもいいの?


熊手は一年を通して飾ります。

そして、翌年の11月になったら、その熊手を買った熊手屋さんに出向き、古い熊手を引き取ってもらって新しい熊手を購入します。

この場合は特に自分で処分をしなくてもよい、ということですね。

しかし、事情があって今年は熊手を購入しないということもありますよね。

そのような時は熊手屋さんに引き取ってもらうことができません。

熊手を購入しない(もしくは他の熊手屋さんから買う)場合は、酉の市を開いている神社にてお焚き上げをしてもらうことができます。

境内に「熊手納め所」があるので、そちらに納めるとよいでしょう。

なお、酉の市の神社に行くことができず、違う神社やお寺に行く場合はそちらでお焚き上げしてもらうことができます。

ただしこちらは全ての神社やお寺が対応しているわけではないので、必ず事前に確認をとるようにしましょう。

お寺や神社でのお焚き上げが難しいなら、最終的にはごみとして出すことができます。

「縁起物をごみとして捨てるなんて・・」と思うかも知れませんが、熊手自体は神社で製作されているものではないので、御霊が入っているわけではないとのこと。

あまり気にする必要はないと言えます。

それでも気になるという方は、新聞紙の上に熊手を置き、上から塩を振ってお清めした後、新聞紙に包んで捨てるとよいでしょう。

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まとめ

いかがだったでしょうか。現在の熊手は商売人の洒落から誕生したものだったのですね。

また、酉の市で購入した熊手は、翌年の酉の市へ持っていくと熊手を納めるところがあるのでそちらに納める事が出来ます。

一年間、福をかき込んでくれた事に感謝しつつ、納めましょう。

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