軽暖の候を使う時期や読み方、使い方と例文、結びについて解説しています。
時候の挨拶の中でも、あまり聞き慣れないのが軽暖の候ではないでしょうか。
時候の挨拶を使った手紙やはがきなどは、ビジネス関係や目上の人など、大切な方へ送る時に使うことが多いはずです。
そのため、失礼のないように軽暖の候を使う時期をしっかりと覚えておきたいですよね。
そこで今回は、軽暖の候の使い方を詳しく調べてみました。
軽暖の候を使う時期はいつ?
3月いっぱい使えると思っている方も多いと思いますが、3月下旬に使うのは誤りになってしまうので気をつけてくださいね。
なお、一般的には上旬は1日~10日、中旬は11~20日となっているので、軽暖の候は3月1日~20日まで使える時候の挨拶と覚えておくとよいでしょう。
軽暖の候の意味や読み方は?
軽暖という言葉に馴染みがない方は多いと思いますが、軽(けい)も暖(だん)も使われやすいため、すんなりと「けいだん」と読めたのではないでしょうか。
むしろ、候をそうろうと読んでしまったという方が多いのではないかと思います。
候は「こう」と読むのが正解になりますよ。
軽暖の候には、だんだんと暖かさを感じる時期になりましたね、という意味があります。
軽い暖かさと書く通り、本格的な春の暖かさが続く少し前の、寒さと暖かさが交互にやってくる様子を表していますよ。
また、候には時期や気候、季節といった意味があります。
軽暖の候の正しい使い方は?
軽暖の候は、本格的な春を前に少しずつ暖かくなって春めいた天気が続く時期という意味があることから、体感的にそのように感じる時期に使った方がよいのでは?と思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、軽暖の候を使う時期は3月上旬から中旬と決まっています。
これは、時候の挨拶が作られた時代に使われていた旧暦では1月を初春、2月を仲春、3月を晩春としたためです。
本格的な春となる晩春の前の仲春が、軽暖の候を使うのにふさわしい時期というわけなのですね。
なお、旧暦と新暦では1ヵ月ほど季節感にズレがあるため、旧暦の2月は新暦の3月に該当します。
軽暖の候を3月上旬から中旬に使うのは、下旬になると晩春が近くなり、かなり暖かくなっているからでしょう。
北海道や東北地方などでは、3月の上旬から中旬を春の半ばと感じるほど気温は高くありませんよね。
反対に3月下旬から4月に入ってようやく「少しずつ暖かくなってきた」と感じるもの。
ですが、だからといって4月に軽暖の候を使うのは間違いなので注意してくださいね。
軽暖の候を使った例文
軽暖の候を手紙やはがきなどに使う時、特にビジネス関係者や目上の人が相手だと、文章の内容に気を遣うものではないでしょうか。
とは言え、時候の挨拶は普段はあまり使わないため、どのように書き出せばよいのだろうと悩んでしまう方は多いはずです。
そこでここでは、軽暖の候を使った例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
なお、親しい人に使う場合には、必ずしも漢語調(〇〇の候)を使う必要はありません。
もう少しフランクに使える口語調を使ってもよいでしょう。
軽暖の候を口語調で使うなら、「春まだ浅い時期ですが」「桜の咲く時期になりましたが」と言った書き出しでOKです。
軽暖の候の結び文
ビジネス文章には季節に関係なく使える定型文がありますが、結び文の季節感を時候の挨拶に合わせると、文章全体に統一感が生まれるのでおすすめですよ。
それでは、軽暖の候を使った手紙やはがきなどには、どのような結び文がよいのでしょうか。
いくつか例文をご紹介します。
軽暖の候を使うときに注意すること
軽暖の候を使うときには、文章の書き出しに頭語をつけるようにしましょう。
一般的にビジネスでよく使われる頭語には「謹啓」や「拝啓」があります。
これらには「謹んで申し上げます」という丁寧な意味があるため、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどでは、必ず使うようにして下さい。
また、文章に頭語をつけたら、終わりは結語で締めるのもマナーになりますよ。
結語は頭語に対して決まっていて、「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」、「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」になります。
なお、女性のみですがどの頭語にも「かしこ」を結語に使うことができますが、「かしこ」はややカジュアルな印象を与えるため、ビジネス関係者や目上の人には使わないようにしましょう。
軽暖の候以外の3月の時候の挨拶はある?
そのため、使うタイミングを逃してしまったり、手紙やはがきなどを送る地域の状況に合わない可能性もありますよね。
そのような時は、軽暖の候以外の時候の挨拶を使うのがよいでしょう。
ここでは、3月に使える軽暖の候以外の時候の挨拶をご紹介します。
解氷の候
2月上旬から3月中旬に使える時候の挨拶です。
解氷は春を表す表現のため、立春(例年2月4日頃)を過ぎると暦の上では春となるので使うことができますが、北海道や東北地方では2月は一年で最も気温が低く、3月に入っても、氷が解けるほど気温が上がるのは中旬以降の地域もあるでしょう。
そのため、使うタイミングには配慮が必要です。
浅春の候
3月上旬から中旬に使える時候の挨拶です。
浅春とは春の始めという意味があり、本格的な春を迎える前の期間に使える時候の挨拶になります。
啓蟄の候
例年3月5日頃から3月20日頃まで使える時候の挨拶になります。
啓蟄は二十四節気の名称の一つのため、実際の気候状況などに関係なく、使うことができます。
啓蟄の候には、土の中に潜っていた虫が春になって地上に出てくる時期、という意味がありますよ。
春分の候
例年3月20日頃から4月4日頃まで使える時候の挨拶になります。
春分は二十四節気の名称の一つで、啓蟄の候と同様に決まった期間になれば使うことができます。
仲春の候
例年3月5日頃から4月4日頃まで使える時候の挨拶になります。
旧暦では春を3つに分け、立春から啓蟄を初春(2月)、啓蟄から春分までを仲春(3月)、清明から立夏の前日までを晩春(4月)としています。
そのため、仲春の候は1~4日頃を除いた3月中であれば使える時候の挨拶です。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
軽暖の候のまとめ
軽暖の候は3月上旬から中旬に使える時候の挨拶になります。
軽暖の候には「だんだんと暖かくなり春めいた時期になってきましたね」という意味があるため、北海道や東北地方などの寒い地域なら3月下旬以降でも使えると思うかも知れません。
しかし、一般的なマナーとしては軽暖の候を3月下旬以降に使うのはNGとなってしまいます。
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