ハロウィンの「かぼちゃ」の由来と意味!
一昔前まで、ハロウィンは日本ではそれほどメジャーなイベントではありませんでした。
ですがここ数年、仮装をして町を歩く人々やカボチャを自宅に飾る家庭も増え、その知名度は飛躍的に上がっています。
しかし、日本人の多くは、今もなおハロウィンについて詳しく知らないのではないかと思います。では、ハロウィンとはそもそも、どういった主旨のイベントなのでしょうか?
また、どうしてハロウィンにはカボチャを飾るのでしょうか?
今回はそんな、ハロウィンに関する謎を紐解いてみたいと思います。
なぜ、ハロウィンには「かぼちゃ」なの?
ハロウィンの発祥は、古代ケルト人と言われています。
秋の収穫や悪魔祓いの儀式として行われていたもので、当初はカボチャではなくカブを使っていました。
しかし、ハロウィンがアメリカに伝わった際に当時のアメリカはカブに余り馴染みがなく、代わりにたくさん獲れていたカボチャを使うようになったのです。
そして、このアメリカ式が世界中に広まったため、ハロウィン=カボチャという認識になったと言われています。
かぼちゃが広まった理由
ハロウィンの起源となったケルトの収穫祭では、もともと「かぶ」が使用されていました。
しかし、この祭りがキリスト教を通じてアメリカに伝わると、アメリカの人々はかぶにあまり馴染みがなかったため、収穫の多かった「かぼちゃ」を代わりに使用するようになりました。
この変化がキリスト教の影響下で広がり、アメリカから日本にも伝わり、「ハロウィン=かぼちゃ」というイメージが根付いています。
一方、ハロウィンの発祥地であるアイルランドなどのヨーロッパ地域では、現在もかぶが使われていると言われています。
ハロウィンの「かぼちゃ」の意味や由来は?
ハロウィンは、ケルト人の宗教的な行事「万聖節」が発祥となっています。
万聖節の前夜、All Hallows’Eveに行っていた収穫を祝い、悪魔を祓うイベントがHalloweenになったと言われています。
そしてこの時、ケルト人はカブやサトウダイコンの中をくり抜いてランタンを作り、悪魔除けとして飾っていました。
これがアメリカに伝わった時、アメリカではカボチャが多く収穫されていたことや、ランタンに加工する際に扱いやすかったことから一気に広がり、カボチャがよく使われるようになったのです。
ちなみに、ハロウィン発祥の地であるアイルランドやスコットランドでは、いまだにカブを使う地域もあるんだとか。
それでは、なぜこのランタンに「Jack-O’-Lantern(ジャック・オー・ランタン)」という名前がついたのでしょうか。
これには、ランタンを飾るようになったもう一つのきっかけとなる、ちょっぴり怖い伝説があるのです。
オレンジ色っぽいかぼちゃが使われる理由
ハロウィンに使われるかぼちゃといえば、オレンジ色っぽいですよね。
ハロウィンに使うオレンジ色の皮のかぼちゃは「ペポカボチャ」いう種類に属するアトランティック・ジャイアントというカボチャです。
実は、アメリカで使われるこのオレンジ色っぽいかぼちゃは美味しくないらしく、食用としてはほぼ使われていないそうです。
日本では、別名「どてかぼちゃ」「ぶたカボチャ」「おもちゃかぼちゃ」とも呼ばれていて、家畜のエサ用として栽培されている品種です。
普段わたしたちが食べているカボチャはとっても固いので、あんなに色んな形にくり抜くのは至難の業です。
そう、ハロウィン用に栽培されているかぼちゃは、中身が柔らかく、ナイフで削りやすいのです。
ジャック・オー・ランタン伝説
ジャック・オー・ランタンを日本語に訳すると、吊り下げ式のランプを持っている男、という意味になります。
その昔、アイルランドには酒好きで乱暴者のジャックという男がいました。
ハロウィンの夜、ジャックは悪魔に魂を奪われそうになりますが、悪魔を巧みに騙して自分の魂を取らないように約束をさせます。
時が過ぎ、年老いて死んでしまったジャックは、天国に行こうとしましたが生前、悪いことばかりをしていたので天国には行けなかったため、しかたなく地獄へ向かいました。
すると、地獄の入り口には昔騙したあの悪魔が立っており「お前の魂は取らないと約束したではないか」と、ジャックを追い払ってしまいました。
天国にも地獄にも行けないジャックは、悪魔に頼んで分けて貰った地獄の火を近くにあったかぶをくり抜いて作ったランタンに灯し、この世とあの世を彷徨い歩くようになったと言われています。
この話は、アイルランドの昔話が元になっていると言われています。
ジャックの持つランタンは死者の魂のシンボルとなり、「Jack-O’-Lantern(ジャック・オー・ランタン)」と呼ばれて魔除けの道具として戸口に飾られるようになったのです。
ハロウィンで仮装する理由
ハロウィンの仮装には、悪霊や魔物から身を守るための背景があります。
ジャックオーランタンを使って悪霊を遠ざけるのと同じ理由で、仮装をすることで自分を悪霊や魔物の一員として見せかけ、攻撃や魂を奪われるのを避けるとされています。
また、悪魔が近づかないようにするためや、ハロウィンの雰囲気を楽しむ子供たちのための仮装という説もあります。
いくつかの理由や説が存在しますが、仮装の主な目的は、魔の存在から身を守るためのものとして続いています。
ジャック・オー・ランタンの簡単な作り方
ハロウィンの雰囲気がぐっと上がるジャック・オー・ランタン。
実は意外に簡単に手作りできます。
材料になるかぼちゃは「ペポカボチャ」という種類で、ネット通販でも販売されています。
ここからは、本格的なジャック・オー・ランタンの簡単な作り方についてご紹介します。
用意するもの
- かぼちゃ
- ナイフ(カット用)
- 彫刻刀(あれば細かな作業に便利)
- スプーン(中身くり抜き用)
- マジック(下書き用)
- 新聞紙・手袋(汚れ防止用)
- ゴミ袋(ごみ処理用)
新聞紙を引いて汚れないようにしたら、作業開始です。
ジャック・オー・ランタンの簡単な作り方
- かぼちゃに顔のデザインを下書き
- かぼちゃの下側に手が入るくらいの大きさの穴を開ける
- 穴から中身をくり抜く
- デザインにそってかぼちゃを切り抜く
- 切り終わったら乾燥させる
- かぼちゃの顔のデザインは直線で書いたほうが切り抜きがしやすいため、おすすめです。
- 中身をくり抜く際切り取ったかぼちゃの下側は、火を灯す際の燭台代わりにもなります。
- 切り抜きが終わったかぼちゃは風通しの良い場所でしっかり乾燥させると長持ちします。
Trick or Treat(トリック・オア・トリート)とは?
ハロウィンの合言葉として定番なのが「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)」。
もともとカトリックでは、死者を偲ぶ記念日にソウル・ケーキ(干しぶどう入りの四角いパン)を食べる習慣があり、ハロウィンの時期、貧しい人たちがお祈りを捧げる代償に、ソウル・ケーキを施されたことが、このトリックオアトリートの習慣の起源になったと言われています。
現在は、海外では、ハロウィンに子供たちがキャンディやお菓子を貰うために近隣のお家のドアをノックし、声を揃えて「Trick or Treat」と言います。
日本語にすると「いたずらされたくないならお菓子をちょうだい!」となります。
なぜこのような意味になるのか見ていきましょう。
「Trick」は騙す、脅かす、いたずらをするといった意味で、「Treat」はおもてなし、ごちそう、手厚く扱うなどの直訳ができます。
この2つの間で使われる「or」には1もしくは2、1でなければ2になるという意味を持っています。
これによって、「だます・いたずらをする?もしくは手厚くあつかう?」つまり「いたずらされたくないならお菓子をちょうだい!」という意味で使われるフレーズになるのです。
まとめ
いかがでしたか?
ちなみに、ハロウィンでよく使われるオレンジのカボチャは、通常よく見掛けるグリーンのカボチャよりも甘味が少ないため、アメリカでも食用としては使われないそうです。
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