金環日食は日本では見れない?皆既日食との違いは?
遙か古代から人間では起こせない神様の行いとして恐れられてきた日食ですが、その日食の中でもレアな日食が金環日食となります。
今回は金環日食が発生する仕組みや金環日食とはそもそも何なのかを解説しつつ、皆既日食との違いや次は何時発生するのかといった情報をまとめていきたいと思います。
金環日食はレアすぎて見たことがないという人も、なぜ発生回数が少ないのかを解消いたしますので、是非チェックしていただきたいです。
金環日食とは?
(参考URL:https://www.nao.ac.jp/astro/basic/solar-eclipse.html)
金環日食をザックリとした表現をすると「日食ではあるけど太陽が月よりも大きく見える状態にあるために、月が太陽を隠しきれなくて太陽がはみ出ている」となります。
上の国立天文台の画像を見てもらうとわかりやすいと思いますが、日食とは太陽⇒月⇒地球という順番で一直線に並ぶことで月の影が地球に届くようになり月によって太陽が隠される現象を意味しております。
しかし、もうちょっとわかりやすい表現に言い換えるとテレビを見ている人がいるときに、そのテレビと見ている人との間を人が横切った状態が太陽と地球と月で発生していると考えてください。
要するに地球から見て月が太陽の前を通り過ぎているために太陽を隠しているように見えていると言うことです。
皆既月食とはどのような違いがあるのかは後述いたしますが、太陽がリング状に見えている日食を金環日食であると覚えておいてください。
金環日食が起こる仕組み
金環日食は「日食ではあるけど太陽が月よりも大きく見える状態にあるために、月が太陽を隠しきれなくて太陽がはみ出ている」という仕組みがあります。
金環日食は、太陽⇒月⇒地球とこれらの惑星が一直線に並んだときに発生する現象ですが、太陽が月によって隠れきれずに光が輪っかのように漏れていると金環日食と表現されるのです。
皆既日食との違いは後で後述いたしますので、金環日食が発生する理由として「太陽⇒月⇒地球とこれらの惑星が一直線に並んでいる」ということと「太陽が月によって隠れきれずに光が輪っかのように漏れている」ということという条件があるということをまずは覚えておきましょう。
次の金環日食はいつ?
このように記載すると以外と近い日に発生すると思ってしまいますが、日食は月食とは違って地域限定で見られる現象となっていますので、この2021年6月10日の金環日食も日本で見られる天体ショーではありません。
この2021年6月10日の金環日食はなんと北極エリアが中心なので、見たいという方は北極くんだりまでいかないといけません、実質不可能です。
金環日食で日本にいてもみることが可能なものという条件で検索すると、なんと2030年6月1日まで時間が吹っ飛びます。
2012年の金環日食も日本で観測できましたので、18年ぶりの金環日食となるでしょう。
金環帯は北海道を通っているので北海道では金環日食に見えますがそれ以外の地域では部分日食になってしまうとのことです。
宮城県の仙台市でも金環日食にはならないとのことなので、本格的な観測をしたいという人は北海道に飛びましょう。
ちなみに、日本で見られる皆既日食となると2035年9月2日とさらに遅くなります。
金環日食は日本で見られない?
しかし、月食は夜になると高確率で見られる天体ショーなのに対して日食は地域限定の天体ショーとなってしまいます。
そのため、地球規模で見た時の発生頻度で考えると日食が多いと言えるのですが、日本という地域で考えると日食の発生回数は非常に少なくなります。
先ほど解説したように、皆既日食や金環日食となると20年に1回程度しか見ることができない貴重なイベントとなってしまうのです。
というのも、月食は太陽⇒地球⇒月という順番で日食は太陽⇒月⇒地球という順番になっているのがポイントなのです。
地球は月よりも直径が約4倍も大きいので、太陽を遮るのが月か地球かでその範囲がかなり変わってくることがわかるでしょう。
金環日食と皆既日食との違いは?
(参考URL:https://www.nao.ac.jp/astro/basic/solar-eclipse.html)
金環日食と皆既日食は同じように太陽⇒月⇒地球という順番で一直線に並ぶことで発生します。
この2つの大きな違いは月と地球の距離です。
というのも、月の衛星軌道というのは真円ではなく楕円形なので月と地球の距離は近づいたり遠くなったりします。
遠近法のお勉強でも習ったと思いますが、近くにあるモノは大きく見えて遠くにあるモノは小さく見えるのです。
つまり、金環日食が発生している時の月は地球から遠く、皆既日食が発生している時の月は地球に近いということがわかります。
観測時に絶対にやってはいけないこと
日食を観測するときに絶対にやってはいけない事は太陽を直接見ること、及び太陽光を不完全に遮る方法を用いて見ることとなります。
肉眼で見るのは数秒でもアウトとなりますが、サングラスや下敷きやCDを使っての観測も太陽光をしっかりと遮ることはできていないのでNGとなります。
望遠鏡や双眼鏡を使う場合も太陽投影板などを用いて直接見ないようにしてください。
また、日食観測をするときはどうしても足が止まりますので、人や車と接触しない安全な場所で観測しましょう。
金環日食を見る時に必要な道具は?
金環日食を見るときに必要な道具は日食を見るときに必要な道具と一緒です。
具体的にはできる限り気軽に見たいという人は専用の「日食グラス」を用意するとか、望遠鏡を使いたいという人は「太陽投影板」に太陽を投影して観察するという方法があります。
他にも厚紙や段ボールを使って自作するというやり方もありますが、個人的には手作りで対応するなら「日食グラス」を用意することを推奨します。
日食の種類
それは部分日食と皆既日食と金環日食です。
皆既日食
皆既日食は月によって太陽がすべて隠されている状態で、太陽と月と地球がまさに一直線になっているごくわずかな場所でしか見ることができません。
完全に隠れている状態になりますので、真っ暗に見えます。
金環日食
金環日食は太陽と月と地球がまさに一直線になっているごくわずかな場所でしか見ることができない日食なのですが、月が太陽を隠しきれないため太陽が輪のように見えている状態になります。
これは月が地球から遠い位置にあるために発生する日食です。
部分日食
部分日食は月によって太陽の全部ではなく一部が隠されている状態です。
皆既日食や部分日食が発生する場所から離れるとこの部分日食になります。
具体例として、北海道で発生している皆既日食だと東北エリアでは部分日食に見えるでしょう。
ダイヤモンドリングって何?
ダイヤモンドリングとは皆既日食が発生している時に、月表面の凹凸の地形によってダイヤモンドのような輝きをみせる現象です。
月にはクレーターや山があるためかなり凸凹しており、金環日食が発生したときに漏れる光の量がこの凸凹によって異なるのです。
月が凸凹であればあるほど2つ・3つとダイヤモンドが増えていきますが見えるかどうかは運次第です。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は金環日食について解説いたしました。
金環日食は皆既日食と同じくらいレアな現象で、20年に1回あるかどうかという遭遇率となります。
地球上を追いかける気概があれば2年に1回ぐらいは遭遇できますが、それはなかなかに難しいでしょう。
次の金環日食は2030年となりますので、その日を忘れずに覚えておくしかありません。
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