お盆玉はどこの地域の風習?いつ渡すの?相場は?

お盆玉とは?どの地域の風習?お返しは必要?いつ誰に渡すの?

最近は、『お盆玉』と呼ばれる風習が全国的に広がっているのをご存知でしょうか。

元々は一部の地域で昔から行われていたものなのですが、メディアなどの情報拡散によって、今や全国的に広がりつつあるものと言われています。

お盆玉は、お盆の時期に実家に帰省する際に親戚の子どもたちに渡すものです。

これを渡すべきかどうかで悩む方も多いでしょう。

実際、お盆玉についての知識があまりない方も少なくありません。

そこで今回はお盆玉の由来、風習、金額の相場などついて調べてみました。

お盆玉の意味や由来、誰に渡すのかなどを詳しくご紹介します。

目次

お盆玉とは?いつ渡すの?


お盆玉とは、お盆の時期に渡す「お年玉」のようなもので、特に孫や親戚の子どもたちに贈られるお金のことを指します。

お正月にお年玉を渡すのが一般的ですが、お盆玉はそのお盆バージョンと考えるとわかりやすいでしょう。

お盆玉の背景

現代の日本では、多くの家庭が核家族化し、祖父母や親戚が遠方に住んでいることが珍しくありません。

そのため、お正月に必ずしも会うことができず、お年玉を渡せない場合も多々あります。

こうした状況の中で、お盆に帰省する機会を利用して、お正月に渡せなかったお年玉の代わりにお盆玉を贈る習慣が生まれました。

お盆玉の由来

お盆玉という言葉は、山形県に本社を構えるポチ袋製造会社、株式会社マルアイが2010年に商標登録した造語です。

この言葉が広まり、新しい風習として定着することを目指して作られました。

マルアイはお盆の時期に孫や子どもたちにお年玉を渡す新しい文化を提案し、広めていくことに貢献しています。

お盆玉の渡し方とタイミング

お盆玉は一般的に、お盆の帰省時に渡されます。

具体的なタイミングとしては、家族が集まるお盆休みの期間中が最適です。

特に、お盆の中心となる8月13日から16日の間に渡すことが多いです。

タイミング詳細
8月13日お盆の始まり、帰省初日
8月14日家族が集まる日
8月15日お盆の中心日
8月16日お盆の終わり

お盆玉の金額の目安

お盆玉の金額は、家庭や地域によって異なりますが、お正月のお年玉と同じくらいの額を渡すことが一般的です。

例えば、小学生なら1,000円から3,000円、中学生なら5,000円、高校生以上なら1万円といった金額が目安になります。

お盆玉は単にお金を渡すだけでなく、祖父母や親戚と孫や子どもたちとの絆を深める重要な機会でもあります。

帰省中に楽しい思い出を作りながら、感謝の気持ちや愛情を形にすることで、家族の絆を強くすることができるのです。

お盆玉という新しい風習は、家族の結びつきを強める素晴らしい機会です。

皆さんもお盆の帰省の際には、ぜひこの風習を取り入れてみてはいかがでしょうか。

お盆玉はどこの地域の風習?


「お盆玉」という言葉は最近になって広まりましたが、この風習自体は江戸時代にまで遡ることができます。

特に山形県では「盆玉」という名前で知られ、お盆にお小遣いを渡す風習が存在していました。

江戸時代の山形県では、丁稚(でっち)と呼ばれる若者が商家に住み込みで働いていました。

丁稚たちは年に2回、正月とお盆の時期だけ実家に帰ることが許されていました。

この貴重な帰省の際、商家の主人は丁稚に対して新しい着物や下駄を贈り、実家への帰省を支援する習慣がありました。

これは丁稚が実家に戻る際の準備として重要な役割を果たしていたのです。

時代が進むにつれて、丁稚という職業は姿を消していきました。

しかし、この風習は形を変え、山形県では新しい着物や下駄の代わりに子供たちにお小遣いを渡す「お盆玉」の風習が生まれました。

現代の山形県では、多くの家庭がお盆の時期に子供や孫にお小遣いを渡すことで、この伝統を受け継いでいます。

具体的な数字やデータで見るお盆玉の現状

最近の調査によると、日本全体でお盆玉を渡す家庭の割合は年々増加傾向にあります。

2023年のデータでは、全国の約30%の家庭が何らかの形でお盆玉を渡していることが分かりました。

この風習が広がる背景には、お盆という家族が集まる機会を大切にする日本文化の影響があると考えられます。

また、お盆玉の平均金額は地域や家庭によって異なりますが、全国平均では約5,000円とされています。

山形県内では、この平均額を上回る家庭も多く、子供たちが期待するお盆の一大イベントとなっています。

山形県におけるお盆玉の具体例

項目詳細
風習の起源江戸時代からの丁稚への贈り物文化
現代の形態着物や下駄からお小遣いに変化
渡す時期主にお盆(8月中旬)
平均金額全国平均約5,000円
家庭の割合全国の約30%が実施

お盆玉の風習は、山形県の歴史と文化を反映した特有のものですが、近年では他の地域にも広がりつつあります。

この伝統を通じて、家族の絆を深めるとともに、次世代へと受け継がれていくことが期待されています。

お盆玉は、地域・年齢によってばらつきがある

お盆玉の習慣は、地域や年齢層によって大きな差があることがわかっています。

2017年に大手損害保険会社が実施したインターネットアンケートによれば、お盆玉の認知率は全体の約4割でしたが、実際に受け取ったことがある人は約1割に過ぎませんでした。

この結果から、お盆玉という名称を知らなくても、実質的にお小遣いを渡したり、プレゼントを贈ったりしている家庭が多いと考えられます。

地域ごとのお盆玉の習慣

お盆玉を渡す習慣は、地域によって大きな違いがあります。以下にその傾向を詳しく説明します。

お盆玉の習慣が強い地域

次の地域では、お盆玉を渡す家庭が多く見られます:

  • 北海道
  • 東北
  • 関東
  • 中部
  • 近畿地方

これらの地域では、お盆玉の習慣がしっかりと根付いており、親戚や家族が集まるお盆の時期に子供たちにお金を渡すことが一般的です。

お盆玉の習慣が少ない地域

一方、以下の地域では、お盆玉を渡す習慣が少ないです:

  • 中国地方
  • 四国地方
  • 九州地方
  • 沖縄地方

これらの地域では、お盆玉の風習があまり浸透しておらず、お盆の時期に子供たちにお金を渡すことは珍しいです。

地域別お盆玉の習慣まとめ

お盆玉の習慣が強い地域お盆玉の習慣が少ない地域
北海道中国地方
東北四国地方
関東九州地方
中部沖縄地方
近畿地方

このように、お盆玉の習慣には地域ごとの大きな差があります。

年代別の傾向

年代によっても、お盆玉を渡す割合に差が見られます。以下のデータがその詳細を示しています:

年代お盆玉を渡す割合
20〜50代10%以下
60代約12%
70代約15%

特に60代以上の高齢者層では、お盆玉を渡す割合が若年層に比べて増加していることが分かります。

これは、祖父母世代が孫に対してお盆玉を渡す文化が根強く残っていることを示唆しています。

このように、お盆玉の習慣は地域や年代によって大きく異なります。

全国的に見ればまだ広く普及しているとは言えないものの、特定の地域や高齢者層では根強い伝統として続いていることがわかります。

お盆玉の存在が認知され、広がっていくことで、今後さらに多くの家庭でこの風習が見られるようになるかもしれません。

お盆玉は誰に渡すの?


お盆玉はお年玉と同様に、祖父母が孫に渡すというのが一般的のようです。

ただし、必ず祖父母から孫に渡すと決まっているわけではありません。

お年玉も、自分が小さい時は祖父母にもらっていたけれど、社会人になって働くようになってからは逆に孫から祖父母に「お世話になったから」と渡すこともありますよね。

お盆玉も同じで、祖父母が孫に渡すだけではなく、孫が祖父母に、こどもが両親に渡すこともあります。

また、両親が離れて暮らすこどもの帰省時にお小遣いとして渡すものも、広義的にはお盆玉に含まれるそうです。

お盆玉にお返しは必要?


祖父母から孫へのお盆玉の場合、多くはお返しをしていないようです。

お年玉も、もらった分をお金としてお返しするということはしませんよね。

これは、お年玉をもらう孫がこどものため収入がないので、お返しを想定していないというのが大半のためです。

お盆玉も同じく、贈ったのが祖父母でもらったのが孫であれば、お返しはしなくてもよいと考えるのがほとんどです。

ただし、親戚などの集まりでいとこ同士にあたる親のこどもがお盆玉をもらった場合は、その場で相手のこどもにお返しをするのがよいと考える方が多いようです。

お盆玉を用意していなかったからと、後日品物を贈るという方もいるようですが、自分がこどもだった時、お年玉(現金)をもらえなくてガッカリしたことはなかったでしょうか。

お盆玉が一般的に普及していることで、こどもの中でも「お盆にもお金がもらえるかも」という期待値が高まっていることが伺えます。

できれば自分のこどもがもらったお盆玉と同額のお盆玉を、相手のお子さんにお返しするのがよいでしょう。

お盆玉の金額相場


お盆玉はお盆の時期に子どもたちに渡すお小遣いのことで、その金額は子どもの年齢に応じて異なります。

以下に、年齢別の相場を詳しく説明します。

小学生(7才~12才)

この年齢層の子どもには、一般的に1,000円から3,000円程度のお盆玉が渡されます。

まだ経済的な知識が浅いこの時期には、適度な額である1,000円から3,000円が妥当とされています。

中学生(13才~15才)

中学生になると、活動範囲も広がり、必要なものも増えてきます。

そのため、3,000円から5,000円が一般的な相場となります。

部活や塾などで忙しい中、自由に使えるお金として渡されることが多いです。

高校生・大学生(16才~22才)

高校生や大学生になると、さらに経済的な自由が求められるようになります。

このため、5,000円から10,000円が相場とされています。

交通費や教材費など、実用的な使い道が増えるため、この金額が適していると言えます。

お盆玉は、一般的にお年玉と比べて金額がやや低めに設定される傾向があります。

しかし、場合によっては異なることもあります。

例えば、お正月に会えなかった親戚の子どもたちにお年玉の代わりとしてお盆玉を渡す場合、その金額はお年玉と同額になることもあります。

これには家庭や親戚の関係性、そして個々の経済状況が大きく影響します。

お盆玉の文化は、お年玉と同様に家族や親戚間の絆を深める大切な習慣です。

金額の多少に関わらず、子どもたちにとっては夏の楽しみの一つであり、大人にとっても心温まる交流の機会となります。

お盆玉の準備に際しては、子どもの年齢や家庭の状況を考慮しつつ、思いやりの気持ちを込めて渡すことが大切です。

お盆玉袋の表書きはどうしたらいい?


お盆玉袋の表書きには、「お盆玉」と記入します。

お盆玉と書くのは袋の上の真ん中部分になります。

市販されているお盆玉袋には、あらかじめ表面に「お盆玉」や「おぼん玉」と記入されている場合が多いので、その場合は新たに書く必要はありません。

お盆玉と書いたら、右上、もしくは左上にお盆玉を渡すこどもの名前を書きましょう。

また、表書きではありませんが、裏面に自分の名前を書いておきましょう。

自分の名前を書くのは、「私があげました」と主張するようで気が引けるという方もいますが、お金を管理する親としては誰がいくら渡したのかをしっかりと把握しておきたいため、名前がある方が有難いと考える方が多いです。

お盆玉専用のポチ袋がある?


お盆玉の全国的な普及に伴い、日本郵政では2014年からお盆玉袋を販売しており、スーパーや雑貨店などでも取り扱いが増えています。

また、お盆玉の商標登録をしている株式会社マルアイでもお盆玉袋を作って販売しています。

お年玉のぽち袋が冬にちなんだイラストや干支などが描かれているのに対し、お盆玉は夏っぽいイラストのぽち袋が多いようです。

特に気にしないのであれば、お年玉用に購入したぽち袋を利用しても構いません。

お盆玉袋の選び方


お金をもらう側のこどもにとっては嬉しい風習となるお盆玉ですが、お年玉に誕生日など孫やこどもにかかる出費に頭を抱えている祖父母世代、親世代にとっては厳しいと感じる部分もあるのではないでしょうか。

上記でお盆玉の相場をご紹介しましたが、孫やこどもの数が多く、相場と同等の金額を用意できないということもありますよね。

そのような時は、500円硬貨がちょうど入る専用のぽち袋が販売されているので、そちらを利用してみてはいかがでしょうか。

お盆玉もそしてお年玉も、あくまでも『心付け』なのですが、一方で孫やこどもには渡すのが当たり前だという風潮があるのも事実ですよね。

無理をしない程度でお盆玉を渡したいという時は、小さめのぽち袋を選んでみるのも一つの方法と言えるでしょう。

お盆玉のまとめ

山形県では昔から行われていたお盆玉は、メディアでの発信などもあり、近年は全国的な風習となりつつあります。

お正月に帰省できないこどもや孫がいる場合は、お盆に会えたタイミングでお小遣いを渡したいと思う祖父母世代の方も多いと思いますが、一方でお正月も誕生日もお盆もとなると困ってしまう場合もあるのではないでしょうか。

お盆玉はあくまでも心付けですが、それでもかわいい孫には何かしら渡したいと思うもの。

そのような時は、無理をしない範囲で渡してみてはいかがでしょうか。

一般的なぽち袋はお札を入れる用になっていますが、中には500円硬貨が入る程度の小さいぽち袋も販売されていますので、上手に使ってお孫さんやお子さんのお盆の帰省を楽しみましょう。

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