ボジョレーヌーボーの毎年の評価を検証!
毎年、ボジョレーヌーボー解禁の際には、その年の出来具合を評価するキャッチコピーが話題になります。
でも「50年に一度の出来栄え」「100年に一度の出来」「ここ数年で最高」なんていうキャッチコピーを見ると、思わず「どの年のボジョレーヌーボーが一番美味しいの?」って思っちゃいますよね。
この話題のキャッチコピー、よく考えてみると、評価の基準は?誰が考えているの?信憑性は?と、いくつもの疑問が浮かんできます。
ここではそんなボジョレーヌーボーのキャッチコピーに関する情報をいろいろまとめてみました。
ボジョレーヌーボーの評価をキャッチコピーの歴史から見ると
ボジョレーヌーボーのキャッチコピーは販売促進のためのもの。
売り上げを左右するものなので、当然どれも高評価なものばかりです。
2000年以降のキャッチコピーを順に並べてみました。
- 2000年・・・出来は上々で申し分の無い仕上がり
- 2001年・・・ここ10年で最高
- 2002年・・・過去10年で最高と言われた2001年を上回る出来栄え
- 2003年・・・100年に一度の出来
- 2004年・・・香りが良くなかなかの出来栄え
- 2005年・・・ここ数年で最高
- 2006年・・・昨年同様良い出来栄え
- 2007年・・・柔らかく果実味が豊かで上質な味わい
- 2008年・・・豊かな果実味と程良い酸味が調和した味
- 2009年・・・50年に一度の出来栄え
- 2010年・・・1950年以降最高の出来と言われた2009年と同等の出来
- 2011年・・・近年の当たり年である2009年に匹敵する出来
- 2012年・・・史上最悪の不作だが品質は良く健全。糖度と酸度のバランスが良く軽やか
- 2013年・・・ブドウの収穫量は少ないが、みずみずしさが感じられる素晴らしい品質
- 2014年・・・近年の当たり年である2009年と肩を並べるクオリティ
- 2015年・・・我がワイン人生最良のヌーヴォー
- 2016年・・・「エレガントで酸味と果実味のバランスがとれた上品な味わい」「豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい」
- 2017年・・・「2017年、2015年、2009年と並び、珠玉のヴィンテージとして歴史に刻まれるでしょう」「理想的な条件の下、すばらしいヴィンテージへの期待高まる」
- 2019年・・・「天候などの条件は厳しかったが、有望で生産者のテクニックが重要な年」「バランスのとれた味で、適度な量と高い品質のワイン」
- 2020年・・・「極めて早い成熟と乾燥した夏による、究極のミレジム(ヴィンテージ)」「非常にバランスが取れた爽やかさのある仕上がり」
- 2021年・・・「挑戦の末たどり着いた、納得のヌーヴォー」
これらのキャッチコピーを見る限り、ブドウが不作だったという2012年以外は、どれもその年のボジョレーヌーボーを高く評価するものばかりですね。
2012年の評価も不作であったことは述べられていてもボジョレーヌーボーの品質自体は高く評価されています。
キャッチコピーはたった一言で
「今年のボジョレーヌーボーを飲みたい!」
という気持ちを盛り上げるもの。さすがにどれも目を引く文言が並びますね。
2022年の出来映え予想
生産量は少なめとなるものの、糖と酸のバランスのとれた、フルーティで口当たりのよい、典型的なボジョレーらしいワインの生産が見込まれています。
評価(キャッチコピー)は、誰がつけているの?
毎年大きな話題となるボジョレーヌーボーのキャッチコピーですが、実は誰が考えているのかはよく分からないとのこと。
もちろん、そのキャッチコピーのネタの元は存在します。
それはフランスの食品振興会、ボジョレーワイン委員会が発表する言葉。
それを、日本の担当者が訳しているということですが、ここで発表するのはその年の味や香りについてのみとのことです。
ワインの専門的な知識を元にその年のボジョレーヌーボーを検証し、評価はしているものの「100年に一度」とか「50年に一度」などという大げさな表現はしていないとか。
つまりこの委員会が発表することばに、いつのまにか尾ひれがついて世間を騒がすその年のキャッチコピーができているというのが真相。
なんだかよくわからないのに盛り上がっているなんて滑稽かもしれませんが、ボジョレーヌーボーの解禁日は年に一度のお祭りのようなもの。
大いに盛り上がり、お祝いしながら楽しんで飲むのもアリですよね。
キャッチコピーの出来栄えランキングトップ10!
先に年代順に並べてみたキャッチコピーを見ていると、どの年のボジョレーヌーボーが一番美味しいのか、誰でも知りたくなってしまいますよね。
- 「100年に一度という2003年が一番上よね!」
- 「でも2004年はそれを上回るっていうことは2004年よね!」
- 「ちょっと待って、ここ数年で最高っていう2005年が一番でしょ?」
- 「過去50年で一番美味しい2009年が最高でしょ!」
- 「2009年に匹敵する出来の2011年も最高なの?」
などなど、いろいろ考えているうちにこんがらがってしまいます。
紙に書き出してランキングを考えたりしてみるのもよいのですが、どうしても頭の中にクエスチョンマークが飛び交ってしまいそうですね。
とりあえずキャッチコピーを元に2000年以降のベスト10をあげてみると
1位 2009年
2位 2011年
3位 2010年
4位 2005年
5位 2006年
6位 2003年
7位 2002年
8位 2001年
9位 2000年
10位 2004年、2007年、2008年、2013年
といった感じでしょうか。
といっても10位は他の年と比較されていない年なので、どう判断して良いのかわかりません。
言葉の表現上、曖昧な部分もあり、ランキングを決定するのは難しいでしょう。
ですから、
「なるほど!」
と思う方もおられれば、
「このランキング間違ってるよ。」
という方もおられるかと思います。皆さんはどうお感じでしょうか?
まとめ
ランキング形式で物事を捉えるのは、分かりやすくてとても面白いもの。
でも結局のところ、季節物であるボジョレーヌーボーはタイムマシンでも無い限り、違った年のものを飲み比べることはできません。
キャッチコピーも絶対的な評価ではなく、あくまでも参考程度と考えるのが良いのかもしれません。
だからといって、甘味や酸味、香りを全て科学的に数値で表すのも味気ないもの。
「今年のボジョレーヌーボーは美味しいね。」
「私は去年のボジョレーヌーボーが飲みやすくて好きだったわ。」
「来年も美味しいボジョレーヌーボーが飲みたいね。」
なんて、その年の出来栄えを語り合いながら楽しく飲むことができれば、それが一番なのではないでしょうか。
さて、今年のボジョレーヌーボーの味は?
解禁日をお楽しみに!
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