百寿祝いで贈り物を贈る場合には熨斗(のし)をつけるのが丁寧です。
しかし、百寿祝いの熨斗(のし)の書き方がよくわからないという方は多いのではないでしょうか。
表書きや裏書き、中包みの書き方を知りたいですよね。
そこで今回は、百寿祝いの熨斗(のし)の正しい書き方を調べてみました。
百寿祝いの熨斗の正しい書き方!
身近なところではお中元やお歳暮などに、贈り物の上に白い紙と紐状のもの、そして右上に飾りがついているのを見たことがないでしょうか。
その飾りが熨斗になります。
しかし近年は、白い紙に紐状のもの(水引きと言います)と熨斗を印刷した「熨斗紙」が主流となっています。
そのため、熨斗=熨斗紙という認識を持つ方も多いのではないかと思います。
熨斗は正しくは飾りのみのことを指しますが、このような背景からここでは熨斗=熨斗紙として、百寿祝いの熨斗について解説していきますね。
熨斗は贈り物が「どのようなお祝いで」「誰が」贈ったものなのか、一目で分かるものになります。
通常、贈り物には熨斗はつけませんが、日本伝統の行事などにおいてはお祝いの気持ちなどを伝えるために、熨斗をつけて贈ります。
なお、表書きはボールペンや万年筆は使わず、毛筆または筆ペンで書くのがマナーになります。
筆ペンは100円ショップでも購入できるので、1本用意しておくとよいでしょう。
百寿祝いの熨斗の表書きは?
表書きとは、熨斗(熨斗紙)の表面の上部分に書くもので、「どのようなお祝い」かに当たる部分になります。
百寿祝いの場合は『祝百寿』や『百寿御祝(※)』『寿百寿』『御百寿祝(※2)』、もしくは『御祝』『寿』などと書きます。
表書きを書くことで、この贈り物が百寿をお祝いするものだとすぐに分かりますよね。
そして、表書きの下部分には贈り主の名前を書きます。
名前は1名であればフルネームを書きましょう。
文字の大きさは『祝百寿』などの文字よりもやや小さめに書きます。
(※)(※2)表書きを書く上で注意したいのが、死文字と呼ばれるもの。これは4文字を表すもので、お祝いごとには死をイメージする4文字は避けた方がよいという考え方です。百寿御祝や御百寿祝は4文字になるので、場合によっては避けた方がよいでしょう。3文字や5文字であれば問題がないので祝百寿に変えるか、百寿乃御祝のように文字を足して5文字にすると安心です。
裏書きの書き方は?
裏書きとはご祝儀袋の中袋(中包み)の裏面に書くもので、一般的には贈り主の住所を書き入れます。
ただし、ご祝儀袋によっては裏書きに住所以外にも、氏名、電話番号、金額を書く欄があらかじめ記載されているものもあります。
そのような場合には、記載に従って必要事項を書き入れるようにしましょう。
中包みの書き方は?
文字は漢数字を使い、金参萬圓(円)也(也はなくてもよい)などと書きましょう。
3や5などの数字を使わないのは、後から書き足しなどができないようにするためと言われています。
連名で贈る場合の名前の書き方は?
百寿祝いを複数でまとめて贈る場合、名前の書き方は気を付ける必要があります。
3名以下であればそれぞれフルネームを書いて贈りますが、この時に注意したいのが順番です。
夫婦であれば夫が先になり、続いて妻の名前を書きます。
会社であれば上司が先になりますが、役職が同じであればアルファベット順に書きましょう。
3名以上で贈る場合は、代表者の名前を書き、隣に「家族一同」「親戚一同」「有志一同」などを書いて下さい。
百寿祝いの熨斗の水引きの種類
百寿祝いの熨斗につける水引きには、いくつか種類があります。
種類によって意味が違っているので、お祝いの内容に合った水引きを選ぶ必要があるのですが、百寿祝いにはどの水引きを選ぶのがよいのでしょうか。
ここでは、水引きの種類と併せてご紹介します。
蝶結び(花結び)
蝶結びの水引きは、結び目が解きやすいことから、何度お祝いしてもよい時に選びます。
百寿祝い自体は人生で一度きりのお祝いですが、他の長寿祝いと合わせて何度お祝いしても喜ばしいものになるので、蝶結びの水引きを選ぶのがよいと言われています。
結び切り
結び切りは結び目が硬く、解きにくいことから、一度きりにしたいお祝いの時に選びます。
具体的には結婚や快気祝いなどです。
結婚も快気祝いもそれ自体は喜ばしいことですが、何度もあるのは嬉しくないですよね。
あわじ結び
あわじ結びは結び切りの変化形で意味は同じになるのですが、結び目の部分がしっかりと結ばれていません。
そのため、端を持って引っ張ることで結び目が硬くなり、二度と解けなくなることから、特に結婚のお祝いに選ぶのがよいと言われています。
百寿祝いの内祝いに熨斗はつける?
内祝いとは本来は、結婚や出産などのお祝いの当事者が家族や親戚などに、日ごろの感謝や報告を兼ねて贈ったものが始まりと言われています。
そのため、内祝いの内祝いは存在しませんでした。
しかし、時代の流れの中で内祝いが結婚祝いや出産祝いを頂いたお返しという意味を持つようになり、やがて一般的になっていきました。
このようなことから、百寿祝いを頂いたお礼として内祝いを返すケースも増えています。
特に身内以外から百寿祝いを頂いた時は、内祝いを返すのがマナーと考える方が多いようですね。
内祝いの熨斗の表書きは『内祝』や『寿』などとし、贈り主は百寿を迎えた方の名前になりますよ。
なお、相手が喪中の場合の表書きは『御礼』になります。
百寿祝いの料金の目安は?
百寿祝いの料金の目安は、5,000~30,000円程度になります。
百寿を迎える方との関係によって金額に差があり、子供(百寿を迎える方が両親)の場合は20,000~30,000円程度、孫(百寿を迎える方が祖父母)なら10,000~20,000円程度が目安と言われています。
ただし、孫の立場で両親がすでに他界している場合などでは、両親に代わって百寿祝いを取り仕切ることもあるでしょう。
そのような時は、孫であっても両親と同等の金額が目安になることもあるようです。
また、親戚や知人などでは5,000~10,000円程度が目安になるようです。
こちらの場合は、親しさの度合によって金額の目安が下がることもあり、複数の人数でまとめて贈り物をするケースでは1人あたり2,000~3,000円程度が目安となることもあります。
百寿祝いのプレゼントはどんなものが喜ばれる?
百寿祝いのプレゼントに喜ばれるのは、花やお酒、お菓子などの嗜好品、湯飲みやコーヒーカップなど日常的に使えるものなどですが、百寿祝いのプレゼント選びに迷ったら、本人に尋ねて欲しいものを聞くのが最もよい方法と言えます。
また、100歳ともなると身の回りの品はすでに揃っていることが多く、欲しいものも特にないという方も少なくありません。
そのような場合は、お金では買うことのできない心温まるメッセージや、お孫さん、ひ孫さんの書いた絵を贈ってみるなど、手作りのプレゼントがお勧めですよ。
まとめ
百寿祝いの熨斗の正しい書き方をご紹介しました。
表書きの書き方を始め、ご祝儀袋の裏書きや中包みの書き方など、よくわからないという方が多いと思います。
現在、デパートなどで贈り物を購入すると熨斗紙を掛けるのがほとんどです。
お店によっては表書きの代筆や印刷をしてくれるところもあるので、贈り物を購入する場合は尋ねてみるとよいでしょう。
コメント