厳寒の候を使う時期や使い方と読み方、例文と結び文をまとめています。
時候の挨拶を使った手紙やはがきを送るときに、厳寒の候はいつ使えばよいのか悩むことはありませんか?
厳寒の候を誤ったタイミングで使ってしまうと、相手から「マナーのない人だ」と思われてしまうかも知れません。
そこで今回は、厳寒の候について詳しく調べてみました。
厳寒の候を使う時期はいつ?
1月上旬に使っても誤りではないのですが、1月上旬は初春や新春など、正月や新年にちなんだ時候の挨拶の方が適切と言えます。
また、地域によっては、1月上旬はそこまで寒さを感じないため、あまり相応しいとは言えません。
二十四節気の小寒と大寒は一年の中で最も寒さが強い時期という意味になるので、厳寒の候は小寒と大寒の時期に使うことが多いですね。
具体的には小寒は例年1月5日頃から、大寒は例年1月20日頃からとなります。
そのため、1月5日から1月末くらいまで使うのがよいのですが、1月7日の松の内(地域によっては15日)までは初春の候や新春の候を使うことをおすすめしますよ。
厳寒の候の意味や読み方は?
厳寒は書いて字の如く、寒さが厳しい時期という意味になります。
冬の入口の寒さではなく、風が突き刺すような痛みとなるような、一年で最も気温が低い時期の寒さとなります。
また、候はそうろうと読んでしまいそうになりますが、「こう」が正しい読み方になります。
候には時候や気候、気温といった意味があることから、厳寒の候は「一年で最も寒さが厳しい時期になりましたね」という意味になりますよ。
厳寒の候の正しい使い方は?
厳寒の候の意味や使う時期がわかると、「そうは言っても一年で最も寒いのは2月では?」と思う方もいるかも知れません。
実際に天気予報などを見ても、1月上旬や中旬よりも2月上旬くらいの気温が低く、さらに積雪量もピークを迎えていますよね。
そのため、厳寒の候は実体験として寒さが厳しい2月に使いたくなる方もいるかも知れません。
しかし、時候の挨拶は旧暦に基づいて使うのが一般的であり、旧暦では例年2月4日頃が立春となります。
立春とは春の始まりという意味なので、2月に厳寒の候を使うのは誤りになってしまいます。
厳寒の候を使った例文
時候の挨拶と一口に言っても、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきと、親しい人へ送る手紙やはがきでは書き出しが変わってきますよね。
特にビジネス関係者や目上の人は失礼のないように、時候の挨拶を使いたいものです。
そこでここでは、厳寒の候を使った例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
厳寒の候の結び文
結び文には季節を問わず使うことができる定型文がありますが、時候の挨拶に合わせた結び文を使うと文章に統一感が出るのでおすすめですよ。
そこでここでは、厳寒の候に合う結び文の例文をご紹介します。
なお、結び文と時候の挨拶の内容は同じにならないようにしましょう。
厳寒の候を使うときに注意すること
厳寒の候を手紙やはがきの書き出しに使うときは、その前に頭語を付けましょう。
頭語とは「拝啓」や「謹啓」などのことで、いきなり時候の挨拶から入るよりも相手に対する敬意を表すことができますよ。
特にビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきには、必ず頭語をつけてください。
頭語がない文章は、マナー的にNGとなってしまいます。
また、頭語をつけたら、文章の終わりは結語をつけます。
「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」、「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」になります。
なお、親しい人には頭語や結語をつける必要はありません。
厳寒の候以外の1月の時候の挨拶はある?
厳寒の候は1月中に使える時候の挨拶になりますが、地域によっては1月の上旬や中旬はそこまで寒さを感じないこともあり、「厳寒の候はどうもしっくりとこない」と思う方もいるかも知れません。
そのような時は、厳寒の候以外に使える1月の時候の挨拶を選ぶのがよいでしょう。
ここでは、1月に使える厳寒の候以外の時候の挨拶をご紹介します。
初春(新春)の候
初春とは正月のことを指し、具体的には1月1日から7日(もしくは15日)まで使える時候の挨拶になります。
また、初春と同じ意味で新春の候も同時期に使うことができますよ。
小寒の候
小寒は二十四節気のひとつで、例年1月5日頃から19日頃になります。
小寒(と次の節気の大寒)は一年で最も寒さが厳しい時期という意味になりますが、実際に寒さがそこまで強くなくても、二十四節気の暦に従って使うことができますよ。
大寒の候
大寒は小寒の次の二十四節気のひとつで、例年1月20日頃から2月3日頃になります。
大寒は一年で最も寒さが厳しい時期という意味になります。
小寒と同様に、実際に寒さが強くなくても二十四節気の暦に従って使うことができます。
晩冬の候
旧暦の冬の中でも、冬の終わりとなるのが晩冬です。
晩冬は二十四節気の小寒と大寒を指すことから、時候の挨拶として使えるのは例年1月5日頃から2月3日頃までになりますね。
厳冬の候
厳寒と同じ意味合いとして使うことができる時候の挨拶です。
二十四節気の小寒と大寒に該当する期間に使うことができますよ。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
厳寒の候のまとめ
厳寒の候は1月中に使える時候の挨拶になりますが、1月上旬は正月の雰囲気にふさわしい初春の候や新春の候を使うのがよいでしょう。
また、実際に寒さが底となり一年で最も気温が下がるのは2月ですが、旧暦では例年2月4日頃に立春を迎えるため、2月には厳寒の候は使えません。
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