寒中の候を使う時期や読み方、使い方と例文、結びについて解説しています。
時候の挨拶のなかでも、聞き慣れないのが寒中の候ではないでしょうか。
寒中の候はいつ使うのがよいのか、読み方や意味を知りたいと思う方は多いでしょう。
そこで今回は、寒中の候の使い方を詳しくご紹介します。
寒中の候を使う時期はいつ?
寒中の候は、1月上旬から2月上旬まで使える時候の挨拶になります。
具体的には、二十四節気の小寒と大寒の時期で、例年1月6日頃から2月3日頃までとなりますよ。
時候の挨拶には使える期間が短いものもありますが、寒中の候は比較的長く使える(1ヶ月程度)時候の挨拶と言えますね。
寒中の候の意味や読み方は?
どれも難しい漢字ではないので、読みにくいと感じる方は少ないと思いますが、候を「そうろう」と読んでしまうことが多いようですね。
正しくは「こう」と読みますよ。
寒中は、二十四節気の小寒と大寒を合わせた「寒」の期間を指す言葉になり、候には時期や時候、気候といった意味があります。
小寒は「一年で最も寒い時期に入る頃」であり、大寒は「一年で最も寒さが厳しい頃」なので、寒中の候は「一年で最も寒い時期になりましたね」という意味になりますよ。
寒中の候はあまり聞いたことがないという方でも、寒中見舞いは馴染みがあるのではないかと思います。
寒中見舞いの寒中は、寒中の候とまさに同じ意味となります。
年賀状を出し忘れたときなどに寒中見舞いを出しますが、この場合も二十四節気の小寒と大寒の期間内に出すのがマナーとなりますね。
寒中の候の正しい使い方は?
寒中には一年で最も寒い時期という意味があるため、体感的に最も寒いと感じる2月に使った方が合っているのでは?と思う方がいるかも知れません。
1月上旬から中旬は「寒いけれど、一年で最も寒い時期ではない」と思いますよね。
しかし、寒中の候を始めとした時候の挨拶の多くは、旧暦の二十四節気に沿って使うのが基本となります。
そのため、実際の肌感覚で寒中の候を使うのではなく、あくまでも二十四節気の小寒と大寒の期間に使うのが正しいと言えるでしょう。
なお、旧暦と新暦には1ヵ月ほど季節感に誤差があるため、1月上旬は新暦に直すと2月上旬に当たり、寒さが厳しい時期となりますよ。
寒中の候を使った例文
寒中の候を使って手紙やはがきなど送る場合、送る相手によって文章の内容を変える必要がありますよね。
ビジネス関係者と親しい人に送る手紙やはがきが同じではないからです。
そこでここでは、シーンに合わせた寒中の候の例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
(※親しい間柄で謹啓や拝啓を使うと、よそよそしさを感じる方もいるようです。
使う場合には相手との関係などを考慮するのがよいでしょう)
寒中の候の結び文
季節に関係なく使うことができるビジネス定型文もありますが、時候の挨拶の季節に合わせた結び文を入れることで、文章全体に統一感を持たせることができますよ。
ここでは、寒中の候を時候の挨拶に使った場合の、結び文の例文をご紹介します。
謹白や敬具は結語といって、謹啓や拝啓などの頭語と必ず対になって使う言葉になります。
かしこはどの頭語にも使える結語ですが、使用できるのは女性のみとなっています。
そのため、ビジネスシーンでは避けておくのがよいでしょう。
寒中の候を使うときに注意すること
手紙やはがきなどに寒中の候を使うときは、使う時期の他にもう一つ、注意したいことがあります。
それは、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきでは、文章の書き出しをいきなり寒中の候にしてしまうのはマナーに欠けるということ。
時候の挨拶はそれ自体が丁寧な表現なのですが、より丁寧な表現にするには頭語をつけるのがよいでしょう。
頭語とは「拝啓」や「謹啓」といった言葉で、「謹んで申し上げます」という意味があるものです。
寒中の候であれば、「拝啓 寒中の候、・・・・・・・・・」と書くのがよいでしょう。
また、文章に頭語をつけたら、終わりは結語で締めるのもマナーの基本となっていますよ。
「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」、「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」になります。
上記で結び文の例文をご紹介しましたが、謹白や敬具、かしこの部分は頭語に合わせて変える必要があります。
なお、例文のところでも触れた通り、親しい人に関しては必ずしも頭語をつける必要はありません。
親しい人に頭語をつかうと、相手がよそよそしさや距離感を抱いてしまうこともあるので、相手との関係を考慮して使うかどうか決めてくださいね。
寒中の候以外の1月の時候の挨拶はある?
寒中の候は二十四節気の小寒と大寒の期間に使える時候の挨拶です。
1ヵ月ほど使うことができ、1月中は5日までを除いて使うことができるので便利なのですが、1月に使う時候の挨拶は他にもありますよ。
ここでは、寒中の候以外の1月に使える時候の挨拶をご紹介します。
初春(新春)の候
初春(新春)とは春の始まりという意味ですが、旧暦では春=新年だったことから、現在も正月のことを指す言葉として使われています。
初春(新春)の候は、1月1日から7日(もしくは15日)まで使える時候の挨拶になりますよ。
七草の候
七草とは春の七草のことです。
1月7日になると七草粥を食べると思いますが、これは人日の節句が発祥となっています。
人日の節句は1月7日に行われるため、七草の候も1月7日に使える時候の挨拶になりますよ。
小寒の候
寒中の一つである小寒を用いて、小寒の候として時候の挨拶に使うことができます。
小寒の期間(例年1月6日頃から1月20日頃まで)使うことができますよ。
大寒の候
大寒の候は例年1月20日頃から2月3日頃まで使える時候の挨拶になります。
実際の寒さとは関係なく、二十四節気の暦に従って使うことができます。
晩冬の候
晩とは終わりという意味があります。
晩冬は旧暦で冬が終わる時期という意味になり、二十四節気の小寒と大寒に当てはまります。
そのため、晩冬の候は例年1月6日頃から2月3日頃まで使える時候の挨拶です。
酷寒の候
寒さが酷い時期という意味があり、小寒と大寒の時期に該当します。
1月6日頃から立春の前日(2月3日頃)まで使うことができます。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
寒中の候のまとめ
寒中の候は、二十四節気の小寒と大寒の期間に使える時候の挨拶です。
具体的には例年1月6日頃から2月3日頃までとなりますよ。
寒中は一年で最も寒い時期を指し、出しそびれた年賀状の返信として送る寒中見舞いの寒中と同じ意味です。
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