寒風の候を使う時期や読み方、使い方と例文、結びについて解説しています。
時候の挨拶の一つである寒風の候は、いつ使うのがよいのでしょうか。
ビジネスシーンや目上の人に送る手紙などで、間違ったタイミングで寒風の候を使いたくないですよね。
寒風の候の使い方を詳しくご紹介します。
寒風の候を使う時期はいつ?
寒風の候は1月中旬から1月下旬に使える時候の挨拶になります。
他の時候の挨拶では1ヵ月~1ヵ月半ほど使えるものもありますが、寒風の候は比較的短い期間しか使えない時候の挨拶ということになりますね。
寒風の候の意味や読み方は?
寒風摩擦(かんぷうまさつ)や「寒風(かんぷう)の吹きすさぶ」といった表現があるので、耳慣れた人も多く、読むにはあまり困らない時候の挨拶だと思います。
寒風とは書いて字の如く、寒い風という意味で、冬の季語にもなっている言葉です。
候には時期や時候、気候といった意味があることから、寒風の候は「冬の寒い風が吹く時期になりました」という意味になりますよ。
寒風の候の正しい使い方は?
寒風の候は、旧暦の冬の終わり(晩冬)に使う時候の挨拶になります。
そのため、初冬(冬の始まり)に使うのは正しくありません。
旧暦では初冬は11月、仲冬(冬の半ば)が12月、晩冬は1月になり、初冬の11月や仲冬の12月に寒風の候を使うのはマナーとしてはNGとなりますよ。
さらに、1月においても上旬は冬の終わりに近づいている段階と言え、冬の終わりの時期とは言えないため、1月中旬から下旬に使うのがよいとされています。
また、現代では1月よりも2月の方が気温は低くなり、冬の終わりの最も寒い時期を迎えますが、旧暦では立春(2月4日頃)を迎えると春になります。
例え体感的に寒風の候を使うのにふさわしいと思っても、立春を過ぎると暦の上では春になるので、寒風の候は使えません。
寒風の候を使った例文
寒風の候を使った手紙やはがきなど送る場合は、送る相手によって文章の形態が変わります。
特にビジネスや目上の人に送る手紙やはがきでは言葉の選び方に注意が必要ですが、難しく感じる方も多いでしょう。
そこでここでは、ビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合のそれぞれに合った例文をご紹介します。
ぜひ参考になさってみてください。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
なお、友人や知人などの親しい人に関しては必ずしも頭語をつける必要はありません。
親しい人に頭語をつかうと、相手がよそよそしさや距離感を抱いてしまうこともあるので、相手との関係を考慮して使うかどうか決めるのがよいでしょう。
寒風の候の結び文
時候の挨拶を使った文章では、最後に結び文と結語を入れて締めるのがよいでしょう。
結び文には季節は関係なく使える定型文がありますが、時候の挨拶に季節感を合わせた結び文にすることで、文章全体に統一感が生まれるのでおすすめです。
寒風の候を使った文章の結び文の例文をご紹介します。
謹白や敬具は結語といって、謹啓や拝啓などの頭語と必ず対になって使う言葉になります。
かしこはどの頭語にも使える結語ですが、使用できるのは女性のみとなっています。
そのため、ビジネスシーンでは避けておくのがよいでしょう。
寒風の候を使うときに注意すること
寒風の候を使った文章は、ビジネス関係者やお世話になった恩師などの目上の人など、敬意を払う相手に使うことが多いですよね。
その場合、文章の書き出しにいきなり寒風の候を使うのはNGです。
寒風の候などの時候の挨拶は、それ自体が丁寧な表現なのですが、より丁寧な表現にするには頭語をつけるのがよいでしょう。
頭語とは「拝啓」や「謹啓」といった言葉で、「謹んで申し上げます」という意味があります。
そして、文章に頭語をつけたら、終わりは結語で締めるのがマナーになりますよ。
「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」、「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」と決まっているので、使う頭語によって結語を間違えないようにしましょう。
寒風の候以外の1月の時候の挨拶はある?
寒風の候は使える期間が比較的短いことや、暖冬により冷たい風が吹かない年には選びにくい時候の挨拶と言えます。
そのような場合は、1月に使える他の時候の挨拶を選ぶのがよいでしょう。
ここでは、寒風の候以外に1月に使える時候の挨拶をご紹介します。
初春(新春)の候
初春(新春)の候は1月1日から1月7日(地域によっては15日)まで使える時候の挨拶になります。
初春や新春は正月を表す言葉のため、この時期であれば気候などを気にせず使うことができますよ。
七草の候
七草の候は1月7日に使える時候の挨拶です。
1月7日には七草粥を食べる方が多いと思いますが、そもそも七草粥は1月7日の人日の節句が発祥となっています。
人日の節句は1月7日に行われるため、七草の候も1月7日に使える時候の挨拶になりますよ。
小寒の候
小寒の候は例年1月6日頃から1月20日頃まで使える時候の挨拶です。
小寒とは二十四節気の一つで、一年で最も寒い時期の始まり(寒の入り)を指す言葉です。
大寒の候
大寒の候は例年1月20日頃から2月3日頃まで使える時候の挨拶になります。
大寒は小寒の次の二十四節気になり、一年で最も寒い時期という意味になりますよ。
寒中の候
寒中の候は例年1月6日頃から2月3日頃に使える時候の挨拶です。
二十四節気の小寒と大寒の期間に該当し、この期間のことを「寒」と呼びます。
喪中などで年賀状が出せない場合に寒中見舞いを送ることがありますが、寒中見舞いと寒中の候は同時期になります。
晩冬の候
晩冬の候は例年1月6日頃から2月3日頃まで使える時候の挨拶です。
晩冬は旧暦で冬が終わる時期という意味になり、二十四節気の小寒と大寒に当てはまります。
酷寒の候
酷寒の候は例年1月6日頃から2月3日頃まで使える時候の挨拶になります。
寒さが酷い時期という意味があり、小寒と大寒の時期に該当します。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
寒風の候のまとめ
寒風の候は1月中旬から下旬に使える時候の挨拶になります。
寒風という言葉のイメージから、晩秋や初冬に使う方も多いのですが、晩冬(旧暦の冬の終わり)に使うのが正しいです。
また、現在では一年の気温の推移を見ると2月が最も寒く、まさに冬の終わりの時期と言えるのですが、旧暦では例年2月4日頃に立春を迎えて季節が春になります。
そのため、2月に吹く風が冷たくても、寒風の候を使うことはできないので注意してください。
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