春情の候を使う時期や読み方、使い方と例文、結びについて解説しています。
春情の候は春という字が入っているので、春に使う時候の挨拶ということはわかりますよね。
ですが、春といっても春が始まったくらいの時期なのか、それとも終わりに近い時期なのかによって受け取り方などはかなり違うはずです。
いつ使うのが正しいタイミングか、知りたいと思う人は多いでしょう。
特にビジネス関係や目上の人に送る手紙やはがきなどには、間違いのないタイミングを心がけたいもの。
そこで今回は、春情の候の使い方を詳しく調べてみました。
春情の候を使う時期はいつ?
春情の候は3月上旬から下旬にかけて使える時候の挨拶になります。
ただし、春情の候が使える期間は3月上旬から中旬とするものや、3月中旬から下旬とするものがあり、いつからいつまで使えると明確ではないのが現状です。
これには、春情の候の意味が関係していると思われます。
春情の候の意味は次でご紹介しているのでここでは省略しますが、意味を踏まえると、3月中であれば使っても特に問題はないのではないかと思いますよ。
春情の候の意味や読み方は?
春をしゅん、情をじょうと読むこと自体は珍しくありませんが、春情(しゅんじょう)という言葉自体はあまり聞かないので、難しく感じるかも知れませんね。
候はそうろうと読んでしまいますが、「こう」が正しい読み方となりますよ。
また、春情の候には、だんだんと春めいてきましたね、春らしさを感じる時期になりましたね、という意味があります。
春情の候の正しい使い方は?
日本は南北に長い地形をしているため、南と北ではかなり季節感が違いますよね。
南の地域では3月の中旬を過ぎると桜は散り、気温も上がるので、春めいた時期というよりも春の終わりや初夏に近い感覚を持つ方も多いかも知れません。
反対に北の地域では3月に桜は咲かず、気温もまだまだ低いため、ようやく冬が終わって春が始まる時期と思うことが多いようです。
そのため、春情の候は2月もしくは4月に使った方がしっくりくると感じる場合があるかも知れません。
しかし、2月は旧暦の1月に該当し、季節は早春。
4月は旧暦の3月になり、季節は晩春となることから、どちらも春めいた時期とは言えません。
このようなことから、春情の候は実際の季節感にやや合わないと感じる地域があるかも知れませんが、3月中(新暦の3月は旧暦の2月に該当し、仲春となります)に使うのがよいと言われています。
また、先ほども触れた通り、春情の候を使う時期は3月上旬から中旬という意見と、中旬から下旬というものに分かれていますが、手紙やはがきなどを送る相手の住んでいる地域の状況に合わせてタイミングを選ぶのがよいでしょう。
春情の候を使った例文
春情の候を使って手紙やはがきなどを送る時に、特にビジネス関係者や目上の人に対しては、書き出しに悩んでしまう方が多いようです。
失礼のないような書き出しにするには、どのように書くのがよいのでしょうか。
ここでは、春情の候をビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合の3つのケースに合わせて、例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
なお、親しい人へ送る手紙やはがきなどでは、必ずしも仲春の候のような形(漢語調)を使う必要はありません。
漢語調をよりもカジュアルな口語調の時候の挨拶を使ってもよいでしょう。
春情の候の結び文
ビジネス文章では季節に関係なく使える定型文がありますが、時候の挨拶に合わせた結び文にすると、全体に統一感が出るのでおすすめですよ。
春情の候を時候の挨拶に使った文章の結び文なら、春の穏やかな陽気を表したり、反対に気温の差があってまだまだ体調を気遣う必要があることなどに触れるとよいでしょう。
ここでは、春情の候を時候の挨拶に使った場合の、結び文の例文をいくつかご紹介します。
春情の候を使うときに注意すること
春情の候を使って手紙やはがきなどを送る時は、文章の書き出しに頭語をつけましょう。
一般的によく使われる頭語は「謹啓」と「拝啓」です。
どちらも「謹んで申し上げます」という丁寧な意味がありますが、「拝啓」よりも「謹啓」の方がさらに相手に敬意を表す言葉になりますよ。
特にビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきでは、必ず頭語を最初につけるようにして下さい。
頭語が必要ないのは親しい人に送る場合になります。
また、文章に頭語をつけたら、最後は結語で締めましょう。
頭語と結語はそれぞれ決まっており、「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」、「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」になりますよ。
なお、女性のみしか使えませんがどの頭語に対しても「かしこ」をつけることができます。
ただし、ビジネス関係者や目上の人に使うにはややカジュアルなので、使わない方がよいでしょう。
春情の候以外の3月の時候の挨拶はある?
春情の候は3月中に使える時候の挨拶ですが、手紙やはがきなどを送る地域によっては、春めいた時期とは言えないことがあるかも知れません。
そのような場合は、3月に使える春情の候以外の時候の挨拶を使うのがよいでしょう。
ここでは、春情の候以外の3月の時候の挨拶をご紹介します。
萌芽の候
3月全般に使える時候の挨拶です。
萌芽には、木の葉や草の芽が萌え出てくる時期という意味がありますよ。
また、このような意味が転じて、物事が新しく始まるという意味もあり、春にぴったりの時候の挨拶と言えます。
浅春の候
3月上旬から中旬に使える時候の挨拶になります。
春が浅いと書く通り、本格的な春ではなく春の始めの時期という意味になります。
浅春の候は、本来は旧暦の1月(新暦の2月)に使われていたため、3月に使うのは間違いになってしまうのですが、旧暦と新暦では1ヵ月ほど季節感にズレがあることから、現在では3月に浅春の候を使っても問題がないと解釈されています。
軽暖の候
3月上旬から中旬まで使える時候の挨拶になります。
暖かさが軽いと書く意味の通りで、本格的な春の陽気の少し前の寒さと暖かさが交互に訪れる時期に使える時候の挨拶です。
軽暖の候も浅春の候と同様に、本来は2月に使われていた時候の挨拶ですが、現在は3月に使っても問題ありません。
啓蟄の候
例年3月5日頃から3月20日頃まで使える時候の挨拶です。
啓蟄は二十四節気の名称で、土の中に潜っていた虫が春になって地上に出てくる様子を表す言葉です。
地域によっては、この時期にはまだ虫をみかけないところもあるかも知れませんが、二十四節気が元となった時候の挨拶は、実際の季節感に関係なく決められた期間に使うことができます。
春分の候
例年3月20日頃から4月4日頃まで使える時候の挨拶になります。
二十四節気の名称の一つで、一般的には春分の始まりの日となる「春分の日」が有名ですよね。
春分の候として時候の挨拶に使う場合は、次の節気の清明までの期間まで使うことができます。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
春情の候のまとめ
春情の候は3月中に使える時候の挨拶になります。
春情にはだんだんと春めいてきましたねという意味があり、地域によっては2月や4月に春情の候に合う気候になるところもありますよね。
しかし、旧暦では2月は早春、4月は晩春となるため、タイミングとしてはふさわしいとは言えません。
春情の候の意味を考慮すると、3月中に使うのが最もよいタイミングと言えるでしょう。
なお、2月や4月に春めいた気温になる地域には、3月であっても春情の候は使わない方がよいかも知れません。
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