暮夏の候を使う時期や読み方、使い方と例文、結びについて解説しています。
暮夏の候は時候の挨拶の一つですが、暮夏の読み方や意味がわからないと使うのに躊躇してしまいますよね。
時候の挨拶を間違ったタイミングで使ってしまうと、相手に「常識がない人」と思われてしまうかも知れません。
そこで今回は、暮夏の候の使い方を詳しく調べてみました。
暮夏の候を使う時期はいつ?
一般的に中旬とは11日から20日、上旬は1日から10日を指すため、暮夏の候は7月11日から8月10日まで使える時候の挨拶ということになりますね。
ですが、暮夏の候の使える時期については、8月中旬から下旬という見方もあります。
どうして使える時期が2つあるのか、その理由は次の「暮夏の候の意味や読み方は?」と「暮夏の候の正しい使い方」で詳しくご紹介します。
暮夏の候の意味や読み方は?
暮夏を「ぼか」と読むのは難しく感じますが、お歳暮はおせい「ぼ」と読んだり、初夏をしょ「か」と読みますよね。
時候の挨拶は音読みすることが多く、暮夏の候も「ぼかのこう」となりますよ。
夏が暮れると書くことからもわかるように、暮夏とは夏の終わりを指す言葉となっていますよ。
候には時期や時候などの意味があることから、暮夏の候は「夏の終わりの時期になりましたね」という意味になります。
暮夏の候の正しい使い方は?
暮夏の候を始めとした時候の挨拶は、旧暦が使われていた時代に作られたものです。
旧暦では4月、5月、6月が夏に該当し、初夏、仲夏、晩夏となります。
そのため、旧暦の6月が夏の終わりの時期となる暮夏に該当することになります。
旧暦と新暦には1ヵ月ほどズレがあるので、これを新暦に直すと暮夏の候は7月中旬から8月上旬に使える時候の挨拶ということになります。
ですが、実際に7月中旬や8月上旬に「そろそろ夏も終わる時期だな」と感じる人はほとんどいないのではないでしょうか。
むしろ暑さが本番を迎えるタイミングで、暮夏の候は季節感のズレが大きく感じる方が多いようです。
そのため、暮夏の候は時候の挨拶の中ではあまり使われなくなっていきました。
一方で、新暦における「夏の終わり」は、お盆が過ぎたあたりに感じる人が多く、この時期に暮夏の候を使って手紙やはがきなどを送るケースが増えているようです。
ただし、厳密に言うと、時候の挨拶は旧暦に沿って行うものであり、8月7日頃の立秋を過ぎると暦の上では秋となるので、8月中旬や下旬に暮夏の候を使うのは間違いになってしまいます。
暮夏の候を使った例文
暮夏の候のような時候の挨拶は、使い慣れていない方も多く、どのように文章を書けばよいのかわからないですよね。
そこでここでは、暮夏の候をビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合に分けて、それぞれの例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
なお、親しい人には暮夏の候のような時候の挨拶を使う必要はありません。
漢語調とは〇〇の候と書くもので、時候の挨拶の中では丁寧な表現になります。
漢語調の時候の挨拶は、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどに使うのは必須ですが、親しい人に使うと相手がよそよそしさを感じてしまうこともあります。
親しい人に時候の挨拶を使う時は、漢語調よりもカジュアルな口語調を使うのがよいでしょう。
暮夏の候を口語調で書くのであれば、「夏の終わりの時期になりましたね」「うだるような暑さが消え、そろそろ夏が終わる時期になりました」のような書き方でよいでしょう。
暮夏の候の結び文
結び文には季節に関係なく使える定型文がありますが、時候の挨拶と季節感を合わせることで文章全体に統一感や締まりを出すことができます。
暮夏の候は夏の終わりに使う時候の挨拶なので、結び文もそれに合わせた内容がおすすめですよ。
暮夏の候を使った文章の結び文の例文をご紹介します。
暮夏の候を使うときに注意すること
ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどでは、暮夏の候の前に「謹啓」や「拝啓」などの頭語をつけるのがマナーになります。
書き出しがいきなり時候の挨拶になるのは失礼になるので気をつけて下さい。
頭語には様々な種類がありますが、一般的によく使われているのは「謹啓」と「拝啓」になります。
これらには「謹んで申し上げます」という意味があり、相手に敬意を表す表現となりますよ。
また、頭語には結語が対になっているので、頭語をつけたら文章の最後に結語をつける(結び文の例文を参考)のを忘れないようにしましょう。
「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」、「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」となっていますよ。
なお、女性のみ、どの頭語でも結語に「かしこ」を使うことができますが、「かしこ」はややカジュアル印象を与えるため、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどには使わない方がよいでしょう。
暮夏の候以外の8月の時候の挨拶はある?
暮夏の候は、本来の旧暦の時期では季節感がズレすぎていますし、新暦に合わせて使っても「そもそも時候の挨拶は旧暦に沿って行うもの」と悩んでしまうことがあるかも知れません。
そのような場合は、暮夏の候以外の時候の挨拶を選ぶのがよいでしょう。
ここでは、暮夏の候以外に8月に使える時候の挨拶をご紹介します。
猛暑の候
猛暑の候は7月上旬から8月上旬まで使える時候の挨拶です。
気象用語の猛暑日は35度以上を指す言葉ですが、猛暑の候は「ひどい暑さの時期ですね」という意味なので、実際には気温が35度を超えていなくても、暑さが厳しいと感じる時期に使うことができます。
大暑の候
大暑の候は7月22日頃から8月6日頃まで使える時候の挨拶です。
大暑は二十四節気の節気で、大きい暑さと書く通り、一年で最も暑い時期という意味があります。
大暑の前の節気である小暑と大暑を合わせた期間に出す体調伺いを「暑中見舞い」と言います。
立秋の候
8月7日頃から8月22日頃まで使える時候の挨拶です。
立秋とは秋の始まりという意味で、二十四節気の一つになります。
新暦と季節感のズレを感じますが、ニュースなどで聞かれる「暦の上では秋」とは立秋のことを指しています。
処暑の候
8月23日頃から9月7日頃まで使える時候の挨拶です。
処暑も二十四節気の一つで、処には「おさまる」「止まる」という意味があることから、処暑の候は「暑さがおさまってくる時期になりましたね」という意味になりますよ。
初秋の候
8月7日頃から9月7日頃まで使える時候の挨拶になります。
初秋とは旧暦の秋の始まりという意味で、二十四節気の立秋から白露までの期間が該当します。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
暮夏の候のまとめ
暮夏の候は7月中旬から8月上旬に使える時候の挨拶になります。
暮夏には夏が暮れる(終わる)という意味があるため、暦の上で秋となる立秋(8月7日頃)以降には本来は使えないのですが、近年は新暦における夏が終わる時期=8月中旬から下旬という解釈で、暮夏の候を使っているケースが見受けられるようです。
時候の挨拶は旧暦に沿って使うのが正しいものの、暮夏は二十四節気の名称ではないため、実際の季節感に合わせた使い方をしても問題はない、という見方もあります。
実際に暮夏の候をいつ使うのかは、それぞれの判断ということになりつつあるようです。
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