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十五夜と中秋の名月の違いは?

十五夜と中秋の名月の違い

十五夜と中秋の名月の違いと団子やすすきについて!

秋に楽しみな行事と言えば、十五夜のお月見がありますよね。

十五夜は中秋の名月とも呼ばれますが、この2つ、実は全く同じ意味ではないそうです。

それぞれの意味や由来などが詳しく知りたいですよね。

そこで今回は、十五夜と中秋の名月について調べてみました。

十五夜と中秋の名月の違いや、お供え物に欠かせない団子やすすきの意味、うさぎが出てくる理由などをご紹介します。

十五夜と中秋の名月の違い

十五夜とは

十五夜は、現在は中秋の名月=十五夜という意味合いで使われることが多いのですが、本来は十五夜には満月という意味があります。

月は15日周期で新月と満月を繰り返しますので、新月から十五夜目は満月ということになります。
(実際には必ず15日が満月というわけではなく、14~16日の間となります)

そのため、十五夜は8月に限らず他の月でも毎回訪れるものです。

中秋の名月とは

一方の中秋の名月は、旧暦の8月15日の月のことを言います。

中秋の名月の中秋には秋の真ん中という意味があり、旧暦では秋は7~9月となっていることから、真ん中は8月となり、加えて月は15日周期で新月と満月を繰り返して15日は満月になるため、中秋の名月は秋のちょうど真ん中の満月のこと、つまりは旧暦の8月15日を指します。

このようなことから、厳密に言えば世間一般的に行われる秋のお月見は中秋の名月となり、十五夜は満月のことを指す全般的な言葉ということになります。

2024年の十五夜や中秋の名月はいつ?

2024年の十五夜や中秋の名月は、9月17日(金)となります。

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中秋の名月は旧暦の8月15日ですが、旧暦を新暦に直す場合、旧暦と新暦には1ヵ月から1ヵ月半ほどの誤差があると言われています。

これは、旧暦では月の満ち欠けによって日付を決めていたため、1ヵ月が29.5日なのに対し、新暦は太陽の運行によって日付が決まっており1ヵ月は30~31日です。

このようなことから、旧暦と新暦は日付が同じではなく、違いが生じてしまうのです。

記事タイトル:国立天文台 中秋の名月はいつ
参考URL: https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C3E6BDA9A4CECCBEB7EEA4C8A4CF.html

十五夜と中秋の名月は満月なの?


十五夜や中秋の名月には満月のイメージを持っている方が多いと思いますが、月は15日ぴったりで満月になるとは限らず、13.9日~15.6日と時期によって2日ほど差があるのが現状です。

そのため、新月から数えて15日目となる十五夜も、旧暦の8月15日である中秋の名月も、満月に近い日であるのは間違いないのですが、必ずしも満月というわけではないのです。

2024年の場合は、中秋の名月は9月17日で満月は9月18日となっています。

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十五夜の意味と由来


十五夜は、新月から数えて15日目にあたる月のことを指します。

地球から見て月が太陽の前で重なると、月は真っ暗になりほとんど見えませんが、旧暦ではこの日を新月(もしくは朔月)と呼び、今でいうところの1日と決めたのです。

そこから月はおおよそ15日かけて満月となり、それから再び15日かけて新月に戻ります。

昔はこの月の満ち欠けに名前をつけ、日付の代わりにしていました。

例えば、新月から3日目の月を三日月、7日目の月を上弦の月という具合にです。

十五夜もその一つの呼び名のため、十五夜は1月から12月の全ての月に存在します。

それがやがて、一年の中でとりわけ月が綺麗に見える中秋の名月を十五夜と呼ぶようになったと言われています。

中秋の名月の意味と由来


中秋の名月は中国から伝わった風習で、平安時代には貴族の間で旧暦8月15日の満月を愛でる「観月の宴」が行われていました。

毎月訪れる満月の中でも旧暦の8月15日の満月は、秋という季節柄、他の時期よりも空気が澄んでいる分、月がより綺麗に見えたのがその由来と言われています。

しかし、旧暦の8月15日を新暦に直すと9月の中旬から10月の上旬となり、現代におきかえても残暑がまだまだ厳しい時期と言えますよね。

これに対し、日本で独自に生まれた十三夜というお月見の会があり、こちらは旧暦の9月13日(新暦では10月中旬から11月上旬)となります。

秋らしい安定した天気が続く時期のため、十五夜よりも月が綺麗に見えると言われています。

団子やすすきの意味は?


十五夜(中秋の名月)には団子やすすきをお供えしますが、それはどうしてなのでしょうか。

団子

十五夜(中秋の名月)にお供えする団子は、月見団子と呼ばれ、秋は稲の収穫が行われることからお米を原料とした団子を月に見立てて、収穫のお祝いとしたそうです。

なお、月見団子は通常の団子のように丸くなく、少し潰れた形をしているのは、丸い団子は亡くなった人にお供えする枕団子に似ているため、形を変えたと言われています。

すすき

すすきをお供えするのは、すすきには邪気を祓う力があると言われているからです。

また、すすきが稲穂に見えるため、稲穂の代わりにお供えしているとも言われています。

うさぎが出てくる理由は?


十五夜(中秋の名月)と言えば、月でうさぎがお餅をついているという話が有名ですよね。

でも、「どうしてうさぎ?」と不思議に思った方も多いのではないでしょうか。

月にうさぎがいる話の由来は諸説あるのですが、最も有名なのがインドの『ジャータカ神話』。

ある日、うさぎ、猿、きつねの前にお腹を空かせたお釈迦様が老人の姿になって現れ、猿は木に登って木の実をとって捧げ、きつねは川で魚を獲って差し出しましたが、うさぎは自分には何もあげるものがないと、自ら火に飛び込んで「私を食べて下さい」と言いました。

それを知ったお釈迦様は、「こんなに優しいうさぎが死んではならない。月で幸せに暮らしなさい」と、うさぎを月へと送った、という話です。

なお、月でお餅を着いているのは、お釈迦様のためとも、自分の食糧を確保するためとも言われています。

十五夜や中秋の名月の風習


十五夜や中秋の名月の風習と言えば、一般的に広く行われているお月見になります。

時期が秋ということもあり、団子やすすきだけではなく、収穫物をお供えして実りに感謝したと言われています。

なお、お供え物はお供えしている間は食べてはいけないというイメージを持っている方は多いと思いますが、長崎県の一部の地域には、お供え物を子どもが手をつける「まんだかな」という風習があります。

これは、子どもが食べる=お月様が食べると解釈されるためです。

このような独自な風習は長崎県に限らず、各地域に今も残っていると言われています。

お供物はどうしたらいい?


十五夜(中秋の名月)では、団子やすすきの他、その時期の旬の野菜や果物をお供えします。

中でも、中秋の名月は別名「芋名月」とも呼ばれており、さといもの収穫の時期と言われていることから、さつまいもやじゃがいもなどの芋類をお供えするのもよいでしょう。

また、食べ物以外に秋の七草をお供えする方もいます。

秋の七草とは、萩(はぎ)、尾花(すすき)、葛(くず)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)の7種類です。

1月7日に食べる春の七草は有名ですが、秋の七草は詳しく知らないという方が多いかも知れませんね。

ちなみに秋の七草は、春の七草のように食べられず、鑑賞用となっています。

十五夜と中秋の名月の違いのまとめ

厳密には十五夜は満月のことを言い、中秋の名月は旧暦の8月15日の月のことを指します。

満月は毎月訪れるため、十五夜は一年に12回あるということになります。

とは言え、現在では十五夜と言えば中秋の名月をイメージするのが一般的であり、中秋の名月を表す意味で十五夜と言っても意味が通じず困るということはないでしょう。

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