土用卵の効果は?大寒の卵との違いはなに?
夏は夏バテや食欲不振などの体調不良を起こしやすいですが、昔の人は「土用の食い養生」と言って夏バテ防止に栄養価の高い食べ物を食べる風習がありました。
特に有名なのは土用の丑の日の鰻ですが、丑の日には鰻以外にも「う」のつく食べ物を食べるとよいと言われています。
また、土用しじみ、土用餅、土用卵と呼ばれる食べ物も土用の行事食ですが、聞いたことがないという方も多いかも知れません。
そこで今回は土用卵について調べてみました。
土用卵とは一体どんな卵なのか、その効果や食べる時期などをご紹介します。
土用卵の意味や由来
土用卵とは、夏土用の時期に鶏が産み落とす卵のことを言います。
卵は完全栄養食と言われるほど、数多くの栄養成分が含まれている食べ物ですが、中でも夏土用の時期に産み落とされた卵は特に栄養が高いと言われているのです。
夏は暑さで疲労が溜まり、体調不良になりやすいですが、そのような時に昔の人は土用卵を食べて栄養を摂取していました。
夏土用の丑の日に食べる鰻が有名なため、土用と言えば夏を思い浮かべる方も多いと思いますが、土用は立春、立夏、立秋、立冬の前の18~19日間を指すため、夏土用以外にも春土用や秋土用、冬土用があります。
【土用卵】
夏の土用の時期に産まれた卵は特に栄養価が高いと言われており、「土用卵」
と呼びます。
卵は滋養食、完全栄養食とされるほど栄養豊富な食べ物。
薬膳から見ても血を増やし、五臓(特に心)を補養して潤し、イライラや情緒不安定、不眠などに良いとされてます。
うなぎと併せてぜひ! pic.twitter.com/bP4Hcb9rZ6— CoCo美漢方 田中 友也です。 (@mococo321) July 19, 2022
土用卵はいつ食べるの?
土用卵は、夏土用の期間に鶏が産む卵のことを言うので、食べる時期も夏土用の期間中と言うことになります。
卵は一年中販売されていますが、夏土用の時期に産み落とされる卵は特に栄養価が高くなると言われています。
夏土用は二十四節気の立秋前の18~19日間(その年によって変動あり)の期間を指す言葉なので、土用卵を食べるのもその期間になります。
2022年の場合は8月7日が立秋になるので、その前の19日間が夏土用となり、7月20日~8月6日となります。
なお、土用に入る日を「土用の入り」、土用が終わる日を「土用明け」と言います。
土用卵の効果は?
昔は今のようにエアコンも冷蔵庫もない時代でしたから、夏の暑さに打ち勝つのは並大抵ではなかったと推測されます。
庶民は栄養豊富な食べ物を食べて夏を乗り切ったと言われており、中でも卵は欠かせない食べ物でした。
卵には食物繊維とビタミンC以外の全ての栄養成分が含まれており、完全栄養食と呼ばれています。
栄養成分が多いだけではなく、良質なたんぱく質(アミノ酸)とミネラル、ビタミンのバランスがよいことでも知られています。
また、卵に含まれる成分には健康効果が期待できるものも数多くあります。
例えば卵白の部分に含まれている「リゾチーム」という酵素には、強力な殺菌作用があり、市販の風邪薬にも使われているほどです。
さらに、アミノ酸の一種である「メチオニン」は、活性酸素を除去する抗酸化作用に優れた成分で、老化予防や細胞の活性化に役立つと言われています。
なお、卵に含まれる成分は加熱するとビタミンBやレシチンは失われやすくなりますが、その他の成分はそこまで影響がないことがわかっています。
冷蔵庫のない時期に生卵を食べるのは、いくら健康のためとは言え、昔の人も手が出なかったでしょうが、加熱しても十分に栄養が摂れることも、土用卵が夏バテの予防や解消に役立つとされた理由の一つと言えるでしょう。
大寒の卵との違いは?
現在は全国各地に養鶏所があるため、卵は一年中当たり前のようにスーパーなどで購入することができますが、昔はそうはいかず、特に冬の寒い時期は鶏が産む卵の数が減ってしまいます。
しかし、一年で最も寒さが厳しくなる大寒の時期になると、鶏はその寒さゆえに水分を摂る量を控え、代わりに飼料をたくさん食べるため、大寒に産み落とされた卵は栄養価がとても高くなると言われています。
また、数が少なくなる冬場の卵は貴重だったことから、大寒の卵は縁起物と考えられるようになりました。
大寒の卵はたくさん飼料を食べた鶏が産み落とすため、黄身の黄色が色濃くなります。
黄色は風水では金運アップの色と言われています。
このようなことから、大寒の卵は金運や健康運を上げる縁起物として食べられるようになったと言われています。
栄養価がより高い卵を食べたい時は、夏の土用卵、冬の大寒卵と覚えておくとよいでしょう。
土用卵のおすすめレシピ2選!
完全栄養食と呼ばれる卵の中でも、土用卵は特に栄養価が高いと言われています。
夏の暑さを乗り切るためには、土用卵を食べて英気を養いましょう。
そこでここでは、土用卵のおすすめレシピをご紹介します。
土用の丑の日に!う巻き卵
調理時間:20分
材料(2人分)
・酒 大さじ1
■卵液
・溶き卵 2個分
・砂糖 小さじ1
・醤油 小さじ1
・だし汁 大さじ2
・サラダ油 適量
作り方
① うなぎのかば焼きはお酒で両面を洗い流しておき、卵液は材料を混ぜておきましょう。
② うなぎのかば焼きをサラダ油を入れたフライパンで、香ばしく焼きます。
③ 1/4の卵液をサラダ油を入れて熱した卵焼き器に入れ、全体に広げます。
④ 卵液の表面が少し乾いてきたら、向こう側の1/3のところにうなぎのかば焼きを置き、卵で包むようにして手前に巻きます。
⑤ 空いたところにサラダ油をしき、巻いた卵を滑らせて、空いたところにもサラダ油をしきます。
⑥ 卵液の1/3を空いたところや、巻いた卵の下にも流し入れ、卵を巻いていきます。
⑦ 同じ工程を繰り返し、出来上がった卵焼きを巻きすに巻いて形を整えたら、食べやすい大きさにカットして完成です。
参考URL:https://erecipe.woman.excite.co.jp/detail/process/c2effadd5779e534ff16a095635a579d/
料理の特徴
甘い卵焼きに、市販のうなぎのかば焼きを巻くだけで、土用にふさわしい一品に仕上がります。
うなぎの量が少なくて済むだけでなく、土用卵を一緒に食べられるので栄養価もさらにアップ。
土用の丑の日にぜひ食べたいメニューです。
ふんわり♪トロトロうなぎの卵とじ丼
調理時間:40分
材料(4人分)
・長ネギ 2本
・スライス干し椎茸 15g
・水 600ml
・しょうゆ 90ml
・みりん 90ml
・卵 8個
・ご飯 1000g
・きざみのり 適量
・三つ葉 適量
・粉山椒 適量
作り方
① 干し椎茸に水600mlを入れて冷蔵庫で1時間以上置いておきます。
② 長ネギを斜め切りに、うなぎを一口大に切っておきます。
③ みりん、醤油、干し椎茸を戻し汁ごとフライパンに入れてひと煮立ちさせます。沸騰してきたら長ネギを入れ、さらに長ネギがしんなりしてきたらうなぎを入れて蓋をし、5分〜10分うなぎが柔らかくなるまで煮ます。
④ うなぎが柔らかくなったら蓋を外して卵を入れ、時々ゆすりながら火を通し、半熟になったら火を止めます。
⑤ 卵とじをお椀によそったご飯に乗せ、刻み海苔、三つ葉を散らし、お好みで山椒を振って完成です。
参考URL:https://partykitchen.jp/recipe/eel_cooked_with_egg/
料理の特徴
干し椎茸の旨味とうなぎの旨味が相乗効果となり、さらに旨味の深い美味しい丼に仕上がります。
土用の丑の日に、家族全員分のうなぎを用意するのはお金が掛かりすぎるという時でも、このレシピならガッツリ食べ応えのある食事が可能です。
まとめ
土用卵とは、夏土用の期間に鶏が産む卵のことを言います。
卵は通年販売されていますが、この時期の卵は特に栄養価が高いと言われており、昔の人は夏の暑い時期に土用卵を食べることで体調管理を行っていました。
夏土用と言えば丑の日に食べるうなぎがありますが、「うなぎは高いから家族の人数分買うのは大変・・」という場合も、今回ご紹介した卵とうなぎを合わせたメニューなら家計に優しく、なおかつ家族みんなでお腹いっぱい栄養のある食事ができそうですよね。
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