春の七草とは?覚え方は?春の七草粥の由来は何?秋の七草との違いは?
春の七草と言えば、1月7日の人日(じんじつ)の節句に食べる七草粥を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
でも、どうして1月7日に七草粥を食べるのでしょうか。
そもそも、春の七草とは一体なんなのでしょう。
そこで今回は、春の七草について調べてみました。
春の七草の意味や特徴の他、覚え方や、秋の七草との違い、七草粥の由来などを詳しく解説します。
春の七草の覚え方!
春の七草に出てくる草の名前は、タンポポやシロツメクサのように慣れ親しんだものではないため、例え七種類だとしてもなかなか覚えるのに時間がかかりそうですよね。
しかし、これを「5.7.5.7.7」のリズムに当てはめてみると、案外簡単に覚えられるものです。
考えてみれば歌詞も、かなり長い文章を暗記することになりますが、メロディーと一緒だとすんなりと覚えられるという方も多いのではないかと思います。
「せりなずな/ごぎょう/はこべら/ほとけのざ/すずな/すずしろ/これぞななくさ」を「5.7.5.7.7」のリズムで歌ってみましょう。
春の七草を語呂合わせで覚える方法
春の七草を食べる意味は?
春の七草は、1月7日の人日の節句に食べる七草粥に使われる七種類の野草のことを指しています。
春の七草は、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろですが、これらが選ばれた理由については今のところよくわかっていません。
しかし、それぞれには次のような意味が込められていると言われています。
せり
競争に「せり勝つ」という意味で、縁起がよいと言われています。
なずな
「なでて汚れを取り除く」という意味から、厄除けの意味があると言われています。
ごぎょう
はこべら
茎にたくさんの葉がつくことから、繁栄の象徴として縁起物とされています。
また、中国では古くから薬草として知られています。
ほとけのざ
「仏の座」という名前からわかる通り、縁起物として知られています。
すずな
すずしろ
七草粥の由来は?
七草粥は人日の節句に食べられる行事食ですが、中国の「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」が元になっていると言われています。
中国では1月1日を鶏、2日は犬、3日は猪、4日は羊、5日は牛、6日は馬、7日は人を当てはめ、新年の運勢占いをしていました。
また、人の日である1月7日は、例え犯罪人であっても刑罰は行われていなかったと言われています。
1月7日には七種類の野菜を混ぜた汁物を飲んで無病息災を願ったり、官吏昇進がこの日に行われることになり、出世を願って「七種菜羹」が食べられていたと言われています。
一方日本では、お正月に若菜を摘んで食べると邪気が払えると言われていた「若芽摘み」や、1月15日に七種類の穀物を食べる習慣がありました。
これらと「七種菜羹」が結び付き、現在のような七草粥になったと考えられています。
江戸時代には、幕府が人日の節句を1月7日に定めたことで、七草粥が庶民にも広まっていったと言われています。
春の七草の種類や特徴
春の七草の意味がわかったところで、次にそれぞれの特徴を詳しくご紹介します。
せり
セリ科の植物で、独特の香りがあります。
胃腸を丈夫にする効果を始めとして、解熱作用、食欲促進、利尿作用、血圧降下作用など様々な効果があり、ビタミンAやC、カリウムなどの栄養成分を多く含んでいます。
なずな
別名「ぺんぺん草」とも呼ばれ、その辺の道端などにもよく生えているため雑草を思っている方が多いのですが、古くから薬用として民間療法に用いられてきました。
利尿作用や止血作用、解毒作用があると言われており、ビタミンKが多く含まれています。
ごぎょう
キク科の植物で、咳や痰、喉の痛みなどの改善にお茶として、古くから薬用に使われています。
また、昔は草餅と言えばごぎょうの葉が使われていました。
はこべら
ナデシコ科の植物で、中国では古来より腹痛の時に薬草として用いられていました。
この他にも利尿作用や止血作用、鎮痛作用があり、春の七草の中でも効果が多い草として知られています。
また、歯槽膿漏の予防にも使われていました。
ビタミンAやB群、ビタミンC、カリウム、カロテノイド、サポニンなど栄養成分が豊富に含まれています。
ほとけのざ
キク科の植物で健胃や食欲増進などの効果があると言われています。
食物繊維が豊富なため、整腸作用も期待できます。
なお、シソ科にも同じホトケノザという植物がありますが、こちらは食べられません。
すずな
すずなの正式名称はカブです。
アブラナ科の植物で、ビタミンAやB、Cがとても豊富に含まれ、鉄やカルシウムなどのミネラルも多く含んでいます。
胃腸の調子を整えたり、肌の調子を整える効果があると言われています。
白い根の部分と葉の緑の部分では栄養成分が異なるため、七草粥には両方と入れるとよいでしょう。
すずしろ
すずしろは大根のことです。
ビタミンAやC、食物繊維、ジアスターゼやアミラーゼなどの消化酵素を多く含んでいるため、胃腸の調子を整えたり、風邪の予防に効果があると言われています。
春の七草と秋の七草の違いは?
秋の七草は、春の七草のようにお粥などにして食べることはなく、目で見て愛でるだけですが、春の七草に負けず劣らず、昔から日本でも薬用として利用されているものが多くなっています。
ちなみに、秋の七草は次の七種類となっています。
はぎ
秋のお彼岸のおはぎは、このはぎ(萩)が咲く時期だからと言われています。
ちなみに春のお彼岸には牡丹が咲くので、ぼた餅を食べます。
ききょう
武将の家紋に使われることが多く、花言葉には「誠実」や「気品」「清楚」などがあります。
くず
葛切りや葛餅など食用に使われる植物で、くず(葛)の根を乾燥させた葛根は漢方薬に使われています。
ふじばかま
香りが強いため、昔は貴族がお風呂に入れたり、香水の代わりに衣服や髪につけていたと言われています。
おみなえし
美女を圧倒するほど美しいという意味から、女郎花と書いておみなえしと読みます。
また、利尿や鎮痛作用があるとして昔から漢方薬にも使われています。
おばな
十五やにお供えするすすきの別名です。
なでしこ
日本女性を呼ぶ際に使われる「大和撫子」はこの花が由来となっているものです。
秋の七草の覚え方は?
「5.7.5.7.7」のリズムに合わせて、「はぎききょう/くずふじばかま/おみなえし/おばななでしこ/秋の七草」を繰り返して読んでいくと、以外とすんなりと頭に入ってきます。
秋の七草を覚える時に、ぜひ実践してみて下さい。
まとめ
春の七草は、1月7日の人日の節句に食べる七草粥に使う七種類の野草です。
昔は無病息災を願って食べられていましたが、現在はそれ以外に、年末年始の豪華な食事で疲れた胃や腸を休ませるためにも食べられています。
なお、秋の七草もありますが、こちらは春のようにお粥などにして食べることはなく、鑑賞用となっています。
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