外耳道真菌症の症状や原因と治療期間!
耳が痒いからと言って、すぐに耳かきや綿棒で耳掃除をしている方はいませんか?
「痒いのに掃除をして、何がいけないの?」と思うかも知れませんが、痒みの原因が外耳道真菌症の場合は掃除をすることで返って症状を悪化させてしまうことがあるため、注意が必要なのです。
そこで今回は、外耳道真菌症についてご紹介したいと思います。
外耳道真菌症は、発症すると治るまで長期間を要してしまうこともあるので、しっかりと知識を持って対処できるようにしておきましょう。
また、耳の中を清潔に保つために行っている耳掃除も、やり方や頻度によっては外耳道真菌症を始めとした疾患を発症してしまう原因になることがあります。
そのため、今回は耳掃除のポイントについても掲載していますので、是非参考になさってみて下さい。
外耳道真菌症とは?
外耳道真菌症とは、耳の外耳道(穴から鼓膜までの部分)に真菌が生えることを言います。
真菌をわかりやすくいうと、カビです。
つまり、外耳道真菌症とは、耳の中にカビが生えてしまう病気です。
外耳道は、耳かきなどで傷がつきやすく、そこにカンジダ菌やアスペルギルス菌などが付着して繁殖すると、外耳道真菌症を発症します。
耳は、その形状から湿度が高いので、一度カビが発生すると増殖しやすい環境にあると言えます。
外耳道真菌症の症状!痛みはあるの?
- 耳の中が痒い
- 耳が痛い
- 耳だれが出る
- 耳あかが黒や赤など菌糸を含んでいる
- 耳あかや耳だれが臭う
- 外耳道が腫れる
外耳道真菌症の原因は?
外耳道真菌症の原因は、真菌と呼ばれるカンジダ菌やアスペルギルス菌などのカビの増殖です。
通常、耳には自浄作用が働いており、真菌や細菌がむやみに増えないようになっていますが、耳掃除の際に耳の中を傷付けてしまうと、その傷に真菌が付着して繁殖してしまうことがあります。
また、プールや海などで耳に水が入ったままにしておくと、耳の中の湿度が高くなりカビが生えやすい環境になってしまいます。
外耳道真菌症を放置するとどうなるの?
外耳道真菌症は、外耳道に細菌が繁殖して炎症を起こす外耳道炎に似た症状を引き起こしますが、軽症の場合は自然治癒することも多い外耳道炎と比べて、カビが繁殖する外耳道真菌症は我慢できないほどの強い痒みや、外耳道の腫れ、痛みがあるため、多くの方はおかしいと気付いて病院を受診すると思います。
しかし、中には放置してしまい症状を悪化させてしまうケースもあります。
外耳道真菌症を放っておくと、カビが増えることによって耳あかも増えるため、耳が詰まった状態になってしまい、やがて聞こえが悪くなるなど難聴のような症状が現れます。
外耳道真菌症の治療方法は?
外耳道真菌症と診断されたら、専門医による耳の中の掃除や消毒によって、カビの除去を行います。
しかし、カビは少しでも残っているとそこで再び繁殖をしてしまうため、治療は一度で終了ではなく、何度も通院して完全にカビがなくなるまで繰り返して行われます。
治療は、カビの除去及びカビの繁殖を防ぐために耳の中を乾燥させながら、抗真菌薬を使って行っていきます。
なお、通勤や通学時にヘッドフォンをして音楽などを聞いている方がいらっしゃいますが、外耳道真菌症の治療中にはできるだけ耳の中を乾燥させるために、ヘッドフォンの使用は控えた方がよいでしょう。
勿論、耳掃除や耳の中を指で触ることも禁止です。
外耳道真菌症の治療期間
外耳道真菌症の治療には、通常、1ヶ月~数ヶ月ほどの治療期間が必要と言われています。
これは、上記でもご説明した通り、カビは少しでも菌が残っていると再び増殖を始めるため、完全に取り除かなくてはいけないからです。
そのため、症状が治まったからと自己判断で通院を止めてしまうと、耳の中でカビが再度繁殖をしてしまい、完治までの期間をさらに伸ばしてしまうことになります。
外耳道真菌症を予防するにはどうすればいいの?
外耳道真菌症を予防するためには、耳掃除を頻繁に行わないようにするのがよいでしょう。
毎日耳掃除をしないと気が済まない、という方がいらっしゃいますが、過度な耳掃除は耳の中を傷付けるだけではなく、耳が本来持っている自浄作用も妨げることになります。
専門医の中には、耳あかは自然に排出されるため、耳掃除を行う必要がないという方もいらっしゃいますが、どうしても気になるという場合は、2~3週間に1度を目安として行うのがよいでしょう。
また、耳あかは耳の穴から奥に1㎝ほど入ったところにある、耳垢腺というところから分泌されているので、それ以上奥には存在しません。
そのため、耳掃除をする時は耳の穴に近いところにある耳あかを取り除くだけでよいので、奥まで入れて傷をつけたり、耳あかを押しこんでしまわないように注意しましょう。
さらに、プールや海に入った時や、お風呂やシャワーの後は、耳の中をなるべく早く乾燥させるために、タオルなどで優しく水分を拭き取ることも、耳の中をカビの好む湿度にさせないため有効な方法と言えます。
外耳道真菌症はうつるの?
外耳道真菌症は、うつるのかうつらないのかと尋ねられたら、それは「うつる」と言えます。
外耳道真菌症は、カビによる繁殖が原因のため、真菌が付着した耳かきや綿棒を共有することで、他の人へ感染させてしまう可能性があるのです。
そのため、耳掃除をする時は家族間などで、耳かきや綿棒を共有するのは止めましょう。
また、食事や生活習慣が乱れていると、免疫力や抵抗力が低下してしまい、真菌に感染しやすくなることから、日頃から規則正しい生活を送っておくことで、二次感染を防ぐことができます。
まとめ
耳の中は、とてもデリケートです。
耳掃除だけではなく、爪や指でひっかくだけでも傷ができて、そこに真菌や細菌が繁殖してしまうことがあります。
また、子どもの場合は耳の症状を上手く伝えることができないため、「耳が痒い」と言われるまま耳掃除を繰り返していると、外耳道真菌症が悪化してしまう可能性もありますので、心配な場合は耳鼻科で耳掃除をしてもらうとよいでしょう。
コメント