夏越の大祓とは?2023年はいつ?茅の輪くぐりの意味や旬な食べ物は?
夏越の大祓とは一体何なのか、由来や意味やこの行事が行われている有名な神社、そしてこの大祓で必ずと行っても良いほど行われる茅の輪くぐりの意味や方法や旬な食べ物についても触れていきます。
これを見れば夏越の大祓の疑問をすべてスッキリと解消することができるでしょう。
夏越の大祓とは?由来は?
夏越の大祓は701年の大宝律令の時に宮中で正式に始まった伝統行事であり、大祓の一種です。
大祓は夏越の大祓と年越の大祓が存在し、半年間ためた心身の穢れや諸々の罪や過ちを祓うという儀式になっております。
この行事は厄難消除以外にも、無病息災や交通安全といったご利益があるとされており非常に有名な行事となっているのです。
ただし、神社によっては名称が変わっており、大祓祭とか大祓神事と呼ばれていることもありますので、注意しましょう。
応仁の乱によって宮中行事としては廃絶されて神仏習合の影響で廃れてしまったのですが、明治時代の太政官布告によって復活したという経緯もあります。
2023年の夏越の大祓はいつ?
基本的に大祓のタイミングは決まっており、十干十二支などでずれるモノではありません。
夏越の大祓は毎年6月30日に行われます。

全国の多くの神社では、6月と12月の晦日に「大祓式」が行われます。
- 6月の大祓、6月30日・・・ 「夏越の祓(はらえ)・夏越の大祓(おおはらえ)」
- 12月の大祓、12月31日・・・ 「年越の祓・年越の大祓」
6月30日に行われる夏越の祓では、1年の前半を無事に過ごせたことに感謝するとともに、半年間の罪や穢れをお祓いし、残り半年も清らかな気持ちで過ごせるよう願う神事が行われるのです。
昔の日本は1~6月で一年が終わって7月1日から新年として扱われ、7~12月で一年が終わるという扱いだったので、今もその名残を受けて大祓は6月30日と12月31日という2回行われているのです。
もちろん、旧暦と新暦では大きな日にちのずれが発生するのですが、明治政府による改暦のタイミングでこの大祓のタイミングは新暦6月30日と12月31日にするとされていたので、今もそのまま採用され続けております。
夏越の大祓に行われる行事
こちらは実際にこの大祓を行っているところのやり方を参考にしましょう。
「大宮八幡宮」さんのやり方をそのまま引用すると下記の通りになります。
まず、宮司にあわせて大祓詞を奏上、その後各自、切麻(きりぬさ)で自己祓いをして、人の形をした形代(かたしろ)で全身をなで、息を三度吹きかけて心身の罪や穢れを移して祓い清め、疫病厄災除けを祈念して、茅の輪(ちのわ)を三度くぐる茅の輪神事を斎行いたします。
他の神社の手順も色々と見てみましたが、大まかな流れは大祓詞を奏上⇒切麻でお祓い⇒形代で体を撫でて、最後に息を吹きかける⇒茅の輪くぐりをする⇒人形をお祓いし清流に流す⇒直会(なおらい)をする、となっているようです。
場所によって多生やり方が違うところもありますが、大まかな流れは変わりませんので覚えておくと良いでしょう。
夏越の大祓に食べる食べ物は?
夏越の大祓で有名な食べ物は氷をイメージしたとされているういろうに魔除けの効果があるとされていた小豆を載せた「水無月」という食べ物です。
ただし、この水無月を食べるという風習は日本全土ではなく、主に京都を主体としたやり方と言われております。
他には「夏越ごはん(https://www.komenet.jp/nagoshigohan/)」といったサイトに、夏越の大祓で推奨される夏越ごはんを紹介しており、伝承に倣ったモノが推奨されるということがわかります。
邪気を祓うためのものや素戔嗚尊をもてなした栗飯が使われるのでしょう。
色々と調べて見ましたが、「夏越の大祓のタイミングでは必ず○○を食する」というルールは見つかりませんでしたので、夏越の大祓を見学したときにその神社で扱っている食べ物を食するという感覚で良いと思います。
夏越の大祓が有名な神社
夏越の大祓で有名な神社は素戔嗚尊のゆかりの神社と言われている兵庫県の広峰神社や広島県の素盞嗚神社、車での茅の輪くぐりができる茨城県の笠間稲荷神社でしょう。
他にも東京都渋谷駅から徒歩5分の金王八幡宮でも夏越の大祓は行っておりますし、大宮八幡宮の大祓や京都府の八坂神社の大祓も有名です。
基本的にこの夏越の大祓は日本全国各地の神社で行われている行事となりますので、気になるという方は最寄りの神社の予定や日程を確認してみると良いでしょう。
夏越の大祓いの茅の輪くぐりの意味は?
夏越の大祓をある程度本格的に行う神社では、茅の輪が用意されます。
この茅の輪はしめ縄でできており、穢れを締め出して神聖な場所を守るという意味があるのです。
この茅の輪をくぐるということはくぐることで自分の心身にとりついてしまっていた穢れを置き去りにするという意味があります。
茅の輪くぐり以外にも形代を使って自分の罪や汚れを移して我が身の代わりに身を清めるという儀式も大祓には入っていますので、ひたすらに穢れを落とす行事が含まれていると考えましょう。
ちなみに、この形代には車の形をした車形というのも存在しており、こちらがいわゆる交通安全のために用いられるものとなっています。
ちなみに、この茅の輪くぐりは素戔嗚尊が旅の途中に宿に泊めてもらった時にそのお礼として茅の輪くぐりを教えたというのが由来で、本来は小さな茅の輪を腰に下げるというスタイルだったようです。
これが江戸時代に入ると巨大化して茅の輪くぐりという神事が誕生したと言われております。
茅の輪のくぐり方
参考URL:https://hotokami.jp/articles/158/
これは口で説明するよりも、上記サイトにあったやり方を示した図を見るのが一番わかりやすいです。
簡単に記載すると、左回り⇒右回り⇒左回り⇒またいでくぐってお参りという形になります。
また、くぐる前には一礼する必要があるので正確には「一礼してから左回り⇒一礼してから右回り⇒一礼してから左回り⇒一礼してからまたいでくぐってお参り」となるでしょう。
また、茅の輪くぐりをするときは「水無月の夏越の祓する人は ちとせの命のぶといふなり(参考:茅の輪くぐり」唱え詞【公式】諫早神社)」といったご神歌を唱いながらやるといったルールも存在していますが、神社によって歌の内容が異なるところもあるようです。
茅の輪くぐりの作法を教えて!
基本的には先に紹介したやり方をそのまま踏襲するのが正解なのですが、場所によってやり方が異なったり、細かいルールが付随することがありますので随所神社に確認した方が良いです。
たとえば、
「一礼してから左回り⇒一礼してから右回り⇒一礼してから左回り⇒一礼してからまたいでくぐってお参り」
という順番ではあるけど、左回りのときは左足からまたいで右回りの時は右足からまたぐというルールの神社も存在しますし、
「一礼してから左回り⇒一礼してから右回り⇒一礼してからまたいでくぐってお参り」
のように一周少ないケースも存在しているようです。
他にも神社むけの細かいルールがあります。
神社に入るときは鳥居や門の前で一礼するとか、参道の真ん中は神様の通り道なので避けるとか、手水舎がある場合はそこで一礼して途中ですくい直さないように多くすくって絶対に直接口にはつけないとか色々とありますので、神社に行き慣れていないという人はそちらの勉強も必須でしょう。
夏越の大祓と年越の大祓の関係
夏越の大祓や年越の大祓とセットで考えられることが多いですが、それは二つとも「天下万民の罪穢を祓うための神事」だからです。
基本的にやることは「穢れを祓う事」であり半年間の厄災を祓い清める対となっている存在なので、同じく非常に大事な神事といえるでしょう。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は夏越の大祓について詳しく解説しました。
夏越の大祓は日本全国各地の神社で開催されていますが、神社によって規模がだいぶ異なっていますので随時チェックする必要はあります。
この規模の大きさを調べる簡易的な方法は茅の輪くぐりがあるかどうかですので、近くの神社で大祓を本格的に見たいという人は茅の輪くぐりの有無を確認しましょう。
コメント