還暦と厄年が重なりますが、お祝いをした方がよいのでしょうか。
還暦のお祝いと厄年の厄払いは別に行うべきなのか悩みますよね。
厄払いに行く時のマナーも気になります。
そこで今回は、厄年と重なってしまう還暦のお祝いについて調べてみました。
還暦と厄年が重なるけどお祝いをした方がいい?
結論から言うと、還暦のお祝いが厄除けになるのでお祝いはした方がよいでしょう。
それではどうして還暦のお祝いが厄除けになるのか、その理由について詳しく解説していきます。
そもそも還暦や厄年って?
還暦とは干支(十干十二支)が生まれた年に戻る(干支が一周)する年齢である60歳(満年齢)を示します。
一方の厄年は、厄災に遭いやすいため注意深く過ごす年であり、男性は数え年で25歳、42歳、61歳が本厄になります。
数え年は満年齢に+1歳になるので、厄年の61歳は還暦の60歳と同じになり、還暦と厄年が重なってしまうのです。
女性の厄年については19歳、33歳、37歳とされますが、地域や神社によっては女性も61歳を厄年とするところがあるので、今回は男女ともに61歳を厄年としてお話させて頂きますね。
還暦はお祝いされるものではなく、「振る舞う」ものだった
現代の還暦祝いは、還暦を迎える方の身内や知人などがお祝いの会を主催するのが主流です。
しかし昔は、還暦を迎える本人がお祝いの場を設けていました。
還暦と厄年が重なることから、本人が会を主催することで「厄」を周囲の人に少しずつ持ち帰ってもらうという意味があったと言われています。
これを「還暦振る舞い」と言い、「還暦振る舞い」は「厄払い」や「厄落とし」と同じ意味がありました。
どうして今は「還暦祝い」なのか
冒頭にお伝えした通り、地域や神社によって男性のみが61歳を厄年とし、女性は還暦祝いと厄年が重ならないところもあります。
つまり、男女でお祝い方に違いが出ていたのです。
しかし、男女平等の浸透などによって、現在は男女ともに性別を問わない「還暦祝い」を行うところが増えてきています。
とは言え、還暦祝いにも振る舞いと同様に厄落としの意味があることから、還暦のお祝いをすることで厄払いになると言われています。
赤いちゃんちゃんこを渡す意味は?
先ほどお伝えしたように、還暦には干支が生まれた年に戻り一周するという意味があります。
赤ちゃんの時と同じ干支になることから、暦が還る=還暦と呼ぶようになりました。
昔は今と違い、多くの赤ちゃんが生まれてまもなく命を落としてしまったり、寿命が短く、60歳まで生きることは大変なことでした。
このようなことから、生まれた赤ちゃんには厄除けの効果があるとされる「赤」のものを見つける風習がありました。
中でもちゃんちゃんこは、袖の部分がないので赤ちゃんも動きやすく、親もお世話がしやすい上に防寒着になるため、重宝されていたと言われています。
そのため、赤いちゃんちゃんこを身に付けている赤ちゃんが多かったそうです。
還暦ではこの風習を元に、赤ちゃんとして生まれ変わり第二の人生を歩む方へ、厄除けの意味を込めて赤いちゃんちゃんこを贈るのですね。
還暦「振る舞い」ではなく、還暦「祝い」が厄除けになると言われているのは、まさにこの赤いちゃんちゃんこのおかげと言えるのです。
還暦に厄払いをする時の方法!
①還暦還暦祝いを以て厄払いとすること
赤いちゃんちゃんこを始め、赤い頭巾や赤い座布団などを還暦祝いに贈られることで厄を祓うことができます。
近年の還暦では、60歳と言っても心身ともに若々しい方が多いので、赤いちゃんちゃんこや頭巾は好まないというケースも増えてきましたが、代わりに赤い花束や普段使いできるコップ、洋服など、ちゃんちゃんこにこだわりすぎず、本人の希望に合わせて赤いものを贈ってもOKという流れになってきています。
②神社やお寺で「年祝い」をしてもらうこと
「年祝い」とは還暦を始まりとした長寿祝いのことを言います。
70歳の古希、77歳の喜寿など、年齢に応じて神社やお寺でお祓いを行います。
還暦に厄払いをする時は、この「年祝い」を行うことで厄を落とすことができますよ。
厄払いの基本的なマナー
神社やお寺で厄払い(※)を行う時は、どのようなことに注意するとよいのでしょうか。
ここでは、厄払いの基本的なマナーをご紹介します。
基本的には予約は不要
神社やお寺で厄払いを行う時は、予約は必要としないところが多いです。
ただし、厄払いで有名な神社やお寺の場合は、事前予約が必要となるケースもあるようです。
厄払いに行く予定の神社やお寺では予約が必要なのか、調べておくとよいでしょう。
また、厄払いを行っている時間帯も神社やお寺によって変わるので、時間も併せて調べておくとよいですよ。
服装の決まりはないがTPOを考える
儀式の時には本殿や本堂に入るので、神様(仏様)の前に行きます。
そのため、服装は普段着ではなく、男性は礼服やスーツ、女性も礼服やスーツかワンピースがよいでしょう。
改まった服装が用意できない時は、落ち着いた色合いのものを着ていきます。
派手な柄や露出の激しい服装は避け、TシャツやミニスカートのようなカジュアルなものはNGです。
また、靴を脱いで上がるので素足ではなく、靴下やストッキングを穿きましょう。
神社やお寺によっては服装が決まっているところもあるので、事前に確認するようにして下さい。
初穂料を用意する
初穂料とは、厄払いのご祈祷のお礼として神社に支払うものです。
お寺の場合は御祈祷料と言います。
初穂料や御祈祷料は、神社やお寺によって多少変わりますが、5,000~10,000円が相場となります。
初穂料や御祈禱料を支払う時は、現金をそのまま渡すのではなく、ご祝儀袋に入れて渡すのがマナーです。
ご祝儀袋の表書きには「初穂料」や「御祈禱料」と書き、下に祈祷を受ける方の名前を入れて下さい。
(※)正確には神社で受けるものを「厄払い」、お寺で受けるものを「厄除け」と言い、意味合いにも多少の差があります。厄払いはこれから降りかかってくる災難を除け、厄除けは厄が降ってくる前に予防として行う、というニュアンスの違いがあります。
厄払いはいつ行けばいいの?
厄払いは新年の始まりに行う方が多いですが、必ずこの時に行かなければいけないわけではありません。
都合がつかなければ、後から都合のつく時に行って構いません。
ただし、時期が遅くなると厄払いの意味がなくなってしまうので、できるだけ早いうちに行くのがよいでしょう。
一般的には、節分までに厄払いを行うとよいと言われています。
節分は旧暦の新年にあたるため、節分までに厄払いを済ませておけばよいという考え方からですね。
まとめ
還暦は厄年が重なりますがお祝いをすることで厄払いが行えます。
還暦のお祝いでは、ご自宅で家族と食事会をしたり、レストランや料亭、旅行に出かける事もあると思いますが、どのようなお祝い方でも大丈夫です。
赤いちゃんちゃんこや頭巾を身に付けたり、赤いものをプレゼントされることで厄を祓うことができます。
それだけでは不安という方は、神社やお寺で年祝いのご祈祷を受けるとよいでしょう。
料金相場は5,000~10,000円となっており、基本的には予約なしで当日に受けることができますが、念のためにホームページなどで確認しておくのがよいでしょう。
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