紅葉の候を使う時期と使い方や読み方を、例文や結び文と併せて解説しています。
紅葉の候は秋に使える時候の挨拶ということはわかりますが、具体的にいつくらいに、どのように使うのが正しいのでしょうか。
時候の挨拶はマナーの一つのため、間違わずに使いたいものですよね。
そこで今回は、紅葉の候について詳しく調べてみました。
紅葉の候を使う時期はいつ?
紅葉の候は10月上旬から11月上旬に使える時候の挨拶になります。
具体的には例年10月7~8日頃の寒露から、11月7~8日の立冬までとなりますよ。
寒露や立冬は二十四節気と呼ばれる季節の名称です。
旧暦時代に作られたもので、一年を24等分にしてそれぞれに季節にちなんだ名称をつけることで、主に農作業の目安(種まきや収穫など)にしていたと言われています。
紅葉は秋の始まり(初秋)や半ば(仲秋)ではなく、秋の終わり(晩秋)に見ごろを迎えるため、二十四節気の秋の名称の中でも晩秋に該当する寒露と霜降の時期に、紅葉の候を使うのが一般的と言われています。
紅葉の候の意味や読み方は?
紅葉の候は「こうようのこう」または「もみじのこう」と読みます。
どちらで読んでも正しいのですが、語感的には「こうようのこう」の方がしっくりきますよね。
紅葉は葉が赤や黄色に色づくという意味があり、候には時候や気候、季節などの意味があります。
このようなことから、紅葉の候は「木の葉が赤や黄色に色付く時期になりましたね」という意味になりますよ。
紅葉の候の正しい使い方は?
全国ニュースなどでは、11月中旬くらいになると関東周辺の山や街路樹が一斉に色付き始めるため、「紅葉の候は11月中旬以降に使うべきなのでは?」と思うかも知れません。
しかし、時候の挨拶は旧暦に基づいて使われるのが一般的であり、二十四節気では、例年11月7~8日に立冬を迎えます。
立冬とは冬の始まりと意味するため、秋の季語である紅葉を使った時候の挨拶はふさわしくないと言えるでしょう。
日本では古くから春は花見、秋は紅葉が行われてきましたが、近年は桜の咲く時期が早まり、紅葉は遅くなっているように思えます。
そのため、紅葉の候が使える10月上旬は木々が青々をしている地域も多く見られます。
このような場合、マナー的には紅葉の候を使っても問題はないのですが、状況と照らし合わせるとやはり違和感を覚える方も多いものです。
そこで、10月上旬は使わず、実際に紅葉が始まる地域が増えてくる10月中旬以降に、紅葉の候を使うことも多いようですね。
紅葉の候を使った例文
紅葉の候を時候の挨拶に使った手紙やはがきを送るとしても、送る相手が違えば文章の内容や言葉使いは変わりますよね。
そこでここでは、紅葉の候を使った例文を、ビジネス、目上の人、親しい人に分けてご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
紅葉の候の結び文
ビジネスでは「末筆ながらますますのご活躍をお祈り申し上げます」などの定型文がありますが、時候の挨拶に紅葉の候を使った場合は、秋にちなんだ言葉を入れることで文章全体に統一感が出ておすすめです。
ここでは、紅葉の候を使った時の結び文の例文をいくつかご紹介します。
紅葉の候を使うときに注意すること
紅葉の候は漢語調と呼ばれる表現で、時候の挨拶の中ではとても丁寧な言い方になります。
そのため、文章の初めに「紅葉の候、~・・」のように入れるだけでOKと思ってしまう方もいるのですが、実は時候の挨拶だけでは丁寧さに欠ける場合があります。
具体的には、会社関係者(上役や取引先など)や、目上の人への手紙やはがきには、時候の挨拶の前に頭語を付ける必要があります。
頭語とは「拝啓」や「謹啓」などのことで、「拝啓」や「謹啓」にはつつしんで申し上げますという丁寧な意味があります。
そして、文章に頭語を入れたら必ず結語が必要になりますよ。
「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」、「拝啓」よりもさらに丁寧な言い方である「謹啓」の結語は「謹白」もしくは「謹言」になります。
いきなり時候の挨拶から入ってしまうのは、失礼になるので気を付けてくださいね。
なお、友達や知人などの親しい間柄では必ずしも頭語は必要ではありません。
紅葉の候以外の10月の時候の挨拶はある?
紅葉の候は10月上旬の寒露から11月上旬の立冬まで使うことができる時候の挨拶ですが、実際に紅葉が始まっていないと使いにくい面もありますよね。
そこでここでは、紅葉の候以外の10月に使える時候の挨拶をご紹介します。
清秋の候
10月初旬から下旬まで使える時候の挨拶になります。
清秋の候には「空が清らかに澄み渡った秋の季節」という意味があることから、紅葉の有無の関係なく使える時候の挨拶になります。
寒露の候
10月上旬から下旬に使える時候の挨拶です。
寒露は二十四節気の一つで、例年10月7~8日頃に該当するため、10月8日以降に使うのがよいでしょう。
寒露には「霜が降りそうなほど寒くなりましたね」という意味がありますよ。
また、使い終わりは次の節気である霜降(例年10月22~23日頃)までになります。
菊花の候
10月上旬から11月上旬に使える時候の挨拶です。
菊は品種改良が進み、現在は6月~11月と長い期間楽しめる花となっていますが、元々は「春の桜、秋の菊」と言われるほど秋を代表する花です。
1ヵ月ほど使うことができる時候の挨拶なので、菊が見ごろになるタイミングで使ってみるのがよいでしょう。
錦秋の候
10月上旬から11月上旬の立冬まで使える時候の挨拶になります。
錦秋の候の錦秋とは、紅葉が錦の織物のように美しいという意味があることから、紅葉がさらに進んで最盛期を迎えている時期という意味になりますね。
そのため、紅葉が始まってすぐではなく、やや時間が経ってからの方が言葉のイメージとぴったり合いやすいかも知れません。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
紅葉の候のまとめ
紅葉の候は10月上旬の寒露(例年10月7~8日頃)から、11月上旬の立冬(例年11月7~8日頃)に使える時候の挨拶です。
ただし、近年は紅葉の始まりが遅くなっていて、北海道や東北でお10月中旬以降となっていますよね。
そのため、紅葉の候を時候の挨拶に使う時は、実際に紅葉が始まる10月中旬以降に使うのがおすすめです。
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