霜寒の候を使う時期や読み方、使い方と例文、結びについて解説しています。
霜寒の候を初めて聞いたという方でも、霜や寒という字から何となく意味を察することができるのではないでしょうか。
とは言え、霜寒の候は霜が降りれば使ってよい時候の挨拶なのか気になります。
時候の挨拶は使うタイミングを間違えなくないですよね。
そこで今回は、霜寒の候の使い方を調べてみました。
霜寒の候を使う時期はいつからいつまで?
霜寒の候は使える時期が明確に決まっているわけではありません。
ですが、一般的に気温が下がって霜が降りるようになる11月~12月に使える時候の挨拶として活用されています。
温暖化などの理由から、年々、冬になっても気温が下がらず霜が降りない地域もありますが、11月中旬くらいになると冷え込みが強くなって霜が降りるところが増えるのではないでしょうか。
そのため、霜寒の候を使うタイミングとしては11月中旬から12月上旬くらいがベスト(現在の気候と合わせると)と言われていますよ。
なお、12月中旬であっても霜が降りて寒い状況であれば、霜寒の候を使っても特に問題はないようです。
霜寒の候の意味や読み方は?
霜は『しも』寒は『さむ(い)』と読みたくなりますが、時候の挨拶は音読みすることが多く、霜寒の候も全て音読みで「そうかんのこう」が正しい読み方になりますよ。
霜寒とは気温が下がって空気が冷え、霜が降りる寒さという意味で、候には時期や時候などの意味があることから、霜寒の候は「霜が降りるほど寒さが厳しい時期になりましたね」という意味があります。
霜寒の候の正しい使い方は?
霜寒の候は11~12月に使える時候の挨拶ですが、時期が合っているからといって必ず使える時候の挨拶ではありません。
時候の挨拶の中には二十四節気の名称にちなんだものがあり、その場合は実際の状況と違っても該当する期間に時候の挨拶を使うことができます。
しかし、霜寒の候は二十四節気の名称ではないため、手紙やはがきなどを送る相手の住んでいる地域の状況に合わせて使うことが大切です。
例えば、沖縄などの温かい地域では霜が降りることは滅多にないので、沖縄に住んでいる方に使う時候の挨拶としては、霜寒の候はふさわしいとは言えない可能性があります。
また、北海道や東北などの寒い地域では、霜が降りてからまもなくして雪が降り積もることがあります。
このような場合も、霜寒の候よりも状況に合った時候の挨拶を使うことをおすすめします。
霜寒の候を使った例文
霜寒の候に限ってはいませんが、時候の挨拶を使って手紙やはがきなどを送る時は、相手の方に失礼のないように心掛けたいもの。
特にビジネス関係者や目上の人に対しては、正しいマナーで文章を作成したいですよね。
とは言え、霜寒の候のような言葉遣いは普段使い慣れていないため、どのように書き出せばよいか悩んでしまう方は多いでしょう。
そこでここでは、霜寒の候を使った例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
なお、親しい人に使う場合には、必ずしも漢語調(霜寒の候)を使う必要はありません。
漢語調の時候の挨拶はビジネス関係者や目上の人などには使いますが、親しい人に使うとよそよそしさを感じてしまうこともあるようです。
親しい人には漢語調よりもカジュアルに使える口語調を使ってもよいでしょう。
その場合、霜寒の候の部分を「霜の降りる寒い日が続く時期になりました」のような書き方でよいでしょう。
霜寒の候の結び文
結び文には季節に関係なく使うことができるビジネス定型文もありますが、時候の挨拶の季節感に合わせた結び文を入れると文章全体に統一感を持たせることができますよ。
ここでは、霜寒の候を時候の挨拶に使った場合の、結び文の例文をご紹介します。
霜寒の候を使うときに注意すること
霜寒の候を使うときに注意したいのは、手紙やはがきなどを送る相手によっては文章の書き出しに頭語をつける、ということです。
頭語には「こんにちは」という意味があり、いきなり時候の挨拶から入るよりも丁寧な文章になります。
頭語には様々な種類がありますが、一般的によく使われているのは「謹啓」と「拝啓」になりますよ。
これらは「謹んで申し上げます」という意味で、相手に対する敬意を表すことができます。
また、頭語には結語が対になっており、文章の冒頭に頭語をつけたら、終わりは結語で締めるのがマナーです。
「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」、「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」と決まっているので、合わせて覚えておくとよいでしょう。
なお、女性のみですが、どの頭語でも結語に「かしこ」をつけることができます。
ただし、「かしこ」はややカジュアルな印象を与えるため、ビジネス関係者や目上の人に使うのは避けた方がよいでしょう。
霜寒の候以外の11月の時候の挨拶はある?
霜寒の候は、実際に霜が降りていないと使いにくい時候の挨拶と言えます。
そのため、霜寒の候以外に11月に使える時候の挨拶が知りたい方は多いでしょう。
そこでここでは、11月に使える霜寒の候以外の時候の挨拶をご紹介します。
初霜の候
10月下旬から11月上旬まで使える時候の挨拶です。
二十四節気の霜降から立冬の期間に使える時候の挨拶なのですが、現代の季節感に合わせて11月中旬から下旬に使っても問題はないとされています。
初霜とは初めて霜が降りるという意味ですが、霜が降りる時期は地域によって異なります。
そのため、初霜の候が使える時期でも、手紙やはがきなどを送る地域の状況に合わせて使うのがよいでしょう。
立冬の候
11月上旬から中旬に使える時候の挨拶です。
立冬とは暦の上の冬の始まりという意味があり、二十四節気の一つになります。
二十四節気は期間が決まっており、立冬の候は具体的には11月7日頃から21日頃に使える時候の挨拶になりますよ。
小雪の候
11月下旬から12月上旬に使える時候の挨拶です。
小雪は二十四節気の名称の一つで、具体的には11月22日頃から12月7日頃までが該当します。
小雪には雪が降り始める時期という意味がありますが、二十四節気の名称にちなんでいることから、実際に雪が降り始めていなくても使える時候の挨拶です。
冷雨の候
11月全般に使える時候の挨拶です。
冷雨とは文字通り冷たい雨を指す言葉ですが、時候の挨拶として使う場合は晩秋から初冬にかけて降る雨を指しています。
孟冬の候
11月上旬から12月上旬に使える時候の挨拶です。
孟には始まりという意味があり、孟冬とは暦の上の冬の始まりである初冬を指す言葉です。
旧暦では冬を初冬・仲冬・晩冬に分け、初冬は二十四節気の立冬から小雪の終わりが該当します。
そのため、孟冬の候は11月7日頃から12月6日頃まで使える時候の挨拶になりますよ。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
まとめ
霜寒の候は11~12月に使える時候の挨拶です。
ただし、明確に使える期間が決まっているわけではなく、手紙やはがきなどを送る相手の地域が霜の降り始めの寒い状況であれば、12月中旬くらいまでは使っても大丈夫のようです。
また、例え11~12月中であっても霜が降りるほど寒くない場合や、すでに雪が降り積もっているような時は使わない方がよいでしょう。
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