爽秋の候を使う時期はいつ?意味や読み方と使い方や例文!

爽秋の候

爽秋の候を使う時期や読み方、使い方と例文について解説しています。

爽秋という言葉自体は聞いたことがなくても、文字から何となく意味は推測できそうですが、時候の挨拶で使うのであれば正確な意味や使える時期を知りたいですよね。

そこで今回は、爽秋の候の使い方を詳しく調べてみました。

目次

爽秋の候を使う時期はいつ?


爽秋の候とは、日本の伝統的な時候の挨拶の一つであり、秋の爽やかな気候を表現する美しい言葉です。

この挨拶が使用される期間は、一般的には9月中旬から10月上旬とされています。

しかし、もう少し具体的に見ていきましょう。

まず、「中旬」とは月の11日から20日を指し、「上旬」は1日から10日を指します。

したがって、「爽秋の候」を使う時期は9月11日から10月10日までとするのが一般的です。

この時期は、夏の暑さが和らぎ、秋の爽やかな風が感じられる頃であり、自然の美しさが一層引き立つ季節でもあります。

また、地域やその年の気候によって若干のずれが生じることもありますが、概ねこの期間が目安となります。

この時期には、秋の涼しさとともに紅葉の始まりや、秋の味覚が楽しめる季節の移り変わりを感じることができます。

爽秋の候の意味や読み方は?


「爽秋の候」は「そうしゅうのこう」と読みます。

この読み方は、漢字の音読みを用いており、多くの時候の挨拶も同様に音読みされることが一般的です。

「爽秋」は「そうしゅう」、「候」は「こう」とそれぞれ音読みされるため、合わせて「そうしゅうのこう」となります。

爽秋の意味

「爽秋」とは、文字通り「爽やかで心地よい秋」という意味があります。

夏の暑さが和らぎ、涼しく澄んだ空気が広がる秋の季節を感じさせる表現です。

この時期には、空が高く澄み渡り、秋の風が心地よく感じられます。

また、紅葉が色づき始め、美しい自然の風景が広がります。

一方、「候」という言葉には、「時期」や「時候」などの意味があります。

これは、手紙や挨拶文などで使われる季節を示す言葉として用いられます。

そのため、「爽秋の候」には「爽やかで心地よい時期になりましたね」という意味が込められているのです。

数字で見る爽秋の候

日本気象協会によると、東京の平均気温が9月中旬から10月下旬にかけて20度を下回る頃が「爽秋」と言われています。

この時期は、過ごしやすい気温であることから、多くの人々が秋の行楽を楽しむ季節ともなります。

平均気温(東京)
9月中旬22℃
10月上旬18℃
10月下旬15℃

このように、具体的な気温の変化を知ることで、「爽秋の候」がどのような時期を指すのかがより具体的に理解できます。

「爽秋の候」という言葉は、秋の心地よい季節を美しく表現した日本ならではの表現です。

この時期を感じさせる挨拶文として活用することで、季節感を大切にしたコミュニケーションが可能になります。

涼やかな秋風とともに、心地よい秋の訪れを感じながら、この美しい日本語の表現を楽しんでみてください。

爽秋の候の正しい使い方は?


「爽秋」とは、字の通り「爽やかな秋」を指します。

具体的には、暑さが和らぎ、空気が澄んで気持ちの良い秋の時期を意味します。

日本の新暦では、秋は9月、10月、11月の3か月を指しますが、特に「爽秋の候」が適しているのは9月中旬から10月上旬の時期です。

この時期は、夏の暑さが収まり、過ごしやすい気候が続きます。

なぜ10月中旬以降は「爽秋の候」を使わないのか

10月中旬を過ぎると、秋の深まりとともに気温が一層下がり始めます。

11月に入ると、さらに寒さが増し、冬の訪れを感じることが多くなります。

このような状況では、爽やかな秋というよりも、寒さを意識する季節になり、「爽秋」の表現が適さなくなります。

適切な使用時期とその理由

以下に、「爽秋の候」を使うのに最も適した時期とその理由を表にまとめました。

時期特徴理由
9月中旬夏の暑さが収まり始め、涼しくなる時期爽やかさが感じられるため
10月上旬朝夕の涼しさが心地よく、秋晴れの日が多い過ごしやすい気候が続くため
10月中旬以降気温がさらに下がり、冬の気配が感じられる寒さが増し、爽やかさが薄れるため

このように、9月中旬から10月上旬にかけては、まさに「爽やかな秋」を実感できる時期です。

このため、「爽秋の候」を使うのに最も適しています。

秋の便りや挨拶文に「爽秋の候」を取り入れる際は、この時期感を大切にしてみてください。

秋の始まりの爽やかな風を感じながら、この美しい言葉を存分に活用しましょう。

時候の挨拶を使った具体的な書き方(基本文例)

文例をご紹介しますが、基本的な構成が決まっていますので、まずは基本形をどうぞ。

項目内容
1.頭語拝啓
2.時候の挨拶・書き出し〇〇の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
3.本文・用件本文の内容はここに記入します。手紙を書こうと思った気持ちを思い出しながら、筆を進めてください。
4.結びの言葉〇〇の季節も過ぎましたが、御社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
5.結語敬具
6.日付令和〇〇年〇月〇〇日
7.送り主爽秋太郎
8.宛先〇〇〇〇様

ポイント:

  • 頭語と結語は決まり文句です。これらはそのまま使用します。
  • 時候の挨拶では、季節感を出すことが大切です。季節に合った挨拶を選び、天候や気候に言及して具体的な情景を思い浮かべられるようにします。また、相手の健康を気遣う言葉を加えることで、相手への思いやりを表現します。
  • 句読点やスペースを適切に使い、読みやすい文章を心掛けます。
  • 親しい友人に対しても、基本的な形式を押さえつつ、個人的なメッセージを加えることで、温かみのある手紙を作成できます。

爽秋の候を使った例文


爽秋の候は、手紙やはがきなどで使う時候の挨拶になります。

日常会話やビジネス会話では使わないため、使い慣れていないという方も多く、書き出しに悩んでしまう方は多いでそう。

そこでここでは、爽秋の候を使った例文を、ビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合の3つのパターン別にご紹介します。

手紙やはがきなどを送る相手に合わせて、例文を参考に文章を作成してみましょう。

ビジネスで使う場合

  • 拝啓
    爽秋の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
  • 謹啓
    爽秋の候、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます
  • 啓上
    爽秋の候、貴社におかれましては益々ご発展のこととお慶び申し上げます
  • 粛啓
    爽秋の候、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます
  • 恭啓
    爽秋の候、貴社におかれましては益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます。

目上の人に使う場合

  • 謹啓
    爽秋の候、貴殿におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
  • 拝啓
    爽秋の候、皆様にはご健勝にてご活躍のこととお喜び申し上げます。
  • 敬白
    爽秋の候、先生におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
  • 謹白
    爽秋の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
  • 拝呈
    爽秋の候、皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

親しい人に使う場合

  • 爽秋の候、すっかり過ごしやすくなりましたね。元気にお過ごしですか?
  • 爽秋の候、朝晩はめっきり涼しくなりました。最近はどんな風に過ごしていますか?
  • 爽秋の候、虫の音が心地よい季節になりましたね。お変わりありませんか?
  • 爽秋の候、秋の気配が濃くなってきました。お元気にしていますか?
  • 爽秋の候、秋風が心地よい時節となりました。お仕事や日々の生活は順調ですか?

なお、親しい人に使う場合は、必ずしも爽秋の候を使う必要はありません。

爽秋の候は時候の挨拶の中でも丁寧な表現となるため、親しい人に使うと違和感を抱かれてしまうこともあるからです。

親しい人に爽秋の候を使う時は、「爽やかで心地のよい秋の時期になりましたね」「穏やかな好季節となりました。お元気にしていますか」のような書き出しでもよいでしょう。

爽秋の候の結び文


結び文とは文章の締めくくりに書く文です。

結び文には季節に関係なく使える定型文がありますが、時候の挨拶の季節感に合わせた結び文にすると文章全体に統一感が出ておすすめです。

時候の挨拶に爽秋の候を使うのであれば、結び文も秋の天候や行事にちなんだものがよいでしょう。

ここでは、爽秋の候を使った結び文の例文をご紹介します。

  • 秋空の澄み渡る折、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。敬具
  • 紅葉の美しい季節となりました。皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのことと存じます。謹白
  • 秋の実りの季節、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。草々
  • 秋風が心地よい頃となりました。皆様にはご健勝にてお過ごしのことと存じます。頓首
  • 秋の夜長となり、読書の秋到来でございます。貴社におかれましては、ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。敬白

爽秋の候を使うときに注意すること


秋が深まり、空気が澄み渡るこの季節、「爽秋の候」という表現を用いる機会も増えてきます。

この美しい季節の挨拶を使う際には、以下の点に注意することが重要です。

頭語の重要性と適切な使い方

まず、「爽秋の候」を使用する際には、頭語の有無に気を配ることが大切です。

頭語とは、時候の挨拶の前に添えるもので、「こんにちは」という意味があります。

しかし、ビジネス関係者や目上の方に送る手紙やはがきなどでは、より丁寧な表現が求められます。

このため、「謹んで申し上げます」という意味を持つ「謹啓」や「拝啓」を使うのが一般的です。

頭語を使う際には、結語もセットで使用する必要があります。

頭語と結語は対になっており、それぞれ適切な組み合わせがあります。例えば、

頭語結語
謹啓謹言、謹白
拝啓敬具、敬白

具体的な使用例

具体的には、「拝啓 爽秋の候…」と書き出し、「心落ち着く好季節、秋の夜長を有意義にお過ごしください。敬具」といった形で締めくくるのが一般的です。

このように書くことで、相手に季節の情景を伝えつつ、礼儀正しい印象を与えることができます。

女性特有の結語「かしこ」の使い方

なお、女性のみが使用できる結語として「かしこ」がありますが、これはややカジュアルな印象を与えるため、ビジネス関係者や目上の方に対しては避けた方が良いでしょう。

例えば、友人や親しい間柄であれば問題ありませんが、フォーマルな場面では「謹啓」や「拝啓」とそれぞれの適切な結語を使用することをおすすめします。

これらのポイントを押さえることで、「爽秋の候」という美しい日本語の表現を適切に使いこなし、相手に対する礼儀をしっかりと示すことができます。

季節の移ろいを感じながら、心を込めて挨拶文を書く楽しさも感じてみてください。

爽秋の候以外の9月の時候の挨拶はある?


爽秋の候には「澄んだ空気が過ごしやすい時期になりましたね」という意味があるため、天候などによっては使えない時もありますよね。

爽秋の候以外に9月に使える時候の挨拶を覚えておくと、状況に応じて選ぶことができるので便利でしょう。

そこでここでは、爽秋の候以外に9月に使える時候の挨拶をご紹介します。

涼風の候

涼風の候は8月下旬から9月上旬に使える時候の挨拶です。

涼しい風と書く涼風は、秋の終わり頃の冬に近づく時期の冷たい風ではなく、夏の厳しい暑さがやわらぎ、秋の気配が感じさせる時期に吹く風のことを指しています。

重陽の候

重陽の候は9月1日から9月9日まで使える時候の挨拶です。

重陽とは上巳の節句(ひな祭り)や端午の節句(子供の日)と並ぶご節句の一つで、陽数(9)が重なるため特に縁起の良い日とされていました。

白露の候

白露の候は、9月7日頃から21日頃に使える時候の挨拶です。

白露は二十四節気の一つで、「草や木に白い露がつく時期になりました」という意味がありますよ。

秋分の候

秋分の候は、9月22日頃から10月7日頃まで使える時候の挨拶です。

昼と夜の長さがほぼ同じになる秋分の日がよく知られていますが、時候の挨拶における秋分は二十四節気の一つで、次の節気である寒露までの期間を指しています。

そのため、秋分の候も二十四節気の秋分の期間に使うことができますよ。

仲秋の候

9月7日頃から10月7日頃まで使える時候の挨拶です。

仲秋とは旧暦の秋の半ばという意味で、二十四節気の白露から寒露までの期間を指す言葉です。

Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法

仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。

そのような時はWordを利用してみましょう。

Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。

ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。

手順

①Wordを開きます

②挿入タブをクリックします

③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします

④あいさつ文の挿入を選びます

⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう

⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます

⑦選んだら「OK」をクリックしてください

⑧Wordに選んだ文章が表示されます

ポイント

Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。

挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。

まとめ

爽秋の候は9月中旬から10月上旬頃まで使える時候の挨拶です。

9月上旬はまだ夏の暑さが残る時期であること、10月中旬以降になると季節が冬に近づき、寒さが増してくる時期であることから、使うのは9月中旬から10月上旬までがよいとされています。

秋らしい落ち着いた天気が続いている時に使いましょう。

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