朝寒の候を使う時期はいつまで?意味や読み方と使い方や例文と結びも!

朝寒の候

朝寒の候を使う時期や読み方、使い方と例文、結びについて解説しています。

朝寒は読み方がわからないという方が多いのではないかと思います。

朝が寒いと書くので該当する時期は思い浮かびますが、冬の終わり頃なのか、冬の始まりなのかによって、朝寒の候が使える時期が変わりますよね。

そこで今回は、朝寒の候の使い方を調べてみました。

目次

朝寒の候を使う時期はいつからいつまで?


朝寒の候は10月下旬から11月上旬まで使える時候の挨拶になります。

一般的に下旬は21日から末日、上旬は1日から10日になるので、朝寒の候は10月21日から11月10日まで使える時候の挨拶ということになりますね。

ですが、朝寒の候の場合は11月7日頃までしか使うことができません。

その理由については、「朝寒の候の正しい使い方」でご紹介します。

朝寒の候の意味や読み方は?


朝寒の候は「ちょうかんのこう」と読みます。

時候の挨拶は音読みすることが多く、朝寒の候も音読みで「ちょうかんのこう」となりますよ。

朝寒には季節が冬に近づき、朝の冷え込みが強くなって寒さを感じるという意味があります。

候は時期や時候などの意味があることから、朝寒の候は「秋が終わり、朝に寒さを感じる時期になりましたね」という意味があります。

朝寒の候の正しい使い方は?


朝寒の候には「朝が寒い時期になりましたね」という意味があることから、地域によっては11月中旬や下旬になって「朝が冷え込むようになったから、朝寒の候を使って手紙を書こう」と思うことがあるかも知れません。

ですが、朝寒の候は旧暦の晩秋(二十四節気の「寒露」と「霜降」が該当し、例年10月7日頃から11月7日頃)に使う時候の挨拶であり、晩秋の中でも実際に朝の冷え込みを感じるようになる10月下旬に使うのがよいとされています。

また、地域によっては10月下旬にはまだ朝の寒さを感じないところもあり、11月中旬や下旬に朝寒の候を使えるような気候になることがあるでしょう。

しかし、11月7日頃の立冬を過ぎると暦の上では冬となります。

朝寒の候は秋に使う時候の挨拶のため、実際にいくら朝が冷え込んでいても朝寒の候は使うことはできません。

朝寒の候を使った例文


朝寒の候を使って手紙やはがきなどを送る場合に、どのように書けばよいのかよくわからない方は多いですよね。

特にビジネス関係者や目上の人には細やかな配慮が必要です。

そこでここでは、朝寒の候を使った例文を3つのパターン別にそれぞれご用意しました。

手紙やはがきなどを送る相手に合わせて、例文をヒントに文章を作成してみましょう。

ビジネスで使う場合

・謹啓 朝寒の候、貴社にはますますご清栄の由大慶に存じます。毎々格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
・拝啓 朝寒の候、貴社におかれましてはいよいよご発展の由、心からお喜び申し上げます。平素はひとかたならぬ御愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
・拝啓 朝寒の候、貴社におかれましてはいよいよご隆盛のことと拝察いたしております。日頃は大変お世話になっております。

目上の人に使う場合

・謹啓 朝寒の候、〇〇様におかれましては、益々ご健勝のことと、お慶び申し上げます。
・拝啓 朝寒の候、〇〇様にはいつもお世話になりまして厚くお礼申し上げます。

親しい人に使う場合

・朝寒の候、冬の足音がすぐそこまで聞こえてきました。皆様にはその後、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
・朝寒の候、寝起きに布団から出るのが億劫に感じる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

なお、親しい人には必ずしも朝寒の候を使う必要はありません。

朝寒の候のような〇〇の候の形は、時候の挨拶でも丁寧な表現の漢語調になります。

漢語調は、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどでは使うのは必須になりますが、親しい人に使うと相手によっては堅苦しさやよそよそしさを感じてしまうこともあるようです。

親しい人には漢語調よりもカジュアルな口語調を使うとよいでしょう。

朝寒の候を口語調にする場合は、「日に日に秋が深まり、朝は冷え込みが強くなってきました。風邪など引かずにお元気にしていますか。」のような書き方でよいでしょう。

朝寒の候の結び文


結び文とは手紙やはがきなどを締めくくる文のことです。

相手の繁栄や体調を気遣う内容にし、ビジネスでは季節に関係なく使える定型文もありますが、時候の挨拶の季節感に合わせた結び文を入れると文章全体に統一感が生まれます。

朝寒の候は10月下旬に使うので、気温の低下による体調を気遣う内容や、行楽シーズンの内容を盛り込むとよいでしょう。

ここでは、朝寒の候を使った時の結び文の例文をご紹介します。

・気候不順の折柄、皆様方のご無事息災を心よりお祈りいたします。謹白
・秋涼爽快の好季節、どうぞお健やかにお過ごしください。敬具
・食欲の秋ですが、食べ過ぎにはお互い気をつけましょう。かしこ

朝寒の候を使うときに注意すること


手紙やはがきなどを送る相手がビジネス関係者や目上の人の場合は、朝寒の候の前に必ず頭語をつけるようにしましょう。

頭語には様々な種類があり、手紙やはがきなどの内容などによって選ぶ言葉が変わりますが、一般的によく使われる頭語には「謹啓」と「拝啓」があります。

これらには「謹んで申し上げます」という意味があり、相手への敬意を表すことができますよ。

そのため、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどでは、「謹啓」か「拝啓」を使うことをおすすめします。

また、文章の冒頭に頭語をつけたら、終わりは結語で締めるのがマナーとなりますよ。

頭語と結語は対になっており、「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」、「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」と決まっています。

結語のつけ方は結び文の例文を参考にして下さい。

なお、女性のみですが、どの頭語でも結語に「かしこ」をつけることができますが、「かしこ」はややカジュアルな印象を与えるため、ビジネス関係者や目上の人に使うのは避けた方がよいでしょう。

朝寒の候以外の10月の時候の挨拶はある?


朝寒の候は10月下旬にしか使えないため、10月上旬や中旬に使える時候の挨拶が知りたい方は多いでしょう。

そこでここでは、10月に使える朝寒の候以外の時候の挨拶をご紹介します。

菊花の候

菊花の候は10月上旬から11月上旬に使える時候の挨拶です。

昔から『春は桜、秋は菊』と言われ、菊は秋を代表する花となっています。

清秋の候

清秋の候は10月から11月上旬の立冬の前日まで使える時候の挨拶です。

清秋の候には「高く澄んだ秋らしい空が見られる時期になりましたね」という意味がありますよ。

秋冷の候

秋冷の候は9月下旬から10月中に使える時候の挨拶です。

秋冷の候には「秋が深まり、肌寒さを感じる時期になりましたね」という意味がありますよ。

錦秋の候

錦秋の候は10月上旬から11月上旬の立冬の前日まで使える時候の挨拶です。

錦秋とはまるで錦の織物のように美しい紅葉を指す言葉になっていますよ。

なお、錦秋の候を使う時は、手紙やはがきなどを送る相手の地域の状況(紅葉がピークになっているか)に合わせるのがよいでしょう。

晩秋の候

晩秋の候は10月上旬から11月上旬まで使える時候の挨拶です。

晩秋とは旧暦で秋の終わりを指す言葉のため、晩秋の候には「秋の終わりの時期になりましたね」という意味があります。

なお、旧暦の立冬(11月7日頃)を過ぎると暦の上では冬になるので、11月上旬であっても晩秋の候は使えません。

Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法

仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。

そのような時はWordを利用してみましょう。

Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。

ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。

手順

①Wordを開きます

②挿入タブをクリックします

③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします

④あいさつ文の挿入を選びます

⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう

⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます

⑦選んだら「OK」をクリックしてください

⑧Wordに選んだ文章が表示されます

ポイント

Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。

挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。

まとめ

朝寒の候は10月下旬から11月上旬まで使える時候の挨拶です。

ただし、朝寒の候は晩秋に使える時候の挨拶のため、立冬(毎年11月7日頃)を過ぎると暦の上では冬となり、朝寒の候を使うことはできません。

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