孟冬の候を使う時期や読み方、使い方と例文、結びについて解説しています。
孟冬の候は読み方や意味が難しく、一体いつ使う時候の挨拶なのかよくわからないという方は多いと思います。
冬という字が入っているので冬に使うことは何となくわかりますが、真冬の寒さが厳しい頃なのか、冬の終わりなのかによって使える時期は変わりますよね。
そこで今回は、孟冬の候の使い方を調べてみました。
孟冬の候を使う時期はいつからいつまで？
孟冬の候は11月7日頃から12月6日頃まで使える時候の挨拶になります。
「頃」としているのは、孟冬の候の意味が関係しているからです。
孟冬の候の意味や、孟冬の候の正しい使い方については次でご紹介しましょう。
孟冬の候の意味や読み方は？
孟冬の候は「もうとうのこう」と読みます。
時候の挨拶は音読みすることが多く、孟冬の候も全て音読みで「もうとうのこう」と読みますよ。
孟とは季節の初めという意味があるので、孟冬は冬の初め、つまりは初冬という意味になりますね。
そのため、孟冬以外にも孟春、孟夏、孟秋という言葉もあります。
候には時期や時候などの意味があることから、孟冬の候は「冬の初めの時期になりましたね」という意味がなりますよ。
孟冬の候の正しい使い方は？
孟冬の孟を「猛」と勘違いしてしまい、猛列に寒い冬と思ってしまう方がいるようです。
しかし、孟冬の候の孟は初めという意味なので、初冬が正しい意味になりますよ。
とは言え、11月に入ってすぐに初冬と言われても、「まだ秋なのでは？」「冬の初めはもう少し後の方がしっくりくる」と感じる方も多いでしょう。
この場合の初冬とは、時候の挨拶が作られた旧暦に基づいており、現代の季節感に沿って使うものではありません。
そのため、季節感が違うと感じてしまうのですが、基本的に時候の挨拶は旧暦に合わせて使われます。
なお、旧暦では10～12月を冬としていて、初冬は陰暦10月（二十四節気の立冬から小雪の期間）に該当します。
陰暦と新暦には1ヵ月～1ヵ月半ほどのズレがあるため、陰暦10月は新暦の11～12月になるのです。
そして、旧暦と新暦のズレは毎年変わるので、孟冬の候が使える立冬から小雪の期間も11月7日「頃」から12月6日「頃」となりますよ。
孟冬の候を使った例文
日常会話やビジネスでも、普段はあまり使われることのない時候の挨拶。
そのため、いざ手紙やはがきなどを送る時に、「書き方がよくわからない」「マナーは大丈夫？」と不安になってしまう方が多いですよね。
そこでここでは、孟冬の候を使った例文をいくつかご用意しました。
孟冬の候をビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合の3つのパターン別にご紹介するので、状況に合わせて参考になさってみて下さい。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
なお、親しい人には必ずしも孟冬の候を使う必要はありません。
孟冬の候のような○○の候は、時候の挨拶の中でも丁寧な表現（漢語調）になるため、相手によってはよそよそしさを感じてしまうことがあります。
親しい人に孟冬の候を使う時は、漢語調よりもカジュアルな口語調を使うのがよいでしょう。
孟冬の候を口語調にするなら「暦の上では冬の時期になりましたね」のような書き出しになりますよ。
孟冬の候の結び文
結び文とは手紙やはがきなどを締めくくる文のことです。
結び文には季節に関係なく使える定型文もありますが、時候の挨拶の季節感に合わせた結び文にすると文章全体にまとまりが出ます。
なお、時候の挨拶と結び文に同じ言葉や内容を使うのはNGです。
孟冬の候を使った場合は、結び文には冬の初めといった言葉や内容以外のことを入れるとよいでしょう。
ここでは、孟冬の候を使った時の結び文の例文をご紹介します。
孟冬の候を使うときに注意すること
孟冬の候は時候の挨拶の中でも丁寧な表現（漢語調）のため、使う時はビジネス関係者や目上の人など、マナーに気を遣う相手であることが多いですよね。
ビジネス関係者や目上の人への手紙やはがきなどでは、文章の書き出しがいきなり時候の挨拶はNGです。
必ず頭語をつけるようにしましょう。
頭語とは「こんにちは」の意味があるもので、状況などによって様々な種類があるのですが、一般的にビジネス関係者や目上の人に使われるのは「謹啓」と「拝啓」になります。
これらには「謹んで申し上げます」という意味があるため、相手への敬意を表すことができます。
また、文章の書き出しに頭語をつけたら、終わりは結語で締めるのも大切なマナーですよ。
頭語と結語は対になっており、「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」、「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」と決まっているので、合わせて覚えておくのがよいでしょう。
なお、女性のみですが、どの頭語でも結語に「かしこ」をつけることができます。
しかし、「かしこ」はややカジュアルな印象を与えるため、ビジネス関係者や目上の人には使わない方がよいでしょう。
孟冬の候以外の11月の時候の挨拶はある？
孟冬の候以外にも11月に使える時候の挨拶はあります。
手紙やはがきなどを送る相手の地域の状況に合わせて、季節感のある時候の挨拶を選びたいですよね。
そこでここでは、11月に使える孟冬の候以外の時候の挨拶をご紹介します。
立冬の候
立冬の候は11月7日頃から21日頃まで使える時候の挨拶です。
天気予報やニュースなどで聞かれる「暦の上では冬」とは、二十四節気の立冬を指しており、実際の冬ではありません。
そのため、季節感に関係なく使うことができますよ。
夜寒の候
夜寒の候は11月上旬から12月上旬に使う時候の挨拶です。
夜が寒いと書くため、体感的に真冬に使う時候の挨拶と思ってしまいますが、実際には晩秋から初冬にかけて使われます。
冷雨の候
冷雨の候は11月全般に使える時候の挨拶です。
冷たい雨と書きますが、冷雨とは主に晩秋から初冬に降る雨を指す言葉になりますよ。
小雪の候
小雪の候は11月22日頃から12月7日頃に使える時候の挨拶です。
小雪には雪が降り始める時期という意味がありますよ。
小雪は二十四節気の名称のため、実際に雪が降っていなくても使うことができます。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
まとめ
孟冬の候は11月7日頃から12月6日頃まで使える時候の挨拶です。
孟冬とは冬の初めを指す言葉ですが、時候の挨拶における冬とは二十四節気の立冬から小雪の期間（陰暦10月）を指します。
実際の季節感で使うものではないので注意して下さい。
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